「実勢価格」とは?不動産売買で必須の知識をわかりやすく解説!

不動産投資をしようと考えている方、相続・譲渡された土地を所有している方なら、土地の価格を調べようとしたとき「実勢価格(じっせいかかく)」という用語を見聞きしたことがあるかもしれません。

ただ、以下のような疑問をお持ちなのではないでしょうか。

  • ・そもそも実勢価格の意味は? 販売価格と同じ意味?
  • ・公示価格、路線価との違いは?
  • ・どこで調べられるの?
  • ・どうやって計算すればいいの?

また、すでに実勢価格についてある程度の知識をお持ちであれば、以下について詳しく知りたいと思う人もいるでしょう。

  • ・土地の実勢価格は不動産鑑定士に診断してもらうほうが確実なのか?また、その場合いくらかかるか知りたい。
  • ・少しでも高く売るためには、どんな基準で買取業者を選ぶべきかのポイントを知りたい。

そこでこの記事では、

  • 実勢価格とは?
  • どうやって調べられる?
  • 実勢価格の目安を算出する方法
  • 不動産鑑定士に診断してもらうべき?
  • 高値売却するための買取業者選びのポイントは?

などについて、自身も投資歴10年以上ある筆者が徹底解説します。

この記事を読むことで、実勢価格について基礎知識が身につきます。また、売却を行う際、物件選びをする際に知っておくべきポイントも解説していますので、本書で得た知識を実践で活用していただけます。

本記事が「不動産売買を成功させたい!」という方のお役に立つことができれば幸いです。

1. 実勢価格とは? わかりやすく解説!

実勢価格とは? わかりやすく解説!

まずは「そもそも実勢価格って何?」という人のために、その意味をわかりやすく解説します。

1-1. 実勢価格とは「実際の取引が成立した価格」

実勢価格(じっせいかかく)とは、「実際の取引が成立した価格」のこと。売買が行われるとき、売り手と買い手はそれぞれの希望価格があるわけですが、どこかで折り合いをつけます。最終的に取引が行われた価格が「実勢価格」です。

実勢価格は不動産取引に限った話ではありません。身近なケースで考えてみましょう。

  • 例えば、ドラッグストアで一般的なトイレットペーパー12ロール入りが1000円で販売されていたとしましょう。緊急事態などで需要が急増したときは別ですが、平常時に1000円は高すぎるので誰も買いません。これは「販売価格は1000円だが、実際に取引されていないので実勢価格ではない」ということになります。
  •  
  • 一方、12ロール入りが200円で売られていたらどうでしょう。お客さんはお買い得だと感じて購入するはずです。購入の取引が行われた時点で、200円が実勢価格となります。

このように、

  • ・「販売価格=実勢価格」ではない
  • ・実勢価格とは市場の状況によって変わる

といえます。

1-2. 実勢価格は何のために存在する?

不動産取引における実勢価格は、「過去にいくらで売買されたか?」を意味します。したがって、あなたが気になる不動産の実勢価格を調べることで、いくらで売れるか(買えるか)の参考指標となるわけです。

ただし、不動産取引においては売り急ぎや買い進み、特別の利害関係や縁故関係など個別の事情によって価格に影響を与えることが多いため、実勢価格には幅があり、かつ、曖昧であることが多いといえます。

1-3. 公示価格、路線価、固定資産税評価額との違い

土地を評価したり価格を表す指標には、「実勢価格」「公示価格」「路線価」「固定資産税評価額」があります。この4つを合わせて、「一物四価(いちぶつよんか)」と呼びます。

では、この4つにはどういった違いがあるのでしょうか。
表にすると、以下のようにまとめられます。

  公表のタイミング 所管 用途 目安
実勢価格 その都度 取引当事者 売買価格の参考指標 公示価格の1.1倍
公示価格 毎年3月下旬 国土交通省 ※1 実勢価格の90%
路線価 毎年7月1日 国税庁 相続・贈与時の土地の算定基準 公示地価の80%
固定資産税評価額  毎年4月ごろ
※3年に一度見直し
市町村
(東京23区内は都)
固定資産税・ 登録免許税等の算定基準 公示地価の70%

※1「公示価格とは、土地を取引する際に使われる指標の一つ」です。具体的にいうと以下の場面で使われます。

  1. 一般の土地取引(土地の売買時の目安)
  2. 相続税評価・固定資産税評価の目安
  3. 金融機関の担保評価
  4. 公共用地の取得
  5. 企業が保有する土地の時価評価の基準・指標

なお、公示価格と路線価については、それぞれ以下の記事で詳しく解説しています。知識ゼロの方でもすぐに理解できるようにわかりやすくまとめているので、ぜひチェックしてください。

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1-4. 土地の売買価格は実勢価格をもとに決める

公示価格、路線価、固定資産税評価額……聞き慣れない人からすると、「複雑で難しい!」と混乱してしまったかもしれません。

しかし、基本的な考え方はとてもシンプルです。

不動産売買の際に最も利用されるのは、過去の多数の成約事例をもとに算出される「実勢価格」です。

過去の成約事例が少なく十分な情報が得られない場合、周辺の取引事例や公的データ(公示価格、固定資産税評価額、路線価など)から推定します。

2. 実勢価格はどうやって調べられる?

実勢価格はどうやって調べられる?

実勢価格を調べる最も簡単な方法は、国土交通省が公表している取引価格情報を調べることです。

国土交通省「土地総合情報システム」では、「不動産取引価格情報検索」から実勢価格を検索することができます。

このデータベースは、土地の価格や広さ、建築条件などについて不動産売買をした人にアンケートを取り、具体的な場所が特定されないよう加工したうえで公表されています。

まずは以下のリンクからトップページにアクセスしてみましょう。

では、このサイトを通じて実勢価格を調べる方法をわかりやすく解説していきましょう。

2-1.【STEP1】トップページから「不動産取引価格情報検索」を選ぶ

トップページにアクセスしたら、左上の「不動産取引価格情報検索」(オレンジ色)をクリックしましょう。

【STEP1】トップページから「不動産取引価格情報検索」を選ぶ

 

2-2.【STEP2】検索条件を絞り込んでいく

次のページでは、左から

  • 1. 時期を選ぶ
  • 2. 種類を選ぶ
  • 3. 地域を選ぶ

があります。それぞれ自分が求めたい条件を絞り込みましょう。

【STEP2】検索条件を絞り込んでいく

なお、画面右半分の都道府県をクリックして検索することも可能です。今回は「東京都」をクリックしてみます。

【STEP2】検索条件を絞り込んでいく(東京)

表示サイズは地図の左上にあるグレーの縦長の部分で調整できます。見たいエリアを合わせるには、地図上をマウスでドラッグ、もしくは地図の右下に表示されている広域図をクリックしてください。

今回は拡大して、新宿駅周辺を表示させます。

【STEP2】検索条件を絞り込んでいく(新宿周辺)

 

2-3.【STEP3】調べたい地点の不動産取引価格情報を表示する

次に、調べたい地点の不動産取引価格情報を表示させます。地図上にある「青い四角」が不動産取引価格情報を表しているので、調べたい場所をクリックしてください。(なお、「オレンジの丸」は「公示価格」を表します)

【STEP3】調べたい地点の不動産取引価格情報を表示する

すると、水色の枠で囲まれた部分が表示されます。今回は、「若松河田駅周辺の宅地(土地)」にしていますが、過去5件の取引事例があることがわかります。そして「詳細表示」をクリックすると、以下の画面が表示されます。

【STEP3】調べたい地点の不動産取引価格情報を表示する(若松河田駅周辺の宅地(土地))

一覧には取引価格(実勢価格)以外にも、駅からの距離、坪単価、土地面積、形状、利用目的、前面道路の状況、取引時期などさまざまな情報が表示されます。

この情報をもとに、自分が調べたい土地と近い条件の土地の実勢価格を知ることができます。

ただ前述したとおり、このデータは過去の取引例なので、いまあなたが取引をしたとしても同じ価格になるとは限らないことを覚えておきましょう。

3. 実勢価格の目安を算出する方法

実勢価格の目安を算出する方法

実際価格を最も簡単に調べる方法は、前項で紹介した国土交通省の「土地総合情報システム」を利用することです。

ただし、このデータベースに調べたい土地の情報が載っていないこともあります。
そんな場合は、自分で実勢価格を計算して目安を把握することも可能です。

実勢価格の目安を算出する方法は大きく3つあります。

  1. 「固定資産税評価額」から調べる
  2. 「公示価格」から調べる
  3. 「路線価」から調べる

以下、詳しく見ていきましょう。

3-1.「固定資産税評価額」から調べる

すでに土地を所有していて固定資産税を払っているなら、市区町村から毎年送られてくる「納税通知書」に書かれている評価額を確認するだけで、実勢価格の目安を算出することが可能です。

固定資産税の納税通知書にある「課税明細書」と書かれたページには、「価格」または「評価額」と書かれた欄があります。この金額が「固定資産税評価額」です。

固定資産税評価額は「1-3」の表に書いたとおり、公示価格の70%、実勢価格は公示価格の1.1倍が目安と言われています。したがって、ここから逆算すると以下の式で実勢価格の目安を算出することができます。

実勢価格の目安 = 固定資産税評価額 ÷ 0.7 × 1.1

仮に固定資産税評価額が5000万円の場合……
5000万 ÷ 0.7 × 1.1 = 7857万円が実勢価格の目安となります。

3-2.「公示価格」から調べる

公示価格を利用した計算式は以下になります。

実勢価格の目安 = 公示地価 × 面積 × 1.1

公示価格の調べ方については、以下の記事でわかりやすく解説しているので、ぜひチェックしてください。

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3-3.「路線価」から調べる

路線価を利用した計算式は以下になります。

実勢価格の目安 = 相続税路線価 × 面積 ÷ 0.8 × 1.1

路線価の調べ方については、以下の記事でわかりやすく解説しているので、ぜひチェックしてください。

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4.【Q&A】不動産鑑定士に診断してもらうべき?

【Q&A】不動産鑑定士に診断してもらうべき?.png

  • 「所有する土地を売却したいが、土地の実勢価格は不動産鑑定士に診断してもらうほうが確実なのか? 診断してもらう場合は、いくらかかるのか?」

という疑問に対してお答えします。

4-1. 精度の高い価格は外部に依頼すべき

公示価格や路線価によって実勢価格の目安を算出することができますが、あくまで「目安」でしかありません。ほとんどのケースで実勢価格はあくまで参考に過ぎず、取引価格は実勢価格と同じにはならないのです。したがって、より精度の高い価格を求めたいときは、仲介業者や不動産鑑定士に土地を査定してもらうのも一つの方法です。

仲介業者の多くは査定するサービスを提供しており、ほとんどが無料ですし、査定依頼したからといって必ず仲介契約を結ばなければならないということもありません。

ただし、より精度の高い実勢価格を知るためには、1社だけに査定を依頼するのではなく、複数の不動産会社(3〜6社が理想)に依頼しましょう。一社一社に査定依頼を行うのは非常に手間がかかる作業となるため、一括査定サイトを利用して査定を行うのがおすすめです。

4-2. 不動産鑑定士に依頼した場合、いくらかかる?

不動産鑑定士によって求められる「不動産鑑定評価額」は、実勢価格とは違い、より客観的な「正常価格」を示します。

不動産鑑定の費用はあくまでも目安ですが、20万〜30万円程度です。ただし、鑑定する不動産によって作業量が変わるため一概にはいえません。

ただ、法的な場面で利用できないことを前提とする、つまり不動産の評価額を知りたい場合は、価格調査報告書や意見書のみを作成する簡易的な不動産鑑定でも価格を調べることができます。

簡易的な不動産鑑定の費用は各社バラバラなので、詳しくは各社のホームページを確認してみましょう。見積もりを取るだけなら無料で依頼することもできるはずです。

5.【Q&A】高値売却するための買取業者選びのポイントは?

【Q&A】高値売却するための買取業者選びのポイントは?

  • 「売却したいが、少しでも高く売りたい。そのためにはどんな基準で買取業者を選ぶべきかのポイントを知りたい」

という疑問に対してお答えします。

「いろいろ調べてみたら評価額も査定額も思ったより低かった……」というケースもあるとは思います。特に共有持分、再建築不可、底地、立ち退きなどはネガティブに評価されやすい物件といえるでしょう。

とはいえ、売却を考えている人なら「少しでも高く売りたい」と思うものです。そうした場合、やはり買取業者は「実績」「知見」「スピード感」がどれだけあるかがポイントになるといえます。

あくまで一例ですが、「ソクガイ.jp」はお困り不動産の売却を考えている人向けのサイトです。見積もり、買取までのスピードが非常に速いので、売り急いでいる人にも役立つはずです。

ソクガイ

まとめ

1. 実勢価格とは、実際に取引が成立したときの価格のこと。ただし、販売価格=実勢価格ではない。実勢価格は市場の状況によって値段が変わる

2. 実際価格を最も簡単に調べる方法は国土交通省の「土地総合情報システム」を利用すること。
ただし、このデータベースに調べたい土地の情報が載っていないことも多々あり、その場合は「固定資産税評価額」「公示価格」「路線価」から実勢価格の目安を調べることも可能

3. 精度の高い価格を求めたい場合は「複数の仲介会社に査定依頼を出す」「不動産鑑定士に査定を依頼する」などの方法がある

いかがでしたか。実勢価格は今の価格を知るには最適ですが、情報量が不足することがあります。そんな場合でも、公示価格や路線価などをもとにした簡易計算で目安を算出することができるので、本記事で紹介した計算式を覚えておくと非常に便利です。

この記事を書いた人
山本ゆりえ

山本ゆりえ

ライター・編集者・大家。
木造アパート4棟、重鉄マンション1棟、区分マンション2戸を取得(3棟・区分2戸は売却済)。転貸のレンタルスペース1戸運営中。これまで購入した自宅は3戸。不動産投資の分野を得意とし、これまで関わった不動産関連書籍は100冊を超える。
執筆している記事:MONEY PLUSbizSPA!フレッシュ

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