金融庁の審議会で発表された報告書の内容「老後2,000万円不足問題」が、ちまたでクローズアップされています。
そこで、老後2,000万円問題のもととなる「資産寿命の延伸」に立ち向かうため、脱サラ投資家フジさん(弊社代表取締役 藤山 大二郎の愛称)の経験をもとに、副業選定の切り口を伝授します。
さらに、私が考える、不動産投資で乗り切る方法も解説します。
また、様々な副業で利益を出している筆者である現役不動産投資家社長(フジさん)が、経営者視点で副業についてYoutubeで解説をしています。こちらも合わせてご覧ください。
1.老後2,000万円問題とは?
令和元年6月3日に金融庁の審議会による報告書「高齢社会における資産形成・管理」が発表されました。この報告書に書かれている主旨が、「老後2,000万円不足問題」として話題になっているのです。
▲出典:報告書「高齢社会における資産形成・管理」より
報告書の主な内容は、以下となります。
- ・医療技術の進展と相まった長寿化傾向
- ・単身世帯の増加傾向と少子化による公的年金支給額の減少傾向
- ・退職金の減少傾向
- ・認知症の増加傾向
報告書で特に注目する点は、資産寿命を延ばすことです。
▲出典:報告書「高齢社会における資産形成・管理」より
資産寿命を延ばすには、副業を考える方が多いと思います。
そこで多くの副業を経験後、不動産投資家となった私から、副業の論理的な考え方と、私が実際経験した副業の感想をとおして、老後2,000万円問題の解決策をお伝えいたします。
2.忙しいサラリーマンだからこそ知っておきたい副業のポイント!
実は、副業にはタイプがあります。
ご自身に合った副業タイプを選択するため、各副業タイプの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。
2-1.副業タイプとは?
▲副業のビジネスモデル図
まずは、副業タイプの全体像から考えてみましょう。
上図は、いわゆるビジネスモデルを説明する図です。
図の「縦軸:労働集約型と資本集約型」と「横軸:フロー売上型とストック売上型」を見ることで、その副業がどこに当てはまるかが分かります。
詳細は後述しますが、縦軸と横軸の用語の意味を解説します。
<縦軸>
■労働集約型:自分の労働時間、労働力を投下して収益(対価)をだすビジネス
※図では、会社員が該当(労働にかける時間、能力の分だけ収入を生むタイプ)
■資本集約型:労働時間にかかわらず、資本を投下により収益をだすビジネス
※図では、投資が該当(自己資本を使って収益を生むタイプ)
<横軸>
■フロー売上型:毎月売上をだす単発ビジネス
※図では、不動産仲介業が該当(1軒当たりの成功報酬で収益を生むタイプ)
■ストック売上型:売上が積み重なるビジネス
※図では、月額課金契約が該当(顧客が毎月一定額を支払うことで収益を生むタイプ)
2-2.忙しいサラリーマンにお勧めの副業タイプは?
忙しい サラリーマンが老後2,000万円問題を解消するには、『資本集約型×ストック売上型』の副業を狙うことです。
次章では副業を4つの型に分類し、なぜ「資本集約型×ストック売上型」をお勧めするのか詳しく解説します。
3. 4つの副業タイプの違いとは?
先述した、縦軸と横軸で副業タイプを詳しく見てみましょう。
ア 労働集約型×フロー売上型
-
(1)副業タイプ:
・方法によっては高い報酬が得られる
・多大な労働量の投下が必要
・多忙なサラリーマンは時間の捻出を強いられ、ストレスが多い副業(2)職業例
物販、FX株取引、在宅ワーク、家事代行、Uber Eatsの配達員、オークション出品など
イ 労働集約型×ストック売上型
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(1)副業タイプ:
・手法によっては安定した収入を得られる可能性
・多大な労働量の投下が必要
・多忙なサラリーマンが時間を捻出して取り組んでも、急な収益減少の可能性あり
・ストレスが多い副業(2)職業例
アフィリエイト、ブログ、YouTuber、インスタグラマーなど
ウ 資本集約型×フロー売上型
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(1)副業タイプ:
・労働量投下は微少
・大きな収益を生む可能性あり ※安定性なし
・市況の影響が大きく、大損の可能性あり
・忙しいサラリーマンにとってストレスが多い副業(2)職業例
不動産売買、不動産仲介
エ 資本集約型×ストック売上型
-
(1)副業タイプ:
・労働量投下は微少
・安定的で、まとまった収入になり得る
・忙しいサラリーマンにとってはストレスの少ない副業 ※知識必須(2)職業例
不動産投資、民泊経営、駐車場経営、太陽光発電など
4.脱サラ投資家フジさんの副業遍歴から見えたものとは?
実は私も、サラリーマンと並行して副業をしていました。
当時の概略は、2013年末頃から不動産投資を始めて、1年4か月の間に不動産(アパートやマンション)を8棟購入。サラリーマンをしながら不動産投資の家賃年収は4,000万を超え、2年目の営業利益は1億を超過。
※家賃収入から販管費を引いた手残り+売却益+その他副業収入、含めての累計営業利益
副業開始から1年5か月目で会社をリタイアしました。
不動産投資をする前、多くの勉強とさまざまな副業をした結果、今は不動産投資家のためのコンサルティングをする会社を経営中。そのような私の副業遍歴から、メリット・デメリットを紐解きます。
4-1.物販(労働集約型×フロー売上型)『ア』
最初は、安く仕入れて高く売る仕事である、物販をしました。
この仕事は、多くの労働量の投下なくして収益化はありません。
ただし、初めは資金がないため1人で全てを行わざるを得ませんが、将来的に外注して仕組み化することも可能です。工夫しだいでは、かなりの売上も目指せます。
実際サラリーマン中の副業で、月50万円の利益がありました。
初めて副業をする際は良いかもしれませんが、時間がない人には非常に厳しい副業だと思います。
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■メリット:
・物自体に価値があるので、売れなくても資産がマイナスになることは少ない
・小額から始められる
・副業のきっかけなら良い
-
■デメリット:
・時間がない人には厳しい
※理由:売れるほど、梱包作業等で時間が必要
4-2. 株・FX(労働集約型×フロー売上型)『ア』
あくまで資本がない人の副業という意味で、デイトレードとしてお話します。これから副業を始めるような初心者の方向けです。
株は労働量の投下を必要とする副業でした。それは自動化できなかったからです。
株のトレードは浮き沈みが激しく、例えば、経済的に大きな事件が発生した時や震災・災害時は、特に大きく変動します。その結果自分の資産や貯金が、半分とか下手すると1/10に下がるほど大損したことがあります。
仕事中にチャートが気になり、会社の仕事が手につかないほど、精神的に厳しい副業で私は耐えられませんでした。
FXは株よりもギャンブル性がかなり高いので、初心者の方には私はあまりお勧めしません。
(1) 株(デイトレード)
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■メリット:
・初心者向け
・小額から始められる
・デイトレードでなく長期保有が目的なら、配当を得られる(=労働集約型×ストック型)
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■デメリット:
・労働量が必要
・仕事中でもチャートが気になる
・価格変動見逃しによる大損の可能性あり
・価格の浮き沈みが激しい=精神的に厳しい※経済的な大きな事件、震災・災害が発生した時は、特に大きく変動
(2) FX
・初心者にはお勧めしません
4-3. アフィリエイト(労働集約型×ストック売上型)『イ』
アフィリエイトもかなり労働量の投下が必要です。
大量の記事を執筆する必要があり、実際に1ヶ月で何十、何百という記事を量産しました。
当然ライターさんに外注するなど仕組み化できれば可能だと思いますが、最初は外注する資金がないため、自分1人の労働力投下で稼ぐことが重要になります。
さらにSEOに注力して集客の努力をしても、Google等のプラットフォーム側がかなりの速さでアルゴリズムを変更します。その結果、先月までは50万円の入金があっても、アルゴリズム変更後はガクッと売上が下がることがあります。
また、知識の高い人材を抱えて資金力もある大手企業にはかないません。
そのうえ再現性は低いと思います。アフィリエイトはセンスもすごく必要です。何もわからないという方は、始める分野ではないと思っています。
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■メリット:
・安定したアクセス数を獲得できれば、広告収入あり
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■デメリット:
・労働量が必要(大量の記事執筆が必要)
・SEOに注力してもGoogleのアルゴリズムの変化が早いため、対応に追われる
・人材(知識が高い)と資金力のある大手企業にかなわない
・再現性は低いと思われる
・センスが必要※何もわからない人は、始めるべき分野ではないと思われる
4-4. 不動産投資(資本集約型×ストック売上型)『エ』
ほとんど毎月何もせずに入居者は家賃を払ってくれます。ごく一部は滞納する人もいますが、気付けば毎月家賃が入ってきます。その家賃自体、大幅に減額することはありません。
さらに労働量ではなく、資本の量に比例して金額が変わります。資本投下が多ければリターンが大きいわけです。そして労働量の投下がほとんどない点が、もの凄く良いですね。
会社員をやりながら副業をする時は、捻出した少ない時間で効率の高い収益化が大きなポイントです。
だからこそ、私は会社員に不動産投資を勧めるのです。
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■メリット:
・毎月家賃収入がある
※引き落としが多く比較的漏れがない
・家賃の大幅な下落は考えにくい
・労働量の投下は微少
※会社員で副業をするには、少ない時間で効率の高い収益化が大きなポイント
・資本の量に収益が比例
※資金を大量投資するとリターンが大きい
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■デメリット:
・まれに滞納者がいる
・資本の量に収益が比例する
※資金が小額投資ならリターンは少ない
4.まとめ
多くの副業が存在し、種類も豊富なため混乱する方もおられると思います。
そのため、副業とメリット・デメリットの一例をご紹介しました。
ポイントを振り返ってみましょう。
■副業のビジネスタイプを知ったうえで、自分の状況に適した副業を選択
副業のビジネスタイプは、「縦軸:労働集約型と資本集約型」と「横軸:フロー売上型とストック売上型」がありますが、一概にどの副業が良いとはいえません。
例えばストック売上型が良さそうでも、比較的単価が低いため、課金者が少数の場合は収益が出ません。
逆にフロー売上型でも、不動産仲介業者は単価が高いため、一軒の成約で20~30万円、50万円という金額が一度に入ります。
ビジネスタイプを決めるときのポイントは、
・ご自身の現状や性格
・副業に使える時間
・自分の知識や経験
を考慮しましょう。
- ■長期的には、投資効率の高い資本集約型の副業を狙おう
- ■会社員と並行して副業をする時は、作業時間は少なく高い効率で収益化できることが最大ポイントです。そのため、会社員こそ不動産投資がお勧めです。
■老後2,000万円問題は不動産投資で乗り切る
健康寿命が延びると、資産寿命を延ばす必要が出てきます。
年齢を重ねると自分の労力減少は避けられません。そこで最小限の労働力で売上が積み重なっていくビジネスである不動産投資をお勧めします。
副業をする場合、皆さんは個人事業主になるということです。
さらに「自分でお金を稼ぐ=経営者」になるということです。仮に人を雇っていない、「ひとり事業」でも経営者です。
そのためビジネスモデル図は、副業選びにとどまらず、脱サラ後に個人事業主や経営者として新しいビジネスを考える際にも使える、非常に重要な考え方です。
このように経営者視点とご自身の状況を照らし合わせて、投資効率の高い「資本集約型×ストック売上型」である、不動産投資の知識をつけて実践することが、老後2,000万円問題を乗り切るカギとなるでしょう。是非、ご活用ください。
様々な副業で利益を出していた現役不動産投資家社長(フジさん)が、経営者視点で副業についてYoutubeで解説をしています。こちらも合わせてご覧ください。