任意売却物件は競売と大違い!特有のトラブルと収益化4つのポイント

マイホーム用、不動産投資用など、様々な理由で任意売却物件の購入を検討される方がいます。任意売却物件の購入を検討する一番の理由には、「安く購入出来る」ということがあると思います。しかし、任意売却物件には独特の問題があるため扱いが難しく、ただ安さにとびついて購入しても収益を上げるどころか、むしろ損してしまうことがあります。

損をしないためには、何よりも任意売却物件についての知識を身に着け、深く理解することが欠かせません。

そこでこの記事では、

・任意売却物件の基本的な知識 ・探し方や購入の流れ ・任意売却物件で収益を上げるために必要な考え方、

と言った、任意売却物件に関する基本的な知識をお伝えいたします。

私は10棟の不動産物件を所有する現役の不動産投資家であり、不動産投資を始める人のサポートやアドバイスを行うコンサルタントとしても活動しています。不動産投資の専門家の視点から「任意売却物件は購入すべきかどうか」についてお伝えしていきたいと思います。

この記事をお読みいただければ、まず自分が任意売却物件を購入できるかどうかの判断ができるでしょう。その上で、購入の際に注意すべき点や、収益を上げるためのポイントについて知ることができるでしょう。

1.任意売却物件の基礎知識

任意売却物件の基礎知識

この章では、任意売却物件とはそもそもどんな物件のことを言うのか、メリット・デメリットにはどんなものがあるのかといった基本的な知識について解説いたします。

1-1.任意売却物件とは

任意売却とは「物件所有者が何らかの理由で融資の返済を滞らせたことで抵当権が実行され、競売にかける前に債権者と債務者の合意に基づいて第三者に売却すること」を言います。任意売却は主に、競売よりも短期間で多くの売却額が見込める場合に行われます。

債権者と債務者の合意に基づいて第三者に売買をする、という点については一般的な不動産の売買と同じです。では、なぜ「任意売却物件」という言葉を使うのか?と言いますと、競売との違いを明確にするためです。競売と任意売却は似たイメージで捉えられがちですが、両者には明確な違いがあります。主な違いは下記の通りです。

  競売 任意売却
売主の意志 関係なく強制的 売主の意志で売却
プライバシー 周囲に知られる可能性大 周囲に知られずに売却可
売却価格 相場の7割程度 相場に近い価格
残債の返済 一括 分割返済も可能
退去 強制的 場合によっては住み続けることも可。退去時も協議の上決定
期間 長い 短い

1-2.任意売却物件のメリット・デメリット

任意売却物件にはメリットとデメリットがあります。購入を検討する際には、両者について十分に理解しておく必要があります。特に不動産投資の目的で購入する場合には、どんなデメリットがあるのかをしっかりと理解しておくことが欠かせません。

1-2-1.メリット

任意売却物件の一番のメリットは、一般的な不動産物件に比べて「安く購入出来ること」です。不動産投資の場合、物件を安く購入できれば利回りが高くなります。ですから、任意売却物件は、投資対象として「キャッシュフローが出しやすい」という魅力があります

1-2-2.デメリット

「安く購入出来る」というメリットがある一方で、任意売却物件には様々なデメリットがあります。そもそも任意売却物件は「債務者の経済状況が厳しい状況」であることが前提ですから、必然的に不動産物件の状態も良く無いことが多くあります。

他にも、

  • ・交渉が必要なため価格の合意も含めて時間がかかる
  • ・売主は瑕疵担保責任が免責になる
  • ・基本債権額より低くなる値引き交渉はできない
  • ・債務者の荷物などがそのままになっている場合がある
  • 現金での購入が一般的、ローンは組めるが制限や手続きが多くなる

こうしたデメリットもあります。物件状態が良くない可能性が高いのに、担保瑕疵責任が免責になるということは、多額のリフォームや修繕費がかかる可能性があるということです。また、現金での購入が一般的なので、ローンを組む場合も、事前審査含め時間がかかることも踏まえて動く必要があります。

2.任意売却物件の探し方の流れ

任意売却物件の探し方の流れ

任意売却物件はそもそも数が少ない上に、多くの物件はプライバシーの問題から一般公開されていません。よって、探しても思うように見つからないことが少なくありません。そこで、任意売却物件はどのように探すのかなどの、購入までの流れも合わせて見ていきたいと思います。

2-1.任意売却物件探し方

先にお伝えしましたように、任意売却物件は、

  • ・そもそも物件の数が少ない
  • ・プライバシーの問題があり表に出てこない

こうした特徴があり、探しても思うように見つかりません。そこで探す際には、任意売却物件を扱う専門サイトを使うのが一般的です。以下に、そのサイトをご紹介します。

上記のような専門サイトは、一般的な不動産業者では公開されてない物件なども見つけることが出来るためとても便利です。また、任意売却物件を地域ごとに広く探すこともできます。他にも、任意売却物件を専門的に扱う下記のようなサイトも利用できます。
東京情報センター
任意売却専門ネット
全日本任意売却支援協会

 

こうした専門サイトでは、任意売却物件に強い不動産業者や専門家を紹介してもらうことが出来ます。とはいえ、業者や専門家に任せるだけでは危険です。投資はあくまでも自己責任であることを意識して、自分自身で判断できるような知識を身に付けておくことが重要です。

2-2.任意売却物件購入の流れ

任意売却物件購入の流れは、競売物件とは違い、一般的な不動産物件を購入する際の流れと大きな違いはありません。購入までの主な流れは以下のようになります。

  • ・専門サイトなどで購入する物件を決める
  • ・下見内覧
  • ・引き渡し条件交渉
  • ・買付証明書を提出
  • ・売買契約を結ぶ
  • ・決済物件の引き渡し

購入から引き渡しまでは、一般的に2ヶ月程度と言われています。しかし、トラブルがあった場合には期間が伸びることがあることも頭に入れて動きましょう。

2-2-1.購入時に注意すべきポイント

任意競売物件を購入する際には、注意すべきポイントがあります。例えば、一般的な不動産取引では、売買契約書締結するタイミングで、売買価格の1割程度の手付金を売主に支払うのが一般的です。

しかし任意売却物件では、手付金は債務者に渡しません。これは債務者に手付金を持ち逃げされないようにするのが目的で、売主側の業者に預り金の形で支払うようにします。

競売の取り下げや、差し押さえの取り消しを行ったのかを確認することも大切です。一般的に、任意売却物件は、売却手続き前に債権者に差し押さえられ、競売の申し立てを受けています。

そこで、任意売却に際しては、競売の取り下げや差し押さえを取り消す手続きが必要です。

基本的には司法書士が手続きをしてくれますが、手続き漏れになどないように自分自身で確認しておくことも大切です。

3.任意売却物件を購入する際に起こりうるトラブル

任意売却物件を購入する際に起こりうるトラブル

任意売却物件は「安く購入出来る」というメリットがある一方で、住宅ローンなどの返済が難しくなった人が売却する物件なので、様々なトラブルが想定されます。そこで、任意売却物件を購入する際には「どのようなトラブルが起こるか」を事前に想定しておくことが重要です。ここでは、起こりがちなトラブル事例を記載しておきます。

3-1.売主が夜逃げする。

売却が決まった後に、売主が夜逃げしてしまうケースがあります。特に、売主が複数の債権者からお金を借りているようなケースでは、手付金などの支払いを求められても応じないようにするなど、細心の注意が必要です。

3-2.債権者が売却を許さず白紙に戻る。

任意売却は競売と違い強制力がなく、売却額の配分は債権者と債務者の協議によって決まります。複数の債権者がいるケースでは、売却額を配分するための協議が整わない場合、債権者が抵当権を外すことを了承しないことがあります。

また、協議が揉めることによって売買自体が白紙になってしまうこともあります。債権者が複数いる場合、売却額が安い場合には注意が必要です。

3-3.瑕疵担保は免責、いくらひどくても請求できない。

任意売却物件は、担保瑕疵責任が全て免責されています。任意売却物件は「現況有姿(げんきょうゆうし)」での売買が原則です。

現況有姿とは、「問題点がある物件でもそのまま引き渡す」ということです。つまり、購入した物件がいくらひどくても、何も請求することが出来ないということです。

しっかりと事前調査しておき、リフォームや修繕にどのぐらいの費用がかかるかを把握しておくや、あまりにもリスクが高い物件は購入を見送るなどの判断が求められます。

3-4.土地の面積が狭かったことに、後から気付く。

任意売却では、「公募売買」が原則です。公募とは登記簿に記載された面積のことで、登記簿謄本の面積は実測面積と異なることがあります。

引き渡し後の実測で、「実は土地の面積が狭かった」ことに気が付くケースがあります。任意売却は、登記簿謄本の面積を前提とするしかないので、こういうケースが起こりうることも知っておく必要があります。

3-5.売主が出ていかない。

任意売却物件で購入した物件は、競売のように退去に関する強制力がありません。場合によっては協議がまとまらず、「売主が中々出て行かない」というケースもあります。裁判所や弁護士などに相談して強制退去などの法的な手段を取ることもできますが、その際には費用がかかることも知っておく必要があります。

4.任意売却物件で稼ぐことはできるか?

任意売却物件で稼ぐことはできるか?

任意売却物件のメリット・デメリット、起こりうるトラブル事例などを見てきましたが、気になるのは「任意売却物件を購入して収益を出すことが出来るのか?」というところだと思います。そこでこの章では、収益を出すために必要なこと、気を付けるべきポイントについて解説します。

4-1.任意売却物件で儲かるために必要なこと

任意売却物件を購入しても、失敗してしまう人や損をしてしまう人の多くは、ただ「安く購入出来る」ことだけを考えていて、トラブルやリスクをカバーすることを想定していないことがほとんどです。

そこで大切なのは、「そもそもなぜ任意売却物件になっているのか」を考えることです。言い換えれば、リスクを想定して「どう対応するか」を考える必要があります。

相場より安く購入出来るメリットを活かすためには、トラブルやリスクへの対応力が必要です。任意売却物件を購入して収益を上げるためには、このような視点を持つことが求められます。

4-2.なぜ「任意売却物件は難しい」と言われているのか?

一般的な不動産物件に比べて「かなり安く購入出来る」にもかからず、任意売却物件の扱いが難しいと言われるのは、予想していなかった問題が出てきて、その対応に多くのお金が出て行くパターンが多いからです。例えば・・・

  • ・思ったより物件の状況が悪いため、多額のリフォーム費用がかかった。
  • ・売主がスムーズに退去してくれず強制執行に費用がかかった。

このため結果的に出て行くお金が多く、利益が出ないことが実際によく起こっています。

こうしたリスクやトラブルの多くは、任意売却物件ならではものであり、多くの人がそれまでに経験していない内容です。3章でお伝えしたもの以外にも、実際には多くのトラブル事例があります。

不動産投資において、リスクを取り利益に変えていく姿勢は大事です。しかし、任意売却物件のリスクについては再現性が無く、その都度臨機応変な対応が求められ、引き渡しまで気を抜けません

このため、扱いが難しく、収益を上げるためには知識と経験が求められます。任意売却物件は、こうしたことを理解した上で購入を検討することが重要です。

5.まとめ

  • 1.任意売却物件は「安い」というメリット以外に、多くのデメリットもあります。
  • 2.物件数は少なさやプライバシーの問題もあり見つけにくいため、探す際には専門サイトや専門家に相談するのがおすすめです。
  • 3.購入時に想定されるトラブル事例をしっかりと頭に入れておきましょう。
  • 4.リスク、トラブルをカバーできる対応力がないと購入しても利益は出せませんので注意しましょう。

任意売却物件は「安く購入出来る」というメリットがある一方、多くのデメリットや、トラブルがあります。投資対象としては難易度が高く、ただ安いからという理由だけで購入すると損をしてしまうことになります。

とは言え、リスクをカバーすることが出来れば、不動産投資でも収益を上げることは可能です。リスクやトラブルに対応する知識を身に付けておくことはもちろん大切ですが、そもそも初めて経験することばかりだと思いますので、購入を検討する場合は不動産投資や任意売却物件の専門家に相談しながら進めましょう

また、記事中に出てきた競売不動産についてはこちらの記事でまとめていますので、気になった方は是非確認してみて下さい。(「競売不動産の記事のリンクを貼る」:URLが決まり次第記載、投稿最終チェック者が入れます)

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