再発行不可?!建築確認済証・検査済証を紛失したときの対処法3選

「建築確認済証」「検査済証」は新築時または改築時に受け取る重要な書類であり、物件の売却時や増築時などに必要となります。紛失した場合には、再発行はできるのでしょうか?

残念ながら「再発行はできません」。建築確認済証・検査済証を紛失した場合は別途手続きが必要です。

また確認済証はあっても検査済証が交付されていない物件も多くあります。

この記事では、

  • 建築確認済証・検査済証を紛失した場合はどうすべき?
  • 検査済証が交付されていない場合はどうすべき?

について解説します。

建築確認済証は建築するために必要な証明書で、検査済証は建物が設計図書の通りに作られているか確認する完了検査に合格したことを示す証明書となります。

建築確認済証・検査済証については、1章 建築確認済証・検査済証の違いと重要性とは?でも紹介していますが、もっと詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。

1.建築確認済証・検査済証の違いと重要性とは?

建築確認済証・検査済証の違いと重要性とは?

まず、建築確認済証と検査済証というものは何か、またそれぞれの重要性を解説します。もう既に、ご存知の方は、2章 建築確認済証・検査済証をなくした場合はどうすべき?へお進み下さい。

1-1.建築確認済証とは

建築確認済証とは「建物が建築基準法に適合しているかということをチェックした、建物を建てるために必ず必要になる書類」です。

建物が完成するまでには、大きく分けると「設計」「建築確認申請」「建物の施工開始」「建物の完成」「建物の引き渡し」という流れで進みます。そのなかで、建築確認済証とは「建築確認申請をした結果得られる書類」です。

通常、建築確認が済めば3週間ほどで発行されますが、依頼先の建築会社が保管しておき、引渡し時に購入者に渡されるのが一般的です。

なお、建築確認済証の基礎知識については、以下の記事で詳しく取り上げています。まだ知識が不十分という方は、まずこちらをご一読いただければと思います。

1-2.検査済証とは

建築確認済証とよく比較して論じられるのが「検査済証」です。名前はやや似ていますが、その内容・目的はまったく異なります。

検査済証とは、建物の完成後に行われる完了検査に合格すると発行される書類です。一言でいえば、図面通りの建物が完成したという証拠が「検査済証」ということになります。

建築確認済証が発行されていても、図面通りに建物が建てられているとは限りません。それを防ぐためにあるのが検査済証なのです。

建物の建築の流れ

2005年以前に建てられた建物には検査済証がないことが珍しくなく、もし検査済証がない場合、2014年に国土交通省が設けた「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」を活用するのがいいでしょう。

検査済証の基礎知識については、「建築確認済証」と「検査済証」の違いは何か?からお読みいただけるので、合わせてご確認いただければと思います。

2.建築確認済証・検査済証を紛失した場合はどうすべき?

建築確認済証・検査済証を紛失した場合はどうすべき?

建築確認証と検査済証は、再発行できないため極めて重要な書類ですが、万が一紛失した場合どうしたらよいでしょうか?

2-1.建築確認済証・検査済証は再交付できない

こちらもおさらい的な内容になりますが、建築確認済証がないまま無断で着工することは、建築基準法上での違法行為に当たります。そのため、もし内容に不備があれば、再度申請をしなければいけない場合があります。

建築確認済証は、物件の売却時に必要になります。具体的には売却不動産の引き渡しが決まった際に、登記簿謄本、売買契約書、重要事項説明書など建物に関する書類の提出が不動産会社や仲介業者から求められます。建築確認済証もその際に必要となる書類の一つです。

そして、建築確認済証は、原則再交付をしてもらうことはできません。よって、受け取った後はしっかりと保管しておくようにしましょう。  

2-2.再交付できる場合もケースも!?

建築確認済証や検査済証は、再交付はできないのが前提ですが、実は自治体によっては、建築主本人または建築主の委任を受けられた場合に限り、委任状の提出をすることで、再交付が可能なケースがあります。これは検査済証も同様です。

したがって、建築確認済証、検査済証の再交付などについては、各民間の指定確認検査機関へ問い合わせいただくのがよいでしょう。

※ただし、再交付できるケースは例外的であり、基本的には難しいと考えるべきです。そのため以下では、多くの場合に当てはまる紛失した場合の対処法を解説します。

2-3.「建築計画概要書」を発行する

建築確認済証を紛失した際の代わりとなる書類は、主に2つ存在します。

1つめは、「建築計画概要書」です。

建築基準法第93条の2では、「建築計画概要書」について以下のように記載されています。

建築主等からの確認申請の有無については、昭和46年度以降に確認申請をされたものに限られますが、建築計画概要書(確認申請時に添付されている資料)が公開されており、これを閲覧することで確認済証が出ていることを確認することができます。

つまり最後に書かれているように、「建築計画概要書」を閲覧することで、建築確認済証についての確認できるということです。

「建築計画概要書」とは、

  • ・建築物の概要(敷地面積、建物の大きさ、高さ、配置図(※)など)
  • ・各検査履歴(その建物がどのような許可を受けたのかなど)
  • ・建築確認番号、検査済番号、取得年月日

などが記載された書類です。

※配置図には、都市計画道路の拡幅予定線、用途地域の境界線、道路現況線、敷地後退線などが記載されています。

民間の指定確認検査機関に提出された建築計画は、民間における審査終了後、各役所で建築計画概要書が備えつけられます。その後、建築計画概要書は一般に公開されるため、役所の建築指導課の窓口で発行できます。1通あたり100~500円です。

一般に、建築計画概要書は、役所や年代によって様式が異なり、新しいものほど詳細で正確な情報が記載されている傾向があります。

ちなみに東京都の場合、閲覧のみであれば無料です。ただし、閲覧の場合にはコピーや撮影は不可という条件もありますので、詳しくは役所にて確認してください。

また、検査済証に関する情報については、「建築計画概要書」と同様の資料を閲覧して調べることはできません。特定行政庁へ建築物等台帳記載事項証明申請書を提出し、証明書の発行(有料)を受けることで、検査済証が発行されているかの確認が可能になります。

2-4.「台帳記載事項証明書」を発行する

建築確認済証を紛失した際の代わりとなる書類の2つめは、「台帳記載事項証明書」です。

「建築計画概要書」には、建築確認番号・検査済番号・取得年月日が記載されているため、不動産会社が欲しい情報がわかります。しかし前述したように、「建築計画概要書」には役所や年代によって情報が不足しているケースもあります。

そんな場合は、役所の建築指導課の窓口で発行してもらえる「台帳記載事項証明書」を発行するという選択肢があります。

「台帳記載事項証明書」とは、建築確認済証と検査済証の記録が記載されている書類のことで、建築確認済証などの代わりとして使用することが可能です。

「台帳記載事項証明書」も「建築計画概要書」と同様、役所の建築指導課などの窓口で発行することができます。発行手数料は1通あたり200~400円です(ちなみに東京都は400円)。 メールにて仮申請できる自治体も一部存在しますが、受け取りは窓口になるので注意しましょう。 

また、台帳記載事項証明書は、台帳自体が現存していない場合は発行ができません。また、調査の状況によっては検査済証交付年月日が判明しないこともあります。

なお、台帳記載事項証明書を申請・発行するには、建物に関する以下の情報が必要となります。

  1. 申請者の名前
    申請する人の名前や、法人であれば会社名を記載します。
  2. 本人確認書類
    建築主本人であれば本人確認書類が必要です。
  3. 建築当時の地名地番
    これらを調べる場合は法務局へ電話で問い合わせる、または固定資産税の課税明細書、図書館のブルーマップで確認するのがいいでしょう。
  4. 建築当時の建築主の名前、建築確認番号、建築確認年月日、階層

これらは基本的に役所が保管している「建築確認台帳」や「登記事項証明書」に記載されています。ただし、建築してから相当の年月が経過した建物に関しては、すぐには建築確認番号が判明しないときがあるようです。 

なお、申請書は誰でもダウンロードできますが、この申請は建築主、その建築物を相続した相続人、または所有者だけが可能です。窓口に行く人がこれらの人でない場合、上記の4点に加え、委任状、売買契約書、登記事項証明書の写しが別途必要となります。ただし、このあたりの条件も市区町村によって異なりますので、いずれにせよ事前の確認は必要です。

3.検査済証がない場合はどうすべき?

検査済証がない場合はどうすべき?

次に、検査済証が手元にない場合はどうすればよいでしょうか?

3-1.検査済証がないとはどのような状況なのか

建築確認証はあっても検査済証はないというケースは中古物件の売買において、ありがちなケースです。検査済証は「建築確認」「中間検査」「完了検査」を合格してから交付される証明書ですから、以下のケースが考えられます。

  • ・中間検査まで受けたが、完了検査を受けなかった。
  • ・完了検査を受けても合格しなかった。

いずれのケースであっても、検査済証が存在しないということは、その時点で違反建築物とみなされてしまうリスクがあります。

3-2.じつは検査済証がない物件も多い

建物を建てるとき、建築確認済証と検査済証のどちらも発行されるのが現在の主流です。しかし、2005年以前に建てられた建物には検査済証がないことが珍しくありません。

国土交通省のガイドラインの中で提示されているデータによると、2000年の完了検査率は建築主事で46%、指定確認検査機関で44%。この年においては完了検査率が両者合わせても半分未満です。ちなみに近年は、金融機関に対して検査済証のない建築物へ融資を控えるようにといった要請をするなど完了検査の必要性を強化したため、完了検査率も85%以上で推移しているといわれています。

くわえて2005年の耐震偽装問題も検査済証の取得率アップに影響したと言われています。耐震基準を満たしていないマンションが多数発見された結果、「建築基準をクリアしているかどうか」という人々の意識はより強まりました。それを受けて、2005年以降は不動産業者も完了検査を受けて検査済証を発行してもらうことがほとんどとなったのです。

なお検査済証のない建物にはどんなリスクがあるのか、以下の記事にもまとめていますので、興味のある方はご確認ください。

3-3.国交省のガイドラインを活用

検査済証がない際には、2014年に国土交通省が設けた「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」を活用することができます。

このガイドラインは、「築年数が経っていても、新築時に図面通りに建てられていたかどうかをチェックする」というもので、これに合格すれば検査済証の代わりとして使うことができます。このガイドラインに則った検査をしてくれる機関は、以下のサイトで確認できますので、もし検査済証が発行されておらず、不動産関係の手続きが必要になりそうな場合は、参考にしてください。

国土交通省「検査済証が発行されていない場合のガイドライン」

国土交通省「検査済証が発行されていない場合のガイドライン」

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutakukentiku_house_fr_000061.html

ただし、注意点です。融資という観点でいうと、検査済証がない物件は金融機関が消極的になる可能性があります。たとえ建築時に違法性はなくても、既存不適格建築物(法令の改正により基準に合わなくなった建物)も多く存在しますし、法適合状況調査には多くの費用や時間もかかるからです。

4.まとめ

1.建築確認済証・検査済証を紛失した際の代わりとなる書類は、主に2つ存在する。

2.1つめは、「建築計画概要書」。この書類には、建築物の概要、各検査履歴、建築確認番号、検査済番号、取得年月日などが記載されている。

3.「建築計画概要書」は、 役所の建築指導課の窓口で発行できる。1通あたり100~500円。一般に、役所や年代によって様式が異なり、新しいものほど詳細で正確な情報が記載されている傾向がある。

4.2つめは、「台帳記載事項証明書」。これは、建築確認済証と検査済証の記録が記載されている書類のことで、建築確認済証などの代わりとして使用することが可能。役所の建築指導課などの窓口で発行することができ、発行手数料は1通あたり200~400円。

5.2005年以前に建てられた建物には検査済証がないことが珍しくない。もしない場合、国土交通省が設けた「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」を活用するのがおすすめ。

いかがでしたか。建築確認済証・検査済証がない場合の対処法をご紹介しました。本文中で記載したように費用や手間を要するということを理解しておきましょう。

建築確認済証、検査済証の基礎知識を学びたい方は、以下をご一読ください。

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