ここまで来た!キッチンリフォームの今

住宅設備で最も傷みやすい部分はキッチンや浴室といった水まわりの部分であると思われます。と言うのも、水は金属の腐食に大きく関係しますし、プラスチックの劣化などの原因ともなり得るからです。そして、特にキッチンまわりは環境が過酷です。キッチンは様々な洗剤を使うだけでなく、酢や食塩などといった設備素材に悪さをする物までも使うからです。

そのため、キッチンは比較的早くに老朽化が目立って来ます。また、様々な機能も開発されていますので、どうしても性能が新しい製品に見劣りする現状もあることでしょう。

そこで検討されるのがキッチンのリフォームとなるのですが、今のキッチンはバリエーションが多くなっているので、なかなか整理しながら把握するのは難しいかと思います。

この記事では、キッチンのリフォームについて、タイミングから仕様、そして注意点などを述べたいと思います。この記事を読み終わる頃には、キッチンリフォームがどの様な物であるかが体系立てて理解出来ると思います。

1.キッチンリフォームのタイミング

1.キッチンリフォームのタイミング

まずはキッチンリフォームのタイミングについてご紹介します。

1-1.キッチンが老朽化すると…

まずはキッチンが老朽化すると発生する現象について、各部分を取り上げてみましょう。

ガスコンロ

ガスコンロは火を扱うので特に注意が必要な部分です。そのため、老朽化が原因と思われる現象を覚えておくことは、特に大切と言えます。

ガスコンロが老朽化すると下記の様な現象が見られます。

  • ・なかなか火がつかない
  • ・点火の際の音が以前の物と違って来た。
  • ・使用中の異音
  • ・勝手に火が消えてしまう。
  • ・炎の状態が以前と違う
  • ・鍋などにススが着く
  • ・ガス臭い

尚、これらは確かに時間が経ってからの現象で、リフォームでは無く修理で済むこと多いアクシデントです。しかし、コンロ以外の他の箇所にもアクシデントと同時多発的に発生したら、リフォームを検討するのが良いと思われます。

レンジフード

レンジフードは一見すると脇役の様に思えるかも知れませんが、調理中は連続的に動作している状態なので、それだけ消耗が激しい部分とも言えます。しかも、排煙する煙は油脂を多く含むため、ダメージが蓄積されて行くことにもなります。

それではレンジフードの老朽化の際に見られる現象について取り上げてみましょう。

  • ・ファンから異音が聞こえる
  • ・排煙する量が明らかに減った
  • ・キッチンまわりに油が付着

これらのアクシデントも修理で済む場合の多い現象です。しかし、リフォームで一挙に解決するのも一案です。

水栓

水栓は水を使うので、部品の劣化が激しい部分です。水は金属を腐食させ、樹脂部品やゴムなども劣化させるからです。

それでは、水栓が老朽化すると、どの様な現象が発生するのでしょうか?以下に取り上げます。

  • ・接続部分からの水漏れ
  • ・水が止まらない
  • ・ハンドルなどが外れる

これらも修理対応で済む場合もあります。ただし、リフォーム時期の判断材料に数えても良いと思われます。

天板

キッチンの天板も食材をはじめ様々な物を扱うため、意外に老朽化が進む箇所です。老朽化すると次の様な状態となります。

  • ・水あかの付着
  • ・キズつき
  • ・変色
  • ・サビの発生

シンク

シンクも水や洗剤を使うので痛みが激しい部分と言えます。老朽化すると次の様な症状が出て来ます。

  • ・キズつき
  • ・サビの発生

排水口

排水口も時間が経つと不具合が目立つ様になって来ます。主な不具合は次の通りです。

  • ・流れにくい
  • ・嫌なニオイがする
  • ・水漏れの発生

収納

収納も意外に老朽化するものです。不具合としては、次の様な物が挙げられます。

  • ・戸の開閉がスムーズでなくなる
  • ・キズつき
  • ・汚れの付着

1-2.キッチンリフォームのタイミング

それでは、キッチンはどのタイミングでリフォームするべきでしょうか?

1つの目安となるのが「10年」というタイミングです

キッチンの部品は非常に性能が良く、10年を超えても使用上の不具合は発生しないことが多いです。しかし、設備の多くは10年を超えると故障確率が上がってしまいます。そして、10年を超えて更に時間が経ってしまうと、故障の際に交換する部品が無くなってしまうこともあるのです。

また、キッチンの使い勝手が悪いと思えた時もリフォームのタイミングとも言えます。例えば、火が着きはするけど着きにくくなった時、あるいは収納の扉の建付けが悪くなった時、または汚れが目立ちはじめた時などです。

1-3.キッチンとPL法

PL法は工業製品の不具合などによって使用者が何らかの損害を被った場合に、その責任をメーカーが負うという法律です。例えば、漏水が発生して他の家財が汚れてしまった場合、損害の責任側であるキッチンメーカーが補償します。

ところでPL法は、メーカーが責任を持ってくれる期間が10年と法的に定まっています。ですから、今挙げた漏水の話も、10年以上経っている事例であるならば、漏水によって損害を被ったにしてもメーカーは補償してくれなくなります。

前項で「10年」が1つの目安になり得ることを述べましたが、PL法の観点から考えても10年という期間は妥当なのかも知れません。

2.どんなキッチンがあるか?

2.どんなキッチンがあるか?

次に、どんなキッチンがあるか、種類などについて紹介します。

2-1.キッチンのグレードは3種類

まずは商品のグレードについてです。

住宅設備の多くは「高級」「中級」「普及」の3つに分類されます。

グレードで何が違うか?

商品のグレードで変わって来るものは、主に機能やデザインとなります。高級である物の方が機能的にも優れますし、デザイン的にも優れます。

また、機能に連動する形で価格も変わります。高級であれば高額になりますし、普及クラスになればコストも抑えられます。

高級グレード

キッチンの高級グレードは機能もデザインも洗練されています。

例としては、水栓がセンサーで自動化されている物や、天板が特殊な素材となっていてキズが付きにくい製品もあります。

中級グレード

一般向けの製品と言えます。

高級グレードほどの高性能とは言えませんが、機能とコストのバランスが良いのが特徴です。

普及グレード

機能面を抑えて経済性を優先にしたグレードと言うことが出来ます。コストパフォーマンスが魅力的です。

2-2.キッチンの種類

次にキッチンの種類について取り上げてみます。

I型キッチン

I型キッチンはコンロやシンクなどの設備が横一列に並んでいるのが特徴のキッチンです。多くの場合は、背面が壁面に接しています。

I型キッチンの図

L型キッチン

形がL字型のタイプのキッチンです。キッチンが横だけでなく前後にも広がるので、存在感が大きくなるタイプと言うことが出来ます。

L型キッチンの図

セパレート型キッチン

シンク部分とコンロ部分が分かれているのが特徴のキッチンです。作業部分が分かれているため、何人かで料理する時に便利です。

ペニンシュラ型キッチン

コンロやシンクは一列に並んでいますが、左右のどちらかが壁に接しているタイプのキッチンです。

アイランド型キッチン

コンロ、シンクが完全に独立し、作業部分が島の様に独立しているキッチンです。

アイランド型キッチンの図

3.キッチンの仕様と機能

3.キッチンの仕様と機能

それではキッチンの仕様や機能について細かく見て行きましょう。

3-1.素材

素材は基本的にステンレスがベースの物が多いです。ステンレスはサビに強く、しかもキズもつきにくい特性があり、キッチンには非常に向いた素材と言えます。

ただ、ステンレスを全面に押し出したキッチンは、どちらかと言うと普及グレードの物に多く、中級から高級になると、人造大理石などの高級素材が多用される様になります。

3-2.傷に強い

キッチンは包丁などの鋭利な調理器具や、タワシなどの洗浄用具を使うので、キズに強いことが重要になります。多用されている素材は傷つきにくい物で構成されています。

3-3.水栓

水栓も多様です。昔は単なる蛇口でしたが、今ではシャワー付きの製品もあり、以前の物と比べて格段にレベルアップしています。

尚、メーカーにもよりますが、自動化されている水栓も今では出ています。

3-4.シンク

シンクも以前の物よりも進化しています。特に傷に強いタイプや汚れに強い製品もあるので、昔よりも快適に炊事が出来ます。

3-5.収納

収納も工夫が加えられています。以前は簡単な戸棚の様な物でしたが、今では以前より収納の効率がアップしている物も増えています。

3-6.食器洗い乾燥機

食器洗い乾燥機も今ではずいぶん普及して来ました。食器洗いの手間が省けるのは時間の無い人にとって、特にメリットが大きい製品と言うことが出来ます。

3-7.浄水器

浄水器も昔は外付けでしたが、今ではビルトインのタイプの物が普及しています。後付け浄水器はデザイン的に劣る面もありましたが、ビルトインタイプの浄水器はスッキリとした外観です。

3-8.ディスポーザー

ディスポーザーは生ゴミを粉砕して廃棄する装置です。ゴミ出しの手間が減ることもあり、利便性は高いです。

リフォームによっても着けられる物があります。

4.IHについて

4.IHについて

キッチンのリフォームを考える場合、IHを視野に入れる方がベターです。ただし、当然ながらメリットとデメリットがありますので、トータルで判断することが大切です。

4-1.IHのメリット

IHの主なとしては、次の様な物が挙げられます。

  • ・加熱する面が平坦なため掃除が簡単
  • ・炎を使わないので火災リスクが少ない
  • ・ガス漏れのリスクが無い

4-2.IHのデメリット

次にデメリットです。IHにはこの様な弱点があります。

  • ・鍋などがIH対応の物でなければならない
  • ・火が出ないので「熱さ」を判別しにくく、誤って手を触れてしまうことがある
  • ・火が出ないので「炙る」などが出来ず、調理の幅に制限が出来やすい
  • ・停電の場合は使えない

4-3.IHにした方が良い場合は?

IHのメリットとデメリットを挙げてみましたが、人によっては優先すべきメリットが違うので、個々に検討して決めることが大切です。

例えば、身体の運動機能が低下している人にとってみれば、安全性を優先させてIHを採るのが良いでしょう。しかし、料理に凝る人で「炎の使い方」にまでこだわる人にとってみれば、IHでは無く、コンロの方が向いています。

IHとコンロ、メリットとデメリットはそれぞれ違います。自分の状況を考えた上で決めることが大切です。

5.キッチンリフォームの注意点

5.キッチンリフォームの注意点

ここでキッチンリフォームの注意点について触れたいと思います。

5-1.配置換えについて

キッチンのリフォームには、古い物から新しい物に単純に変える場合と、配置まで丸ごと変えてしまう場合とがあると思います。

前者は、例えば壁に付いている古くなったI型キッチンを、新しいI型キッチンに替えるケースが該当します。この変更は大きな設備を追加し無い限り、比較的容易にリフォームすることが可能です。

しかし、例えばI型キッチンをアイランド型に変更する場合は、色々な問題が発生することがあります。例えば、配管です。配管は単に伸ばせば良いと言うのもでは無く、流すためには傾斜を取らなければなりません。そのため、キッチンの形態を変えてシンクの位置まで変わってしまうと、配管の状況によっては良くない場合も出て来ます。

5-2.レンジフードについて

リフォームの状況によってはレンジフードの工事が大きな規模になることがあります

例えば、I型キッチンの様に換気扇が壁に付いている物であるならば、壁面の工事がほとんどになるため大きな物にはなりません。しかし、レンジフードを大きく移動させると天井まわりの工事も発生するため、大きな規模の工事となります。

5-3.マンションの場合

マンションの場合はリフォームの範囲が専有部分に限定されます。そのため基本的にはキッチンの変更は可能です。

しかし、マンションには個々に管理規約を定めていて、専有部分のリフォームにも制限をしている所もあります。リフォームの前には管理規約と管理組合への確認をしっかりとしましょう。

6.まとめ

1.キッチンは老朽化すると様々な不具合が発生します。そのためにリフォームが必要です。タイミングとしては、10年が1つの目安となります。故障確率やPL法の関係からも、10年を目安とするのが良いでしょう。

2.キッチンには「高級」「中級」「普及」の3つのグレードと、「I型」「L型」「セパレート型」「ペニンシュラ型」「アイランド型」があります。

3.今のキッチンには傷の付きにくい素材が使われ、水栓をはじめとする各部が、昔よりも高性能化しています。

4.IHを検討する時は人それぞれに必要な利点が違うので、個々に検討して採否を決めるのが重要です。

5.キッチンリフォームについても注意が必要です。特に位置を変える物やマンションの場合は関係するところに確認しましょう。

キッチンは毎日使う場所で、今の住宅では家の中心にもなる所です。そのため、リフォームは夢が膨らみますが、リフォームのタイミング、どの様にリフォームをするか、キッチンの仕様はどうか、そして注意事項を洗い出して、より良いリフォームにしましょう。

リフォームについては、以下の記事でもそれぞれ解説していますのでご覧ください。

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