オーバーローンは違法で危険?不動産投資家が語る銀行融資の実態

不動産投資をするには投資ローンの融資を受けて賃貸経営を行う方が殆どだと思います。

不動産投資について勉強していく中で、

  • ・オーバーローンやフルローンと言う言葉を聞いたことはあっても、その違いがよく分からない
  • ・少ない自己資金で不動産投資ができるならメリットしかなさそうだが、リスクはあるのか?
  • ・オーバーローンやフルローンには「違法」「危険」というイメージ
  • ・オーバーローンの審査基準は何か?

という疑問をもたれている方も多いのではないでしょうか?

実際には、オーバーローンやフルローンと言ったローンを組むこと自体が危険なのではなく、そもそも購入した物件が危険な状態をもたらす原因になっていることが多くあります。
「違法」というイメージについても、借り方に問題があることがほとんどです。
また、違法性の無い「合法のオーバーローン」があることについても正しく理解しておくことが大切です。
そこでこの記事では不動産投資家の私が、

  • 「オーバーローン」についてフルローンとの違い
  • オーバーローンの違法性や危険性について
  • 違法性がないオーバーローンと種類
  • オーバーローンの審査基準と必要書類

について詳しく解説していきます。

この記事を最後までお読み頂くことで、オーバーローンのメリットを正しく理解し、違法なオーバーローンのリスクや、合法のオーバーローンの種類や審査基準、必要書類が理解できるようになります。
不動産投資家として、危険性の高いローンの知識を身につけるためにお役に立てれば幸いです。

1.オーバーローンとは?フルローンとの違い

オーバーローンとは?

オーバーローンとは、物件を購入する際に物件価格だけではなく「取得にかかる諸費用」を含めた金額を金融機関から融資を受けることを言います。簡単に言うと「物件価格以上の融資を受けること」となります。

また、フルローンとは、「物件価格はすべて融資を受けて、取得にかかる諸費用は現金で支払う」仕組みです。したがって、一定の自己資金が必要になります。

1-1.オーバーローンのメリット

オーバーローンを組む一番のメリットは「投資回収率(ROI)」を高められることです。投資回収率とは、投資した資金に対し得られる利益の割合のことを言います。

「投資回収率(ROI)=年間回収金額÷投資金額×100」

という計算式で算出することができ、少ない自己資金でどれだけの利益を生みだすことが出来ているかを判断する指標のことを言います。

自己資金だけで物件を購入するより、オーバーローンを組み自己資金比率を少なくした方がROIは高くなり、レバレッジを効かせた効率的な投資が出来るようになります。

フルローンであれば物件の購入にかかる費用分は融資で賄えるものの、その他諸経費は全て自己資金からの持ち出しになります。諸費用として使用した経費は数年単位で回収するのが一般的ですが、オーバーローンでは諸費用を全て融資で賄えるため、自己資金が無くても始められるというメリットがあります。

諸費用として用意していた資金を現金として手元に残しておくことが出来るので、予期せぬ出費などにも対応しやすく、残した資金を次の物件購入時の頭金に回すことができるというメリットもあります。

1-2.オーバーローンのデメリット

次に、オーバーローンについてのデメリットについて説明します。
デメリットは次の2つです。

  • ・違法性
  • ・危険性

違法性

オーバーローンに「違法」と言うイメージを抱く人が多いのは、一般的にオーバーローンと呼ばれているもののほとんどが違法性の高いものだからです。 世の中のオーバーローンの約9割は違法性のあるオーバーローンです。

違法なオーバーローンでよく使われるのが「かきあげ」という手法です。
契約のかきあげとは、銀行用の契約書と実際の契約書を二通作成し、銀行に提出する契約書には実際に契約価格より高い金額を記載して提出し多くの融資を引き出す手法のことを言います。

「不動産業者が物件の価格を水増しして銀行から多く借りる方法」なので、有印私文書偽造という罪に問われます。当然ながら違法です。融資を多く借り入れるために、源泉徴収や給与明細などを修正して業者が銀行へ提出する場合もあります。この場合公文書偽造の罪に問われます。これも当然ながら違法となります。

そもそも「諸費用なども全て銀行から借りることができます」と不動産業者から言われること自体を怪しむ必要があります。理由としては、アパートローンでは諸費用分まで借りられるケースがほとんどないためです。

仮にこのような違法なオーバーローンを組み融資を受けても、このことが銀行に見つかってしまうと最悪の場合一括返済を求められることがあります。

本来諸費用を含めた融資を受けたい場合には銀行担当者にその旨を伝えるべきです。しかし、諸費用を含めて融資をしてほしいと銀行に伝えると、融資を受け辛くなる可能性があります。

業者は「利益の為になるべく建物を高く売りたい」、投資家は資金があっても投資効率の観点から「オーバーローンを受け手元に資金を残しておきたい」という心理が働きます。
そのため、銀行担当者にはきちんと伝えない違法なオーバーローンが横行するという状況が生まれています。

危険性

オーバーローンの危険性として一般的によく言われるのは「借りる金額が大きくなること、月々の返済額が多くなる」と言うことです。そのために、頭金を1割から2割入れるほうが良いと言われることも多くありますが、実際には頭金の有無が危険性を左右するわけではありません。

月々の返済額が多くなること自体が危険なのではなく、そもそも「収益性の低い物件を高額で購入している」ことが危険性を高める一番の原因となることを本質的に理解しておくことが大切です。

事業性を考えると、毎月の返済比率が高くなることは危険な状態にあると言えます。収益が出ていて返済比率が低ければ危険性は低い状態だと言えるので、利益が出るようであればオーバーローンを組んででも融資をうけるべき、とも言えます。

オーバーローンを組むこと自体が危険なのではなく、「収益性の低い物件をオーバーローンを組んでまで購入することが危険」という本質的な部分を正しく理解しておくことが大切です。

2.違法性のないオーバーローン

違法性のないオーバーローン

一般的に言われるオーバーローンの約9割は違法なものであることをお伝えしてきましたが、残りの1割は違法ではない「合法のオーバーローン」もあることも知っておくことが大切です。ここでは2つの合法のオーバーローンを紹介いたします。

2-1.事業性融資のオーバーローン

事業性融資はプロパーローンとも呼ばれますが、主に法人として不動産賃貸業としての事業の収益性に対しての融資のことを言います。事業の収益性を評価基準にすることから、不動産投資を始めた初心者がいきなり組める類のローンではありません。

事業性融資を受ける上で重要なのは、事業主としての実績です。収益性と事業評価が大切で、しっかりとキャッシュフローを計算しておく必要があります。事業主としての実績がなければ通らないのでアパートローンよりも審査は厳しいと言えます。

2-2.住宅ローンのオーバーローン

住宅ローンには、取得にかかる諸費用も含めて融資してくれる諸費用ローンというものがあります。金融機関によって融資条件は様々ですが、条件をクリアすることで諸費用も含めた金額の融資を受けることができます。

しかし忘れてはいけないのが、諸費用ローンは住宅ローンであり、その物件に住む必要があるということです。諸費用ローンで受けた融資分で投資物件を購入することは原則銀行には認められません。

となると不動産投資には諸費用ローンは活用できないのでは、と思う人も多いかもしれませんが、賃貸併用住宅を建てるという方法があります。賃貸併用住宅とは居住スペースと賃貸スペースが一緒にある物件のことで、自宅を持ちながら不動産賃貸業を行うことが出来ます。

賃貸併用住宅の詳細は以下の記事をご確認下さい。

関連記事

マイホームを持ち、家賃収入を得られる物件として注目されている賃貸併用住宅。 業者から勧められて「本当に儲かるのか?」疑問に思われている方や、「本当に自分にとって賃貸併用住宅を建てるべきなのか?」と判断ができない方もいらっしゃることでしょ[…]

実践者が語る「賃貸併用住宅」をオススメする理由

3.銀行から融資を受けるためには?

銀行から融資を受けるためには

オーバーローンの融資を受ける場合には、ローンの審査にまず3つの評価基準があることを知っておく必要があります。 ここでは、審査基準と、ローンの審査を受けるための必要書類を説明します。

3-1.オーバーローンの審査基準は「人物」「物件」「事業」

人物評価(属性)

人物評価とは「借り手の属性評価」のことを言います。会社員の方であれば、現在の年収や過去3年の年収の推移、どんな会社に勤め、勤続どれくらいなのか、などを見られ評価されます。

物件評価

物件評価は大きく分けて、銀行ごとの関数電卓を用いて返済金額を計算、一時収入と比較して導きだす「収益評価」と、土地と建物を分けて評価し融資課像が苦かを判断する「積算評価」の2つがあります。

事業評価

事業評価は、貸借対照表と損益計算書を見て収益が回っているかどうか、債務超過になっていないか、事業の将来性などから評価を受けます。

それぞれ補完し合うことが可能なので、不動産投資を始めた当初は人物評価と物件評価で融資が受けられるように進めていくのが一般的です。実績が出来ていくにつれて、事業評価で融資が受けられるようになっていきます。

3-2.ローンの審査に必要な書類

銀行から融資を受けるためには、様々な書類が必要になり、金融機関ごとに異なります。融資を受けるための申し込みは投資物件を確保してからになりますが、必要書類の中には取得に時間がかかるものもあります。 会社員として働きながら不動産投資を進める場合には、役所が空いている平日の日中は動きにくいことがあり書類の取得がスムーズにいかないケースも多くあります。

郵送で対応してもらえるものありますが、時間がかかることなどを頭に入れておき、準備はできるだけ早めに動くようにすることがポイント、銀行に提出する書類には以下があります。

個人評価に関する書類

  • ・過去3年分の収入証明(源泉徴収票、確定申告書など)
  • ・本人確認ができるもの(免許証、住民票、保険証のコピーなど)
  • ・自己資金と持っている資産のエビデンス(通帳のコピーなど)
  • ・職務経歴書
  • ・所有物件の情報(登記簿謄本や借入先情報、返済予定表など)

物件評価に関する書類

  • ・販売図面
  • ・住宅地図
  • ・登記簿謄本
  • ・土地・建物の図面
  • ・固定資産税評価証明書
  • ・検査済証や確認済証(ある場合には)
  • ・レントロール(直近2、3カ月)
  • ・(売買契約が終わっていれば)売買契約書、重要事業事項説明書

また、銀行から融資を受けるためには、自ら銀行開拓を行うことも重要です。不動産投資はいかに良い条件で融資を引けるかが成否を分けるポイントになるわけですが、その為には地道に銀行開拓を進めていくことが重要です。

最初は数多くリストアップして、地道に電話をかけたりしてアポ取りをしていくことになります。銀行開拓に裏技はないので、楽をせずに地道に継続をしていく必要があります。必要書類を準備しつつ、開拓を続けましょう。

4.まとめ

  • 1. オーバーローンは「違法・危険」というイメージがあり、実際に不動産業者が勧めるオーバーローンの9割は違法なものです。リスクを考えて、業者がやたらと勧めてくるオーバーローンはかかわらないようにすることが大切です。
  • 2. オーバーローン自体が危険なものではなく「収益性のない物件を購入することが問題」という本質的な部分を理解しておくことが重要です。収益性のある物件を購入するのであれば、オーバーローン自体は問題ありません。
  • 3. 事業性融資を受ける、住宅ローンで諸費用ローンを組む、これらのオーバーローンは合法なものです。金融機関も認めています。しかし事業性融資は初心者が組むことは困難です。住宅ローンの場合は物件に住む必要があるものの、賃貸併用住宅を建てることで不動産賃貸業をあわせて行う事もできます。
  • 4. 銀行から融資を受けるための基本は、事前準備と地道な努力です。不動産投資が成功するためには融資は欠かせません。融資をスムーズに進め、チャンスを確実に掴むためにも必要書類などの事前準備は早めに動く意識を持つことです。銀行開拓は地道にリストアップとアポ取りを進めていくことが、いい条件で融資を引くためのポイントになります。

まずは銀行にアタックをしてみて、自分にはどのような融資が受けられるのかを把握することから始めましょう。

>再建築不可物件の建築可能化プログラム

再建築不可物件の建築可能化プログラム

「再建築不可物件」を使った不動産投資は、誰にでもできる簡単な方法でありません。 しかも、「投資」ですから、リスクはそれなりにあります。 それでも、リスクよりもメリットの方が大きいとも言えます。 その理由と、私たちの具体的なサポート内容などをセミナーでご説明いたします。 また、質疑応答の時間も用意しておりますので、ご不明な点はどうぞ遠慮なくお尋ねください。

CTR IMG