初心者には危険?不動産投資で失敗しないためにおさえておきたいリスク回避術3選

「不動産投資に興味があるけど、失敗が怖い」こうした不安を持つ方は多いでしょう。

数年前から「不動産投資=危険」というネット記事も量産されるようになりましたし、そうした記事を読んで「ああ、やっぱり不動産投資には手を出さないほうがいいのだな」と思っている人もいるかもしれません。

他にも、

  • ・どんな失敗があり得るか事例を知りたい
  • ・失敗した場合の相談はどうしたらいいかを知りたい
  • ・失敗しないための事前回避策を知りたい
  • ・賃貸経営をしているが赤字が増えている。これ以上赤字が膨らんで失敗しないために、解決策を知りたい

という人もいるでしょう。

結論からいえば、不動産投資で失敗している人は一定数います。
しかし、失敗はいくつかの“パターン”に分けることができ、それを知ることで事前に回避することができます。

この記事では、

  • よくある失敗例
  • どうやって解決すればいいか
  • 失敗したときに誰に相談すればいいか
  • 事前回避策

など不動産投資の失敗に関する情報を、これまで100冊以上の不動産書籍に関わり、自らも不動産投資歴10年以上の筆者が徹底解説します。

この記事を読むことで、よくある不動産投資の失敗パターンを知ることができます。また万が一、自分がその失敗をしてしまった場合の対応策もわかるようになります。

本記事が「不動産投資で長期安定収入を得たい!」という方のお役に立つことができれば幸いです。

1.事例でわかる不動産投資の失敗ケース

事例でわかる不動産投資の失敗ケース

ここではまず不動産投資でよく見聞きする失敗例を紹介しましょう。最初は誰もが「自分なら成功できる」と思って投資するものの、どういったリスクが存在するのかを事前に知らなかったため、失敗してしまったといえます。

1-1.営業電話をきっかけに新築ワンルームを購入したが、最初から最後まで赤字

  • 【投資家プロフィール】
  • Mさん
  • ・35歳、男性。既婚
  • ・公務員
  • ・購入物件:2700万円、東京都心、24平米、フルローン、金利2.5%、融資期間35年

Mさんは、大卒から都庁に勤めるエリート公務員。少しずつ年収も上がってきたものの、「そろそろ子どもをつくろう」と奥さんと話しており、そうなると自分の稼ぎだけでは収入面の不安を感じていました。

そんな中、ある日不動産会社から一本の電話を受けます。新築ワンルームマンション投資を勧める営業電話でした。

「全額ローンで買える」「年金、生命保険代わりになる」「公務員だと良い条件で融資を受けられる」と言われ、興味を持ったMさんは「一度、詳しく話を聞いてみよう」と思い、後日カフェで営業担当と打ち合わせすることになりました。

当日は営業担当の女性以外に、上司の強面の男性がいました。収支計画表などを見せられ、熱心に営業されたものの、「この場で決められない」と言ったMさん。

しかし「人気の物件なので、この場で仮契約でもしていただかないと、後悔することになりますよ」と男性上司から強引に営業され、Mさんはその場で仮契約をしてしまいました。結局、それ以降も激しい営業に抗えず、新築ワンルームマンションを購入。

ところが、購入後すぐに入居者は決まったものの、毎月2万円程度の持ち出しに。それは当初のシミュレーションである程度覚悟していたものの、空室になると、その期間は丸ごとローン返済を給料から補填しなければなりません。

売却を考えたものの残債が残っているため、大きな赤字を背負うことになります。こうしてMさんは新築ワンルーム投資をしたことに強く後悔しました。

1-2.築古戸建てを現金一括で購入。しかし想定外の修繕費が発生

  • 【投資家プロフィール】
  • Kさん
  • ・29歳、男性、未婚
  • ・サービス業
  • ・購入物件:370万円、北関東の築古戸建て、現金購入

Kさんが不動産投資に興味を持ったきっかけはYouTube。築古の戸建てを数百万円で現金一括購入し、再生させて売却益を狙うという手法を見て、「なんか楽しそう!自分でもできるかも」と思いました。

購入したのは築48年、北関東の駅徒歩25分の戸建てです。築年数の割には建物の外観はきれいでした。オーナーチェンジ物件だったので室内は確認できなかったものの、「これならお買い得だ」「いざとなれば自分でDIYしよう」と思い、現金購入しました。

ところがある日、入居者から「キッチン設備が壊れた」という連絡が入りました。給湯器とガスコンロが経年劣化で故障したということです。交換のため見積もりを取ったところ、30万円以上かかるといわれ、想定外の出費に驚いたKさん。支払うことはできるものの、数カ月分のキャッシュフローがなくなり、今後も同じような修繕が発生するのではと思うと、強い不安を感じました。

1-3.新築アパートを購入したが、周辺エリアが供給過多になり空室が埋まらない

  • 【投資家プロフィール】
  • Nさん
  • ・45歳、男性、既婚
  • ・医師
  • ・購入物件:8500万円、横浜近辺の私鉄某駅、新築アパート、ワンルーム×8戸、フルローン、金利3.2%

Nさんは2017年、ある新築アパートメーカーのネット広告を見てセミナーに参加し、その会社の物件を購入しました。新築であること、フルローンで融資を受けられること、駅の知名度は低いが人気の横浜近辺であること、などが決め手となりました。

購入後は新築ということもあってか、募集して1カ月で満室に。「やっぱり自分の判断は正しかったのだ」とNさんは自信を持ちました。

しかし2年後の2019年、更新を迎えたタイミングで空室が出始めます。Nさんは「まだ2年しか経っていないし、募集をすればすぐに埋まるだろう」と思っていました。

ところが、2巡目になると募集をしても次の入居者がなかなか決まりません。狭小、駅徒歩12分、坂の上というネガティブな条件がそろっていたものの、相応の家賃設定はしており、かつ新築のときはすぐに入居者が決まった。なぜ今回は決まらないのか? Nさんは頭を抱えました。

そのことを管理会社に相談した結果、衝撃の事実を聞かされることになります。その管理会社は、Nさんが購入した新築アパートメーカーの子会社だったのですが、なんとその新築アパートメーカーはNさんの物件の周辺に同じ規格の物件をいくつも建てていたのです。

Nさんが物件を購入した当初は、競合となる物件は少数でした。しかしその2年後には、近くに4棟も同じようなアパートが乱立し、入居者を奪い合っている状況になっていたのです。

当然、同じスペックであれば少しでも新しい物件が望まれます。結果、Nさんの物件は空室がなかなか埋まらず、相場並みに下げた家賃をさらに下げようかと検討することになりました。

2.よくある失敗例に対する「解決策」

よくある失敗例に対する「解決策」

ここまで不動産投資における代表的な3つの例を紹介しました。万が一、このような状況に陥ったらどのように解決すればいいのでしょうか。

2-1.新築ワンルームマンションに投資してはいけない

不動産投資では、「新築一棟」「中古区分」「築古戸建て」などさまざまな投資手法があり、メリット・デメリットが存在します。また、それぞれの投資手法で資産を築いた人もいるため、一概に「どれが正解、どれが間違い」というものはありません。

しかし、「新築ワンルーム」だけは確実におすすめできません。100%儲からないといっても過言ではないからです。

とくに新築ワンルームは業者側の利益が大きく上乗せされているので、購入時点で物件価格は2、3割程度下落します。3000万円の物件の場合、買った瞬間に2400万円に価値が下がるということです。初めから負け試合をしているようなものです。

どうしても新築ワンルームを所有したいのなら、最初に自己資金を多めに出すか、繰上げ返済をするしか方法はありません。

もし売るとしても残債は残るので、損切りする覚悟をしておいてください。

いずれにせよ、「新築ワンルーム投資には手を出さない」が正解です。
以下では詳しくそのリスクを解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

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2-2.プロパンガスのサービスを有効活用する

築古の物件だと、たとえ外観が築年数の割にきれいでも、給湯器やガスコンロといった住宅設備経年劣化している可能性は大いにあります。普通に見積もりをとると、Kさんのように高額な請求を受ける可能性もあります。

ここでおすすめなのがプロパンガスのサービスです。給湯器、キッチン、お風呂などはプロパンガスのサービスを受けられる可能性があります。ただし、サービス内容はエリアによって異なりますし、ガス料金が高くなる可能性があるので注意です。先輩大家さんからの紹介がベストでしょう。なお都市ガスではこのようなサービスはありません。

Kさんのケースでは、プロパンガスのサービスによって、給湯器とガスコンロを新品に交換、さらに水栓をシングルレバーに交換までしてもらい、数万円でおさまりました。

2-3.管理会社に任せきりにせず、オーナー自身も動く

Nさんのように、周辺に競合物件が乱立した場合、どうすればいいのでしょうか。

大切なのは、管理会社に任せきりにしないこと。1物件の空室期間が長くても管理会社の大したダメージはありません。オーナーがやる気を見せないと、状況は改善しないので自ら行動を起こしましょう。

Nさんの場合、管理会社と協力し、競合物件の研究、募集条件の見直し、ステージングなどを行いました。ステージングとは、室内に簡単な家具や小物を設置して入居希望者が内覧したときに印象を上げる工夫を指します。

3.よくある失敗例に対する「相談先」

よくある失敗例に対する「相談先」

前項では「解決策」を紹介しましたが、特に初心者なら誰かに相談してアドバイスが欲しいと思うでしょう。本記事で取り上げた3事例の場合、どこに相談すればいいのか紹介します。

3-1.新築ワンルームで失敗した場合……

Mさんのように新築ワンルームで赤字が出続けている場合、少しでも高く売却できる不動産会社を探して、そこに相談するのがいいでしょう。不動産会社を探す際には、複数見積もりをとり検討するのがいいですが、注意点があります。

それは、高い見積もりが出ても、実際にその価格で売れるとは限らないということです。最初に高い見積もりを出してオーナーと専任媒介契約を結び、その後は徐々に下げていくという手法はよくあるパターンです。

売却のポイントについては以下の記事で解説しているので、チェックしてください。

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3-2.給湯器やガスコンロが故障した場合……

これは「2-2」と同様、プロパンガス会社に相談しましょう。都市ガスのエリアの場合は設備系のリフォーム会社が相談先としてはベターです。同じような設備であっても仕入れ価格は各社変わりますので複数社に見積もりをとって比較しましょう。

なお、不動産投資の運用フェーズにおいては、「入居者リスク」についても典型パターンと解決策を知っておく必要があります。以下の記事で詳しく取り上げていますので、チェックしてください。

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3-3.空室がなかなか埋まらなかった場合……

これは「管理会社」一択でしょう。「2-3」で紹介したように、協力的に対策を講じてくれる管理会社が望ましく、いま頼んでいる管理会社がそれにふさわしい働きをしていないのであれば、新しい管理会社を探しましょう。

ステージングなど空室対策については、空室コンサルタントなどの専門家に依頼しましょう。

4.よくある失敗例に対する「事前回避策」

よくある失敗例に対する「事前回避策」

失敗したいという人はどこにもいないわけなので、事前に回避するのがベストです。どういうところに注意すべきなのか見ていきましょう。

4-1.収支計算をしっかり行う

Mさんの失敗エピソードに出てきた新築ワンルーム業者など不動産会社の多くは、表面利回りを伝えるのみで、諸経費や各種リスクを考慮した実質利回りを提示してくることはあまりありません。

ですから、業者が提示してこなくても、自分でそうした計算を行える力を身につけておく必要があります。

利回りについては以下の記事で詳しく解説しています。計算の仕方がよくわからないという人は必ず目を通してください。

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4-2.修繕履歴、保証会社の加入有無を確認する

オーナーチェンジ物件では購入前に室内を見ることができないので、それだけリスクがあります。まずは修繕履歴を確認し、特に水回りがいつ交換されたのかをチェックしましょう。

また、入居者についてもトラブルがないか確認します。賃貸借契約書は契約ギリギリまで見せてもらえないことが多いですが、保証会社に加入しているかどうかは事前にチェックしましょう。

空室で買えば上記の失敗は避けられますが、再生が必要であれば修繕リスクがあるので注意が必要です。修繕リスクについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてください。

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4-3.賃貸ニーズを確認する

周辺エリアに賃貸ニーズをチェックし、周りに同じような規格の物件ができそうか確認しましょう。特に郊外だと、地主の節税対策のアパートがどんどん立つケースがあるので注意が必要です。

空室リスクは、さまざまな種類があります。以下の記事では、よくある空室リスクとその解決策をまとめているので、ぜひチェックしてみてください。

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5.まとめ

1.不動産投資の失敗では、「他人任せ」であることが原因になるケースが多い。オーナー自身がしっかり知識を身につけ、自分で行動することも忘れてはいけない

2.たとえ失敗したとしても、相談先や解決策はすでに出ているので、焦らずに情報を集め、冷静な行動を心がける

3.事前に調査をしっかりしておけば、不動産投資のリスクの大部分は回避できる。どのようなリスクがあるのか、事前回避策は何なのかを調べておくのが大切

いかがでしたか。不動産会社は自社の利益のために都合の良い営業トークをしてきますが、それをそのまま鵜呑みにするのか、自分でしっかり調べるかが不動産投資の成否のカギを握ります。本記事だけでなく、以下の記事でも「失敗例と解決策」を紹介しているので、ぜひチェックしてください。

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