不動産投資ローンで日本政策金融公庫を活用|チェックリスト26個

不動産投資は高額になるため、殆どの不動産投資家は自己資金を頭金として、残金は金融機関から融資を受けます。融資先の金融機関を選ぶ場合、都市銀行や地方銀行、ネット銀行など様々な金融機関がありますが、民間の金融機関以外に政府系の金融機関を選ぶ方法もあります。

不動産投資のために借り入れができる政府系金融機関は「日本政策金融公庫」です。

日本政策金融公庫の特徴は、特に女性や若者、高齢者向けに優遇条件で融資を行っているということです。不動産投資を考えていて、資金繰りが心配な場合や、融資がなかなか受けられないために困っている方は、この記事を読んで融資成功率のアップを目指しましょう。

この記事では、日本政策金融公庫の不動産投資ローンの種類、審査基準、融資を受けられる条件などをご紹介し、日本政策金融公庫で融資を進めたいという方向けに、手続きの流れや必要書類についてわかりやすくチェックリストにまとめています。事前のチェックリストとしてご活用ください。

日本政策金融公庫の特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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ここだけは注意!不動産投資で日本政策金融公庫を活用する3つの条件

チェックリストの使い方

不動産投資のためのローンを検討している方へ。
日本政策金融公庫から融資を受けるために事前にチェックしておく情報を26個リストにしています。

確認したらチェックをして、チェックがない部分がないかを最後に見直しましょう。

1.日本政策金融公庫で提供されている不動産投資用ローンの種類

1.日本政策金融公庫で提供されている不動産投資用ローンの種類

  • 1. 日本政策金融公庫とは?

    日本政策金融公庫とは、2008年に「国民生活金融公庫」「農林漁業金融公庫」「中小企業金融公庫」が統合した政府系の金融機関です。

    統合前の事業を引き継ぎ、「国民生活事業」「農林水産事業」「中小企業事業」の3つの分野において融資が行われています。不動産投資向けのローンは国民生活事業に分類されます。

  • 2. 不動産投資で活用可能な融資商品

    日本政策金融公庫の融資商品のうち、不動産投資に活用できるものとしては以下があります。

    ■一般貸付
    融資を受けられる人:事業を営む人(ほとんどの業種で利用可能)
    融資限度額:4800万円
    融資期間:10年以内

    ■新規開業資金
    融資を受けられる人:新たに事業を始める人、または事業開始後おおむね7年以内の人
    融資限度額:7200万円
    融資期間:20年以内

    ■女性・若者/シニア起業家支援基金
    融資を受けられる人:女性、または35歳未満か55歳以上であること、新たに事業を始める人、または事業開始後おおむね7年以内の人
    融資限度額:7200万円
    融資期間:20年以内

    ■新事業活動促進基金
    融資を受けられる人:経営の多角化や事業の転換などで第二の創業を行う人
    融資限度額:7200万円
    融資期間:20年以内

2.日本政策金融公庫で不動産投資の融資を受けるための条件とは?

日本政策金融公庫で不動産投資の融資を受けるための条件とは?

  • 3. 融資を受ける目的が「不動産賃貸事業」であるか

    日本政策金融公庫の融資商品は、小規模企業のほか、個人で事業を行う人も対象としています。融資を受ける場合は「不動産賃貸事業」を行うことを融資担当者に伝えましょう。

  • 4. 担保物件があるか

    日本政策金融公庫から融資を受ける場合、担保を設定するかどうかは融資担当者と相談して決めます。融資金額や融資期間によっては担保を求められる場合があるので、借入金額が大きくなる場合は、担保となる物件が用意しておきましょう。

    なお、担保なしで融資を受けたい人向けに「担保を不要とする融資制度」も設けられています。条件は以下の通りです。
    ・制度を利用できる人:税務申告を2期以上行っている人
    ・融資限度額:4800万円
    ・融資期間:利用する融資制度の期間に準ずる

    ただし、審査の結果によっては、担保を不要とする制度を利用できない場合があります。

  • 5. 税金や公共料金の未納がないか

    日本政策金融公庫から融資を受ける場合は、税金や公共料金を全て納めていることが条件となります。日頃から税金や公共料金は期日までに支払うことを心がけましょう。

3.融資を受けるための必要書類チェックリスト

融資を受けるための必要書類チェックリスト
日本政策金融公庫で融資を受ける場合、身分証明書や借入申込書をはじめさまざまな書類の準備が必要となります。書類の種類が多いため、事前にチェックして不足がないようにしておきましょう。

  • 6. 借入申込書

    融資を申し込むために使用する書類です。氏名、住所、借り入れしたい金額など、必要事項を提出して記入します。

  • 7. 通帳

    通帳は、住宅ローンもしくは家賃、公共料金の支払いが記帳されているものを用意します。コピーでも差し支えありませんが、その場合は預金通帳の金融機関名が記載されているコピーも必要です。

    なお、公共料金をクレジットカードで支払っている場合はカード利用明細書もあわせて用意します。

  • 8. 水道光熱費の支払い状況を確認できるもの

    融資を行うにあたり、水道光熱費の未納や滞納がないかどうかを確認するために使用します。

    口座引き落としの場合は通帳で確認できますが、口座引き落としではなく、コンビニエンスストアなどで支払っている場合は直近6か月分の領収書を提出します。

  • 9. 創業計画書

    新たに事業を始める場合、または事業を始めて間もない場合に提出する書類で、創業の動機や取り扱うサービス、事業の見通しなどを記入します。

  • 10. 支払明細書

    他の金融機関から借り入れを行っている場合に提出する書類です。支払明細書で現在の借入残高と毎月の返済額を確認できます。

  • 11. 不動産の賃貸借契約書

    不動産投資を行っていることを示すために用意するものです。

  • 12. 見積書、工事請負契約書

    見積書と工事請負契約書は、不動産投資用の物件を建築する場合に用意します。建築工事を行うことを示し、見積額を提示することで融資の交渉を進めやすくなります。

  • 13. 運転免許証またはパスポート

    本人確認のために使用します。コピーの場合は本籍地の部分を黒く塗りつぶして提出します。また、運転免許証のコピーを提出する場合、氏名・住所が変更になっていれば、裏面もコピーします。

    どちらも持っていない場合はコールセンターに確認するか、健康保険証の原本を用意します。

  • 14. 印鑑証明書

    書類に押印された印鑑が本人のものであることを確認できるように用意しておきます。

  • 15. 個人の源泉徴収票または確定申告書2年分

    収入の状況を確認するためのもので、直近2期分を用意します。直近2年間において、会社員として給料を受け取った場合は源泉徴収票を、個人事業で収入を得た場合は確定申告書を提出します。

4.融資を受ける手続きの手順

融資を受ける手続きの手順

  • 16. 相談・申込

    相談は支店の窓口でも受け付けているほか、電話でも相談に応じています。支店に足を運ぶ時間がなかなか確保できない場合は電話での相談が適しています。

    支店で相談する場合は、創業計画書に必要事項を記入して持っていくと、より具体的なアドバイスを受けられます。

    融資の申し込みは窓口のほか、日本政策金融公庫のホームページからも行えます。なお、ホームページから申し込む場合は、提出書類は後日提出します。

  • 17. 面談

    面談では事業計画の内容について質問を受けます。創業計画書を事前に記入しておくと、事業内容が整理されるため説明をしやすくなります。

    面談で必要な資料は、事業計画に関する資料、資産や負債がわかる資料などです。

  • 18. 融資

    審査の結果、融資が決まると、融資契約に必要な書類が送られてきます。書類に必要事項を記入して契約手続きを行います。契約が締結されると指定の口座に融資金が振り込まれます。

  • 19. 返済手続き

    ローンの返済は、毎月返済する「月賦返済」となります。

    返済方法は、返済額が毎月同じ「元利均等返済」、返済額のうち、元金の返済額が毎月同じ「元金均等返済」、前半の返済額を少なめにして後半の返済額を多めにする「ステップ返済」があります。

    元金均等返済は、前半ほど利息が多く、後半ほど利息が減ります。そのため、前半の返済額が多くなり、後半の返済額は少なくなります。

5.融資を受ける前に確認しておくべきこと

融資を受ける前に確認しておくべきこと

融資を受ける前に確認しておくべきことをリスト化してまとめました。これらの項目を事前にチェックしておき、融資の手続きをスムーズに進めましょう。

  • 20. 未払いがないか

    融資を受ける前に、未払いとなっているものがないか確認しておきましょう。以下のものが未払いとなっている場合は融資の審査が通らない原因となります。

    ・水道光熱費
    ・家賃
    ・携帯代金
    ・税金
    ・クレジットカード払いの請求

  • 21. 金融機関からのキャッシング残高はないか

    クレジットカードのキャッシング残高があったり、消費者金融から借り入れたりしている場合も、融資の審査が通らない原因となってしまいます。

    これらの借り入れは金利が高いことが特徴です。そのような借り入れをしている時点で金銭管理が甘いとみなされます。

  • 22. 自己資金に透明性があり明確か

    通帳に多額の入金があった場合、貸し付けする側としてはお金の動きが不審だと判断して、融資を見送ることがあります。資金管理を堅実に行っているなら、通帳の残高は徐々に増えていくことが多いためです。

    また、融資を受けられる額の目安は、自己資金に対して少なくとも2倍程度、最大で9倍となります。

    ただし、自己資金の9倍の融資を受けられるのは、日本政策金融公庫の融資商品と合わせて「新創業融資制度」利用している場合です。新創業融資制度を利用していない場合は、自己資金の5倍程度が借り入れ上限の目安となります。

  • 23. 厳しい質問に印象良く回答できるか

    融資のための面談中は、融資担当者から厳しい質問を受けることがあります。そのようなときは嫌な思いを表情に出さず、淡々と質問に応じることを心がけましょう。

    質問の内容が厳しいと感じると、感情にまかせて答えてしまうことがあるかもしれませんが、そのような答え方をすると融資を受けることが困難になってしまいます。

    事業は感情にまかせて進めるものではなく、じっくりと考え、適切に判断しながら進めるものです。それを踏まえれば、厳しい質問に淡々と回答する姿勢が、事業を成功させるうえでは重要となります。

  • 24. もし自分が「融資を受けられない人」の条件にあてはまっていた場合、どうする?

    水道光熱費や税金の未払い、クレジットカードの滞納があり、融資を受けられない人の条件にあてはまっていた場合は、時間をおいて再度申し込みを行う方法があります。

    過去に滞納があったとしても、直近1~2年の間に滞納がなければ融資の審査が下りる場合があるため、不動産投資を開始するタイミングを1~2年遅らせることも検討してみましょう。

補足:審査通過後の確認ポイント

  • 25. ネット銀行不可 信用金庫に口座を開設できるか

    日本政策金融公庫は、融資金をネット銀行に振り込むことができません。融資金は、実店舗を持つ金融機関の口座に振り込まれます。

    なお、不動産投資ローンを利用する場合、信用金庫の利用も検討してみましょう。信用金庫と取引する場合、不動産投資の実績がなければ審査が厳しくなることもありますが、実績を積み重ねていくほど良い条件で融資を受けやすくなります。

    それを踏まえて、日本政策金融公庫からの融資金の振込口座は信用金庫にすることも一つの方法です。

  • 26. 団体信用生命保険に加入するか

    団体信用生命保険とは、融資を受けた人が死亡したり、あるいは高度の障害によって働けなくなったりした場合に、借金が保険で返済されるものです。

    そのため、万が一に備えて保険に加入することもできます。ただし、保険に加入すると保険料がかかる点がネックとなります。

    万が一、不動産投資ローンを返済できなくなった場合にどうするか、という点を踏まえ、返済が難しいと判断した場合は団体信用生命保険に加入しておくといざというときに安心です。

【記事のおさらい】

融資を受ける前に確認しておくべきことは、水道光熱費や税金の未払いがないか、クレジットカードの返済の滞納がなかったか、という点です。これらがあると融資の審査はほぼ通らなくなってしまいます。

また、日本政策金融公庫で融資の申し込みをしてから融資が実行されるまでの期間は約3週間です。なお、融資の条件によってはそれ以上の日数がかかる場合もあるので、手続きにかかる時間を考慮して申し込みを行いましょう。

そのほか、条件の良い融資を受けるためには、融資商品の金利を確認しておくことも大切です。

それ以外にも、わからない点があれば事前に調べておき、融資をスムーズに行いましょう。

記事のまとめ

不動産投資ローンを日本政策金融公庫から借り入れする方法についてチェックリストでみてきました。

融資の審査が通る条件としては、不動産投資の事業計画が明確であることですが、初めて融資を受ける場合は事業内容の説明ができるかどうか不安に感じるかもしれません。

もし、心配な場合は、中小企業が経営相談を受けられる「認定支援機関」を利用して事業計画の策定をサポートしてもらう方法もあります。

融資を受けるためにはさまざまな準備が必要となり、大変に感じることもあるでしょう。しかし、事前に融資の制度を理解し、必要な書類を準備しながら計画的に進めていけば融資の審査が通る可能性は高まります。

不動産投資は入居者に住む場所を提供する重要な事業です。不動産投資の重要性を示しながら融資に臨むことを心がけましょう。

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再建築不可物件の建築可能化プログラム

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