読めば理解!法律や権利が複雑な底地売買の注意点と活用の仕方を解説

一般的な土地や不動産の売却と比べて、底地は様々な権利が絡むため難しく、扱いづらく敬遠されがちです。そのようなことから、底地に関する専門知識を持つ人は少ないため、知識を持ち正しく扱うことができれば投資に活用することも出来るようになります。

なぜなら、底地や借地の知識を持てば、不動産の権利に対して適切な行動を取れるようになるからです。そして、正しい知識や権利の仕組みを知れば、どうすれば得するのかを主体的に考え行動出来るようにもなるからです。

そこで、この記事では分かりにくく扱いづらいと敬遠されがちな「底地」の基礎知識を解説いたします。さらに、地主、借り主、不動産投資家、それぞれの立場から見た底地のメリット・デメリットについてもお伝えしながら、売却方法や土地活用の方法なども解説していきます。

私は不動産投資家として10棟のアパートを所有しながら、不動産投資を始める方のアドバイスなどもさせて頂いています。この記事では、不動産投資のプロの視点から見た、底地の基礎知識と、不動産投資に底地を活用するためのポイントを知ることが出来ます。

1.底地とは

底地とは

底地とは、借地権や地上権がついている宅地のことを言います。土地の所有者が、他の人に土地を貸し、地代として賃料を得ている状態のことです。土地所有者が自由に活用できる更地などの「完全所有権」とは違い、借地権者との関係から様々な制約を受けることになるのが底地です。

  • ・土地を持っている人:物件の所有者ではないので地代しか入ってこない
  • ・物件を持っている人:土地の所有者ではないため自由に活用できない

このように、両者の権利や利害が複雑に絡むのが底地の特徴です。

底地には、借り主が所有する不動産物件が建っていることがあり、底地だけを売却することが難しいため「不完全所有権」とも呼ばれます。よって、権利関係が複雑になり、様々な利用権限が制限されることなどから扱いにくく、経営が難しい土地と言われています。

尚、4章、5章でもお伝えしますが、売却や買い取りについては、更地などの一般的な土地と比べると価格設定がかなり低くなる点においても注意が必要な土地であるとも言えます。

2.底地のメリットとデメリット

底地のメリットとデメリット

権利が複雑で扱いにくいとされている底地ですが、メリット、デメリットに関しては地主、借り主、不動産投資家など、それぞれの立場ごと変わることも注意が必要です。

底地を所有している人、所有地を底地にしようと考えている人、売却を考えている人、それぞれの立場から見たメリット・デメリットを正しく理解することが重要です。

2-1.地主のメリットとデメリット

土地を所有する地主のメリットには、

  • ・土地を貸し出すことで「地代」が入ること
  • ・契約更新で更新料が入る
  • ・建物の管理が不要
  • ・固定資産税や相続税の軽減

などがあります。地代として賃料をもらうことで、空室リスクがなく安定した収入になる点が一番のメリットです。一方で流動性の低さ、収益性の低さというデメリットがあり、軽減されるとは言え相続税の負担などもデメリットだと言えます。

2-2.借り主のメリットとデメリット

借地借家法によって、地代を払い続ける限りは、借地人の建物の利用権利が守られることが借り主のメリットです。地代を払い続ける限りは追いだされることもなく、その土地を利用し続けることが出来ます。

「地代等増減請求権」により急に地代をあげることが禁止されており、地代の上昇が守られている点についてもメリットだと言えます。

一方、あくまでも土地の権利は地主にあるため、土地利用に様々な制約があることは大きなデメリットです。地主との話し合いがまとまらない限り、土地活用を自由に進めることができません。そうしたことから底地の利用ついては地主のとのトラブルも多いと言われます。

2-3.不動産投資家としてのメリットとデメリット

不動産投資の視点で見た底地のメリットは、空室リスクがない点です。借地権を持ってくれる人がいる限り賃料が入り続けます。貸し出した土地に借り主が住宅用の物件を建て、土地住宅用地になれば固定資産税が6分の1に減免されるなどのメリットもあります。

一般的な不動産投資と比較すると利回りは低くなりますが、収益性を見極めることで安定的な投資となります。

一方、利回りの低さ、収益性の低さはデメリットだと言えます。地代として賃料を貰うため、一般的な不動産投資と比較して、低い水準で賃料の上限が決まってしまうことになります。また権利関係が複雑な分、知識が無い人が手を出してしまうと、手間と労力だけがかかり非効率な投資になってしまうことがあります。

3.よくある質問

よくある質問

底地については借地権などの関係もあり、権利関係を中心に分からないことも多いと思います。ここでは底地についてよくある質問にとその回答をご紹介します。

3-1.底地に建っている家を壊すと借地権はなくなるのか?

建物が耐用年数の経過によって、腐食、老朽化しその機能を失った状態を「朽廃」と言います。借地借家法は朽廃の場合でも、借地権の消失を規定していません。なので、借地権はなくなりません。

3-2.借地権は売却できるのか?

基本的に借地権の売却は可能ですが、実際には容易ではありません。売却時の価格は更地価格に借地権割合を乗じて求めることになります。

3-3.借地権は譲渡できるのか?

借地権には地上権と賃借権の2種類があり、地上権の場合は譲渡に地主の承諾を必要とせず、賃借権の場合は、民法の規定により地主の承諾を得る必要があります。地主の承諾なしの譲渡、売却してしまうと契約を解除されることもあるので注意が必要です。

3-4.相続した借地権上の建物の売却は可能か?

可能ですが地主の承諾が必要です。地主が承諾しない場合には、話し合いもしくは法的措置で和解を目指す方法があります。

4.地主が底地を売却するときの注意点

地主が底地を売却するときの注意点

底地が扱いにくいと言われる原因の1つとして、「底地は売却が難しい」ことが挙げられます。売却を考える時には、特に権利や法律関係などにも十分注意する必要があります。

地主として自分の土地を借り主に貸し、借地権契約を締結している場合には、「地代等増減請求権」によって一方的な地代の値上げは出来ません。

しかし、売却する場合には必ずしも借り主の承諾は得る必要がありません。一般的な売却では、借り主に売ることが第一の選択肢となりますが、不動産会社へ売却するという選択肢もあります。特に、借地権契約は長期に渡ることが多く、借り主との地代の値上げ交渉などは難航しがちです。そこで、売却してしまうことも1つの選択肢と言えます。

売却時の注意点には以下があります。

  • 売却価格の査定や相場の把握
  • 底地に詳しい専門業者への相談
  • 法律、権利関係の専門家への相談
  • 売却にかかる費用の把握

業者に相談する場合には、必ず「底地に詳しい専門業者」に相談しましょう。なぜなら、底地や借地権について知識のない不動産業者に相談すると、売却益が減ってしまい、機会損失に繋がる事もあるからです。よって、この分野で信頼できる業者を見つけることが、売却を成功させるポイントとなるでしょう。

4-1.底地の相場を調べる方法

売却時の注意点に底地の相場を把握することがありますが、ここでは不動産業者や税理士が調べる一般的な方法をご紹介します。

  • 1:国税局ホームページ、路線価図・評価倍率表(http://www.rosenka.nta.go.jp/)へアクセス
  • 2:調べる土地を一覧から探す。
  • 3:土地が面する道路から「路線価」と「借地権割合」を確認する。
  • ※注意事項:
  • ・2本の道路に接している場合高い方の路線価をみる。
  • ・接する道路に路線価の数字がなければ近くの路線価を参考にする。

路線価の単位は千円単位、借地権割合のアルファベットは下記の表の通りです。

記号 A B C D E F G
借地権割合 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3
  • 例)
  • ・路線価が400Dと表記されており
  • ・底地面積300㎡の場合
  • 400D=400千円(=40万円)×0.6=24万円
  • (1㎡あたりの借地権の評価)
  • 300㎡の場合
  • 24万円×300=7,200万円
  • 底地評価
  • 400(40万円)×(1-D)(=40%)×300㎡=4,800万円

このようにして底地の相場を調べることはできますが、底地は相場通りに売却出来ません。理由は、底地は「購入しても自由に活用できない」というデメリットがあるからです。そのため、高い値段で売却するのが難しくなっています。一般的に、底地の実勢価格は相場の10~15%ほどと言われています。ですから、売却時には相場だけでなく、実勢価格を十分に調べることも求められます。

5.借主が買い取りするときの注意点

借主が買い取りするときの注意点

4章では地主側の視点で「底地を売却する際の注意点」について見ていきましたが、借主の視点で買い取りをする際の注意点もお話しておきたいと思います。

基本的な注意点は地主が売却する場合と同じですが、「買い取り価格の査定」「専門知識を持つ業者への相談」は特に重要です。借り主が底地を買い取るシチュエーションとして、地主から買い取り要請を受けるケースが考えられます。その際に注意すべきは相場を踏まえた買い取り金額かどうかということです。

底地は元々土地評価が低く、正しい相場を把握しづらい側面があります。地主との交渉は特にお互いの思惑が行き交う部分もあるため、相場を調べながら、専門家に適正な評価を受けるなどして高く買い取ることがないよう注意すべきです。

6.投資家が投資に活用するときの注意点

投資家が投資に活用するときの注意点

自由に土地活用できないことから「扱いにくい」とされている底地も、正しい知識を持ち、不動産投資の視点で見ていくことで投資に活用することが出来ます。

そこで、投資家に必要なのは「投資に見合う地代が入るかどうか」という視点を持つことです。地主にとって底地は地代としての賃料しか入らず収益性が低いと言われがちですが、受け取る地代に見合った金額で購入できるのであれば投資の対象として見ることが出来ます。

そもそも、底地は売却が難しく使いにくいと考えられているので、「相場より安くてもいいから売りたい!」と考える地主もいます。そこで、相場より安く買い取ることで、借地権と合わせて収益性の高い土地へと有効活用していくことも出来ます。

6-1.底地への投資には専門家の支援が不可欠です

底地には、「相場よりも安く買える可能性がある」というメリットがありますが、収益を上げるためには法律上の知識が必要となります。

例えば、借地借家法は借り主に有利な面があります。そこで、こうした法律の特性を上手く活用していくことで、地主との交渉を有利に進め、収益性の高い土地にしていくことができます。これが、底地を不動産投資に有効活用していくための手段となります。

その為にも、投資家自身が必要な底地の知識を持つことが必要です。とはいえ、法律の知識を独学だけで身に着け、投資に生かすのはそう簡単ではありません。

そこで、借地権や底地に強い不動産投資の専門家や、法律の専門家に相談し、アドバイスを受けながら投資を進めていくことが不可欠です。ぜひ、信頼できる専門家を見つけ、アドバイスを求めましょう。

7.まとめ

  • 1.底地とは、第三者に土地を貸し、地代収入を得ている土地のことです。
  • 2.地主、借り主、双方に相反するメリット・デメリットがあります。
  • 3.売却時は必ずしも借地人の承諾を得る必要はないが、相場を踏まえることが大切です。
  • 4.買い取り時は相場を踏まえながら、有効的な土地活用の選択肢を持つことが大事です。
  • 5.投資に見合った地代が入るなら投資として活用することも可能です。

扱いにくく注意が必要だと言われがちな底地ですが、そこには複雑な法律や権利が絡むことをお分かり頂けたと思います。だからこそ大切なのが、底地について正しい知識を持つことです。知識を持っているかどうかで、売却や買い取り時にどう判断すべきか、正しい選択が出来るようになります。

とは言え、法律や権利関係の知識を身に付けるのは大変です。底地の売却を考える場合、底地を投資に活用しようと考える場合には、底地問題の知識に明るい土地活用の専門家や、不動産投資の専門家に相談するなどして、間違った選択をしないようにして下さい。

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