シミュレーションあり!アパート建築費の構造別・坪単価の相場や注意点を解説

  • ・賃貸アパートを建てて家賃収入を得たい
  • ・相続で土地を引き継いで有効活用したい
  • ・これから不動産投資を始めようと思っている

こうした方々にとって、新築アパート経営は魅力的な選択肢です。しかし、正しい知識を持っていないと失敗する可能性も大きいため、注意が必要です。

賃貸アパートを建てる際に知っておくべき知識はたくさんありますが、なかでも特に気になるのは「建築費用」だと思います。建築費用の目安や相場、構造や間取りによる違い、収益を出すために必要な考え方……疑問はたくさんあるでしょう。

この記事では、

  • 賃貸アパート建築にかかる費用の概要
  • どれくらいの費用がかかるのか?その計算方法
  • ローコストに抑えるために必要なこと
  • ローコストで建てる場合に注意すべき点

を中心にお伝えします。

新築アパート経営の成否を分けるのは、「建築費用を適正に抑えること」と言っても過言ではありません。本記事は初心者の方はもちろん、知識に不安がある中上級者の方にとっても非常に有意義な情報が詰まっています。ぜひ最後までお読みください。

1.アパート建築にかかる費用の概要

アパート建築にかかる費用の概要

1-1.アパート建築費用に含まれるもの

賃貸アパートを新築する場合、キッチン、トイレ、浴室などの住宅設備を備えた居室の用意以外にもさまざまな費用が発生します。大まかには、以下の3つに分けることができます。

本体工事費

本体工事費は、文字通り賃貸アパートを作るためにかかる費用です。アパート本体の工事費に加え、水回りの設備など住宅設備の工事費も通常含まれています。

デザイナーマンションや防音設計などの特殊な建造物を除き、一般的には本体工事費が全体の建築費の7割程度を占めます。

アパート建築費用に含まれるものの図解

なお後述するように、本体工事費は坪数や構造によって変わります。

付帯工事費

付帯工事費は「建物に付帯した設備の費用」のこと。本体工事費が全体の建築費の約7割を占めるのに対し、付帯工事費は2割程度というイメージです。

付帯工事費は、以下のようなものが挙げられます。

(1)ガス、電気関連設備費

空調・換気設備、給排水衛生設備、ガス設備、電気設備、エレベーターなどの費用です。具体的には、給排水管を引き込んで建物との接続までを行う「屋外給排水工事」、敷地の外から敷地まで電気配線を引き込む「屋外電気工事」、工事のための足場を組んだり現場の電気・水道を引き込む「仮設工事」などがあります。

(2)外構・造園工事費

駐車場、庭、門柱・門扉、塀、アプローチなどに関する費用です。

(3)解体工事費

建て替えの場合、古い建物を解体して廃材を撤去するためにかかる費用です。足場を組んで建物を解体する工事や、周囲にホコリや音などの迷惑をかけないためのシート養生費などがかかります。井戸や浄化槽がある場合は、それらの処分費用も発生します。

(4)基礎補強工事費

地盤強度が低い土地の場合にかかる費用です。杭を打ち込んだり、セメントなどで地面を固めたりします。種類や、改良する深さによっても費用は異なりますが、一般的には100万円単位でお金がかかります。

(5)造成・整地工事費

敷地に高低差がある場合に整地をするためにかかる費用です。

諸経費

賃貸アパートを建築する際には、建物本体価格や設備費用以外にも「諸経費」がかかります。全体の建築費の1割程度とお考えください。

諸経費は、以下のようなものが挙げられます。

(1)アパートローン手数料

アパートローンの融資を受ける金融機関に支払う手数料のこと。金融機関によって額は異なりますが、相場は5万~10万円程度です。

(2)登記費用

賃貸アパートを建てるにあたり、法務局に対して「登記」の申請を行います。具体的には、新しく建物ができたことを登記するための「所有権保存登記」と、アパートローンを組むときに購入物件に対して抵当権を設定するための「抵当権設定登記」の2種類です。アパートの規模によって異なりますが、この2つの登記で20万~50万円程度の費用がかかります。

(3)不動産取得税

文字通り、不動産を取得したときに課税されるのが「不動産取得税」です。計算式は、「不動産価格の固定資産税評価額×3%」(2021年3月31日まで)です。固定資産税評価額は、時価のおおむね7割程度と考えておきましょう。なお、アパートの床面積が40㎡以上240㎡以下の場合、1200万円の控除を受けられます。

注意点として、不動産取得税は物件取得後「半年〜1年程度」経ってから納付書が送付されるということ。忘れがちではありますが、それなりの費用がかかるため、納税資金を手元に残しておく必要があります。

(4)火災保険料

保険料も、保険会社や補償内容、補償期間によって大きく異なります。一般的な保険の場合、あくまで目安ですが「10年一括払い、地震保険5年付きの場合で30~50万円程度」です。

その他、アパートの設計を設計事務所などに依頼する場合は別途、設計料を支払う必要があります。

1-2.建築費用は坪数や構造によって変わる

賃貸アパートの建築費を考えるにあたり、坪単価や構造について知っておくことが大切です。

坪単価とは

建物の建築費用を表示する単位は「坪単価」です。「1坪あたり〇万円」というもので、例えば坪単価60万円で坪数が100坪であれば、 建築費は60万円×100坪=6000万円となります。

ちなみに、「坪」とは土地や建物の面積を表す単位で、畳にして約2畳分の広さです。㎡から坪に変換するには「坪数=㎡×0.3025」で計算できます。

例えば、70㎡を坪数に変換する場合70㎡×0.3025=21.175となり、約21.2坪です。

坪単価の相場

アパート建築費の坪単価は、建物の構造によって異なります。建物構造には大きく「木造」「軽量鉄骨」「RC造(鉄筋コンクリート)」に分けられ、相場は以下のようになっています。

  • ・木造(2〜3階建て)……50万円前後
  • ・軽量鉄骨(2~4階建て)……50~70万円
  • ・RC造(主にマンション)……70~100万円

本記事のテーマは「賃貸アパートの建築費用」で考えると、4~6戸規模の標準的な賃貸アパートであれば木造が最も多いため、坪単価の相場は「50万円前後」と考えておけばいいでしょう。

2.建物費用のシミュレーション計算をしてみよう

建物費用のシミュレーション計算をしてみよう

賃貸アパート建築にかかる費用の概要を紹介しましたが、では実際どのように計算すればいいのでしょうか。賃貸アパート建築にかかる費用の計算例をいくつか見ていきましょう。

2-1.構造別・建築費用の目安

まずは、建築費用が坪単価に対して大まかにどれくらいかかるのか紹介します。

  • ・木造……平均87万円
  • ・軽量鉄骨……平均94万円
  • ・RC造(主にマンション)……平均92万円

いくつかケースを見ていきましょう。

2-2.【木造2階建て・40坪・6世帯】のケース

まずは、アパート本体と設備費用を計算します。

上に書いたように、坪単価に対する木造の建築費用は「平均87万円」です。したがって、このケースの場合、40坪×87万円=3480万円です。

続いて、諸経費を計算します。ここでは以下のように想定します。

  • ・アパートローン手数料:8万円
  • ・登記費用:25万円
  • ・火災保険費用:20万円
  • ・不動産取得税(1200万円控除適用):30万円
  • 合計:83万円

よって、アパート本体と設備費用の「3480万円」と諸経費の「83万円」を加えた「3563万円」がこの物件の建物費用となります。

木造建築費用…平均87万円×40坪=3480万円

3480万+83万円

=3563万円

アパートローン手数料…8万円

=合計83万円

登記費用…25万円

火災保険費用…20万円

不動産所得税…(1200万円控除適用)…30万円

2-3.【木造3階建て・100坪・10世帯】のケース

上の例と同じように順番に考えていきましょう。

まずは、アパート本体と設備費用を計算します。

このケースの場合、100坪×87万円=8700万円です。

続いて、諸経費を計算します。ここでは以下のように想定します。

  • ・アパートローン手数料:10万円
  • ・登記費用:55万円
  • ・火災保険費用:60万円
  • ・不動産取得税(1200万円控除適用):150万円
  • 合計:275万円

よって、アパート本体と設備費用の「8700万円」と諸経費の「275万円」を加えた「8975万円」がこの物件の建物費用となります。

木造建築費用…平均87万円×100坪=8700万円

8700万+275万円

=8975万円

アパートローン手数料…10万円

=合計275万円

登記費用…55万円

火災保険費用…60万円

不動産所得税…(1200万円控除適用)…150万円

※なお、ここでは木造の例しか取り上げませんでしたが、軽量鉄骨やRC造の場合、坪単価の数値と諸経費の部分を変更すれば、同じように建物価格を算出することが可能です。

3.ローコストに抑えるために必要なこと

ローコストに抑えるために必要なこと

ここまで、賃貸アパートの建築費用の概要、そして計算方法、実際のシミュレーションを解説してきました。

では、そもそも賃貸アパートの建築費用を抑えるためには、どうすればいいのでしょうか。

3-1.本体工事費を安く抑える

まず考えられるのが、「本体工事費をローコストにする」ということです。

例えば、以下のような点が挙げられます。

  • 形状
    どんな不動産であれ、建物の形状は「正方形に近い」ほうが建築費用を安く済みます。同じ面積で比較すると、長方形より正方形のほうが壁の面積が少なくなるからです。

  • 階数
    3階建よりも2階建のほうが建築費用は安くなります。3階建てだと建物の構造計算など特別な条件が義務付けられていますが、2階建ては免除されているからです。

  • 仕様を規格化している建築会社を選ぶ
    外装から内装まで細かい部材の仕様を決めている、いわゆる規格化している会社の建築費用は、総じてリーズナブルです。建物に強いこだわりがないのでしたら、規格化されたアパートを選ぶのも一手でしょう

  • 共有部分を安く抑える
    最近では、専有部分(各居室)ではなく共有部分を極端にシンプルにし、初期費用もランニングコストも抑えた工法を強みにしている建築会社が増えています。

3-2.余計な諸経費を省く

本体工事費以外のコストダウンと合わせて、余計な諸経費が加算されていないか確認することも大切です。例えば、以下のようなものです。

中間マージン
依頼した会社から下請け、孫請けというような発注形態だと、中間マージンによって建築費用が高くなってしまいます。工務店やハウスメーカーの利益がたっぷりと乗っかっている可能性があるわけです。

この対策としては、

  1. 相見積もりをとってみる
  2. 他社に相談して余計な工事項目がないかチェックする
  3. 設計する会社と建築する会社が一緒かどうかを確認する

ことがポイントです。

設計料
賃貸アパートの設計を設計会社に依頼すると、その分の費用がかかります。一般的に、工事費の5%~10%程度といわれています。これが余計な諸経費なのかはオーナーごとの判断ですが、本当に費用対効果があるのかは十分に考慮する必要があります。

税制優遇
前述したように、新築アパートの床面積が40㎡以上240㎡以下の場合、1200万円の控除を受けられます。
詳しく説明すると、以下のようになります。

【建物】
●特例の税額
不動産取得税=(固定資産税評価額−1,200万円)× 3%

●軽減の要件(増改築含む)

  • ・居住用その他も含め住宅全般に適用 (マイホーム・セカンドハウス・賃貸用マンション[住宅用]など)
  • ・課税床面積が50㎡以上(戸建以外の貸家住宅は1戸当たり40㎡以上) 240㎡以下

したがって、60~70坪程度で賃貸アパートを建てようと考えているのなら、延床面積を240㎡以下で抑えることも検討してもいいでしょう。

4.建築費は安く済ませたほうがいい?

建築費は安く済ませたほうがいい?

賃貸アパートの建築費用を安くするための方法をいくつか紹介しましたが、本当に安く済めばいいのでしょうか。

結論からいうと、必ずしもそんなことはありません。

建築費をローコストにすることで「利回りが上昇する」というメリットもありますが、一方でデメリットもあるのです。

また、ローコストで発注できる建築会社と一口に言っても、良心的な価格設定をしている会社もあれば、安かろう悪かろうの会社というもあります。表面的な安さに騙されないようにしなければなりません。

したがって、建築費については安いことのメリット・デメリットをきちんと把握し、業者を選ぶ際の注意点も理解しておく必要があります。

これらについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

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5.まとめ

1.賃貸アパート建築費用には「本体工事費」「付帯工事費」「諸経費」に分かれる。全体の建築費に占めるそれぞれの割合は「本体工事費……7割」「付帯工事費……2割」「諸経費……1割」

2.賃貸アパートの建築費を考えるにあたり、坪数や構造を知っておく必要がある。木造の場合、坪単価は「50万円前後」

3.賃貸アパートの建築費用を安く抑えるためには、「本体工事費を安く抑える」「余計な諸経費を省く」の大きく2つが挙げられる

いかがでしたか。賃貸アパートの建築費用にはさまざまな知識が求められますが、この段階でいかに正しいシミュレーションを行い、うまくコストを抑えられるかが新築アパート経営の成否を握るといっても過言ではありません。建築費用には後からリカバーできないものも多いからです。後悔しないためにも、ぜひ正しい知識を身につけていただければと思います。

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