融資や価格交渉にも!固定資産税評価額を投資に生かす2つのポイント

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融資や価格交渉にも!固定資産税評価額を投資に生かす2つのポイント

不動産を所有したり、購入したりする際に一度は「固定資産税評価額」という言葉や、その額を目にすることがあると思います。しかし慣れていない方ですと、

  • どういう基準で算出されるのか?
  • 評価額にはどんな意味があるのか?

などが分かりにくいかと思います。

この「固定資産税評価額」は、一般的には税金の計算に用いられます。しかし、実は不動産投資でも重要な指標となります。よって、投資家はこの点に関してもしっかりと知識を深めておくことが欠かせません。 例えば、指値で取引するためのベースとして使うことで、数十万、数百万円の差になることもあります。ですから、投資家として成功するためは、どういう指標なのかをしっかりと理解しておくことが欠かせません。

そこで、この記事では、

  • 固定資産評価額の計算方法
  • 妥当性をチェックするポイント
  • 不動産投資に活用する方法

を解説いたします。

この記事を読むことによって、固定資産評価額から不動産の価値を把握する方法が理解きるようになるでしょう。また、不動産投資でも活用できることを知り、実際に気になった物件の評価をする際に活用できるでしょう。

1.固定資産税評価額とは?

固定資産税評価額とは?

「固定資産税評価額」とは、そもそも何なのでしょうか? 簡単に言いますと、不動産関連の税金を計算するために用いる「基準」です。具体的には、

  • 1.固定資産税
  • 2.都市計画税
  • 3.不動産取得税
  • 4.登録免許税

これら4つの税金を計算するために用います。

各税金を計算するときには、固定資産税評価額に係数を掛けます。この係数は税金ごとに定められおり、例えば固定資産税は「1.4%」となっています。 また、固定資産税評価額そのものは、国が定めた評価基準に基づき各市町村長が決定していきます。尚、評価額は3年に1度見直されます。

ただし、あくまでも固定資産税を決定するための「基準」ですので、実際の売買価格とは大きくかけ離れることも少なくありません

2.固定資産税評価額の計算方法

固定資産税評価額の計算方法

固定資産税評価額は、土地や建物など、それぞれ計算方法が異なります。そこで、このセクションではそれぞれの計算方法を解説いたします。

2-1.土地の計算方法

土地の評価額は、主に以下の3つを参考に決定していきます。

  • 1.国土交通省が公示する基準価格(毎年3月末に発表)
  • 2.都道府県地価調査価格(毎年7月に各都道府県が調査)
  • 3.不動産鑑定士による評価

最終的には「固定資産税評価基準」に基づき、市町村長が価格を決定します。算出された価格の、おおよそ7割の価格が土地の評価額と考えてください。

土地の評価額はかなり細かく分類されて計算されます。

  • 1.地目(田、畑、宅地、山林、牧場など)
  • 2.宅地の場合、市街化を進める地域か?それとも市街地化を抑制している地域か?などを確認。
  • 3.土地の面積(基本的には登記簿に登記されている面積)
  • 4.土地の形状、不整地かどうか?など。
  • 5.幹線道路と接しているか?

こうした要素を「固定資産税路線価」と絡めて計算していきます。

2-2.建物の計算方法

新築の場合、「再建築価格方式」という方法によって決められます。これは、「同じ建物を新たに造るとしたらどれくらいの費用がかかるか?」という観点です。 具体的には、役所の固定資産税の担当者が現地に赴き、各ポイントをチェックします。例えば木造の場合、以下のポイントを調査します。

  • 1.建物の造り(屋根、基礎、外壁、内壁、柱、天井、床、扉や窓などの建具)
  • 2.建築設備(給湯器、流し台、トイレなど)
  • 3.仮設工事
  • 4.その他の工事

これらを「固定資産評価基準」をもとに点数化し、評価額を決めていきますが、おおよそ「建築費の50~70%が評価額になる」と覚えてください。 また、「経年減点補正率」を計算に入れることで、建物の劣化も評価額に反映されていきます。

2-3.マンションの計算方法

マンションなどの集合住宅は、

  • 1.土地
  • 2.建物(各部屋)

それぞれの評価額が計算されていきます。

土地は、マンションの全敷地の評価額を各部屋で割ります。ただし、部屋ごとに専有面積は異なりますから、単純に部屋数で割っただけでは不公平になってしまいます。そこで、面積に応じた割合を考慮に入れて計算されます。 また、各部屋の評価額は、専有面積や間取りに基づいて算出さます。ただし、階数は考慮されません。よって、専有面積や間取りが同じであれば、階数の高低に関わらず同じ評価額となります。

3.固定資産評価額の妥当性をチェックする方法

固定資産評価額の妥当性をチェックする方法

このセクションでは、あなたが所有する不動産の評価額は妥当なのか? 割高に評価されていないか? などをチェックする方法をお伝えします。

3-1.所有する土地・物件の固定資産税評価額を知るには?

評価額が正しいかどうかを調べるには、最初にあなたが所有する不動産の固定資産税評価額を知る必要があります。評価額を調べるには、3つの方法があります。一つずつ解説していきましょう。

3-1-1. 課税明細書を確認

「課税明細書」は、各市町村から送られてくる納税通知書に同封されています。 場所によって多少異なりますが、固定資産税評価額は「価格」や「評価額」と書かれた欄に記載されていますので、そこをチェックしましょう。

3-1-2. 固定資産評価証明書を取得

「固定資産評価証明書」は、不動産の所有者、不動産の場所、固定資産税評価額などを証明する書類です。役所で交付を申請できます

ただし、申請に際し注意点があります。

  • 1.申請できる人が限られている(その不動産の所有者、および所有者と同居する家族、相続人、借地人、借家人、代理人など)。
  • 2.申請者の本人確認書類が必要(運転免許証やパスポートなど)。
  • 3.手数料がかかる(数百円程度)

3-1-3. 固定資産課税台帳の閲覧

「固定資産課税台帳」とは、不動産の場所、所有者、固定資産評価額などの情報が記載された台帳です。 この台帳は各市町村に備えられており、役所でいつでも閲覧することができます

ただし閲覧できるのは、

  • 1.自分が所有する不動産の情報
  • 2.自分が借りている不動産の情報

に限られています。

3-2.評価額が妥当かどうかを調べる方法

上記3つの方法は、あなたが所有する不動産の評価額を知る方法です。では、その評価額が妥当かどうかを客観的に調べるにはどうしたら良いのでしょうか? この場合、「価格等縦覧帳簿の縦覧」という制度を活用します。

価格等縦覧帳簿には、同じ市区町村内の全ての不動産の場所、および固定資産税評価額などが記載されています(ただし所有者個人の情報は記載されていません)。 そこで、あなたが所有する不動産と、同じような他の不動産とを比較することで、評価額が妥当かどうかを判断することができます。

3-2-1.縦覧制度の注意点

ただし、この縦覧制度には注意点があります。

まず、縦覧できるのは、4月1日~20日、または4月1日~固定資産税の納付期限までです。固定資産課税台帳のように、いつでも見られるわけではありません。 また、あくまでも比較できるのは、あなたが所有するのと同じ市町村内の不動産に限られます

加えて、新築はその時点では評価されておらず、「評価額が不明」ということもあります。

3-3.評価額に納得できない場合の対処法

「価格等縦覧帳簿」を縦覧した結果、あなたの所有する不動産が、他の不動産と比較して割高に評価されていたとします。当然、この結果には納得できないでしょう。 ではこのような場合、どう対処したら良いのでしょうか?

評価額に納得できない場合は、納税通知書が交付されてから2~3か月以内に「固定資産評価審査委員会」に文章で審査を申し出ます。 尚、審査申し出の期間などは場所によって多少異なりますので、詳細は各市町村に確認してみましょう。

4.不動産投資に活用する方法

不動産投資に活用する方法

収益物件を探す上では、実勢価格や積算価格が重要な指標になってきます。しかし、固定資産税評価額も重要な指標となります。 そこでこのセクションでは、どういった場面で固定資産税評価額を活用することができるのかを説明していきます。

4-1.価格交渉のときに活用する

通常、不動産の売買金額はこれといった根拠も無く、「言い値」で決められることが少なくありません。 しかしだからと言って、5000万円で売られているものを、「4500万円に値下げしてほしい」と値切ったらどうなるでしょうか? 恐らくは相手を怒らせてしまい、その物件は買えなくなってしまうでしょう。

ですから、相手を納得させるためには、何らかの「根拠」を持って交渉する必要があります。そこで、固定資産税評価額を活用することができます。 エリアにもよりますが、不動産には実勢価格に対して、積算価格、固定資産税評価額の「割合」があります。例えば、実勢価格を100とした場合、積算価格が70、固定資産税評価額が50~80といった感じになります。

エリアによってこの割合は大きく変化しますが、各割合の「高い・低い」は基本的に大きな問題ではありません。重要なのは、各割合から「そのエリアの現実的な基準」を見極めることです。そして、その「基準」を根拠として価格交渉に活用していきます。

そこでまず、あなたが買おうと思っている物件の

  • 1.固定資産税評価額
  • 2.実勢価格との割合

を調べます。

調査の結果、「ここでは固定資産税評価額が基準として使えそうだ」と判断できれば、「固定資産税評価額が〇万円なので、4500万円に値下げできませんか?」と交渉できます。そうそれば、相手も納得して値下げしてくれる可能性が高まるでしょう。

4-1-1.注意!交渉方法はエリアによって異なります

ここで注意していただきたいのは、どのエリアでも固定資産税評価額を根拠にできるわけではないということです。 例えば、都内では実勢価格1億円に対して、固定資産税評価額が6000万~7000万円と、大きくかけ離れていることがあります。このようなエリアでは、固定資産税評価額を根拠に交渉すると全然相手にされません(むしろ、怒られます)。

しかし地方でしたら、実勢価格と固定資産税評価額がさほど変わらないので、固定資産税評価額を根拠に交渉することができます。 重要なのは、「そのエリアでは何が現実的な基準であるか?」を見極めて、その基準を根拠として交渉することです。決して、固定資産税評価額だけに頼って交渉しないように注意しましょう。

4-2.銀行融資を申し込む交渉過程で活用する

固定資産税評価額は、銀行との交渉でも使うことができます。

例えば、あなたはある土地を5000万円で購入しようと考えているとします。そこで、銀行に融資を申し込む際に、「この物件はこれだけお得なんですよ」という主張をします。 しかし、あなたが幾ら「お買い得です」と主張しても、根拠が無ければ銀行は納得しません。言い換えれば、主張が客観的に「正しい」と判断してもらうためには、何らかの根拠を持って主張しなければなりません。

そこで、その根拠として「固定資産税評価額」を持ち出せば、「固定資産税評価額は◯万円なので、このエリアではお得な土地です」と主張することができます。 一方、銀行側は融資するかどうかを判断基準として「物件の評価」を見ます。そのために路線価ベースなど様々な点を調べますが、大抵は固定資産税評価額も把握しています。

ですから、相手も知っている「固定資産税評価額」という共通言語を使えば、「5000万円はお買い得」という主張を納得してもらいやすくなります。 このように固定資産税評価額を交渉に使うことで、融資が下りる可能性を高めることができるでしょう。

5.まとめ

  • 1.「固定資産税評価額」とは、不動産関連の4つの税金を計算するための「基準」となります。あくまでも「基準」ですので、実際の売買価格とは乖離していることがあります。
  • 2.固定資産税評価額は、土地や建物などによって、細かく計算方法が決められています。評価額は各市町村が決定し、3年に1度見直されます。
  • 3.あなたが所有する不動産の固定資産税評価額を知るには、課税証明書の確認、固定資産評価証明書の取得、固定資産課税台帳の閲覧という3つの方法があります。また、その評価額が妥当かどうかは「価格等縦覧帳簿の縦覧」を活用します。万が一、評価額が納得できない場合は、定められた期限以内に「固定資産評価審査委員会」に文章で審査を申し出ます
  • 4.固定資産税評価額は、投資を進める際に主に2つの方法で活用することができます。1つ目は、相手との価格交渉時に「値引きの根拠」として使うことができます。ただし、エリアによって固定資産税評価額を根拠として使えない場合があります。2つ目は、銀行の融資を引き出す際に「この物件はお買い得である」という主張の根拠として使います。こうすれば、銀行から融資が下りる可能性を高めることができるでしょう。

ぜひ「固定資産税評価額」をしっかりと理解し、気になった物件の評価を調べるなど、投資に活用できるようになりましょう。

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