投資の中でも、ここ数年人気の高まりを見せている「コインランドリー投資」。
「コインランドリーを始めてみようかな?」と考える人も多いかと思います。しかし、「実態はどうなのか?」「初心者が始めて利益を出せるのか?」などをしっかりと調べた上で、コインランドリーに投資するかを判断すべきです。
そこでこの記事では、
- ・コインランドリー投資の基礎情報
- ・コインランドリー投資のメリット・デメリット
- ・コインランドリーの運用、管理の方法
- ・儲かるコインランドリー投資の条件
- ・コインランドリー投資に失敗する理由とは?
などコインランドリー投資に知っておくと有利な情報をお伝えしていきます。
また、多くの人が気になる「コインランドリー投資は儲かるのか?」、「そもそも選択肢として最善なのか?」という疑問について、プロの投資家としての視点や、実際にコインランドリーに投資している人の実態などの情報に基づきお話したいと思います。
当記事をお読みいただければ、まずコインランドリーに投資すべきかの判断ができるようになるでしょう。また、自分にはコインランドリーが向いていない場合、他にどんな投資ができるかが分かり、あなたに本当に合った投資ができるようになるでしょう。
1. コインランドリー投資の基礎知識
ここ数年、サラリーマン投資家を中心とした個人投資家の選択肢として、コインランドリーへの注目は高まっています。その背景には、
- ・アパートの購入など、大きなお金が動く不動産投資はリスクが大きいこと
- ・ここ数年、投資の選択肢としてコインランドリーが流行していること
- ・初期費用があまりかからず手軽に始めやすいこと
- ・土地を有効活用できること
などの理由があります。
また、コインランドリー経営は、個人で経営する他にも、フランチャイズ経営という方法があります。フランチャイズ経営では、必要な業務を委託することが出来ます。
- ・清掃
- ・洗剤の補充など
- ・コールセンター
- ・集金
- ・管理
- ・トラブル対応
- ・販促活動
こうしたコインランドリー経営に必要な業務を任せることが出来る反面、委託費、ロイヤリティ(FC加盟費)をとられるなどの、コスト面でのデメリットもあります。
2. コインランドリー投資のメリットデメリット
コインランドリー投資を始める上では、コインランドリー投資のメリット、デメリットについて知ることが大切です。
コインランドリー投資のメリットには以下があります。
- 【メリット】
- ・初期費用が安く済む
- ・景気に左右されにくい
- ・維持、管理が簡単
- ・節税になる
アパートを購入するなどの不動産投資と比較して、資金、労力ともに手軽に始めることが出来るのがコインランドリー投資のメリットです。有効活用できていない土地がある場合には、節税に繋がる選択肢ともなります。
一方デメリットには以下があります。
- 【デメリット】
- ・機械トラブル
- ・クレームなどのトラブル
- ・売上確保の手間や労力
- ・儲け自体は少ない
コインランドリーを経営する上で、機械やクレームなどのトラブルは、常に起こりうるデメリットです。管理方法にはいくつかの方法がありますが、自分で管理するなど多くの労力をかける場合、労力のわりには大きな儲けになりにくいと感じるデメリットがあります。
3. コインラドリー投資の始め方と運用コスト
コインランドリー投資を始める為には、土地、建物が必要となります。土地、建物を一から取得するかどうかでも始めるまでの手順は変わるため、開業までの流れ、初期費用、開業後のランニングコストについて事前に理解しておくことが大切です。
3-1.開業までの流れ
コインランドリーを開業するための一般的な流れは以下になります。
- 現地調査
- 融資を受けるための事業計画
- フランチャイズで始める場合には、本部との契約
- 工事着工
- 開業
融資を受ける際、工事の着工から開業までには時間がかかります。開業までをスムーズに進めるためにも、こうした流れを知り計画的に準備を進める必要があります。
3-2.必要になる初期費用
初期費用は、コインランドリーの規模によっても変わりますが1500~2000万円程度必要になるのが一般的です。費用の内訳の大部分は、洗濯機や乾燥機などコインランドリー経営に必要な設備への投資です。
坪数などによって必要な台数は変わりますが、費用の半分以上の割合を占めるのが設備投資への費用です。
その他にも、内装費、電気工事、などの諸費用が必要になります。アパートを購入するほどの費用がかからないにしても、それなりの初期費用が必要なことが分かります。
3-3.コインランドリー経営の管理方法
コインランドリーの管理方法には、自分自身で管理する方法と、業者に委託する方法の2つの方法があります。一口に「管理」と言っても、発生する業務は多岐に渡ります。特に清掃や集金などは小まめに行う必要があり、会社員が副業としてコインランドリー経営を行う場合には、管理業者への委託が必要になります。
ランニングコストはかかりますが、業者に委託することで必要な管理業務の大部分を手放すことも可能です。
3-4.コインランドリー経営に必要なランニングコスト
コインランドリー経営は、無人経営が可能な分、人件費などのランニングコストがかからないと言われます。とは言え、人件費以外にも細かな費用は沢山あります。そこで、コインランドリーを経営する上でどんなコストがかかるのかは事前に把握しておく必要があります。
主なランニングコストには、
- ・光熱費
- ・機械の修理・メンテナンス料
- ・洗剤などの消耗品
- ・清掃などの人件費、業務委託費
などがあります。
その他にも、家賃、借地料がかかるケースや、以下のような忘れがちなコストもあります。
- ・防犯・警備や盗難保険代
- ・FCの場合はロイヤリティ(ないところもあります)
- ・固定資産税
- ・リースの場合、業務用洗濯機のリース料(規模により10~30万円/月)
こうしたコストも事前に把握しておきましょう。
4. 儲かるコインランドリー投資の条件とは
少ない資金で投資を始められるアドバンテージが魅力だと言われるコインランドリー投資ですが、コインランドリー投資を始めればすぐ儲かるわけではなく、誰でも簡単に利益が得られるわけではないことをも知っておかなければなりません。
儲かるコインランドリー投資を実現するたには、
- ・良い立地であること(交通の便の良さだけでなく、需要のあるエリアにあること)
- ・駐車場を設置できる広さの土地 (特にファミリー層が多いエリアは駐車場が必須)
- ・明るく清潔感があること(近年は女性の利用者が増えているから)
- ・防犯、セキュリティ面がしっかりとしていること(女性利用者を踏まえた安心感)
- ・休憩スペースの充実(プラスαの魅力が集客力に繋がる。カフェを併設しているなど)
- ・トラブル対応(誠実でスピーディーな対応が出来る体制を作ること)
こうした条件を満たす必要があります。
コインランドリーは、ここ数年利用者層が変化し、それによってニーズに合わせた様々なコインランドリーが登場しています。利用者層や、競合を調査して儲かるコインランドリーにするためのポイントを押さえた投資を行うことが重要です。
5. コインランドリー投資で失敗する理由とは
コインランドリー投資は、開業さえすれば誰でも儲かるわけではなく、場合によっては上手くいかないことも多くあります。投資である以上、リスクを想定しておくことはとても大切です。そこでここでは、コインランドリー投資を始めたものの上手くいかず失敗してしまった事例を見ておきたいと思います。
5-1.売上が低迷、毎月20万円もの赤字に
開業後すぐの段階ではリピーターもつかず、売上は不安定になりがちです。とはいえ、毎月ランニングコストはかかります。
よほど立地が良い場合を除き、開業当初はリピートがつきにくいこともあり、「気が付いたら毎月20万円もの赤字を垂れ流し続けているだけ」という状態になってしまうことがあります。
5-2.想定以上のランニングコストに悩む
開業前に収支のシミュレーションを行い、ある程度の利益が残ると想定するケースでも、蓋をあけて見ればシミュレーション通りにはならないことが多くあります。特にランニングコストが想定以上にかかるケースが多くあります。季節柄夏場は電気代もあがりがちになります。
中には、想定コストより4割以上も多くかかったなどの事例もあります。当然ながら、それだけコストがかかると収支に響きます。
6. コインランドリー投資は本当に儲かるのか
コインランドリー投資がやりたいと考えるのではなく、あくまでも土地活用の選択肢を探しているだけなら、コインランドリー投資が最善の選択肢かどうかを考えることは大切です。コインランドリー投資はやり方次第で収益を得ることも出来ますが、2章で挙げたデメリットや、管理の大変さもあります。
外部委託や、フランチャイズに加盟して始めるなどの選択肢もありますが、元々大きな利益が得られるわけでないコインランドリー投資においては投資としての旨味がありません。
儲かるコインランドリー投資を始めるなら、実地調査から自分で始めて、しっかりと利益を取れるように進めていく必要があります。コインランドリー投資の人気は高まっていますが、周りの投資家を見ても「コインランドリー投資で大きな利益を出した」という話はほとんど聞きません。
流行と共にフランチャイズ大手の参入も増え、良い場所はすでに大手に抑えられているのが現状です。投資として考えた時に、コインランドリー投資が最善の選択なのか、他の選択肢は無いのかを考えてみること、シュミレーションしてみることが大切です。
7. コインランドリー以外のお勧めの投資法
コインランドリー投資のメリット、デメリットを踏まえた上で、1つの選択肢として考えることは出来ます。特に有効活用できていない土地があるような場合には、初期投資を抑えられるので、コインランドリーも選択肢としてありだと思います。
しかし、土地を購入して始めようと考えているのであれば、コインランドリー投資以外の選択肢について知っておくことも重要です。なぜなら、場合によっては他の選択肢を選ぶことで、より大きな利益を得られる可能性があるからです。
例えば、土地を購入して投資を行う方法であれば、
- ・駐車場
- ・駐輪場
- ・賃貸併用住宅
- ・中古アパート
- ・新築アパート
などを建てるという選択肢があります。それぞれにメリット、デメリットがあり、状況によって向き・不向きもあります。しかし、何が最善の選択肢になるのかを判断するためにも、まずはそれぞれがどんな投資なのかを知っておくことが重要です。
下記にそれぞれの投資についての詳細を解説した記事をご紹介しておきます。それぞれの記事に目を通して、何が今の自分の最善の選択肢になるのかを考えてみることをおすすめします。
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まとめ
- 1.コインランドリー投資にかかるコスト、開業までの流れ、などの基礎知識を知っておきましょう。
- 2.上手くいかずに赤字になってしまうケースと、上手くいかない理由を把握しましょう。特に需要のある地域、客層を見分ける必要があります。
- 3.儲かるコインランドリー投資をするなら、人任せ(業者、FCなど)にしないことが重要です。
- 4.投資には様々な選択肢があります。コインランドリーにこだわらないのであれば、それ以外にも最善の選択肢を考えてみることもおすすめいたします。
コストが安く始められる、人件費などのコストがかかりにくい、コインランドリー投資にはこうしたメリットがあるわけですが、だからと言って誰でも簡単に儲かるわけではないことをお分かり頂けたと思います。
しっかりと調査をして、儲かる条件を押さえたコインランドリー経営が出来るようであれば問題ありません。しかし、気軽に始めてしまうことで失敗する人が少なく無いという現実も知っておく必要があります。
特に、コインランドリー投資を土地活用のためにと考える際には「もっと効率よく利益が得られる投資はないか?」という視点で情報収集を行ってみましょう。