【ケース毎に解説】土地不動産の名義変更をスムーズに行う4つの知識

不動産の名義変更の情報を調べている人の中には「相続で土地の名義変更が必要になったけど、どうすればいいのか分からない」「どんな書類が必要なのか分からない」という方も多いと思います。土地の名義変更など、法的な手続きには面倒で煩雑なイメージもあります。

しかし、「分からないから」と名義変更を後回しにすると、相続がスムーズにいかないことや、トラブルに発展するケースもあります。ですから名義変更が必要なら、今すぐその方法を知り、すぐに手続きを進める必要があります。

そこでこの記事では、

  • ・名義変更の流れ
  • ・必要な書類
  • ・名義変更にかかる費用
  • ・不動産の名義変更でよくある疑問

などの、名義変更で知っておくべき基礎知識について解説していきます。

この記事は、私が投資家として、またコンサルタントとして多くの不動産に関わった知識や経験に基づき、名義変更の方法だけでなく、なぜ早めに名義変更すべきかの理由についても解説していきたいと思います。

最後までお読み頂くことで、名義変更の流れ、必要な書類、費用など、必要なこと全て分かり、すぐに手続きを始められるでしょう。加えて、権利関係が複雑で名義変更が難しい場合の対処方法についても知ることができるでしょう。

1.不動産の名義変更について

不動産の名義変更について

不動産の名義変更は、相続などで必要に迫られて行う人が少なくありません。そのため、普段はあまり意識していない分野だと思います。 そこで、そもそも不動産の名義変更とは何のか? どのような場合に変更が必要になるのか? 変更しないと、どんなトラブルが想定されるか? などの基礎的な情報をまずお伝えいたします。

1-1.不動産名義変更とは?

不動産の名義変更とは、「法務局に関係書類を提出し不動産所有者の名義を変更すること」を言います。名義変更をすることによって、不動産物件の所有権を主張することが出来るようになります。

1-2.不動産の名義変更が発生する4つの状況

不動産の名義変更が発生するタイミングには以下の4つがあります。

  • ・遺産相続
  • ・生前贈与
  • ・財産分与
  • ・不動産売買

こうしたタイミングで取得した不動産は、不動産の所有者が変わるため必ず名義変更を行う必要があります。

1-2-1.名義変更を放置した場合のトラブル

取得した不動産の名義変更をせずにいると、所有権を主張できないというデメリットがあります。

所有権を主張できなければ相続時にはもちろん、いざ売却しようと思った時も、所有者が死亡していたりすると書類の準備、思うように手続きが進まないことがあります。

このように、名義変更を放置するのはデメリットしかないため、出来るだけ速やかに手続きを済ませておくことが賢明です。

2.不動産名義変更に必要な書類や手続きの流れについて

不動産名義変更に必要な書類や手続きの流れについて

名義変更の流れは、遺産相続、生前贈与、財産分与、不動産売買といったシチュエーションごとに変わります。それぞれのケースで手続きの流れ、必要な書類について見ていきたいと思います。

2-1.遺産相続

親族などが不動産の所有者であり、その所有者が亡くなることで不動産を相続するのが遺産相続のケースです。

2-1-1.名義変更の流れ

遺産相続の際の名義変更の主な流れは以下になります。

  • 1:土地の所有者を決める
  • 2:遺産分割協議書を作成
  • 3:登記簿謄本、戸籍、住民票を取ってくる
  • 4:相続登記申請書類の作成
  • 5:法務局へ申請

2-1-2.必要な書類

遺産相続の際の名義変更で必要な書類は以下になります。

  • 被相続人の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票
  • 相続する人の印鑑証明
  • 相続する人の住民票
  • 対象場所の固定資産評価証明書
  • 対象場所の全部事項証明書
  • 遺産分割協議書

2-2.生前贈与

将来相続人になる人のために、相続税の負担を減らすなどの目的で生前から財産を贈与することを「生前贈与」と言います。この場合、受け取る人が、贈与してもらった不動産の名義変更を行うことになります。

2-2-1.名義変更の流れ

生前贈与の名義変更で必要な流れは以下になります。

  • 1:申請に必要な書類を集める
  • 2:申請書を作成
  • 3:添付書類を作成
  • 4:法務局へ申請

2-2-2.必要な書類

生前贈与の名義変更で必要な書類は以下になります。

  • 生前贈与の対象となる不動産の権利証(登記識別情報)
  • 贈与する者の印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内)
  • 贈与を受ける者の住民票
  • 登記原因証明情報(贈与契約書)
  • 固定資産評価証明書
  • 生前贈与の対象となる不動産の登記簿謄本(全部事項証明書)

2-3.財産分与

財産分与とは、離婚時に当事者である一方が他方に対して財産を分与することを言います。不動産の場合、どちらが継承するかを決め、財産として渡す場合に名義変更の必要が出てきます。

2-3-1.名義変更の流れ

財産分与の際の名義変更の流れは以下になります。

  • 1:所有者を確定する「登記簿謄本」取得
  • 2:受贈者を確定する「戸籍」「住民票」などの書類を取得
  • 3:名義変更の申請書類を作成する
  • 4:法務局へ申請

2-3-2.必要な書類

財産分与の名義変更は、協議離婚か裁判離婚かによって必要な種類の種類が変わります。

協議離婚の場合、

▼贈与する側

  • 印鑑証明書(取引日の時点で3か月以内に取得したもの)
  • 不動産を取得時に発行された登記済権利証、または登記識別情報通知
  • 固定資産税評価証明書
  • 住民票、または戸籍の附表(登記上の住所から住民票の住所が変わっている場合)
  • 離婚の記載のある戸籍謄本(離婚した日の確認に必要)

▼受け取る側

  • 住民票

裁判離婚の場合、

▼贈与する側

特になし

▼受け取る側

  • 住民票
  • 固定資産税評価証明書
  • 調停調書、和解調書などの書類

2-4.不動産売買

相続や財産分与以外に、不動産の売買時にも名義変更は必要になります。

2-4-1.名義変更の流れ

不動産売買時の名義変更の流れは以下になります。

  • 1:売買契約が成立
  • 2:必要種類の収集
  • 3:物件引き渡しと売買代金の支払い
  • 4:法務局に申請

2-4-2.必要な書類

不動産売買の名義変更に必要な書類は、売主、買主で異なります。

▼買主

  • 住民票
  • 印鑑証明書(取引日の時点で3ヶ月以内に取得したもの)
  • 運転免許証等の顔写真つきの本人確認書類

▼売主

  • 印鑑証明書(取引日の時点で3ヶ月以内に取得したもの)
  • 不動産を取得した際に発行された登記済権利証(又は登記識別情報通知)
  • 固定資産税評価証明書
  • 登記上の住所から住民票の住所が変わっている場合は住民票又は戸籍の附表
  • 運転免許証等の顔写真つきの本人確認書類(取引の際に司法書士の本人確認に必要)

登記はオンラインでも可能です。下記法務局のホームページより、登記申請書の様式及び記載例を見ることが出来ます。
法務省:不動産登記の申請書様式について

3.不動産名義変更にかかる費用について

不動産名義変更にかかる費用について

不動産の名義変更は、司法書士に依頼するのが一般的です。その場合にかかる費用は以下があります。尚、ご自身で名義変更を行う際には、司法書士費用は必要ありません。

  • ・登録免許税
  • ・登記事項証明書等取得費用
  • ・司法書士費用

登録免許税は、相続の場合は固定資産税評価額0.4%、贈与の場合には2%の税率がかかります。

また、登記事項証明書等取得費用は、土地と建物それぞれを1筆ずつに1500~2000円程度の費用が必要です。司法書士費用は、依頼する司法書士事務所によって変わりますが、3万円~5万円程度が一般的な相場です。

3-1.費用シミュレーション

以下は、戸建ての名義変更をする場合、土地と建物の固定資産評価額合わせて600万円のケースでのシミュレーション例です。

  • 登録免許税:600万円×0.4%=24,000円
  • 登記事項証明書等取得費用:2筆(土地、建物)×1500円=3,000円
  • 司法書士費用:50,000円
  • 合計 77,000円となります。

4.不動産の名義変更でよくある疑問

不動産の名義変更でよくある疑問

名義変更は法的な手続きを要するため、自分でも出来るのか? 必要が生じた場合、誰に相談すればいいのか? など分からないことも多くあると思います。ここでは、名義変更でよくある疑問についても解説していきます。

4-1.不動産の名義変更は誰に相談すれば良いのか?

名義変更には法的な手続きが必要だと知っていても、弁護士に相談すればよいのか? それとも行政書士か? あるいは司法書士なのか? といった点が分かりにくいところです。

実は、不動産の名義変更は、司法書士の専門となります。相談はもちろん、名義変更、登記の代行も依頼することが出来ます

4-2.不動産の名義変更は自分でできるのか?

名義変更は司法書士に依頼するのが一般的ですが、自分で手続きをすることも可能です。ただし、時間と労力がかかります。

必要な書類を集め、法務局にも数回足を運ぶ必要があります。法務局に足を運ぶのは、日中お勤めのある会社員だと難しくなります。費用を抑えられるというメリットがあるものの、手間と時間がかかるデメリットがあることを考えると、司法書士に依頼するほうがスムーズに済むでしょう。

4-3.不動産の名義変更は時間が経つと何かペナルティが発生するのか?

名義変更をせずそのまま放置していることで、何かペナルティが発生するのではないか、そんな不安を抱える人もいると思います。名義変更には期限がありませんので、法律上はいつでもいいことになります。

ただし、名義変更をしないままでいると、不動産の所有権を主張出来ません。相続した物件の所有権を主張できないと、トラブルの長期化に繋がる事があります。こうしたトラブルを回避するためにも、早めに済ませておくのが賢明です。

4-4.権利が複雑で名義変更ができない場合には?

相続などで、所有者がたくさん増えたり、権利が複雑になったりして名義変更が難しい場合があります。そういった場合、土地権利の持分だけを売却することができます。

ただし、法律的な部分など売却には専門知識が必要とされます。よって、この分野の専門家に相談したり、あるいは持分を買い取る業者に相談したりして売却を進めましょう。

5.まとめ

  • 1.名義変更をしないままでいると、いざと言う時スムーズに手続きできません。
  • 2.遺産相続、生前贈与、財産分与、不動産売買、それぞれのケースで必要な手続きの流れや必要書類が変わります。
  • 3.名義変更には、登録免許税、登記事項証明書等取得費用、司法書士に依頼する場合は司法書士費用がかかります。
  • 4.名義変更を放置しても法的なペナルティはないものの、トラブルに繋がる事もあるので、早めに手続きを済ませておくのが賢明です。

不動産の名義変更は難しい、ややこしいというイメージがありますが、後回しにすることはデメリットでしかありません。また、名義変更の手続きに必要な流れや必要になる書類は、名義変更の種類によって変わります。よって、早めに司法書士に相談して手続きを済ませておきましょう。

【ケース毎に解説】不動産の名義変更をスムーズに進める4つの知識
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