中古物件でよく見かける瑕疵担保免責とは?投資で生かす3つの知識

不動産投資物件を安く取得できることは、高い利回りや利益に繋がる可能性があるので非常に魅力的です。しかし、安い物件には何かしらのリスクがあることが考えられます。そのリスクの一つが「瑕疵担保免責」です。

「瑕疵担保免責」という言葉は収益物件を探しているときに物件概要書などで目にすることがあるかもしれませんが、物件の安さや利回りだけに目が行ってしまうと、想定外の損失を被ることもあります。

だからこそ、まずは瑕疵担保免責について知識を深め、その知識に基づいて注意しながら物件を選んでいく必要があります。

そこで、この記事では、瑕疵担保免責についての基礎知識である

  • ・瑕疵担保免責とはどういったものか?
  • ・瑕疵担保免責が付く物件を購入するメリットデメリット
  • ・いろいろな状況の瑕疵担保免責

について解説します。

加えて、

  • ・瑕疵担保免責の物件を購入したい場合の選び方
  • ・瑕疵担保免責のリスクにどう対応するか?

も併せてお伝えします。

当記事では上記の点について、実際にあった事例や、法律でどのように定められているかなども交えながら解説していきます。

この記事をお読みいただければ、瑕疵担保免責の土地を持っていてトラブルが発生している人は自分の支払いか、先方の支払いかの判断ができるようになり、また自分が瑕疵担保免責の土地を購入する際のリスクや対処方法についても学べます。

1.瑕疵担保免責の基礎知識

瑕疵担保免責の基礎知識

まずは瑕疵担保免責の概要について紹介します。

1-1.瑕疵担保免責とは

最初に「瑕疵」という言葉ですが、これは簡単に言うと「欠陥」や「不具合」を意味します。

例としては、雨漏り、腐食、建物の傾きやシロアリの害などが挙げられます。そして、物件に瑕疵がある場合には、売主は買主に対して説明しなければなりません。

しかし、瑕疵によっては隠れた部分に発生している場合や、契約時には問題になっていない物もあります

例えば、腐食やシロアリの害などの場合だと、契約の時点では問題になっていなくても、契約後に問題になることもあります。

それでは、そのような瑕疵の発生が認められた場合、その問題が発生したときには、誰の責任となり、誰が修繕のための費用を負担するのでしょうか?

結論から言うと、大抵の場合、その負担は売主が負うことになります。この売主が追う責任のことを「瑕疵担保責任」と呼びます。

しかし、中古物件など築年数が経っているものであれば、売り主がそこまで責任を負えないということで、瑕疵担保責任がついていない契約で売り出すことがあります。

この場合、「瑕疵担保免責」となります。簡単に言えば、瑕疵担保免責は「購入後に不動産に問題(瑕疵)があっても、売主は責任を負いません」ということです。

また、売主が責任を負う場合でも、瑕疵担保責任には期限があり、その期限を超えると免責になります。それ以降は、不具合が発生しても、修繕の負担は買主の負担となります。

1-1-1.新築住宅の場合

新築住宅の場合は、基本的に不動産業者が販売しているので、瑕疵担保責任は不動産業者が負います。ですから、よほどで無ければ問題になることはありません。

また、ハウスメーカーの注文住宅などの場合は、メーカーが瑕疵担保責任を負いつつ、数十年単位のアフターメンテナンスも行います。

1-1-2.中古住宅の場合

中古住宅は、売り主が不動産会社(宅建業者)の場合は、宅建業者が瑕疵担保責任を負うことになります。

一方、売主と買い主が個人の場合、瑕疵担保責任は通常売主が負いますが、当事者同士の取り決めによって変わってきます

また、個人同士の売買に宅建業者ではない不動産仲介業者が間に入る場合、仲介業者はあくまで仲介をするだけなので、瑕疵担保責任は売主が負うことになります。

いずれにしても、宅建業者が間に立つ場合には、様々な面で法的にもノウハウ的にもバックアップが期待できます。瑕疵担保の面でも安心できると言えるでしょう。

しかし、宅建業者が立たない場合だと物件の鑑定が甘いこともあり得ます。そのため、買手側で物件の状態をチェックする必要も出て来ます。

1-1-3.売主が瑕疵担保責任を負う期間

まず、売主が瑕疵担保責任を負う期間は、新築の場合10年となります。

次に中古住宅ですが、売主が不動産業者(宅建業者)か、個人かで瑕疵担保の期間が変わって来ます。

具体的な期間としては、宅建業者から購入する場合は2年間となり、個人から購入する場合は2~3ヵ月の瑕疵担保期間となります。

また、個人から購入する場合は、最初から瑕疵担保責任を免除する特約を付ける場合もあります。

瑕疵担保の期間が、宅建業者と個人で違うのは、宅建業者が「不動産のプロだから」という考えに基づくからとも言えるでしょう。

任意売却の場合は、売買契約書に特約で瑕疵担保免責を付けていることがほとんどです。

尚、個人で瑕疵担保を免責する場合でも、分かっている瑕疵については買主に説明しなければなりません。瑕疵を説明せずに契約して、隠していた瑕疵が発覚した場合、契約解除や損害賠償などの可能性も出て来ます。

1-1-4.瑕疵担保免責は法律上どうなっているか

それでは、瑕疵担保責任についての法整備はどのようになっているのでしょうか?

瑕疵担保の責任については、民法第570条にて瑕疵担保に関する規定があります。 この規定には、瑕疵は「隠れている瑕疵」を指し、普通には気が付かないものとしています。

そして、瑕疵担保の責任は損害賠償や契約の解除となっています。また、瑕疵担保責任は故意であっても過失であっても責任を負うこととなっています。

ただし、不動産においては範囲が多岐に及ぶこともあり、「雨漏り」「シロアリの害」「構造上主要な部位の木部の腐食」「給水配管の故障」と契約書の上では限定されています。

1-2.瑕疵担保免責の物件を購入するメリットデメリット

瑕疵担保免責の物件購入のメリットとデメリットには、どのような点があるのでしょうか?

1-2-1.メリット

瑕疵担保免責物件のメリットは、何と言っても価格が安いことです。

特に不動産投資の場合、ローコストの物件は投資金額を抑えることが出来るので、ダイレクトに利回りのアップに効いてくるなど、非常に魅力的です。

瑕疵担保免責の物件は現状有姿での取引となりため確かに瑕疵のリスクはありますが、入手をした後は物件の手入れを欠かさずにいれば長く使える可能性があります。万が一リスクがあっても、リスクを回避することができれば、「良い買い物」と言えるでしょう。

1-2-2.デメリット

瑕疵担保物件のメリットは安さですが、客付けのためのリフォームも必要になりますし、後から予期しないリスクが出てくる可能性があります。

そして、採算を上回るリフォーム費用が発生する場合もあり、大きな損失になることもあります。

また、瑕疵担保免責の物件は、多くの場合が築年数を経ているので、購入後に劣化が表面化してくる場合があります。例えば雨漏りですが、購入した時点では発生していなくても、購入後に屋根の劣化が進んでしまい、購入してから数か月後には雨漏りが発生するという可能性もあります。

2.いろいろな状況の瑕疵担保免責

いろいろな状況の瑕疵担保免責

これまでで、瑕疵担保責任と瑕疵担保免責について基本的なことを解説してきましたが、ここでは3通りの瑕疵担保免責の例を紹介します。

2-1.状況1:購入後に浄化槽のヒビが判明し修理費用がかかった

収益不動産を瑕疵担保免責で購入後、浄化槽にヒビが入っていることが分かり、下水道工事に260万円の費用が発生した…といった例があります。

売主が事前に知っていたのではと疑いましたが、定期的に業者を入れて検査をしており、その検査ではヒビは見つかっていなかったことから瑕疵担保免責となり、買い主が負担することになりました。

この場合、売主が責任を負うかどうかは、売主が瑕疵の存在を知っていたかどうか(責任を追及できるかどうか)で変わってきます。売主が知らなかった場合は免責になり、知っていた場合は免責の特約が無効になります。

2-2.状況2:襖や障子がぴったりと閉まらないが、瑕疵担保免責で売却できるか?

自己保有の土地付き建物を売却しようと考えていたものの、襖や障子がぴったりと閉まらずに隙間が空いてしまうという状況でした。原因としては、構造部材の腐食の可能性が考えられます。

では、この物件を瑕疵担保免責で売却した場合、後でトラブルは発生しないのでしょうか?

この場合、隙間部分や、部材腐食の可能性があることを買手に伝えれば、瑕疵担保免責で売却することは可能です

しかし、瑕疵の部分を買手に伝えていなない場合には、瑕疵担保免責が無効になり、あとから他の被害が出た場合も責任を追及される可能性が出て来ます。ですので、正直に包み隠さず伝えることが肝心です。

2-3.状況3:購入したマンションで漏水が見つかった。瑕疵の責任を追及できるか?

土地付きのマンション一棟を買った際、瑕疵の無いことをマンションの管理者から書面で確認し、不動産業者が同席の上で瑕疵担保免責での契約をしました。しかし、契約後の内見の時に漏水を見つけました。

事前にこの瑕疵を知っており不動産業者(宅建業者)が仲介していたなら、一定の説明責任が発生します。もちろん売り主にも責任が発生します。

3.瑕疵担保免責のリスクを回避する方法

瑕疵担保免責のリスクを回避する方法

不動産投資においては、リスクを考慮した上で、投資金額が抑えられる瑕疵担保免責の中古物件は、利回りを確保する上では瑕疵担保免責の物件を購入したほうが良い場合もあります。

ですので、あらかじめ許容できるリスクをピックアップしておくことと、リスクを回避する策を持っておくことが必要になります。

3-1.瑕疵担保免責の物件はここを注意して見る

瑕疵担保免責の物件を見る上では、まず瑕疵にはどのような物があるかを知っておく必要があります。

不動産の瑕疵には、「物理的瑕疵」「法的瑕疵」「環境的瑕疵」「心理的瑕疵」があります。 物理的瑕疵には、雨漏り、シロアリ、腐食、給水配管の故障、建物の傾き、漏水、土壌汚染などが挙げられます。

法的瑕疵には、隣地境界の問題や周辺の土地計画に関することなどがあります。 空き家問題で最近注目されている、接道義務などを満たしていないために建て直せない再建築不可物件はこの法的瑕疵にあたります。

環境的瑕疵には騒音、振動、電波や周辺の施設(ごみ処理場、火葬場、墓地、暴力団事務所)などの問題があります。

そして心理的瑕疵には、過去に不動産で起きた自然死や自殺や殺人事件などが考えられますので、チェックが必要になります。

それらの瑕疵に中には、入居者を募る際に入居希望者に告知をしなければならない物もありますので、入念に確認をするべきでしょう。

尚、物件の不具合のチェックには、ホームインスペクション(住宅診断・建物診断)を依頼するのがオススメです。ホームインスペクションは第三者の視点での診断となるので、客観的な物件の評価を得られることになります。

3-2.瑕疵担保免責物件の選び方

瑕疵担保免責の物件は、価格が安いので非常に魅力的ではありますが、アタリとハズレの差が大きいのが特徴と言えます。

しかし、瑕疵の状況がそれほど大きな問題にならない、または問題を自前で解決するノウハウや余力があれば十分に購入に踏み切る余地はあります。

逆に、リスクを自前で解決するのが難しい場合には、敢えて瑕疵担保免責の物件は避けるのも策です。また、購入するかどうか迷った場合は、不動産投資の先輩やプロに聞いてみることも必要となります。

瑕疵担保免責物件を購入する場合には、購入のメリットとデメリットを十分に把握し、リスクを洗い出した上で、それでも良いと判断できる時に決断購入するのが良いでしょう。

また、投資用物件を売却する場合、瑕疵に関しては十分な説明は当然必要なのですが、築古物件であるならば、個人間での取引として、なるべく瑕疵担保を免責とする方が良いでしょう。

4.まとめ

  • 1.瑕疵担保責任は、不動産の売買後でも不具合があれば売り主にあります。瑕疵担保免責はその売り主の責任を負わないとするものです。新築と中古、売り主が宅建業者か個人かによって、期間が異なります。
  • 2.いろいろな状況の瑕疵担保免責が契約に含まれていたとしても、売買前に売り主が瑕疵に気がついて説明をしていなかった場合、売り主の責任となります。
  • 3.瑕疵担保免責物件の見方や購入する場合の注意点について考えました。瑕疵担保免責の不動産は価格が安くなる傾向にあります。しかし、その分想定しないリスクが潜んでいる可能性もあります。リスクを洗い出しそれでも良いと判断できる場合だけ購入するようにしましょう。 売り手側としては、なるべく瑕疵担保免責としたほうがリスクは少なくなります。

不動産投資をする上で、瑕疵担保免責の問題はリターンも大きいだけにリスクも多いです。

購入にあたっては、物件は価格が安く、利回りも高いため魅力的に見える場合もあります。ですが、リスクまで含めて考えて決めましょう

価格が安いということは何らかのリスクが潜んでいるということを念頭に置き、リスクをカバーできるかなどをきちんと考慮してから購入するようにしましょう。

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