「建築確認済証」と「検査済証」とは?それぞれの違いを解説

「建築確認済証」「検査済証」という言葉を聞いたことはありますか? おそらく建築関連のビジネスに携わっている方・興味のある方を除けば、不動産投資の中・上級者でもなかなか知らないかと思います。

この記事では、
建築確認済証と検査済証とは何か?
建築確認済証と検査済証の違いは?
発行されるまでの流れ
そもそも建築確認って何?

について解説します。

建築確認済証は、新築時または改築時に受け取る重要な書類であり、物件の売却時に必要となります。紛失していた場合、再発行の規定がなく別途対応しなければなりません。
そのため、いざというときに困らずに済むためにも、「建築確認済証」と「検査済証」を正しく理解して、この機会にぜひ知識を身につけていただければと思います。

万が一、紛失した時の対応については、こちらの記事でもっと詳しくご説明しています。

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「建築確認済証」と「検査済証」の違いは何か?

1. 建築確認済証とは

建築確認済証とは
まず、建築確認証とは何かを見ていきましょう。
ここでは、建築確認の必要性と建築確認証が発行されるまでの流れ、気をつけるべき保管方法をお話しします。

1-1. なぜ建築確認が必要なのか

建築確認済証とは、文字通り「対象物件の建築確認が済んでいることを証明する書類のことです。

近い言葉で「建築確認通知書」がありますが、これは改正建築基準法(1999年5月1日施行)を機に名称が変わっただけで、建築確認済証と意味は同じです。施行前に発行されたものは「建築確認通知書」、施行後に発行されたものは「建築確認済証(または確認証)」と呼ばれています。

建築確認とは、建築基準法に基づき、建築物などの建築計画が建築基準法令や建築基準関係規定に適合しているかどうかを着工前に審査する行政行為です。

一般的な住宅では、建ぺい率、容積率などが守られているか、シックハウス対策は行われているか、居室は十分採光が確保されているか、そして2020年からは省エネ基準に達しているかもチェックされます。なお、建築確認は耐震性を保証するものではありません。

なぜ建築確認が必要なのか、という理由について国土交通省は以下のようにまとめています。

建築物を建てる場合、建築基準法をはじめ、関連法規に適合させる必要があります。みなさまの生命や健康、財産を守るため、建築基準法では地震や火災などに対する安全性や良好な住まい環境を確保するための必要最低限の基準が定められています。このため、建築物を建てる場合にはこの法律を必ず守らなければなりません。

引用:国土交通省HP

1-2. 発行されるまでの流れ

一定規模以上の建築物を建築しようとする場合、建築主は工事に着手する前に、建築主事または指定確認検査機関に「確認申請書」を提出し、その計画が建築基準法等の基準に適合していることの確認を受けなければなりません(なお、リフォームであっても構造や規模によっては建築確認申請が必要な場合がありますので注意が必要です)。

それらが確認されたうえで、「建築確認済証」が交付されます。
建築確認済証は通常、建築確認が終了してから3週間程度で発行され、引渡し時に購入者に渡されます。
発行されるまでの流れ

1-3. なくさないよう保管する

建築確認済証の副本(中間検査対象建築物である場合は中間検査合格証、検査済証)は、金融機関の融資を受ける、登記を行う、物件を売買・増改築するときなどに必要となります。大切に保管しておきましょう。

なお建築確認済証を紛失してしまった場合の対応については、以下の記事をご参照ください。

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「建築確認済証」と「検査済証」の違いは何か?

2. そもそも建築確認って何?

そもそも建築確認って何?
では、具体的に建築確認とはどのようなことをするのか見ていきましょう。

2-1. 建築確認を行うのは誰か

都道府県別指定確認検査機関一覧

建築確認は「建築主事」または「指定確認検査機関」が行います

建築主事とは、建築物の審査確認・検査などを行う都道府県または市町村の職員です。建築基準法では、人口25万人以上の市は建築主事を置かなくてはならないと定められています。

指定確認検査機関とは、建築確認や検査を行う機関として国土交通大臣や都道府県知事から指定された民間の機関です。

以下のサイトから都道府県別指定確認検査機関一覧が確認できます。

2-2.建築確認が必須の建物

以下の建物について建築確認が必須となっています。

  • ■特殊建築物
    共同住宅、ホテル、病院、劇場、学校、コンビニ、倉庫などの不特定多数の人が集まる建築物のうち、特殊な用途に使用する部分の床面積の合計が100㎡を超える場合

  • 大規模建築物(木造建築物)
    3階建て以上、延べ床面積500㎡超、高さ13m超、軒高9m超の1つでも該当する場合

  • 大規模建築物(木造以外)
    2階建て以上、延べ床面積200㎡超のいずれかに該当する場合

  • 一般建築物(上記以外の建築物)
    都市計画区域、準都市計画区域もしくは準景観地区で建物を新築・増改築・移転する場合

  • 10㎡以下の増築移転
    都市計画法における「防火地域」「準防火地域」の10㎡以下の増築移転を行う場合

2-3. 建築確認の流れ

建物の建築の流れ

 

  • ■申請
    建築主は工事着手前に建築主事(もしくは指定確認検査機関/以下同)に確認申請を提出します。

  • 事前審査
    平成19年6月20日施行の建築基準法改正によって、軽微な修正以外の確認申請書の訂正が難しくなったため、「事前審査」(本申請の前に提出書類の不備をチェックする機会)を設けることがあります。建築主事は7日以内(大規模建築物の場合は35日以内)に審査を行います。

  • ■建築確認
    建築主事は、所在地所轄の消防長の同意を得る必要があります。建築主事は建築基準を満たすと判断した場合、申請者に対して建築確認済証を交付します。

  • 着工
    建築確認済証の交付後に、建築工事が始まります。

  • 中間検査の申請
    建築主は一定の工程が完了したら、建築主事に対して4日以内に到着するように中間検査の申請を行います。中間検査とは、建物の用途や規模により、建築確認で申請・承認された内容通りに工事が進められているかどうかの確認のことです。

  • 完了検査の申請
    工事が完了したら、設計図どおりに建物ができているかどうかをチェックします。建築主事は申請受領後、7日以内に完了検査をしなければなりません。完了検査は、建築確認申請の必要な建築行為のうち、用途変更を除くすべての行為に義務づけられています。

  • 引き渡し
    完了検査後、建物は使用開始となります。
    なお、建物の使用は建物確認済証の交付を受けた後でなければ使用できないのが基本原則ですが、特殊建築物・大規模建築物の場合、以下の2パターンのように交付前でも使用できるケースがあります。
  •  ・特定行政庁または建築主事が、仮使用の承認をしたとき
     ・建築主事が完了検査の申請受理後7日を経過した場合 (建築主事からの連絡がない場合) 

3. 建築確認済証と検査済証の違い

建築確認済証と検査済証の違い
1章では、建築確認済証についてお話してきましたが、この章では、検査済証とは何か?建築確認済証と検査済証の違いについてご説明します。また、検査済証の重要性や、ない場合どういったことが起こるのかについて見ていきましょう。

3-1. 建築確認済証のおさらい

建築確認済証について解説する文脈でよく出てくるのが「検査済証」です。初めて耳にする人にとっては、なかなかその違いがわかりにくいかもしれません。

まずおさらいになりますが、建築確認済証とは端的に言うと「建物が建築基準法に適合しているかということをチェックした、建物を建てるために必ず必要になる書類」です。
そして、検査済証とは、「建物の完成後に行われる完了検査に合格すると発行される書類」です。

建物が完成するまでには、大きく分けると「設計」「建築確認申請」「建物の施工開始」「建物の完成」「完了検査」「建物の引き渡し」という流れで進みます。そのなかで、建築確認済証とは「建築確認申請をした結果得られる書類」です。

3-2. なぜ検査済証が必要なのか

検査済証とは、建物の完成後に行われる完了検査に合格すると発行される書類です。建築基準法で定められた「建築確認、中間検査、完了検査」の3つがすべて完了した後に発行される、すなわち、図面通りの建物が完成したという証拠が「検査済証」ということになります。特定行政庁、または指定確認検査機関で交付されます。

建築確認済証が発行されていても、図面通りに建物が建てられているとは限りません。
例えば、ロフトの条件は建築基準法で「天井高が1.4m以下」と定められており、ロフトであれば床面積に含まれません。そのため、容積率ぎりぎりで建物を建てたい場合、ロフトは床面積に含まれないので魅力的なわけです。

天井高と床面積についての図

しかし実際に完成したら、天井高が1.4m以上になっているというケースがあります。この場合、天井高が1.4m以上になるとロフト扱いではなくなり、容積率一杯に建てていたら「容積率オーバー」になってしまいます。

このように、建築確認済証が発行されていても、図面通りに建物が建てられているとは限らないため、それを防ぐためにあるのが検査済証なのです。

3-3. 検査済証がないとどうなる?

前述したように、基本的には建築確認済証の交付を受けてから建物の建築を行い、建築後に完了検査を受けて、その建物が建築基準法に適合していることが認められて、確認検査機関や行政機関によって発行される書類です。つまり、合法的に建築された建物に対しては建築確認済証と検査済証がセットであるはずです。

しかし、建物によっては検査済証が発行されていないケースも存在します。その場合はどのような状況になるのでしょうか。

前提として建築基準法では、工事完了後4日以内に完了検査申請を行うように定められています。完了検査申請を行って、完了検査を受けて合格すれば検査済証が交付されて、工事が問題なく完了したことが証明されます。

これが、たとえば中間検査まで受けて完了検査を受けていない場合、もしくは完了検査に合格していない物件は、検査済証がありません。書類の存在そのものがなければ、その建物は違反建築物として取扱われます

また検査済証がない場合の対処法は以下の記事をご参照ください。

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「建築確認済証」と「検査済証」の違いは何か?

3-4. 違反建築物にはどんなデメリットがあるのか

そのまま建物を使用していれば、その建物の所有者は違反建築物の所有者となります。完成後の建物が違反建築物である場合、建築基準法に基づいて、当該物件の除去を命じられる可能性があります。つまり建て壊しを命じられる可能性があるということです。

そもそも検査済証は、売買やリフォーム・リノベーションなど不動産関係の手続きで求められるケースが多いです。売買の場合はなくても大丈夫な場合もありますが、リフォーム・リノベーションにおいて増築や用途変更の建築確認申請が必要になるときに、検査済証も求められます。また、違反建築物に対して融資する金融機関が限られるため、売買の際のハンデになりやすいです。

4. まとめ

1. 建築確認済証とは、「対象物件の建築確認が済んでいることを証明する書類。建物が完成するまでには、大きく分けると「設計」「建築確認申請」「建物の施工開始」「建物の完成」「建物の引き渡し」という流れで進むが、建築確認済証とは「建築確認申請をした結果得られる書類」を指す。

2. 建築確認とは、建築基準法に基づき、建築物などの建築計画が建築基準法令や建築基準関係規定に適合しているかどうかを着工前に審査する行政行為。

3. 建築確認は「建築主事」または「指定確認検査機関」が行う。建築確認が必要なのは「特殊建築物」「大規模建築物(木造建築物)」「大規模建築物(木造以外)」「一般建築物(上記以外の建築物)」「10㎡以下の増築移転」である。

4. 検査済証とは、建物の完成後に行われる完了検査に合格すると発行される書類であり、図面通りの建物が完成したという証拠が「検査済証」といえる。

5. 検査済証がなければリフォーム、融資が難しいケースがある。くわえて違反建築物とみなされ建て壊しを命じられたり、罰則を受けたりする可能性もある

いかがでしたか。建築確認済証は意外と知られていませんが、不動産投資やマイホーム購入時における非常に重要な書類の一つです。ぜひこの機会に知識を身につけていただければと思います。

なお建築確認済証を紛失してしまった場合の対応については、以下の記事をご参照ください。

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