自己資金はいくら必要?不動産投資でローンを組むときの頭金の考え方

不動産投資には、多額の資金が必要です。とはいえ、いきなり何千万円もの資金を自前で用意するのは難しいですから、ローンを利用していくのが一般的です。

ローンを利用していくことで、自己資金が少ない方でも高額な不動産を購入することができ、大きな投資効果を生み出すことができるようになります。

そこでこの記事では、不動産投資でローンを利用する際に必要な自己資金について解説していきます。

1.不動産投資の自己資金はいくら必要か

不動産投資の自己資金はいくら必要か

不動産投資で必要な自己資金の目安は、物件価格の20~30%と言われています。

自己資金とは、頭金と諸費用を足した費用のことです。頭金は、融資を受けて物件を購入する場合に最初に用意しなければならない現金です。諸費用は、不動産会社への仲介手数料や不動産取得税、火災保険料、司法書士への報酬などのことを指します。

たとえば自己資金が物件価格の20%とすると、1500万円の物件を購入する場合には300万円の自己資金が必要となります。

ただし、物件の価格が安くて20%にあたる金額が300万円を下回る場合であったとしても、最低300万円は用意しておいた方がローン審査では無難とされています。

2.自己資金の大小で変わる投資効率(ROI)

自己資金の大小で変わる投資効率(ROI)

自己資金が少なければ少ないほど、不動産投資の投資効率は高くなります

投資効率は「ROI」という指標によって客観的に把握することができるので、自己資金が多い場合と少ない場合に分けて計算してみます。ROIは、Return On Investmentの略語で、計算式は次のようになります。

    ROI(%)=年間キャッシュフロー÷自己資金×100

それでは、物件価格が500万円で、年間キャッシュフローが50万円の物件を購入したとしてシミュレーションをしていきます。

自己資金500万円で購入した場合、次のようになります。

    50万円÷500万円×100=10%

この計算から、10年間で自己資金を回収することができるということが分かります。

では、自己資金100万円、ローン400万円(返済期間が30年間で固定金利3%)で物件を購入するとどうなるでしょうか?

まず、ローンの返済が年間で20万円ほどかかるため、年間キャッシュフローは30万円に減ることになります。するとこのような計算式になります。

    30万円÷100万円×100=30%

この場合、自己資金を回収することができるのは3年4ヶ月ほどとなります。つまり、自己資金500万円で物件を購入した場合と、自己資金100万円で物件を購入した場合では約3倍の投資効率の差がついたことになります。

このように自己資金を低く抑えて、融資を活用することによってレバレッジをかけることが可能になります。不動産投資の成功パターンとして挙げられるのは、レバレッジをかけることによって自己資金を素早く回収して、再投資によって物件数を増やしていくこととされています。

3.自己資金ゼロでできる不動産投資

自己資金ゼロでできる不動産投資
近年、自己資金を用意しなくても、物件にかかる費用の全額をローンでまかなうことができる「自己資金ゼロ投資」が人気となっています。

これらは投資効率を限界まで追求した「フルローン」と「オーバーローン」と呼ばれています。フルローンとは、物件を全額融資だけで購入することを言います。ただし、ここに物件購入のための諸費用は含まれません。

それに対してオーバーローンは、物件を全額融資だけで購入して、更に諸費用の分も融資でまかなうことを言います。

これらのローンは、特にサラリーマンなどに人気の投資方法で、働きながら現物資産の不動産を購入することが可能です。しかし、近年の金融機関の融資状況ではフルローンやオーバーローンは組みにくくなっています。

2019年度の融資状況については以下の記事でまとめています。

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ただし、もちろんこの「自己資金ゼロ投資」をする場合のデメリットは存在します。

融資審査に通りにくくなる

自己資金は「投資家の属性や本気度を示すもの」という側面があります。自己資金が少なければ、当然、融資審査に通りにくくなります

ただでさえ融資環境が厳しくなっている中で、自己資金ゼロでローンを組んでくれる金融機関はかなり少ないと考えられます。

不動産購入のローンと審査の項目は以下の記事で詳しく知ることができます。

ローン本審査の際に必要な書類は、以下の記事で確認することができます。

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キャッシュフローが悪化する

自己資金がないということは、毎月のローン返済額が大きくなるということです。そうなると、空室率が高くなってしまったり、修繕費や家賃滞納などが必要になってしまったりした場合のリスクが増大します。

シミュレーション通りの利回りにならなかった場合にどうするか、ということをしっかりと考えておく必要があります。

これら2点の理由から、自己資金なしのローンを組むことはあまりおすすめできません。ある程度の自己資金を準備した方が堅実なキャッシュフローとなります。

4.自己資金を作るためにはどうしたらいいか

自己資金を作るためにはどうしたらいいか
いくら融資を受けるとはいえ、数百万円の自己資金を作るのは簡単なことではありません

では、どのように自己資金を作っていったらいいのかを解説していきます。

支出管理の徹底

収入が一定の場合、できることは支出の管理です。現在の支出を全て洗い出してみて、カットできるものを探しましょう

たとえばサラリーマンの場合は、飲み会の回数を減らすだけでも支出を抑えていくことができます。

強制的に貯金を行う

収入の一部を強制的に貯金することによって、残りのお金で生活する習慣を作るという方法です。

たとえば、毎月5万円を貯金に回すことができれば、年間で60万円の貯金となります。これを5年間続けると300万円の自己資金を作ることが可能となります。

固定費を最適化する

生活に必要なものとして、固定的にかかってくる費用があると思います。その費用を下げられないか検討していきます。

たとえば、ATM手数料やスマートフォンの料金、クレジットカードの年会費などはコストカットしやすいのではないでしょうか。

ATM手数料ならば、ネット銀行などの手数料のかからない口座に切り替える。スマートフォンの料金ならば、格安SIMに乗り換える。クレジットカードの年会費ならば、使っていないカードを解約する。

これらの対策をしていくことで、月々の固定費を減らしていくことができます。

自己資金を増やすための投資をする

自己資金を増やすための投資を行うという方法もあります。例えば、株式投資や投資信託を少額から始めることもできますし、不動産投資でも少額から始められるものもあります。

築古物件への投資や再建築不可物件への投資は通常の不動産投資より物件価格が安いので経験を積むという面では有効です。ただし、こういった物件はリスクがありますので、きちんと勉強をしてから行うことをおすすめいたします。

5.自己資金が少なく年収が低い人におすすめの不動産投資方法

自己資金が少なく年収が低い人におすすめの不動産投資方法
前項の方法でコツコツと自己資金を作ったとしても、年収が低い場合は融資を受けるのも難しくなってきます。

そこで、年収が低い場合の不動産投資の方法について解説していきます。

政府系金融機関を利用していく

不動産投資で使えるローンは様々な金融機関が取り扱っており、都市銀行や地方銀行、信用金庫や農協など様々なものがあります。

ただ、多くの金融機関では、「年収」という項目を非常に重要視するため、年収が低いがためにローン審査に通らないというケースは多く存在します。

そういった場合に検討すべきなのが、政府系の金融機関となります。具体的にいうと「日本政策金融公庫」が「国民生活事業」というカテゴリーで不動産賃貸業への融資を行っています。

日本政策金融公庫の特徴として、年収が低くても比較的審査に通りやすいという点が挙げられます。

なぜかというと、都市銀行や地方銀行などの民間の金融機関などのように融資で利益を得ることが目的ではなく、経済の活性化などの目的を達成するために存在する金融機関だからです。

そのため、たとえ年収が低かったとしても、不動産事業を成功させる熱意を持っている人であれば融資を検討してもらえる可能性が高いです。

また、ノンバンクの活用も選択肢に入れていくといいでしょう。

ノンバンクというのは、銀行以外の金融機関で、預金の受け入れを行わずに与信業務に特化した金融機関のことを言います。ノンバンクでの融資は金利こそ高い傾向があるものの、銀行などに比べると審査が緩く、日本政策金融公庫と合わせて検討してみると良いでしょう。

都市銀行をメインに、地方銀行との違いや審査の特徴について解説している記事は以下からご覧ください。

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融資に向いた属性を活用する

ローン審査で検討されているのは、年収の大小だけではありません。安定的な収入があって返済能力があるかどうか、という点もしっかりと審査されています。

そういった意味では、たとえ年収が低かったとしても、公務員や経営が安定した企業で働いている人は審査に通る可能性が高くなります。

年収が低くても属性によっては、ローン審査に有利に働くということも十分ありえます。

6.まとめ

まとめより安定的に不動産投資をしていくために、ある程度の自己資金は必要になってくると考えられます。

サラリーマンを続けながら自己資金を作っていくことも十分可能なので、是非、具体的に計画を立てながら不動産投資に挑戦していただけたらと思います。

不動産購入のローンと審査の項目は以下の記事で詳しく知ることができます。

ローン本審査の際に必要な書類は、以下の記事で確認することができます。

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