不動産の仲介手数料の相場はいくら?プロが教える値引き交渉のコツ

賃貸物件を探している人、不動産の売買を考えている人なら

  • 「仲介手数料はどれくらいかかるものなのか?」

と気になるかと思います。また、

  • 「仲介手数料はどのタイミングで、どうやって支払うのか?」
  • 「仲介手数料を値下げする方法はないか?」

という疑問をお持ちの方も多いでしょう。

賃貸でも売買でも、仲介手数料でかかるコストは決して小さいものではありません。正しい知識を身につけることで、支払うお金を下げられる可能性もあります。

そこでこの記事では、

  • 賃貸・売買にかかる仲介手数料とは
  • 【賃貸編1】仲介手数料の相場
  • 【賃貸編2】仲介手数料はいつ・どうやって払う? 更新時にもかかる?
  • 【賃貸編3】仲介手数料を安くするポイント
  • 【売買編1】仲介手数料の相場
  • 【売買編2】仲介手数料はいつ・どうやって払う?
  • 【売買編3】仲介手数料を安くするポイント

について、自身も投資歴10年以上である筆者が徹底解説します。

この記事を読むことで、不動産の賃貸・売買における仲介手数料の基礎的な知識だけでなく、安くするテクニックも得ることができます。一度身につければ、諸経費を算出するときだけでなく、交渉時にも役立つ可能性は十分あります。

本記事が「不動産の賃貸・売買で損をしたくない!」という方のお役に立つことができれば幸いです。

不動産仲介手数料で損をしないための不動産業者選のポイントについては、こちらの記事をご参照ください。

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【早見表有り】不動産仲介手数料の適正金額と、計算方法

1.賃貸・売買にかかる仲介手数料とは

賃貸・売買にかかる仲介手数料とは

仲介手数料とは、賃貸物件を借りたり、住宅を購入したりした際に、仲介をしてくれた不動産会社に支払うお金のことです。

みなさんが不動産の賃貸、売買の契約をする場合は、個人間でのやりとりではなく、不動産会社に仲介してもらうケースが大半でしょう。不動産会社が仲介してくれることで、希望の物件を紹介してもらうことができますし、契約関連の雑多な手続きも引き受けてもらえます。相手側に対して価格交渉をしてもらうこともあるでしょう。こうした業務の報酬として仲介手数料がかかるわけです。

なお、仲介手数料は契約が完了したときに発生する「成功報酬」です。

つまり、物件の問い合わせをしたり、物件資料をもらったり、実際に内覧に行ったり、査定を依頼しただけではかかりません。

では、ここからは「賃貸」と「売買」、それぞれにおける仲介手数料について詳しく見ていきましょう。

2.【賃貸編1】仲介手数料の相場

【賃貸編1】仲介手数料の相場

まず不動産を賃貸する場合に発生する仲介手数料を見ていきましょう。

2-1.法律で決められた「上限」がある

仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法という法律で定められています。

賃貸契約の場合、「家賃1カ月分の金額+消費税」が上限です

家賃には消費税はかからないのですが、仲介手数料は家賃ではなく手数料のため、消費税がかかります。この点は忘れられがちなので注意しましょう。

なお、「家賃1カ月分の金額」には「管理費」や「共益費」は含まれません。例えば、家賃10万円、共益費5000円の物件の場合、仲介手数料の上限は11万円となります。

以下の図は仲介手数料の上限がわかる早見表です。参考にしてみてください。

家賃 仲介手数料の上限
5万円 5万5000円
6万円 6万6000円
7万円 7万7000円
8万円 8万8000円
9万円 9万9000円
10万円 11万円

2-2.法令では、実はこんな条件が書かれている

「賃貸契約では、家賃1カ月分の金額+消費税が仲介手数料の上限」といいました。しかし、「建設省告示第1552号」では、以下の旨が書かれています。

  • ・仲介手数料は本来「入居者」と「物件の持ち主」が半額ずつ負担するものである
  • ・ただし、入居者と、物件の持ち主の両方から承諾を得ている場合、どちらか一方から賃料の1カ月分以内を受け取ることができる

つまり、原則として借主が支払う仲介手数料は家賃の0.5カ月分以内だが、借主が了承すれば家賃1カ月分以内にできる、ということです。現実には、入居希望者は「家賃1カ月+消費税」という金額を承諾したうえで申し込むため、不動産会社が提示した条件を承諾しているとみなされるのが一般的です。

では現実に、「建設省告示第1552号に“借主が支払う仲介手数料は家賃の0.5カ月分以内”と書かれているから、1カ月分も払うのはおかしい!」と主張したら、0.5カ月分に減額してもらえるのでしょうか。結論からいえば、それは難しいです。入居審査で落とされてしまう可能性すらあります。

ただし、不人気な物件、不動産会社が優先的に契約させたい物件については、仲介手数料を安くしてもらえるかもしれません。この具体的な方法については後述します。

2-3.大手不動産屋から見る仲介手数料の相場

では実際に、仲介手数料の相場はどれくらいなのか、大手不動産会社の数字を紹介します。

不動産会社 仲介手数料
minimini(ミニミニ) 家賃0.5カ月分+消費税
エイブル 家賃0.55カ月分+消費税
アパマンショップ 家賃1カ月分+消費税
お部屋探しのマスト 家賃1カ月分+消費税
いい部屋ネット 家賃1カ月分+消費税
ホームメイト 家賃1カ月分+消費税

 ※2021年4月時点

上記は基本的な設定であり、各社キャンペーン、サービスを実施しており、仲介手数料が半額、もしくは0円という物件も存在します。また、直営店におけるデータなので、フランチャイズ店だと数字が異なる可能性もあります。

不動産会社によっては、住み替え割引、学生・シニア割引、ブライダル割引、手数料半額キャンペーンなども行っていますので、チェックしましょう。

3.【賃貸編2】仲介手数料はいつ・どうやって払う? 更新時にもかかる?

【賃貸編2】仲介手数料はいつ・どうやって払う? 更新時にもかかる?

賃貸における仲介手数料は、あくまで賃貸借契約の成約に対するものです。そのため、賃貸契約を行った時点で支払い義務が生じます。更新時にはかかりません

流れとしては、契約書などで仲介手数料の金額を最終確認し、問題がなければ敷金や礼金などの初期費用と一緒に仲介の不動産会社に支払います。

支払い方法は口座引き落としの場合もあれば、現金の場合もあります。最近ではクレジットカードでの支払いも可能なケースも増えています。

4.【賃貸編3】仲介手数料を安くするポイント

【賃貸編3】仲介手数料を安くするポイント

仲介手数料は家賃1カ月分+消費税までが上限ですが、下限はないのでゼロ、つまり無料にできる場合もあります。

4-1.値引き交渉できるケースは3つ

まずはどういった場合に仲介手数料を値引きしてもらえる可能性があるのか見ていきましょう。
値引き交渉が可能なケースは3パターンあります。

(1) オーナーと直接契約するパターン
賃貸物件のオーナー(個人、または法人)が、入居希望者を募集しているパターンです。この場合、仲介の不動産会社がおらず、オーナーと直接契約を交わすことになるので仲介手数料は発生しません。

(2)オーナーが早く入居者を決めたいと思っているパターン
築年数が経って建物がボロボロだったり、設備が古かったり、駅から遠かったりなど競争力の低い物件の場合、オーナーが仲介手数料を全額あるいは半額負担してくれる可能性があります。

オーナーとしては空室期間が長くなると家賃収入を得られません。そのため、物件によってはスペックが良くても、交渉によっては家賃や仲介手数料、礼金が下げてもらえるケースもあります。

  • 特に賃貸需要が少ない閑散期(4〜7月)はオーナー側も「この入居希望者を逃したら次はないかもしれない」と恐怖心を抱くものなので、引越し時期によっては物件のスペックとは関係なしに交渉する価値はあるでしょう。

(3)仲介手数料以外の初期費用を抑えられるパターン
これは、仲介手数料は値下げしてもらえないものの、初期費用全体として見たときにコストを抑えられるパターンです。例えば、以下のような物件です。

  • ・敷金や礼金が0円
  • ・フリーレント付き(オーナーが定めた期間の家賃が無料になる)
  • ・保証会社が不要(保証会社の利用料は家賃の1カ月分が相場)

上記のような物件を選べば、家賃1カ月分以上は安くなるので、事実上「仲介手数料がゼロになった」と同じ意味を持ちます。

4-2.値引き交渉のポイント4つ

続いて、仲介手数料の値引き交渉をするときのポイントを4つお伝えします。

(1)契約する意思があることを伝える
単に「値引きしてください」と言うのではなく、「値引きしていただけたら、この物件を契約します」という意思を伝えることで、交渉がうまく可能性が高まります。

(2)閑散期に引っ越す
もし引越し時期を選べるなら、閑散期(4〜7月)に交渉することで、仲介手数料を値下げしてもらえる可能性は十分にあります。

ただし、この時期は賃貸市場に出回る物件数も少ないので、気に入った物件が見つかったら試してみるのがいいでしょう。

(3) 他社の見積もりを比較する
気に入った物件が複数の不動産会社で扱っているなら、複数社の見積もりを取って「この会社のほうが仲介手数料が安いのですが、同じ値段に下げられますか?」と契約したいと思った不動産会社に提案してみましょう。また「他の会社は仲介手数料割引のキャンペーンをしていた(家賃0.5ヶ月分だった)」などと伝えるのも効果的です。

(4)予算が少ないことを伝える
見積もりを出してもらったあと、率直に「予想よりも高いので、安くできませんか?」と交渉するのも一手です。このとき「いくら予算をオーバーしているか」を具体的に伝えることで、希望通りでなくとも少しは減額してもらえる可能性があります。

5.【売買編1】仲介手数料の相場

【売買編1】仲介手数料の相場

4章では、「賃貸」の場合の仲介手数料について解説しましたが、この章では、「売買」の仲介手数料はいくらになるのかご紹介します。

5-1.相場はなく、上限いっぱいというパターンが大半

売買における仲介手数料も、賃貸のときと同じく法律で上限が定められています。

売買価格 仲介手数料の上限
200万円以下 取引額の5%
200万円超400万円以下 取引額の4% + 2万円
400万円超 取引額の3%以内+ 6万円

※仲介手数料には消費税がかかります

不動産会社が受領している仲介手数料は、大半のケースで法定の上限いっぱいです。いわゆる「相場」は、仲介手数料においては存在しません。

つまり、400万円超の物件なら「売買価格の3%+6万円+消費税10%」であり、以下のようなイメージです。

金額 消費税率10%
200万円 110,000円
400万円 198,000円
500万円 231,000円
1,000万円 396,000円
1,500万円 561,000円
2,000万円 726,000円
3,000万円 1,056,000円
4,000万円 1,386,000円
5,000万円 1,716,000円
6,000万円 2,046,000円
7,000万円 2,376,000円
8,000万円 2,706,000円
9,000万円 3,036,000円
1億円 3,366,000円

なお、仲介手数料は物件のタイプによって計算方法が異なるわけではありません。戸建てでもマンションでも仲介手数料の算出方法は同じです

5-2.なぜ仲介手数料が無料の会社があるのか?

こちらも賃貸と同様、数は少ないですが、仲介手数料が無料の不動産会社が存在します。

なぜ無料にしているかというと、

  • ・無料にしないと売買が成立しない物件だから
  • ・仲介手数料以外の部分で他の諸経費を増額しているから

といった理由が考えられます。

どんなビジネスでもそうですが、「無料」にしている理由は何かあるはずです。仲介手数料が無料の不動産会社があったら、その理由をしっかり把握して判断することが大切です。

6.【売買編2】仲介手数料はいつ・どうやって払う?

【売買編2】仲介手数料はいつ・どうやって払う?

売買の仲介手数料をどのタイミングで、誰に、どうやって支払うかを見ていきましょう。

6-1.仲介手数料は誰に支払う?

仲介手数料は、取引を仲介する不動産会社に支払います

1社の不動産会社が売主・買主双方の仲介を同時に行う「両手取引」の場合、売主・買主ともに同じ不動産会社が支払い先となります。

一方、2社の不動産会社が売主・買主それぞれ仲介を行う「片手取引」の場合、売主は売主側の不動産会社、買主は買主側の不動産会社がそれぞれの支払い先です。

6-2.仲介手数料を支払うタイミング

こちらも賃貸と同様、依頼や見積もりを取っただけでは仲介手数料は発生しません。不動産会社が仲介手数料を請求できるのは、売買契約が成立したときだけです

正確に言うと、仲介手数料を支払うタイミングは、売買契約締結時に半額、引き渡し完了時に半額を支払うのが一般的です。ただし、不動産会社によっては、売買契約締結時には支払わず、引き渡し完了時に全額を支払うケースもあります。

念のため、「仲介手数料をいつ支払うのか」ということは、取引前に不動産会社に確認するのがいいでしょう。

6-3.仲介手数料の支払い方法

仲介手数料の支払いは、原則として現金で行われ、分割払いすることは基本できません。

ただし、購入時の諸費用(不動産購入金額の7~10%程度)を住宅ローン(アパートローン)に組み入れる「オーバーローン」を受けることができれば、諸費用分のお金を融資してもらえます。

オーバーローンに関しては、こちらの記事をご覧ください。

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7.【売買編3】仲介手数料を安くする3つのポイント

【売買編3】仲介手数料を安くする3つのポイント

この章では、売買の仲介手数料を値下げしてもらうための3つのポイントを紹介します。

7-1.売主と直接取引する

仲介の不動産会社を介さず売主と直接取引すれば、仲介手数料はかかりません。不動産を探していると「売主物件」と表示されている物件がありますが、この場合、不動産会社が売主になるので仲介手数料は発生しません。

ただし、法人ではなく個人間での直接取引の場合、契約・手続きのやりとりをすべて自分たちで行わなければならないため、専門知識・経験が求められます。また仲介がいないことによって、トラブルにつながる恐れもありますし、親族間売買では「みなし贈与」になる危険性もあります。

7-2.交渉する

仲介の不動産会社に

  • 「即決するので仲介手数料を安くしてください」
  • 「売却依頼もするので安くしてください」

などと交渉することで、仲介手数料を値下げしてもらえる可能性もあります。

ただ、しつこく交渉すると印象が悪くなりますので、最低限「値下げをしてくれたら、こちらも○○をする」というように交換条件を提示して反応を見るのがベターです。

7-3.仲介手数料が安い不動産会社を見つける

売買における仲介手数料は、「5-1」で紹介したように上限が定められています。逆にいうと、上限さえ超えなければ不動産会社が自由に価格設定できます。

大半の不動産会社は上限いっぱいの金額で請求してきますが、なかには仲介手数料を定額にしている会社もあります。「なぜ定額にしているのか」ということはしっかり把握する必要がありますが、もしデメリットがなければ、そうした不動産会社を選ぶのも一手でしょう。

まとめ

1. 仲介手数料は取引が成立した時点で支払う成功報酬である

2. 物件の売買価格が400万円超の場合、仲介手数料の上限は「売買価格の3%+6万円+消費税

3. 仲介手数料は、上限額を超えなければ不動産会社が自由に設定することができる

いかがでしたか。不動産の売買、賃貸では基本的に仲介手数料は発生するケースが多く、金額も安価とは決していえません。諸経費がいくらなのかがわからないと正しい資金計画を行うことができないので、取引前にどういった条件なのか必ず確認しましょう。

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再建築不可物件の建築可能化プログラム

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