一種単価とレンダブル比の活用で損をしない土地を見抜く4つのポイント

一種単価とは土地の一つの指標になりますが、不動産投資をしている人や不動産業者の人でも知らない人、あまり理解していない人が多い言葉の1つでもあります。

一種単価を知っていれば、その土地の収益性を具体的な数字で見て推測することができますので、土地購入の金額の目安が出しやすくなります。

特に、不動産投資で土地から探して建築するような投資においては、「必ず知っておくべき」というレベルになります。 新築アパートや賃貸併用住宅などを土地から探して建てる場合などは、普通の戸建てよりも大きめのアパート用地を探すことになり、キモとなる土地探しの際には一種単価を使用した計算をして、土地を購入するかを判断する目安にした方が良いからです。

中古物件の投資などの場合には、あまり触れる機会もないかもしれませんが、不動産投資をしていく上では知っておいた方が良いでしょう。また、不動産投資の収益性の指標として、合わせて知っておきたいレンダブル比についても説明しています。

一種単価とレンダブル比は不動産投資をしていく上では「知っておくべき」知識の一つですのでぜひ覚えておきましょう。この記事では

  1. 一種単価とは
  2. 一種単価の計算に必要な項目の説明
  3. 一種単価計算方法
  4. レンダブル比の計算

を記載し、より分かりやすく一種単価について解説致します。

そして、更に一種単価とレンダブル比を使った土地の検証のプロセスについてもお伝えします。どのように一種単価を使用し、土地の価値を算定していくのかをお話します。自分でもきちんと出せるようになることで、不動産投資や土地に対する理解がより深まることでしょう。

プロフィールをご覧頂けると分かりますが、私は不動産投資家として10棟のアパートを所有しています。また、不動産投資家の方々にアドバイスもさせていただいております。その経験と知識を踏まえて、一種単価についての正しく使える情報をお伝えしていきます。

1.一種単価とは

一種単価とは

土地を購入する際に、どちらの土地が良いかということで悩むことがあるかと思います。その際に、表面的に出ている坪単価で比べる方も多いですが、坪単価はただ単に価格を面積で割っただけです。本来なら、土地に対してどのくらいの面積の建物が建てられるかを考えて価格を比べてなくてはなりません。そのために一種単価があります。

私も、最初は一種単価の言葉の意味すら知らず、建ぺい率と容積率、用途地域などで判断しておりました。しかし、幅広く土地を探すには一種単価という便利な指標があることを知り、今ではしっかりとチェックしています。

1-1.一種単価の意味

まず「一種単価」の言葉自体の説明ですが、一種単価とは容積率と土地価格の関係を表す数字になります。不動産投資上の一種単価とは容積率が100%の時の土地の単価になります。

【一種単価計算式】は次のようになります。

土地価格÷建築可能面積(坪)=一種単価

建築可能面積の出し方など、計算式の詳細については2章で説明致します。

1-2.一種単価を使用する場面

一種単価を知らない人にとっては、一種単価の計算はどこで使うのか?と疑問に思う人もいるでしょう。一種単価は、もともとは不動産投資家のためにある計算方法ではなく、土地を購入して分譲マンションやアパートなどの1棟売りをするデベロッパーが使う計算方法です。

デベロッパーが、マンションの売却価格を想定し、利益を想定し、建物の建築費を想定し、それを元にいくらで土地を仕入れれば良いか(一種単価いくらの土地を仕入れれば、目標としている利益が取れるのか)と、逆算して土地の購入価格の目安を出すときに使う計算です。

不動産投資では、購入したい土地に容積率いっぱいの建物を建てた際の床面積当たりの土地価格を計算します。つまり、土地の上に容積率いっぱいの建物を建てた時の土地価格を計算することで投資効率(儲かるかどうか)が判断できるようになります。

土地を購入し、新築で物件を建てる際に、目標とする利回りから適正な土地の購入価格を判断するための指標となります。

1-3.一種単価はどうなっていると理想的な状態と言えるのか

では、一種単価がどうなっていれば理想的と言えるのでしょうか?

実は一種単価にも相場がありますので、具体的な数字を言うことはできませんが、その土地の相場よりも「低い金額」が理想的です。購入した土地の一種単価を計算した際に相場より高すぎる場合、そこを購入しても儲からない可能性が高いということです。一種単価は「その土地を購入して儲かる可能性が高いか、低いか」が分かる計算なのです。

1-4.結局一種単価って?

つまり、一種単価を簡単にまとめると、

  • 土地購入の際、そこに新築アパートやマンションを建てて利益が出るかを判断するための指標となる数字

です。利益(利回り)を出すためには、その土地をいくらで購入すれば、自分の目標とする利回りが出るかを算出する計算ができる数字になります。

次の章から具体的な計算方法を見ていきます。

2.一種単価の計算方法

一種単価の計算方法

2-1.一種単価計算に必要な項目

では、まず一種単価計算に必要な項目を見ていきましょう。一種単価を計算するために必要な項目は、

  • ・土地面積
  • ・土地単価
  • ・土地総額
  • ・用途地域
  • ・建蔽率
  • ・都市計画容積率
  • ・前面道路

です。これらを使用して一種単価を計算していきます。

2-2.一種単価計を具体的に数字を入れて計算してみる

具体的な数字が入っていたほうが分かりやすいと思いますので、具体的な数字を入れて計算していきます。

条件としては以下とします。

  • 土地面積 50坪
  • 土地単価 100万円/坪
  • 土地総額 5,400万円
  • 用途地域 商業地域
  • 建ぺい率 80%
  • 都市計画容積率 500%
  • 前面道路 5m

この土地の一種単価を計算していきます。

まず、容積率を計算します。

  • 道路の幅員(m) × 法定乗数(用途地域によって変わる)=容積率
  • 5m × 6 / 10 = 300%

商業地域の容積率は都市計画容積率と計算した容積率があった場合、数字の小さい方が採用されますので、この場合には容積率は300%です。

次にどのくらいまで建物が建てられるかを計算します。

  • 容積率×土地面積(坪)=建築可能面積
  • 50×3=150(坪)

土地は50坪なので、延床面積150坪までの建物を建てられます。

そして、一種単価を計算します。土地の価格は5400万円になるので

  • 土地価格÷建築可能面積(坪)=一種単価
  • 5400万円÷150坪=36万

一種単価36万円となります。

2-3.一種単価計算でやっかいな容積率

計算自体は簡単なのですが、正しく計算するためには、実は容積率が重要になってきます。 しかし、この容積率を正確に把握するのが難しいのです。

接道から計算できる容積率は、用途地域と前面の道路の幅があれば計算することができますが、他の規制や制限(高度制限、斜線制限、日影規制、天空率緩和)などについても本来であれば、きちんと調査し検証した上で実際の容積率を把握しなくてはなりません。

更に土地が分かれていたり、用途地域にまたがっていたりすれば更に複雑に容積率は複雑になってきます。しかし、これらの情報は不動産投資において、収益性判断のためには必要な知識ですので、勉強しておくこともお勧めします。

3.レンダブル比を計算する

レンダブル比を計算する

では、次にレンダブル比についてになります。

3-1.レンダブル比とは何か

賃貸できるスペースの比率を表す数字です。マンションには居住スペースの他にロビー、廊下、エレベーターなどの共用スペースも必要であり、その分の建築費も必要です。これらのスペースも、もちろん延べ床面積に含まれます。レンダブル比とは、延べ床面積に占める居住スペースの面積の割合で、総延べ床面積の65%~80%になるのが通常です。

3-2.レンダブル比の計算に必要な項目とその説明

レンダブル比を出すには

  • ・総延べ床面積
  • ・共用部分の面積

が必要です。

3-3.レンダブル比計算式

  • 総延床面積(坪)-共用部分の面積(坪)=賃貸可能面積(坪)
  • 賃貸可能面積(坪)÷総延べ床面積×100=レンダブル比(%)

となります。

このレンダブル比と一種単価を利用して、

  • 自分の購入した土地が割安だったのか
  • 土地購入前にその土地に物件を建築した場合、期待利回りで運用できそうか

を判断するための計算をしていきます。

4.購入したい土地の適正な一種単価検を検証し、購入した土地が割安だったのか検証するプロセス

購入したい土地の適正な一種単価検を検証し、購入した土地が割安だったのか検証するプロセス

最後に、購入したい土地に物件を建築した場合、期待利回りで運用するためにはいくらで土地を購入すれば良いか、また、自分が既に購入した土地が割安だったかをどうかの検証プロセスをお伝えしておきます。このプロセスに沿って計算していくことで、自分の土地や購入したい土地の適正な一種単価が分かります。

具体的な数字を入れた方が分かりやすいと思いますので、以下の条件としておきます。

  • 土地面積 50坪
  • 容積率 300%
  • レンタブル比 80%
  • 建築単価 75万円/坪
  • 相場賃料 1.2万円/坪(20平米で約7.2万円)
  • 期待利回り 7%
  • 1.まず建物の最大面積を出す
  • 土地(坪)×容積率=最大面積(坪)
    50坪×300%=150坪
  • 2.建物の建設単価をかけて建物の建築価格を出す
  • 最大面積(坪)×建設単価(万円/坪)=建築価格(円)
    150坪×75万円/坪=1.125億円
  • 3.相場賃料1万円/坪のエリアで利回りを決める
  • 7%を期待利回りとします。
  • 4.レンダブル比を計算する
  • ここでは数字を既に出していますが、レンダブル比は上記でも解説した通り
    賃貸可能面積(坪)÷総延べ床面積×100=レンダブル比(%)
    で算出が可能です。
  • 5.レンダブル比から居住スペースとして使用可能な面積を出す
  • 建物面積(坪)×レンダブル比(%)=居住スペースとして使用可能な面積(坪)
    150坪×80%=120坪
  • 6.賃料総額を計算
  • 賃料相場(円/坪)×居住スペースとして使用可能な面積(坪)×12か月分=年間家賃収入(円/年)
    1.2万円/坪×120坪×12=1728万円
  • 7.この年間家賃収入を利回りで割り戻す
  • 年間家賃収入(円/年)÷利回り=総価格
    1728万円÷7%=246857142.857≒2.4686億円
  • 8.この総価格から建築価格を引いて土地の値段を出す
  • 総価格-建築価格=土地の価格
    2.4686億円-1.125億円=1.3436億円
  • 9.土地の価格から建物面積を割って一種単価を算出する
  • 土地の価格÷建物面積=適正な一種単価
    1.3436億円÷150坪=895733.333333≒895733円

この一種単価の金額より購入した土地の一種単価が高ければ期待利回りより実際の利回りは下がり、安ければ期待利回りより実際の利回りは上がることになります。

この計算を使えば、利回りの水準を設定をしてから、それに見合う土地の仕入れとして適正な一種単価を算出することができます。

5.まとめ

  • 1.一種単価は不動産投資家としては「必ず知っておくべき」レベルの情報です。土地から探して新築建てる投資の人は特に、最初は難しいかもしれませんが、自分で計算できるようにしておきましょう。
  • 2.一種単価は土地購入の際、そこに新築アパートやマンションを建てて利益が出るかを判断するための指標となる数字です。
  • 3.具体的な計算式は 道路の幅員(m) × 法定乗数(用途地域によって変わる)=容積率 土地面積×容積率=建物建築可能面積 土地の価格÷建物建築可能面積=一種単価
  • 4.容積率の計算は難しいく、実際の一種単価をだすためには正確な容積率の把握が必要ですので、注意しましょう。
  • 5.レンダブル比の計算についても知っておきましょう。レンダブル比は延べ床面積に占める貸室面積の割合で、総延べ床面積の65%~80%になるのが通常です。
  • 6.レンダブル比は 総延床面積(坪)-共用部分の面積(坪)=賃貸可能面積(坪) 賃貸可能面積(坪)÷総延べ床面積×100=レンダブル比(%) で算出できます。
  • 7.レンダブル比と一種単価を使用した検証プロセスを使って、土地購入前の人は期待利回りが取れるかどうか、既に土地を購入した人は自分の購入した土地が割安だったのかどうかの検証をしてみましょう。

一種単価とレンダブル比を使いこなすことができれば、土地から探して新築を建築する際にも割高な土地をつかまされることがなくなり、自分の期待通りの流れに沿った利回りを得られるような、割安な土地を購入することができるようになります。購入したい土地が複数ある際の比較検討にも使えるのでぜひ、不動産投資家の方は使えるようになっておきましょう。

一種単価とレンダブル比の活用で損をしない土地を見抜く4つのポイント
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