【事例あり】アパート経営で火災保険を活用!損しない6つのポイント

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【事例あり】アパート経営で火災保険を活用!損しない6つのポイント

不動産投資を行う上で「火災保険」の知識はとても重要です。なぜなら所有する物件ごとに火災保険の契約を行うことになり、不動産投資と火災保険は切っても切れない関係にあるからです。「火災保険の知識があるかどうか」は、手元に残るお金を大きく左右することがあります。

しかし、多くの火災保険について詳しい知識を持つ不動産投資家は多くありません。不動産会社や銀行から紹介される代理店に任せっきりなのが一般的です。その理由は「保険はどこに頼んでも同じ」「保険は任せておけば大丈夫」という思い込みがあるからです。

冒頭でもお話しましたが、火災保険の知識があるかどうかは、場合によっては数十万円、数百万円単位のお金の差を生むことがあります。知識がない人は損をして、知識を持つ人は得をするという事です。なぜなら、火災保険はうまく活用することで物件の資産価値を高めることが出来るからです。しかし、多くの不動産投資家はこのような活用法を知りません。

そこでこの記事では、

  • 火災保険の基礎知識
  • アパートのリスクを火災保険でカバーする方法
  • 実際のトラブル事例

など火災保険の基礎知識を解説していきます。また、どうすれば「火災保険を上手く活用できるのか」、不動産投資家として火災保険を積極的に活用していくための具体的な方法についても解説いたします。

私は現在不動産投資家として10棟のアパートを所有し、不動産投資を始める方のアドバイスなどもさせて頂いています。この記事では不動産投資のプロの視点から、火災保険の基礎知識、多くの不動産投資家が知らない火災保険の積極的な活用法をお伝えします。

最後までお読み頂くことで、火災保険基礎知識と、有効的な活用方を身に付け頂くことが出来ます。

1.アパートの火災保険

アパートの火災保険

まずは火災保険の基礎知識について解説していきます。アパートの火災保険は大きく分けて、2つの種類があります。

  • ・物件オーナーが入る保険
  • ・入居者が入る保険

アパートを所有し賃貸業を営む上で、まずは火災保険には2つの種類があり、それぞれの保険の内容や役割の違いについて正しく理解しておくことが大切です。

1-1.オーナーの保険

アパートのオーナーが入る火災保険は「建物」を守るための保険です。火災を始めとする自然災害が起きた時の補償として入る保険です。オーナーにとって、火災保険は不足の事態に備えるリスクヘッジの手段となります。

アパートでは自然災害だけでなく、建物の設備が原因で起こる事故にも備える必要があります。例えば給・排水管のトラブルによる水漏れで建物が濡れてしまい、修理が必要な事態になったとしても、火災保険に入っていれば保険で対処できるようになります。

また、その水濡れで入居者の家財道具を濡らしてしまった場合、原因によってはオーナーが賠償責任を負うことになります。しかし特約に入っていれば入居者への賠償に対しても保険で対応することができます。火災保険はこうした様々な自然災害や運営上のトラブルに備えるための契約・特約に入っておくことも重要です。

1-2.入居者の保険

入居者が入る火災保険は「家財」を守るための保険です。物件を守る保険はオーナーが入っていますので、入居者は自らの家財道具を守るための保険に加入することになります。

「失火責任法」では、重大な過失がない限り火災を起こしても本人が重大な賠償責任を負うことはありません。だとすると保険に入る必要はないのでは?と思うかもしれませんが、裏を返せば、隣や下の部屋からの出火が原因で自分の家財が燃えても弁償してもらうことが出来ないと言えるわけです。

それに備えるのが、入居者が入る火災保険です。火災保険では火災以外にも、水漏れなどの不測の事態に備えるための特約をつけることも出来ます。

2.火災保険の仕組み

火災保険の仕組み

保険に加入する際には「どこの保険会社から入ろう」「どんな商品にしよう」と保険商品を比較して選ぼうと考えるのが一般的ですが、火災保険において比較することはあまり意味がありません。なぜなら「火災保険は補償の範囲はどの商品もほとんど同じ」だからです。火災保険は、どこの保険会社から入っても、保険の内容自体に差がありません。

火災保険という商品の設計は、損害保険料率機構が出すパラメーターを元に保険料を算出しています。そのため、保険会社による差がありません。内容に差がない以上、どこから入るかを考えることは意味を持ちません。

6章で詳しくお話しますが、火災保険は「どこの保険会社から入るか」より「どの代理店から入るか」が重要です。特に不動産投資家が火災保険を活用するにはこの視点を持つことが大事なことを知っておいて下さい。

3.火災保険の補償範囲

火災保険の補償範囲

火災などの災害が起こった時、火災保険がどこまでの補償してくれるのかを知っておくことは、リスクヘッジの意味でもとても大切です。

また、どんなケースで火災保険は使えるかを知っておくことで、時に数百万円のお金を損するか得するかを分けることがあります。基本補償についてはもちろん、特約事項や、保険の提供対象外になるケースなども知っておくようにしましょう。

3-1.基本補償

保険会社によってプラン名は異なりますが、2章でもお話した通り、基本補償の内容はどこの保険会社でもほとんど同じです。ただ保険会社によって、プラン内容に含まれる基本補償が変わる点については注意が必要です。

一般的には、金額によって3つのプランに分かれているケースが多く、一番安いプランの基本補償には「火災・破裂爆発・風災・落雷・雪災・雹災」などが含まれます。中間のプランでは「水災・水濡れ・物体の飛来衝突・盗難」などが追加され、最も高額なプランでは「破損・汚損、いたずら」など幅広く対応できる補償内容になっています。

プラン 補償内容
一番安い基本のプラン 火災・破裂爆発・風災・落雷・雪災・雹災
中間のプラン 火災・破裂爆発・風災・落雷・雪災・雹災
水災・水濡れ・物体の飛来衝突・盗難
高額で充実のプラン 火災・破裂爆発・風災・落雷・雪災・雹災
水災・水濡れ・物体の飛来衝突・盗難
破損・汚損、いたずら

所有する物件の築年数や状態、地域柄などを考慮しながら、必要なプランを選択することが重要です。

3-2.特約

不動産投資としてアパートを所有する際には、不動産投資の視点で見た「特約」をつけることが大事です。例えば、施設管理所有者賠償責任、家賃補償などです。

物件の欠陥や管理不備が原因で他人に損害を与えるような事故では、施設管理所有者賠償責任の特約をつけておけば対応することができます。万が一火災が起きた際でも、家賃補償特約をつけておくと、復旧までの家賃が補償されます。不動産投資の視点から、万が一の災害や事故から収益を守るための特約を付けておくことが大切です。

入居者なら、個人賠償責任、借家人賠償責任などの特約をつけておくと安心です。自分の部屋で水漏れを起こして周囲に被害を与えた場合でも個人賠償責任の特約を付けておくと保険で対応出来ます。火災などを起こして原状回復に費用がかかる場合でも、借家人賠償責任の特約を付けておくことで保険対応でき安心です。

3-3.地震保険

火災保険とセットで加入することが多いのが、地震保険です。地震保険は保険料のほとんどを国が負担する形になっていて、保険会社の利益が乗せられていません。様々な保険の中でも、費用やリスクに見合うお得な保険だと言えます。どの保険会社から入っても保険料、補償内容ともに同じなので、火災保険加入時に合わせて入っておくべき保険だと言えます。

火災保険では、地震や噴火、津波を原因とする損害は補償されません。地震保険に入っておくことで、これらの自然災害にも備えることが可能になります。注意すべき点は、被害の評価は段階評価(3段階もしくは4段階:保険始期が2017年1月以降かどうかによって変わる)であることです。

また、火災保険の建物評価額の30~50%の範囲で金額の上限が決まっていること、建物の修理費を支払うものではなく損害評価によって建物評価額の割合で支払われること、こうした内容についても知っておく必要があります。

3-4.対象外になるもの

火災保険は火災以外にも幅広く対応ができ、地震保険と合わせることで広範囲で自然災害に備えることができるわけですが、補償の対象外になるケースがあることも知っておかなければなりません。例えば以下のようなケースは、補償の対象外となります。

  • 経年劣化
  • シロアリ
  • 虫食い

突発的ではない事由のものは、火災保険の補償の対象外です。分かりやすい判断基準は、

  • 突発的ではないもの
  • 見た目のみの損害で、機能に影響がないもの

です。こうしたケースには火災保険の補償の対象外になることも知っておく必要があります。

4.事故例

事故例

火災保険は火災意外にも幅広く補償を受けることができる保険です。ここでは火災保険が使える2つの事例を見ておきたいと思います。

4-1.【雪災】アパート敷地内の駐輪場の屋根の破損

雪の降る地域では、雪が原因となる事故も多発します。火災保険では雪害による被害も補償の対象となります。例えばアパートに積もった雪が敷地内の駐輪場に落下、それにより駐輪場の屋根が破損したケースでも火災保険が使えます。

4-2.【外部からの物体の衝突】車がぶつかりアパートの外壁が破損

車の事故であれば、一般的に自動車保険で直す(対物賠償保険)ことを考えますが、自動車保険は時価でしか支払われません。古くなっていた外壁が損害を受けたとしたら、自動車保険だけでは建物外壁を元通りにできず、大家に多くの持ち出しが発生することがあります。

火災保険の契約で新価(再調達価額)の契約をしていれば、相手の自動車保険で弁償してもらえなかった修理の差額分を補償してもらえる可能性があります。

5.資産価値を高めるために適用する例

資産価値を高めるために適用する例

不動産投資の視点で考えると、火災保険は資産価値を高める為に活用することも出来ます。それは、「遡って保険金請求をする」という方法です。例えば、台風の被害で屋根の一部が壊れていることが「数年後の業者の定期検査」で判明した場合、遡って保険を請求することが出来るからです。不動産投資家の多くはこうした火災保険の活用方法を知りません。

不動産投資家が知っておくべきことは、

  • その損害がいつ起きたのか、
  • 何が原因で損害が発生したか

ということです。これらを証明することができ、その期間に保険に入っている場合には、大きな事故でなくても、遡って保険金を請求することが出来ます。一旦自己負担で直した修理も、遡って保険で対応することが出来るわけです。

火災保険は自動車保険のように等級制度はありません。事故やトラブルが起きて保険金請求を行ったとしても、そのことが原因で保険料が上がるということはありません。

また、保険会社に被害を伝えたとしても、最終的に保険金請求をするかは契約者が判断することになります。ですのでなにかトラブルが起きたときには、保険会社に連絡をしてみて、保険に該当するかどうか確認してみるのも一つの手です。

火災保険は「何か起こった時」に使うものという認識でいる人が多く、保険の活用は受け身になりがちです。しかし「遡って請求できる」ことを知っておけば、「何かあったかもしれない」と積極的に火災保険を活用できるようになります。

受け身のままであれば気が付かず、自腹で支払っていた修繕費も、保険が使えることを知ることで積極的に火災保険を使えることができるようになり、それによってお金を使わず物件価値を高めることが出来るようになります。このように、知識次第で火災保険を「資産価値を高める」ために活用できるようになります。

※ただし、一般的な損害保険請求の時効は3年と言われていますので、あまりに過去に遡って請求ができない点にご注意ください。また、時間が経過することによって、何が原因による損害なのかが証明し辛くなります。

6.代理店選びが特に重要

代理店選びが特に重要

ここまでで、火災保険の基礎知識と、資産価値を高める為に不動産投資家が知っておくべき積極的な火災保険の活用法についてお伝えしてきました。保険の知識があるかないかによって、時に数百万円単位の大きなお金を左右することになることをお分かり頂けたと思います。

不動産投資家にとって、火災保険の知識はとても重要です。とは言え、いくら重要だと言っても保険の知識を網羅することは現実的ではありません。保険商品は、商品改定や補償内容が変わることも多く、最新の知識を常に把握することは簡単ではないからです。

そこで重要になるのが、「代理店選び」です。2章でもお伝えした通り、不動産投資家にとって大事なのは「どの保険会社から入るか」より「どの代理店を選ぶか」です。代理店は保険については素人であることが多いわけですが、この代理店が豊富な保険の知識をもち、不動産投資が積極的に活用できるよう自発的に動いてくれるようになれば、不動産投資家にとって大きな力となります。

事故や災害など何かあった時に動くだけではなく、積極的に活用できるよう提案してくれるようになれば、不動産投資家自らが保険について専門的な知識を持つ必要がなくなるからです。

その為に代理店選びが重要となります。何かあった時にしか動かない代理店、保険について素人並みの知識しかない代理店より、専門的な知識を持ちアドバイザーとして積極的なアドバイスがもらえる代理店を選ぶべきです。

そんな「良い代理店」を見極めるための、簡単なポイントを3つご紹介します。

  • 1:兼業保険代理店ではなく専業の保険代理店
  • 2:不動産投資家の立場がわかる代理店
  • 3:自然災害が起きた後どのような対応を取るか、をヒアリングする。

火災保険に限らず、保険代理店の多くは兼業です。例えば不動産会社などがそうです。本業の傍らただ保険を扱っているだけの兼業代理店は保険の知識を持たないことがほとんど、保険業を専業としているプロの代理店を選ぶことがポイントです。

不動産投資家の立場にたって物事を考えられる代理店を選ぶこと、実際にどんな対応を取るのかをヒアリングしてみることでも代理店の考え方やスタンスが分かるので選ぶ際の参考になります。

不動産投資家は遠方の物件を所有するケースも出てきます。何かあった時でも、遠方だとすぐに動くことも出来ませんし、現場の様子をすぐ確認することも容易ではありません。そういう意味でも代理店選びは大切で、地域でスピーディーに動いてくれる良い代理店を見つけることができれば、何かあったときに対応してくれたり、情報をスムーズに共有出来たりもします。

不動産投資家にとっての火災保険は「どの会社から入るか」「どんな内容を選ぶか」より、「どの代理店から入るか」が最も大きな影響を与えることを知っておきましょう。

7.まとめ

  • 1.アパートの火災保険には「オーナーが入るもの」「入居者が入るもの」の2種類があります。オーナーの火災保険は基本的に建物のリスクをカバーするもので、入居者が入るものは基本的には家財道具のリスクをカバーします。
  • 2.火災保険は商品の性質上、どの会社から入っても補償内容に大きな差がありません。
  • 3.不動産投資家としては、火災保険の補償範囲や特約事項についても最低限の知識として知っておくべきことがあります。
  • 4.火災保険が適用できるケースはプランによって異なりますが、火災・破裂爆発・風災・落雷・雪災・雹災は大抵のプランで補償されます。補償されないケースは経年劣化・シロアリ・虫食いとなります。
  • 5.火災保険は過去の保険事故について遡って請求することができます。場合によっては資産価値を高めるために火災保険が活用できることもあります。
  • 6.火災保険は「どの保険」ではなく「どの代理店」で契約をするかを選ぶことが重要です。自発的に動いてくれる代理店を見つけることが、大きなポイントになります。

火災保険は所有する物件を守るためにとても大切なものです。十二分に活用するためには、最低限の保険の知識を身に付けておくことが重要です。そして火災保険は不動産投資の視点から「資産価値を高めるため」に活用することが出来ることも知っておかなくてはいけません。特に不動産投資家なら、知っているかどうかで、数百万円得するか損するかを左右します。

本記事をお読み頂くことで、火災保険はどの保険に入るかより、どの代理店を選ぶかが重要であることをお分かり頂けたと思います。火災保険を積極的に活用して、資産価値を高めるための参考にしてみて下さい。

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