これは大家の負担?アパート修繕費の4つの知識と事例、節約術を解説

不動産投資を行う上で、「出て行くお金」についてしっかりと考えることはとても大切です。その中の1つに、「アパートの修繕費」があります。

修繕費は毎月かかる経費ではないことから、日ごろあまり意識せず、キャッシュフローの計算に入れない人も少なくありません。しかし、アパートの規模が大きくなれば、まとまったお金が出て行くことになり、キャッシュフローに対する影響は侮れません。

言い換えれば、修繕費をいかに抑えられるかどうかが利回りを大きく左右します。また、キャッシュフローをしっかり確保するためにも、修繕費をしっかりと想定し、計算しておく必要があるでしょう。

そこでこの記事では、

  • アパートの修繕費にはどんな種類があるのか
  • 修繕費にまつわるトラブル事例
  • 修繕費がかからないようにするため、日々どんなことが出来るのか、

などの、アパートの修繕費に関する基本的な知識を解説します。

実際に自身で運営、コンサルタントなどで沢山の不動産物件を扱ってきた経験からお話できる「ほとんどの人が知らないアパート修繕費の節約法」も合わせてお伝えします。
当記事をお読みいただければ、修繕費を見込んだ堅実なアパート運営を行えるようになり、投資家としてより大きく成功できるようになるでしょう。

1.アパートの修繕費には何があるのか

アパートの修繕費には何があるのか

アパートの修繕費な種類、規模によって様々です。いざ必要になってから慌てないようにするためにも、アパートの修繕にはどんな種類があり、どの程度の修繕費がかかるのかを知っておくことが大切です。

1-1.アパートに必要な修繕の種類

一口に「修繕」と言っても、アパートには様々な修繕の種類があります。例えば代表的な修繕には以下があります。

  • ・外壁
  • ・屋根
  • ・共用部
  • ・金属劣化
  • ・内装
  • ・設備(エアコン 温水便所など)

アパートにはこうした修繕が必要になることを頭に入れ、メンテナンスを行っていくことが求められます。修繕箇所によっては、工事や修理などの規模も大きくなることがあります。修繕にも大規模なものと、比較的規模が小さなものの、2つの種類があることも解説しておきます。

1-1-1.大規模修繕

アパートマンションの外壁や屋根などの外装に関わる工事、共通する設備に関わる工事は規模の大きな工事になることが多くあります。これらの修繕を「大規模修繕」と言います。アパートやマンションにおいては、概ね10年から15年周期で必要になります。大規模修繕は修繕費も大きくなりがちなので、修繕費の積み立てなどをして備えておくことが大切です。

1-1-2.原状回復修繕

賃貸物件において、入居者が出た後、次の入居者を募集する際に行う、比較的規模の小さな修繕を「原状回復修繕」と言います。内装の汚れや壊れたりしている箇所を修繕したり、汚れを清掃したり、不具合のある機器の交換などを行うのが原状回復修繕です。

規模の小さな修繕とは言え、綺麗な部屋としてしっかり修繕しておくことは空室対策にもなるので、手を抜かないようにすることがポイントです。

1-2.大家が負担するべきアパート修繕費の種類

アパートの修繕費には、大家が払うもの、入居者が払うもの、の2つの種類があります。原状回復の為の修繕や、建物の破損、劣化に対する修繕など、入居者の瑕疵によるものではない場合、大家が修繕費を負担する必要があります。ここでは大家が負担すべき修繕の種類について見て行きたいと思います。

1-2-1. 屋根、屋上、ベランダの防水工事

屋根、屋上、ベランダには防水加工が施されていますが、経年劣化と共に修繕が必要になります。概ね10年、15年スパンでの修繕工事が必要になり、修繕費の費用相場は1平方メートルあたり、7000~1万円です。

1-2-2.外壁改修

外壁は、雨、風、紫外線により、年月と共に劣化していきます。見た目が悪くなること、建物の内部の劣化の原因になることから、10年から15年程度での改修工事が必要となります。修繕費の相場は作業工程にもよりますが、1平方メートルあたり1~3万円前後です。

1-2-3.給水ポンプ、給湯器、エアコン交換

アパートには給水ポンプが設置され、給湯器やエアコンが設置されていることもあります。これらの機器も年数と共に修理、交換の必要が出てきます。給水ポンプの設置を専門業者に依頼する必要があり、修繕費の相場は工賃を含めて70~150万円程度です。給湯器、エアコンは1台あたり5~10万円程度が相場ですが、部屋数分の費用が必要になるので注意が必要です。

1-2-4.鉄製部品の防錆工事

鉄製部品は雨、風にさらされることで錆びてしまいます。概ね5年スパンを目安に新たに塗装しなおすなど、防錆び工事が必要となります。修繕費の相場は1平方メートルあたり4000円前後です。

1-2-5.クロス、クッションフロア張り替え

入居退去時の原状回復修繕では、クロスやクッションフロアの貼り換えが必要になります。貼り替えは内装業者に依頼するのが一般的で、1戸あたり4~6万円が相場です。

1-2-6.障子、襖、網戸張り替え

和室がある場合には、障子、襖、網戸の貼り換えも必要になります。箇所、大きさにもよりますが、リフォーム会社や工務店に依頼すると数万円程度の修繕費がかかります。大家自らで貼り換え作業を行うことで、1万円以下の材料費程度に抑えることも出来ます。

2.アパートの修繕費に関するトラブル

アパートの修繕費に関するトラブル

アパートの修繕費に関するトラブルもあります。特に、大家が払うのか、入居者が払うのか、責任と費用の所在についてはトラブルに発展することも多く、トラブルに繋がりやすい事例を知っておくことも大切です。ここではありがちなトラブル事例をいくつかご紹介しておきます。

2-1.長期の賃貸契約の中での劣化

長く入居している中で設備や住環境は劣化していきますが、それらの交換、修繕に関するトラブルです。

例えば「フローリングの劣化が激しいからなんとかして欲しい」と言われるようなケースはよくありますが、かなりひどくなってから報告してくる場合には、入居者の善管注意義務(客観的に要求される程度の注意はしなくてはいけないという義務)違反にあたるケースもあります。

現状や責任の所在も含め、修繕費の負担割合を決めていくのが一般的です。

2—2.入居者の過失による破損

住宅設備の破損、損傷の理由が入居者にあるケースです。こうしたケースにおいての修繕費は大家が払う必要がないこともあります。大家には修繕義務があり、入居者には損害を賠償する義務があります。こうした法律を踏まえながら、責任の所在を見極め対処していく必要があります。

2-3.自然災害による修繕

自然災害などで室内が汚れたりするケースです。例えば大雨によってトイレから下水が逆流し、入居者から「新品に交換して欲しい」と言われた場合はどうでしょうか。 大家のせいでも借りている人のせいでもないことで住居に被害があったことになります。

この場合、大家のせいではないことで被害を受け修理の必要が出てきましたが、民法606条には修繕義務というものがあり、なおかつ賃貸物件をきちんと問題なく使用できる上に修復する義務があるということを601条で謳っておりますので、大家負担で修理をしなくてはなりません。

ただし、建物が倒壊してしまい、もう住むのが困難になってしまった場合には、賃貸契約が終了ということになりますので修繕が困難ということもあり、修繕の義務は無くなります。

3.アパートの修繕費を抑えるために日々できること

アパートの修繕費を抑えるために日々できること

アパートの経営をしていく上で「修繕費は必ずかかるもの」と認識して、日頃から出来ることをやっておくことが大切です。大規模な修繕となると高額な修繕費がかかりますが、「小まめに修繕を行う」ことで大きな修繕を防ぐことが出来ます。

小さな修繕で済むうちに小まめに対応していくことが修繕費を抑える上で大切です。

また、保険に加入をして備えておくことや不動産のプロの意見を聞くことも大切です。自然災害などによる修繕は修繕費が大きくなることも多くあります。保険に加入して万が一に備えることも、修繕費を抑えるためには必要です。

トラブル事例にもあるようなケースにおいて、大家が修繕費を負担するか否か、専門家に意見を聞くことで不要な出費を抑えることも出来ます。

4.多くの人が知らないアパートの修繕費を大きく節約する方法

多くの人が知らないアパートの修繕費を大きく節約する方法

修繕費を出来るだけ抑えるようにするためには、3章でお話した、

  • 小まめに修繕を行う、
  • 保険に加入して備える、
  • 不動産のプロに相談する

これらの方法がありますが、それ以外にも多くの不動産投資家が知らない修繕費を大きく節約できる方法があります。それは「火災保険を上手く活用する」という方法です。

火災保険は「火災の時にしか使えない保険」というイメージがありますが、実は上手く使えば様々なケースで活用できる保険です。不動産投資家であれば、物件購入時に火災保険に加入しているはずなので、上手く活用できるかどうかで出費は大きく変わります。

もちろん、保険を使わずに自分で負担した方がいいケースもありますし、小さな修繕だから保険が使えないと思っていたケースでも使えたりすることもあります。火災保険の知識を持っているかどうかで、修繕費の出費は大きく変わるわけですが、多くの人が知らずに上手に活用できていない現状があります。「火災保険を不動産投資に有効活用する方法」は以下で詳しく解説しています。参考にしてみて下さい。

火災保険を不動産投資で有効活用するための9つの秘訣
また、実際の火災保険の活用事例も下記記事で解説しています。合わせて参考にしてみて下さい。
【事例あり】アパート経営で火災保険を活用!損しない6つのポイント

5.まとめ

  • 1.アパートの修繕費には種類があり、規模によってかかる費用は大きく変わる。
  • 2.トラブルに発展しやすいケースを知っておき、適切な対処が出来るようにしておくこと。
  • 3.日頃からの意識と行動で修繕費を抑えることは可能です。
  • 4.火災保険を上手く活用すれば修繕費は大幅に節約できる可能性もあります。(場合によっては持ち出しゼロでも)

アパート経営において、多かれ少なかれ、修繕は必ずかかります。キャッシュフローや利回りに影響するため、かかる費用を抑える意識を持つことが大切です。

また、修繕費を積み立ておき、必要になった時の為に備えておくことも大切です。毎月の家賃収入の3%~5%ほど積み立てておくことで、大きな修繕費が必要になった時も慌てずに対応出来るようになります。修繕費の種類を把握しておき、必要になるタイミングに備えて事前に備えておくことをおすすめします。

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