失敗するのには共通点がある!? リースバックのトラブル例&契約書チェックポイント

前回の記事では、「リースバックの仕組み」「なぜ、最近リースバックが注目されているのか」「リースバックのメリット、デメリット」などリースバックに関する基礎的な情報をお伝えしました。

この記事では、

  • ・リースバック契約書のチェックポイント
  • ・リースバックの事例やトラブル
  • ・リースバックを提供している業者

について解説します。

リースバックを実際に行ううえで求められる知識を中心に紹介します。 リースバックを行うことは大半の方が未経験だと思いますが、大きなお金が動く以上、「資金調達ができればいい」と安易に考えるのは危険です。特に事例を知ることは、自らがリスクを避けるうえでも非常に重要ですので、ぜひチェックしていただければと思います。

1.リースバック契約書のチェックポイント

リースバックのチェックポイント

リースバックは、自宅を第三者(投資家や不動産会社など)に売却し、売却先と賃貸借契約を結ぶことで、自宅を「賃貸」として住み続けられる方法です。 主なメリットとデメリットは、下の画像の通りです。

リースバックについての図

 

契約のポイントは、売買契約と賃貸借契約という2つの契約を交わすということです。

リースバックについての図解-2

契約書の内容をよくチェックするとともに、事前の買主となる不動産会社との打ち合わせの内容が反映されているかを確認する必要があります。

1-1.リースバック契約書の内容

では、具体的にリースバック契約書の中身を見ていきましょう。ここでは、特に注意すべき点を取りあげます。

売買契約書

不動産売買の際は、売買契約書に売主・買主が署名・捺印をすることで初めて契約が成立します。

■売買価格

間違いはないと思いますが、絶対に見間違えてはならないポイントです。 事前の合意に基づいた金額になっているか確認します。 なお、こちらの記事でお伝えしたように、売却価格が周辺相場よりも安価になる傾向があるので、予め理解しておきましょう。

なお、売却価格の設定については、市場価格や物件の状態などを鑑みて計算されているはずなので、気になる点があった場合は確認することが大切です。特に、売却代金>残債の状態(アンダーローン)でないと、抵当権が抹消されずそもそもリースバックができなくなりますので注意しましょう。

■引き渡し日程

こちらも事前に第三者(投資家や不動産会社など)と協議した内容になっているかどうかを確認しましょう。 リースバックをするということは、何らかの理由でまとまったお金が必要ということなので、そのタイミングに合っているかチェックしてください。

■買い戻しに関する取り決め

将来的に買い戻しをする可能性がある場合、買主と買い戻しができる期間や買戻価格などの条件を事前に協議しておく必要があります。 リースバックのメリットの一つは「買い戻し」ができることですが、その費用は売却価格よりも高くなるケースが多いといえます。

賃貸借契約書

賃貸借契約書とは、賃貸物件を借りるための契約書のこと。一方、同じく賃貸借契約の際に交わす重要事項説明書は、「当該物件はこんな現状ですが、よろしいでしょうか?」と借主に説明するものです。重要事項説明書の内容を借主が同意して署名・捺印をしたうえで、賃貸借契約書に署名・捺印します。

■賃貸借の目的物

ここには、名称、所在地、建物の構造(木造、RCなど)、間取りなど、借りようとしている物件の情報が記載されています。このあたりはもともと自宅だったわけですので、特に問題ないかと思います。

■契約期間・賃料・敷金などの金額

これらは売主と買主の間で任意に決めることができます。基本的には、通常の賃貸契約と同様、2年の契約期間を設けますが、リースバックの場合、長い期間住むことが多いので契約満了後に更新を借主の意思で更新ができる契約内容にしておきます。 なお、リースバックをすることで物件の所有権はオーナーから離れるので、固定資産税等および管理費・修繕積立金は発生しません。これは普通の賃貸物件と同じです。

■途中解約の条件

契約を途中で解約する場合は、お互い事前に通達して予告期間を設けます。 1~2ヵ月程度の期間とするケースが一般的です。

■退去時の原状回復について

これも通常の賃貸借契約と同様、退去時に原状回復は敷金で充てることが多いですが、ここも売主との打ち合わせで決めましょう。

■禁止事項

自宅ではなくなるので、やってはいけないことが増えます。 例えば、転貸(又貸し)や事務所としての利用は禁止されます。また、家賃滞納が続いた場合、貸主は契約を解約できるという内容が書かれている場合もあります。

2.リースバックの事例・トラブル

リースバックのトラブル

2-1.どのような人がリースバックをしているのか

なぜリースバックを実行した人は、どのような理由があるのでしょうか。 例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • ・働き方改革により、残業代が減って住宅ローンの返済が厳しくなった
  • ・子どもの教育費を捻出しなければならなくなった
  • ・家を相続する人がいないので、不動産の処分に困っていた
  • ・怪我や病気で仕事を辞めざるを得ず、生活費を確保しなければならなくなった
  • ・出資した会社の業績が芳しくなく、その会社の未払金を清算するための資金が必要になった
  • ・結婚の予定もなく子供もいないため、生前に資産を整理したいと思った
  • ・子どもを転校させることに抵抗があり、自宅を売却して引っ越しをすることは避けたかった
  • ・カードローンの借り入れがあり、 給与だけでは返済できず、その債務が生活を圧迫していた
  • ・事業の先行きが不安定になり、立て直すために資金を必要になった

こうした方々がリースバックをし、悩みを解決した例は多くあるようです。

2-2.リースバックのトラブル事例

一方、リースバックによってトラブルに巻き込まれた人もいます。ここでは、よくあるリースバックのトラブル事例を紹介しましょう。

許可なく売却されてしまった

リースバックをする人のなかには、将来的に買い戻しを考えている人も多くいるはずです。 本来であれば、契約段階で「将来的に買い戻しをする可能性があるので、貸主は借主に無断で売却はしていけない」という覚書などを交わすべきなのですが、口頭ベースで「大丈夫。売りませんよ」などと約束していた場合、後日、勝手に売却されてしまう恐れがあります。

もし売却されてしまうと、新しい貸主に引き継がれ、その後の賃貸契約更新を断られたり、賃料の値上げを請求されたりするリスクもあります。

家賃を上げられた

何度かお伝えしていますが、リースバックをした際の月々のリース料(家賃)は、周辺相場よりも割高に設定されるケースも多いといえます。

こちらも、契約時にリースバック業者が「更新の際に家賃を上げることはしない」と言っていたものの、あくまで口約束のため、実際の更新タイミングに家賃の値上げを要求されるというケースは珍しくありません。

この場合、ただでさえ割高な家賃に加えてさらに引き上げられると、大きな負担になります。 値上げしたリース料が払えず、泣く泣く引越しをしなければならない状況に追い込まれる人もいるようです。

買い戻しの金額が高い

家賃同様、買い戻しの際も周辺相場よりも割高に設定されることが多いといえます。一般には、「売却価格の110~130%」といわれています。 それはある程度覚悟しておけることですが、トラブルに発展するのは、契約時に言われていた金額よりもさらに高かった場合です。

もし買い戻しを前提にリースバックをしていた人なら、金額が大きすぎて買い戻しができなかったら、悲しい思いをすることになります。しかも賃貸借契約を更新できるなら住み続けることが可能ですが、更新がない契約だと、契約満了の時点で退去しなければならなくなります。

退去を求められた

リースバック契約のほとんどは2〜3年の定期賃貸借契約です。 通常の賃貸者契約は「正当事由がない限り更新し続けられる」のに対し、定期賃貸借の契約の場合、「期間満了により契約が終了する」となっています。つまり、借主よりも貸主のほうが立場が強いといえます。

そのため、リースバック業者が倒産したり資金繰りに困ったりした際、期間満了のタイミングで退去を求められ、売却されてしまうという可能性もあるのです。

こうしたリスクを避けるためには、やはり大手のリースバック業者がいいといえるでしょう。倒産や資金繰り悪化のリスクは低いですし、もし強引な退去を求めたら社会問題になってしまうため、まっとうな対応をしてくれる可能性が高いといえます。

相続時にもめる

リースバックのメリットの一つに「販売活動をしないので、売却したことが周囲に知られない」というものがあります。しかし、これは相続人となる子や孫、兄弟姉妹にも当てはまることなので注意が必要です。

リースバックのことを知らなければ、「万が一のとき、実家を相続できると思っていたのに、相続できない」ということで家族間のトラブルに発展するケースもあります。

こうしたトラブルを防ぐためには、事前に家族にも情報を共有することが大切です。「自分の家なのだから相談する必要はない」「相談しても反対される」と思う気持ちもわかりますが、家族の仲が壊れてしまうことを考えるならば、事前に話していたほうがいいでしょう。

3.リースバックを提供している業者

リースバック業者

さて、ではリースバックを実施しようと思った際、どの業者に依頼すればいいのでしょうか。

不動産売却プラザが公表している「【2019年最新】大手不動産リースバック業者比較ランキング!おすすめ会社の口コミ徹底比較」によると、トップ5は以下の会社(商品)です。

    • 1位 インテリックス「あんばい」
    • 2位 セゾンファンデックス「リースバック」
    • 3位 ミライエ「リースバック」
    • 4位 SBIエステートサービス「ずっと住まいる」
    • 5位 ムゲンエステート「らくらくリースバック」
    • (参考:

http://www.fudousan-plaza.com/article/712/

また、専門家が教える不動産担保ローン比較コンシェルの「【2020年版】不動産会社社長が絶対におすすめしたい不動産リースバック業者おすすめランキング」によると、以下のランキングになっています。

    • 1位 インテリックス/あんばい
    • 2位 セゾンファンデックス/リースバック
    • 3位 ミライエ/リースバック
    • 4位 SBIエステートサービス/ずっと住まいる
    • 5位 ムゲンエステート/らくらくリースバック
    • (参考:

https://不動産担保ローン.co/house_leaseback/leaseback-osusume-ranking/

見ていただければわかるように、ランキングの順位がまったく同じになっていますので、一つ参考となるデータといえるでしょう。

また、ランキング形式ではありませんが、リースバック・任意売却利用ガイドでは「おすすめの頼れるリースバック会社 比較・一覧」ということで、

  • 1.上場企業系・大手リースバック会社を13社
  • 2.中堅大手リースバック会社10社

が紹介されているので、参考になると思います。

4.まとめ

  • 1. 契約のポイントは、売買契約と賃貸者契約を交わすこと。それぞれチェックポイントがあるので、細かく確認する必要がある
  • 2. リースバックをしている人はさまざまな理由があるものの、「まとまった資金が必要」「相続対策(資産整理)」に大別することができる
  • 3. リースバックのトラブル事例として、「許可なく売却されてしまった」「家賃を上げられた」「買い戻しの金額が高い」「退去を求められた」「相続時にもめる」などが代表的。
  • 4. 代表的なトラブルに共通しているのは「契約時に業者から言われていたことと違う」ということ。業者は利益を求めているので聞こえのいい営業トークをするが、すべて鵜呑みにするのは危険である
  • 5. もう一ついえるのが、家族をはじめ、他の人にリースバックをしたことを言ってないことがリスクを大きくした可能性もある。リースバックはそのまま住み続けられるので、表面上は売却したとは思われない。そのため、本人もトラブルに巻き込まれる、あるいはその前兆があったとしても誰にも相談ができず、問題が肥大化しているケースもある。

いかがでしたか。リースバックは自宅を活用する有効な手段であることに間違いはありませんが、契約内容によっては後々大損をするリスクも含んでいます。不動産投資同様、シミュレーションをするとともに、業者と協議した内容が契約書にきちんと盛り込まれているか確認するようにしましょう。

家を売却→そのまま住める!新しい資金調達法「リースバック」とは? の記事も合わせてご一読ください。

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