投資して本当に安全?不動産クラウドファンディングの仕組みやリスクを確認

不動産投資を始めるためには物件の取得費用など、まとまったお金が必要になります。そのため多くの人にとってはハードルが高く、諦めてしまうこともあります。

そうした中、不動産投資の一つの方法として、不動産クラウドファンディングと呼ばれる投資が近年登場しました。これは一般の不動産投資よりも取り掛かりやすく、多額な自己資金も必要ではありません。しかし、新しく登場した方法のため、仕組みの理解や知識は非常に大切です。

そこで、この記事では、

  • ・不動産投資クラウドファンディングとはどういったものか?
  • ・クラウドファンディングの種類や違い
  • ・不動産投資クラウドファンディングのメリット・デメリット

などの基本的な知識や仕組みについて紹介したいと思います。また、それに併せて、不動産クラウドファンディングのパートナーである業者の選び方や、2018年末にニュースになったトラブルなども踏まえて、気を付けるべき点についてお伝えします。

この記事を読み終える頃には、不動産クラウドファンディングの基礎知識、仕組み、注意点についても理解を深まることでしょう。

1.不動産投資クラウドファンディングとは

不動産投資クラウドファンディングとは

最初に不動産クラウドファンディングについて、どの様な物であるか、種類について、メリットとデメリットなどについて説明します。

1-1.不動産クラウドファンディングの仕組み

不動産を運用する会社は様々ですが、当然ながら運用するために事業資金は必要です。

そのため、企業は事業資金を募ることになります。そこで投資家が企業に投資しますが、クラウドファンディングは、インターネットを活用して投資出来るサービスです。不動産クラウドファンディングは、主に事業者が投資家から資金を集めて、不動産の取得運営を行うことになります。

不動産クラウドファンディングの仕組み

このサービスは、2018年の不動産特定共同事業法の改正と施行によって可能となりました。法律の改正によって契約締結に関する書面や財産管理状況の報告書などが、インターネット上でも扱える様になったからです。

不動産クラウドファンディングを展開している企業は複数ありますが、最低投資額は1万円からとなっており、通常の不動産投資と比較すると非常に少額です。そのため、投資を始めるにあたってのハードルは非常に低くなっています。

1-2.市場規模は?

クラウドファンディングは、今注目を集める事業の一つとなっています。2017年の調査では市場規模は1700億円、今後も更に増加していくと考えられています。

不動産については、関係する法律である「不動産特定共同事業法」が改正されて参入しやすくなり、規模も拡大しています。 例えば、出資金額が100万円、総額で1億円を超えない範囲であれば、登録のみでスタートさせることが可能となります。この様な背景もあるため、登録を待っている企業も多数あります。

1-3.クラウドファンディングの種類

次に、クラウドファンディングの種類について紹介します。3つの種類に分類されます。

1-3-1.融資型

融資型(貸付型)で、別名「ソーシャルレンディング」ともいわれます。リスクが低く、中程度のリターンを見込めるタイプの投資です。

融資型クラウドファンディングは資金調達をしたい企業に、資産運用をしたい投資家が投資、プラットフォームを提供している業者が融資を行います。融資ですので、企業は金利分を含めて返済をします。

投資家は元本と金利分の利益から、プラットフォーム提供事業者の手数料を差し引いた金額を利回りとして受け取れます

1-3-2.ファンド型

ファンド型は事業者の特定の事業に対して、投資家に出資を募る仕組みです。

一般的には、配当金がリターンとして支払われますが、商品や製品がリターンとして提供される場合もあります。ファンド型の特徴としては、運営業者が「第二種金融商品取引業登録」の元にある点です。また、融資型よりも成功をすれば大きなリターンを狙えます。

1-3-3.株式型

株式型は、非上場の企業に出資するタイプとなります。主に、ベンチャー企業の非上場株式に投資することになります。株式ですので、会社の業績によって株主に還元する配当率などは変わってきます

投資家は株式投資の様に配当と、場合によっては売却益(キャピタルゲイン)を得ることが出来ます。上場を果たした場合などは非常に大きな利益となることが見込めます。

逆に、ベンチャー企業ですので、投資先が倒産するリスクも負うことになります。また上場している株式と異なり、いつでもだれにでも株式を売却することができるわけではない点に注意する必要があります。

3つの型がクラウドファンディングにはありますが、不動産クラウドファンディングはファンド型となります。

1-4.不動産クラウドファンディングのメリット・デメリット

次に、不動産クラウドファンディングのメリットとデメリットについて説明します。

1-4-1.メリット

まずはメリットについてです。

◆少額投資が可能

不動産クラウドファンディングの大きなメリットとしては、少額投資が出来る点が挙げられます。

通常の不動産投資ですと、物件購入などのために数千万円単位にも投資額は膨らみますが、不動産クラウドファンディングの場合は1万円からでも投資が可能です。そのため、大きな費用の捻出が難しい人でも始めやすい傾向にあります。

◆損失から保全されるスキームを用意している事業者もある

不動産クラウドファンディングの中には、投資家が損失から保全されるスキームを用意している事業者もあります。 これは「優先劣後スキーム」と呼ばれる物で、仮に損失が発生した場合には、投資家よりも運営会社が先に損失を負担する仕組みとなっています。

◆物件情報が明確である

不動産クラウドファンディングは物件情報が明確です。そのため、事業のメリットやリスクを投資家自身が判断しやすくなります。物件情報には、物件の所在地や概要、更には床面積や入居の有無まで記載されることがあります。

◆実際の不動産投資より手続きが簡単

不動産投資をするには通常、投資用不動産を投資家自身が取得することが必要です。しかし、不動産クラウドファンディングの場合は、投資家が実際的に不動産を取得することが無いため、手続きが簡単になります。

不動産投資で投資用不動産の取得をするためには、物件の確認から金融機関の融資、更には客付けなどまで考えなければなりません。しかし、不動産クラウドファンディングの場合は、物件を探す必要はありませんし、運用も業者に任せることができます

◆複利運用が可能

複利計算は利益が利益を呼び込むともいわれますが、不動産クラウドファンディングでも複利投資が可能であり、資産を増やす点で効果的です。 得られた利益を再投資にまわすことによって複利効果が見込めます。

1-4-2.デメリット

次にデメリットについてです。

◆リスクの存在

不動産クラウドファンディングには損失保全のスキームがあるのですが、それでもリスクがまったく無くなった訳ではありません。当然、元本割れのリスクは存在するのです。 例えば、不動産相場が大きく下落した場合、用意されている損失保全分を超えてしまう場合もあります。

◆レバレッジ効果が期待できない

通常の不動産投資であれば、金融機関を利用することにより、レバレッジ効果を引き出すことが可能で、自身が投じた出資金よりも大きな投資が出来ます。

しかし、不動産投資クラウドファンディングの場合は、自身が融資をうけて投資をするわけではないため、自己資金内で行う必要がありレバレッジ効果が期待出来ません。

2.不動産クラウドファンディングと不動産ファンディングの違い

不動産クラウドファンディングと不動産ファンディングの違い

不動産クラウドファンディングに似ている投資に、「不動産ファンディング」があります。 不動産ファンディングにはREITと不動産特定共同事業がありますが、それぞれについて相違点を説明したいと思います。

2-1.REITとの違い

投資信託のREITは出資者から費用を集めて不動産に投資しますが、どの様な物件に投資をするのかが投資家には知らされません。しかし、投資先はマンションなどの住居用不動産に限らず、オフィスビルや商業施設、更にはリゾート地などにまで及びます

その一方で、不動産クラウドファンディングは、物件の詳細の情報まで投資家に通知されるので、投資家としても物件の詳細を知ることが出来ます。しかし、REITとは違って、基本的には住居用不動産となります。

2-2.不動産特定共同事業との違い

不動産クラウドファンディングと不動産特定共同事業は、物件の共同所有や運営をプロに依頼出来る点など、同じ点が多くありますが、投資額が大きく違って来ます。また、仮に事業の状態が悪くなったとしても、損失補填の面で両者は違って来ます

例えば出資額を比較すると、不動産クラウドファンディングの場合ですと1万円レベルの投資から可能ですが、不動産特定共同事業の場合は100万円と上がります。また、不動産クラウドファンディングには損失の補填もありますので、仮に事業が上手く行かなかった場合でも、投資家の受ける被害は小さくなりがちです

3.不動産クラウドファンディングの始め方

不動産クラウドファンディングの始め方

それでは、不動産クラウドファンディングの始め方はどうなのでしょうか。代表的な例を紹介します。

3-1.仮会員登録

まずは運営企業サイトに行き、必要事項を記入し、仮会員の登録をします。

3-2.投資家登録(申請)

次に投資家登録をします。ここでは出資応募に必要な情報を入力して登録します。

3-3.口座開設

投資に関する口座を開設します。

3-4.審査通過後本人所在確認

審査を通過した後で、本人の確認などを行います。

3-5.入会手続き(資金入金)

指定口座に投資用の資金を入金します。

3-6.気に入った案件を選んで内容を確認・投資応募

物件情報を閲覧し、気に入った案件の内容を確認し、投資の応募をします。

3-7.募集結果通知

募集結果の通知を受け取ります。

3-8.出資振込手続き

出資金を運営会社の指定口座に振り込みます。

3-9.物件の状況確認

物件の情報がサイト上に掲載されるので、物件の状況を確認します。

3-10.分配金受取

運用で得た利益の分配金を受け取ります。

3-11.年間取引状況確認

運営会社にもよりますが、分配金の支払い調書を発行してくれるところもあります。

4.不動産投資クラウドファンディングの税金

不動産投資クラウドファンディングの税金

投資型のクラウドファンディングにより、給与所得以外に20万円以上の利益が出た場合、確定申告が必要となります。

利子や分配金、配当金を受け取る場合、事業者から源泉所得税などを差し引かれて支払われます。20%が通常差し引かれますが、2037年までは復興特別所得税0.42%も追加され、20.42%となります。

また、株式型で株を売却して利益が出た場合は譲渡所得となり、20.315%(復興特別所得税を含む)の税金が課されます。

5.不動産クラウドファンディングをする場合の注意点!

不動産クラウドファンディングをする場合の注意点!

ここで、不動産クラウドファンディングの注意点について触れたいと思います。

5-1.人任せにしない

不動産クラウドファンディングは不動産のプロが運用してくれるメリットがありますので、自分で事業を展開するよりも気楽な面もあるかも知れません。 しかし、先ほども取り上げたようにデメリットも当然あります。また、想定していた分配金が適正に出されない場合などもあります。

この様に、仮に少額から始められるからと言って、何も調査せずにはじめてしまうと、思いもよらぬ結果に見舞われることもあります。

5-2.不動産クラウドファンディングの運営会社の選び方

基本的には、その企業の過去の実績などを調べて選ぶのが得策です。そして、単に収益状況を調べるだけで無く、行政処分などの経歴を調べてみましょう。情報はネットや口コミなどでも調べることが可能です。 当然ながら、過去に行政処分などを受けた会社は敬遠するべきでしょう。

5-3.物件の選び方

不動産クラウドファンディングは物件の情報を知る点がメリットですが、そのメリットも生かさなければなりません。運用期間や分配率を確認すると共に、物件の仕様や状態、あるいは駅からの距離などを調べることも必要になります。実際の不動産投資の物件判断基準で選ぶのが良いでしょう。

5-4.2008年末に発生したラッキーバンクの債権譲渡

ラッキーバンクという中堅の業者があります。ネットで調べると簡単に名前が出てきます。

ラッキーバンクは不動産事業を専門に扱いクラウドファンディングで資金を集めていました。募集頻度がそれなりに多く、150億円を超える累計応募実績額を持っていました。

2018年12月5日に、この業者から投資家にメールが送られました。メールには、返済が遅れていた複数のファンドでの債権譲渡について記載されていました。

この返済の遅れた複数ファンドについては、任意での売却での返済を試みたものの、この年の11月時点で担保不動産の売却が進みませんでした。しかも、競売に掛ける費用も用意が出来なかったのです。そして、債権の譲渡に至りました。その結果、50億円の債権が16億円で売却されることになりました。

投資家の出資金は元本を割れてしまい、32%しか戻らない結果となってしまったのです。

ところで、ラッキーバンクについては、その後に分かったこともあります。例えば、売却可能であったはずの不動産が譲渡されてしまったことがありました。しかも譲渡先はラッキーバンク社の身内の企業でもあったのです。

そして出資者による集団訴訟も発生し、ついに金融免許取り消しに至りました

この事件から学べることは、不動産クラウドファンディングは、投資家自身が直接的に運用をしていない分だけ、公開されている情報についても不透明な部分も多く、気を付けなければならないことです。 ですので、事前に評判などを調べ、また分散投資を心掛けることもとても重要となります。

6.まとめ

  • 1.不動産クラウドファンディングは小さな出資で不動産投資をするメリットがあります。しかし、運営会社の倒産リスクやレバレッジが効かないなどのデメリットもあるので、実際にはじめる時はトータルでの検討が必要です。
  • 2.不動産クラウドファンディングに似ている投資に不動産ファンディングがありますが、投資先や金額などが違って来ます
  • 3.不動産クラウドファンディングの始め方ですが、代表的な流れとしては次の通りになります。
  • ①仮会員登録→②投資家登録(申請)→③口座開設→④審査通過後本人所在確認→⑤入会手続き(資金入金)→⑥気に入った案件を選んで内容を確認・投資応募→⑦募集結果通知→⑧出資振込手続き→⑨物件の状況確認→⑩分配金受取
  • 4.不動産クラウドファンディングで気を付けなければならないことは、当然リスクが存在すること、きちんと会社の実績や投資内容を確認すること、分散の投資をすることです。

不動産クラウドファンディングはメリットの大きな投資です。しかし、デメリットや注意点もあるので、しっかりと情報を集めて判断をすることが大切となります。いろいろな投資が出てくる中で日々の勉強をして仕組みの理解や知識を学ぶことが必要になります。

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