物件を購入する前に地盤調査が必要?種類と方法をお教えします!

「地盤調査」でリスク減!自然災害に強い物件を探し当てる方法とは?の記事では、

  • 地盤についての重要性
  • なぜ地盤調査をする必要があるのか?
  • 地盤調査ではどのようなことをしているのか?
  • 地盤調査をしないで気になる土地の地盤を調査する方法

を紹介しました。
今後さらに重要度が増していくであろう、地盤調査についての理解が深まったと思います。
この記事では、

  • 地盤調査の方法は?
  • 地盤調査ではどのようなことをするのか?
  • それぞれのメリット・デメリットは?
  • 地盤調査の流れ

について解説します。

「地盤調査」でリスク減!自然災害に強い物件を探し当てる方法とは?の記事の冒頭でもお伝えしましたが、地盤について知識を深めることは、物件探しの際に役立ちますし、天災における対処法を考えるきっかけにもなります。今回の記事は具体的な地盤調査の内容に踏み込むため、専門用語も多く、難しく感じるかもしれません。

しかし、本記事では知識がない人を前提に、わかりやすく解説していきます。最初にこの記事を読んで頭の片隅に入れておき、実際に地盤調査を検討するときにもう一度読み直していただく、というのも有効だと思います。

1.地盤調査にはどんな方法がある?

1.地盤にはどんな方法がある?

地盤調査とは、対象となる地盤の上に建物を建てる場合の荷重や、沈下に対する強度を測定することです。

「地盤調査」でリスク減!自然災害に強い物件を探し当てる方法とは?の記事でお伝えしたように、一部例外を除き、地盤調査は「義務化」されています。これは新築時だけでなく建て替え時も同様です。もし地盤調査を行わなかった場合は、住宅瑕疵担保保険に加入することができません。

では、地盤調査にはどんな種類があるのでしょうか。ここでは代表的な6つの方法についてみていきましょう。

1-1. スウェーデン式サウンディング試験

地盤調査のなかでも、小規模建築物で最も一般的なのが「スウェーデン式サウンディング試験」です。「SS試験」「SWS試験」などと略されることもあります。

1917年頃、スウェーデン国有鉄道が不良路盤の試験方法として採用し、その後スカンディナヴィア諸国で普及しました。日本では、1954年頃に建設省が河川堤防の地盤調査として導入し、1976年にはJIS規格に制定され、住宅建築の際の地盤調査に用いられています。

調査全体にかかる時間は2時間弱、予算は3万~5万円程度が目安となります。

方法

方法としては、ロッド、スクリュー、錘などからなる「スウェーデン式サウンディング試験装置」を用いて、土の硬軟または締まり具合を判定するというものです。これにより、地層構成の概略の把握や、換算N値()の推定、地耐力測定をすることができます。

具体的には、ロッドの先にスクリューポイントを取り付け、調査ポイントに鉛直に設置します。まずロッドに5キロの荷重を掛け、スクリューポイントが地盤に沈むか確認します。沈んだ場合、荷重と貫入した距離を記録します。沈まない場合、徐々に荷重を追加します(〜100キロまで順番に)。そして、ロッドが地盤の中に25㎝入ったら1回目の調査は終了です。
もし100キロの重りでも沈まない場合、ハンドルを使って回転ロッドを回転させ、25㎝沈む間に何回転したかをチェックしていきます。この地盤調査を建物の四隅と中心の合わせて5カ所行います。

スウェーデン式サウンディング試験図解

※換算N値とは……
換算N値の前に「N値」について解説すると、
N値は、「土地の硬さや締まりを表す単位」です。この数値が高ければ高いほど、土に締まりがあり、重い建物に耐えられる地盤であることを意味します。
換算N値は、スウェーデン式サウンディング試験において、ロッドを回転させて25センチめり込むのに何回転するのかを数え、その回数から、標準貫入試験におけるN値に相当する値を算出した値です。

メリット

「スウェーデン式サウンディング試験」のメリットは、以下のとおりです。

  • ・他の調査方法と比べて費用が安い
  • ・簡易的に地盤支持力(換算N値)を求められる
  • ・調査期間が短く、数時間で終わる

デメリット

「スウェーデン式サウンディング試験」のデメリットは、以下のとおりです。

  • ・土地が硬く(もしくは深く)なればなるほど、またレキ質の盛り土などがある場合、摩擦の抵抗が大きくなり、調査結果に影響が出てしまう可能性がある

1-2. ボーリング標準貫入試験

マンションや公共施設などの中規模以上の建築物では、ボーリング標準貫入試験が一般的です。

ボーリングと聞くと、玉を転がしてピンを倒すボーリングを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、それは「bowling」であり、ここで述べる意味とはまったく異なります。

ここでのボーリングとは、英語だと「boring」で穴を空ける(bore)が名詞化したものです。ボーリング調査は、地面を掘ることで地盤の強度を調べます。なかでも最も一般的な試験の1つが「標準貫入試験」です。ほかには「孔内水平載荷試験」がありますが、 これは地震時の液状化や、地震時における地面の強さを計測する試験です。

ボーリング調査全体にかかる時間は2〜3時間、予算は15万円~25万円程度が目安となります。

方法

ボーリング標準貫入試験では、まずやぐら(鉄骨などを用いて組み立てた高い構築物)を組み、そこにロープが付いた滑車を取り付けます。ロープには、落下装置や重り、土を採取する器具が吊ってあり、ロープを巻き上げ、一定の位置から地面に向かってハンマーを落としたとき、ハンマーの重さで地面が少しずつ掘削されます。このとき、先端のサンプラーで同時に土を採取します。

これを何度も繰り返すことで、地中数十メートルもの地質や強度を調べることができます。
このとき、地盤を打撃して貫入した回数(正確には、サンプラーを300mm貫入させるために必要な打撃回数)を「N値」と呼びます。

ボーリング標準貫入試験の図解

メリット

「ボーリング標準貫入試験」のメリットは、以下のとおりです。

  • ・これまで数多くの地盤調査で行われてきた手法なので、実績や調査結果が豊富
  • ・地質調査だけでなく液状化の判定も可能
  • ・地中10メートル以上の調査もできる

デメリット

「ボーリング標準貫入試験」のデメリットは、以下のとおりです。

  • ・大規模な調査となるため、広いスペースが必要
  • ・調査費用は高く、調査期間も長い

1-3. 平板載荷試験

平板載荷試験は、直径30cmの載荷板に荷重を一定時間与え、沈下量を測定し、地盤の強度を求める方法です。地盤の支持力を直接求める場合、つまり軟弱層があるかどうか判断する際に用いられます。

方法

まず、直径30センチの載荷板を試験地盤に水平に設置し、続いてジャッキ・荷重計・変位計を設置します。そして、荷重を5~8段階に分けて段階的に載荷して計測します。

平板載荷試験の図解

メリット

「平板載荷試験」のメリットは、以下のとおりです。

  • ・地盤に直接荷重をかけて地盤の強さを測定できる
  • ・調査結果から沈下量、支持力、反力係数などを求めることが可能
  • ・比較的短時間で済む

デメリット

「平板載荷試験」のデメリットは、以下のとおりです。

  • ・深い部分の地盤調査には不向き
  • ・載荷板が小さいと、軟弱層を見抜けないことがある
  • ・硬いレキ層だと、支持力が過大評価されることがある
  • ・複数カ所調査をしないと、地層の勾配を読み解くことが難しい

1-4. ポータブルコーン貫入試験

ポータブルコーン貫入試験は、粘性土や腐植土などの軟弱地盤に人力で静的にコーンを貫入させることで、軟弱層の地層構成や厚さ、強度、粘性土の粘着力などを求めることができます。

方法

まず、コーンをロッドに接続し、 ロッドの上端を測定装置と貫入用ハンドルに固定します。続いて、ロッドを垂直に立て、貫入用ハンドルを用いて連続的に貫入します。最終の深さまで測定した後、先端コーンおよびロッドを引き上げて取り外し、 先端コーンなどに異常がないか点検します。

メリット

「ポータブルコーン貫入試験」のメリットは、以下のとおりです。

  • ・作業工程が非常に簡単で、1ヶ所につき数分で試験可能
  • ・小回りがきくため、一度に複数のポイントを調査できる
  • ・費用も比較的安い

デメリット

「ポータブルコーン貫入試験」のデメリットは、以下のとおりです。

  • ・人力で行うため、硬い粘性土層や砂層では貫入できない
  • ・他の方法と比べてデータが大きく出るため、一般的な地盤には向かない
  • ・測定可能深度は3~5メートルと比較的浅い

1-5. オートマチックラムサウンディング試験

オートマチックラムサウンディング試験は、ボーリング標準貫入試験と同様、動的コーン貫入試験です。この試験によって得られたNd値(土地の硬さや締まりを表す単位)は、ボーリング標準貫入試験のN値とほぼ同等の値になります。JISやJGSの規格には至っていませんが、 近年比較的多く使用されるようになってきている方法です。

方法

コーンを自動連続貫入装置にて貫入し、貫入に必要な打撃回数をもとに地盤の強さを測定します。
オートマチックラムサウンディング試験の図解

メリット

「オートマチックラムサウンディング試験」のメリットは、以下のとおりです。

  • ・測定作業が短時間で実施可能
  • ・スウェーデン式サウンディング試験では困難な「N値30以上の地層」でも測定可能
  • ・標準貫入試験に比べてコストがかからない

デメリット

「オートマチックラムサウンディング試験」のデメリットは、以下のとおりです。

  • ・高低差の大きい現場での作業が困難
  • ・地盤によっては大型の機械が必要
  • ・スウェーデン式サウンディング試験と比べると、費用は高い

1-6. 表面波探査法

表面波探査法は、地震波の一種である表面波を用いて行う物理探査の一種です。簡単にいえば、「人工的に地震波を起こして、一定間隔の波の伝達速度を測定する」ということです。

探査深度は10メートル前後、ガラや礫の混在・表層改良後・アスファルト舗装面においても調査可能です。戸建て住宅のような比較的軽い建物の地盤調査に適しています。

具体的な地質の種類を調べることはできないものの、他の調査方法よりも地盤の硬さという点では正確な結果を得ることができます。

方法

起振機で地面を上下にゆすり、人工的に小さな地震を起こします。その際、周波数を変化させ、波の速さを検出器で測ります。地盤が硬いと波は速く伝わり、軟らかいとゆっくりと伝わります。

表面波探査法の図解

メリット

「表面波探査法」のメリットは、以下のとおりです。

  • ・石が多い地盤コンクリートでも調査可能
  • ・広いスペースを必要としない
  • ・短期間での調査可能
  • ・穴を掘ったり地盤の一部を壊したりする必要がない
  • ・スウェーデン式サウンディング試験と比べて費用は安い
  • ※地盤調査自体はスウェーデン式サウンディング試験よりも高いが、トータルコスト(地盤調査+工事費)では、表面波探査法のほうが大幅に安い

デメリット

「表面波探査法」のデメリットは、以下のとおりです。

  • ・深い部分の調査精度が低い
  • ・重い建物の地盤調査には不向き
  • ・実施できる業者が少ない

2.地盤調査の流れ

地盤調査の流れ
地盤調査の流れは、上で紹介したようにさまざまな方法があるため、業者によって異なります。

ただ一般的には、調査前に土地の条件図や地形図を使って地質を大まかに調べます。その後、GPS搭載の地質探査機を使って対象の地質を計測します。その結果をふまえ、どんな工法が適しているか、どんな注意点があるのかを検討し、地質調査データを作成します。

3.まとめ

1. 地盤調査のなかでも、小規模建築物で最も一般的なのが「スウェーデン式サウンディング試験」。調査全体にかかる時間は2時間弱、予算は3万~5万円程度が目安。ただし、土地が硬くなればなるほど精度が悪くなる

2. マンションや公共施設などの中規模以上の建築物では、ボーリング標準貫入試験が一般的。実績や調査結果が豊富で、地中10メートル以上の調査もできるというメリットがある一方、 調査のための広いスペースが必要で、さらに調査費用は高く、調査期間も長いというデメリットもある

3. 地盤調査の流れは、方法や業者によって異なる。ただし、本格的な調査に入る前の事前調査の段階では、一般的に行うことが決まっている。

いかがでしたか。地盤調査の方法はさまざまであり、専門的な知識を求められるため、一般の人にはなかなか理解しにくい部分もあると思います。もちろん、いざというときは依頼する業者に質問することも大事ですが、ある程度の知識を持っておくことも重要です。一度にすべてを理解するのは難しいので、ぜひ少しずつ知識を増やしていただければと思います。

地盤調査の基礎知識ついては、以下の記事をお読みいただくと知ることができます。

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