アパート経営の「失敗事例」から学ぶ、成功の秘訣とは?

「投資」という言葉を聞くと、思わず「リスクが高そう」「自分には無理だ」と思ってしまう人はいないでしょうか。

特に不動産投資の場合、2018年に起こった新築シェアハウス「かぼちゃの馬車」破綻事件を皮切りに、さまざまなネガティブニュースが報道され、その流れはこの記事を執筆している2020年6月現時点でも大きく変わりません。

そのため、「アパート経営って破産する人もいるんでしょ?」「借金をして物件を買うわけだから、失敗=破産になるんでしょ?」という思いを持つ人から、「そもそもアパート経営の失敗例ってどんなものがあるの?」と疑問を抱かれている人もいるでしょう。

そこでこの記事では、投資歴10年以上の現役不動産投資家でもある筆者が【タイプ別】アパート経営の具体的な失敗事例とその予防策について、徹底解説します

はじめにお伝えしておくと、アパート経営にはリスクがあり、実際にアパート経営が原因で破綻している人が出ているのも事実です。

しかし失敗のパターンは基本的に決まっており、どのようなリスクがあり、どう対処・対策をすればいいのかを知っておくことで、いざというときもダメージを最小限にすることができます。

つまり、アパート経営をはじめとする不動産投資では、勉強した(知識を得た)分、リスクを下げられるというシンプルな法則が成り立つのです。

この記事があなたの資産を守るための不安の解消につながれば幸いです。

現状を知るには、アパート経営やマンション経営など不動産投資をしている人の体験談が参考になります。以下の記事では、アパート経営やマンション経営など不動産投資をしている方のブログを厳選してご紹介しています。

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1.【タイプ別】アパート経営の具体的な失敗事例

【タイプ別】アパート経営の具体的な失敗事例
アパート経営は、株式投資やFXと比べると、「資産がゼロにならない、会社勤めでも時間をかけずにできるので、失敗しにくい」といわれています。

しかし、いくら「リスクが少ない」といっても、空室が埋まらなければ家賃収入を得ることができません。また、物件の問題点を見逃していたことで、大きな損をすることもあります。

ここでは、アパート経営の具体的な失敗例を「初心者」「中級者」「地主」に分けて紹介します。もちろん「このリスクさえ気をつければ、あとは何でもOK!」という単純なものではないのですが、予防策も合わせて解説しますので、知っておいて損することはありません。

不動産投資を学び始めて日が浅い方はもちろん、経験者であっても改めて意識づけをしていただければと思います。

1-1.「初心者」にありがちな失敗事例とその予防策

まず、アパート経営を始めたばかりの方にあった事例とその予防策を見ていきましょう。

地方にありがちな「家賃が安すぎる物件」の悲劇

  • 【投資家プロフィール】 
    Sさん 50代 男性
    購入物件   :約4000万円のアパート
    購入時の築年数:30年

Sさんは定年退職まで10年をきっていたことから、収益性の高い物件を探していました。短期間で資金回収が可能なキャッシュフローが多く出る物件を求めていました。

住まいは東京23区ですが、東京の物件は価格が高く、利回りが低いです。そのため、対象エリアを北関東まで広げ、収益性を表す代表的な指標「利回り」を重視し、ポータルサイトを中心に物件探しを続けました。

興味を持った物件は「利回り22%」。いわゆる地方・郊外・単身向けの高利回り物件です。Sさんは「これだけ利回りが高い物件はなかなかない」と思い、購入を決めました。

しかし、運営を開始して1年も経たないうちに問題が発生します。退去が出たあとの修繕費が家賃に対して高額なのです。築古・単身向けということもあり、1室の家賃は2万円台でした。しかし修繕費はそれ以上にかかるので、原状回復(部屋を元の状態に戻す工事)をするだけで1室換算したときの収支はマイナスになります。

しかも周辺には同じような規格の競合物件がひしめき合っており、なかなか次の入居者が決まりません。客付会社に相談したところ、入居募集のための広告費がなんと「家賃4カ月」と言われました。

「空室のままではもちろん収入はゼロ。でも、原状回復工事して入居募集したら家賃半年以上が吹っ飛ぶ」という“進むも地獄、退くも地獄”という状況に陥ってしまったのです。

予防策~利回りの計算をしっかりと把握しておこう~

Sさんが失敗した最大の理由は、「利回り22%」という数字に飛びついてしまったことです。

利回りには「表面利回り」と「実質利回り」があり、物件情報に載っている大半は「表面利回り」です。

表面利回りと実質利回りの図解

 

表面利回りは、税金、修繕費、空室率などを考慮していない数値であり、投資を決める前には諸経費やリスクを考慮した「実質利回り」を算出する必要があります。

また、Sさんのように1室あたりの家賃が低すぎると、原状回復や広告費を考えると投資効率が悪いというケースもあります。

「家賃収入」を一棟の総額でざっくりとらえるのではなく、「1世帯あたりの家賃はいくらか」「原状回復や広告のコストを考えたときに、十分な家賃設定なのか」ということを確認しておく必要があります。

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1-2.「中級者」にありがちな失敗事例とその予防策

次に、アパート経営を始めて数年という投資家の方の事例と予防策をご紹介します。

家賃滞納や夜逃げペット被害など入居トラブル続出

  • 【投資家プロフィール】
    Kさん 40代 男性
    購入物件   :約2500万円のアパート
    購入時の築年数:25年

Kさんはアパート経営を始めて3年以上が経過し、物件もすでにアパート2棟を所有しています。少しずつ自信がついてきたこともあり、3棟目には「空室が多いけれど物件価格は安い」というアパートをあえて狙いました。

空室を埋める対策として、Kさんは「ペット可」「高齢者OK」「外国人OK」「生活保護者歓迎」と一般的なオーナーが避けたがる入居者を一気に引き受けました。そして半年も経たないうちに、満室にすることができました。

しかし、トラブルが続出。ペットのマナー違反でクレームが毎日のように来るようになり、しまいには夜逃げをされてしまいました。部屋を見に行ったところ、猫の多頭買いをしていたらしく部屋はボロボロ。

それだけでは終わりません。生活保護者の老人が大騒ぎを起こしたり、外国人のゴミ捨てマナーが悪かったり……そうこうしているうちに既存入居者が家賃滞納するケースも出てきました。

Kさんがオーナーになってからの新しい入居者には保証会社への加入を必須にしていました。これは入居者の幅を広げたため、さまざまなリスクがあると考えたからです。

しかし、昔の入居者は保証会社ではなく連帯保証人で契約をしていました。ただ、あまりに昔の契約だったこともあり、連帯保証人に連絡がとれません。これから裁判をしなくてはならず、気の休まる暇がないですし、何より物件は安く買えたものの持ち出しも多いという厳しい状況に追い込まれてしまいました。

予防策~不動産管理会社の選び方は重要~

生活保護者、高齢者、ペット、外国人など一般的なオーナーが好まない入居者を入れるときは、そうした方々への対応経験が豊富な管理会社を選ぶことが重要です。そうでないと、対応が後手後手になってしまい、負の連鎖が続いてしまいます。

また、「保証会社の審査さえ通ればOK」という考えもトラブルを引き起こすので注意が必要です。「家賃は支払われていても入居者トラブルが絶えない」ということであれば、既存入居者が退去するきっかけにもなりかねません。そういう意味でも、管理会社選びは重要だといえるでしょう。

1-3.「地主」にありがちな失敗事例とその予防策

次に、土地の活用として、アパート大家になった「地主」の失敗事例とその予防策を見ていきましょう。

大手ハウスメーカーの新築アパートで失敗

  • 【投資家プロフィール】
    Tさん 50代 男性
    購入物件   :約5000万円のアパート
    購入時の築年数:新築

Tさんの実家は農家で、広大な土地を所有しています。Tさん自身はアパート経営に関心がなかったのですが、お父さんが某大手ハウスメーカーから新築アパート経営を強く勧められており、少しずつ不動産投資について考えるようになりました。

といっても、Tさんは都内で仕事をしており、毎日多忙な生活を送っていたので、お父さんが「アパート経営をやってみようと思う」と言ってきたときも話半分で「いいんじゃない」と答えました。

お父さんからは、「すでに土地を所有していて、そこに建物を立てるだけだから、土地から買わないといけない投資家よりも有利なんだ。賃貸経営には詳しくないけれど、テレビCMを出すような大企業で、しかも家賃保証もついているから安心だよ。私みたいな初心者でも成功できると思う」と言われ、「なら大丈夫か」と思って答えてしまったのです。

しかし、5年も経たないうちに問題が顕在化します。

まず退去のたびに高額な修繕費を請求されるようになりました。最初の説明よりも金額が大きくなっていたため問い合わせしたものの、「経年劣化ですから(時が経つことで部屋に不具合が起きる)……」という説明を受けました。入居者が壊したのであれば、入居者に請求できますが、経年劣化であればオーナー負担となり納得せざるを得ませんでした。

さらに、ずっと家賃は保証されると思っていたのに、2年経過した時点で家賃の見直し(減額)が起こり、経営はさらに悪化します。

「そんな話聞いてない!」とお父さんが営業マンに伝えようとしたところ、すでにその営業マンは会社を辞めており、上司と名乗る男性からは「契約書をよく見てみてください。家賃は2年ごとに見直すという旨が書かれていますよ」と言われてしまいました。

「そんな契約は初めて聞いた」とその上司に伝えたものの、「すでに営業マンは辞めているので私にもわかりません。ですが契約書を交わしている以上、内容にご同意いただいているわけなので、こちらとしても変更はできません」と突き返されてしまいました。

その事実を知ったTさんは、危機感を持つとともに何か予防策はなかったのかと後悔することになりました。

予防策~「大東建託」「レオパレス」など大手でも安心はできない~

「土地活用」「相続税対策」という名目で新築アパートを強引に営業するハウスメーカーはいくつもあります。

そのなかでも、テレビCMを出しているような知名度の高い大東建託、レオパレスのような大手企業だと、特に不動産投資の知識がない地主ほど「あんな有名な会社なんだから、信用しても大丈夫だろう」と思ってしまうものです。サブリースというかたちで「家賃保証もありますよ」と言われたら、なおのことでしょう。

しかし当たり前の話ですが、アパート経営はどんな土地でも成功できるわけではありません。賃貸ニーズがあるのか、周辺エリアが供給過多になっていないか、融資条件はどうなのかといったことを考慮する必要があります

「大東建託」「レオパレス」などもメディアで取り上げられた、「サブリース問題」については、以下の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご一読ください。

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社会問題化したサブリース契約、明るみになった背景とトラブルの動向

大手だろうと、熱意があろうと、安易に信用してはいけない

営業マンも後からトラブルにならないようギリギリのラインで営業トークをするものです。もちろん、どういったリスクがあるのかを包み隠さず伝えるのが誠意のある会社だと思いますが、残念ながら「ボーナスが上がればいい(お金のため)」と考えている営業マンは多くいます。

不動産投資の勉強をしている方ならよくご存じだと思いますが、「売っておしまい」の会社も多くあります。つまり、「売るときは丁寧で熱心に営業するのに、売ったあとの対応は雑(酷いケースになると対応を拒否する)」ということです。

とはいえ、契約を交わしてしまったら、嘘や虚偽の情報を伝えていないかぎり、「騙されるほうが悪い」となってしまいます。「聞いていなかった」「知らなかった」で済む話ではないのです。

普段、積極的な営業を受けたことがない人ほど、

  • ・地域にどんな物件が合うかわかっていないが、営業マンに任せれば大丈夫
  • ・アパート経営をする目的は明確にはないが、営業マンの熱意に惹かれたので力になりたい

などと営業マンやその会社を信頼してしまう傾向があります。

しかし不動産投資で最も重要なのは、「立地の見極め」そして「エリアの需要に見合った種類の不動産を選ぶこと」です。これは不動産投資の基本中の基本ですので、ぜひ改めて認識していただけたらと思います。

2. まとめ

1. 初心者にありがちな失敗例は「高利回りだけど家賃が安すぎる物件を買ってしまい、修繕費や広告費を支払うと経営が大きく悪化してしまう」パターン

2. 中級者にありがちな失敗は「家賃滞納や夜逃げペット被害など入居トラブル続出」というパターン

3. 地主にありがちな失敗は「大手ハウスメーカーの新築アパートで失敗」というパターン

いかがでしたか。初心者、中級者、地主とそれぞれの代表的な失敗例を知ることで、アパート経営に潜む大きなリスクがご理解いただけたのではないでしょうか。

いずれも共通するのは「見た目の数字ばかりを追い求めてしまった」「リスクを知らないまま手を出してしまった」ということです。

しかし逆にとらえると、各パートの「予防策」に書いたとおり、事前に知っておくことで回避できるリスクだともいえます。

「アパート経営では勉強して最低限の知識を身につけておく必要がある」とよくいわれますが、その理由はここにあるのです。本記事を読んで「この部分のリスクはまだ知らなかったな」と思うことがあれば、ぜひ重点的に学んでいただければと思います。

アパート経営やマンション経営などでは、不動産投資をしている人の体験談が参考になります。以下の記事では、アパート経営やマンション経営など不動産投資をしている方のブログを厳選してご紹介していますので、是非、お読みいただければと思います。

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「再建築不可物件」を使った不動産投資は、誰にでもできる簡単な方法でありません。 しかも、「投資」ですから、リスクはそれなりにあります。 それでも、リスクよりもメリットの方が大きいとも言えます。 その理由と、私たちの具体的なサポート内容などをセミナーでご説明いたします。 また、質疑応答の時間も用意しておりますので、ご不明な点はどうぞ遠慮なくお尋ねください。

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