公示価格とは?路線価・基準地価との違いもわかりやすく徹底解説

不動産投資に関心がある人、あるいは相続や譲渡されたなどによって土地を所有している人なら「公示価格」という用語を見聞きしたことがあるかもしれません。また、宅建を勉強中の方も「公示価格」を詳しく理解することが必須です。

以下のような疑問をお持ちなのではないでしょうか。

  • ・そもそも公示価格の意味は?
  • ・公示価格はどんなときに使うの?
  • ・誰が調べて、どこで確認できるの?
  • ・公示価格、路線価、基準地価の違いは?

もしくは本記事を見て「公示価格という言葉を初めて知った」という人も多いでしょう。

公示価格は土地の価格を表す指標の一つなのですが、同じ文脈で使われる「路線価」よりも理解度が低いと思われます。しかし公示価格は、不動産売買を有利に進めたいのなら絶対に知っておくべき指標です。

そこでこの記事では、

  • 公示価格とは?路線価と基準地価との違い
  • 公示価格はどこで活用できる?
  • 公示価格の調べ方
  • 公示価格から何がわかる?
  • 最近の公示価格の動向
  • 不動産の売買を考える際の公示価格の注意点

などについて、初心者にもわかりやすく徹底解説します。

この記事を読むことで、公示価格の基礎知識を得ることができます。公示価格への理解を深めれば、不動産売買を考える際も自分でシミュレーションして臨むことができます。

また、以下のような公示価格に関する疑問についても解説しています。

  • ・公示価格の見方を知って、いつ売却に踏み切るべきか判断したい
  • ・公示価格の最近の動向を知って、投資するべき地域を知りたい
  • ・全国の公示価格のランキングで一番高いのはどこか知りたい
  • ・宅建の試験には、公示価格についての問題が出題されるようだが、地価公示法でおさえるべきポイントを知りたい

本記事が「不動産売買を成功させたい!」という方のお役に立つことができれば幸いです。

1.公示価格とは?路線価、基準地価との違い

公示価格とは?路線価、基準地価との違いまずは「そもそも公示価格って何?」という人のために、その意味をわかりやすく解説します。なお、公示価格は「公示地価」とも呼ばれますが、本記事では「公示価格」に統一しています

1-1.公示価格とは「土地を取引する際に使われる指標の一つ」

    「公示」という言葉は「公的機関が一般の人に公表すること」を意味します。つまり簡単にいうと、公示価格とは「一般公表された土地の価格」ということです。

同じく公的機関が公表している主な地価の指標には、「路線価」と「基準地価」があります。これらの違いは後ほど解説しますが、ここではまず以下のように考えましょう。

土地には複数の価格が存在し、その一つである公示価格とは、「土地を取引する際に使われる指標」である。

最もベーシックな意味をご理解いただいたところで、もう少し説明を加えていきます。

1-2.公示価格はどんなときに使われる?

「公示価格とは、土地を取引する際に使われる指標の一つ」と書きましたが、より具体的にいうと以下の場面で使われます。

  1. 一般の土地取引(土地の売買時の目安)
  2. 相続税評価・固定資産税評価の目安
  3. 金融機関の担保評価
  4. 公共用地の取得
  5. 企業が保有する土地の時価評価の基準・指標

たくさん出てきたので混乱してしまう人がいるかもしれませんが、大半の方にとって重要なのは1〜3の3つです。

  • 土地の価値を示す指標なので、売買時の目安になることはもちろん、相続税や固定資産税の評価の際にも使われるし、金融機関が担保評価する際にも使われる

と考えるのがいいでしょう。

1-3.公示価格、路線価、基準地価の違いは?

公的機関が公表している地価の指標には「路線価」と「基準地価」がある、ということを前でお伝えしました。では、これらはどういった違いがあるのでしょうか。

「公示価格」「路線価」「基準地価」の違いは、以下のとおりです。

  • ・公表団体
  • ・公表する時期
  • ・評価する時期
  • ・評価方法
  • ・調査地点

こういわれてもピンと来ないと思いますので、表で確認してみましょう。

  公表団体 公表する時期 評価する時期 評価方法 調査地点
公示価格 国土交通省 毎年3月下旬 毎年1月1日時点 1箇所につき2人以上の不動産鑑定士が鑑定評価し、国土交通省の年鑑定委員会が審査して決定 「標準地」1m2当たりの価格
路線価 国税庁 毎年7月1日 毎年1月1日時点 公示価格、売買実例価額、不動産鑑定士などによる鑑定評価価額および精通者意見価格などから算出 路線(道路)に面する土地の1m2当たりの価格
基準地価 各都道府県 毎年9月下旬 毎年7月1日時点 1箇所につき1人以上の不動産鑑定士が鑑定 「基準地」1m2当たりの価格

 この表をもとに「公示価格」をまとめると、以下のようになります。

  • 公示価格とは……
  • ・国土交通省が毎年3月に発表している土地の価格のこと
  • ・公表される土地の価格は、同年1月1日時点で評価している
  • ・調査地点は、「標準地」1m2当たりの価格(令和2年の地点数は約2万6000地点)
  • ・価格の算定方法は、1箇所につき2人以上の不動産鑑定士が別々に評価を行い、国土交通省の土地鑑定委員会がその鑑定結果を審査し、最終的な価格を決定

いかがでしょうか。ここまでで「公示価格とは?」という問いがかなり解消されたはずです。

なお、比較対象に挙げた「路線価」については以下の記事で解説しています。こちらも公的機関が公表している地価の指標なので、非常に重要です。わかりやすく紹介していますので、ぜひチェックしてください。

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初心者にもわかる!「路線価」とは?図解でわかりやすく解説

ちなみに宅建試験では、地価公示に対して「誰が」「何を」行うのかがよく出題されます。例えば上の表では、公示価格の公表団体を「国土交通省」と書きましたが、より正確にいうと「国土交通省に置かれている土地鑑定委員(7人)」です(本記事は宅建受験者に向けたものではないので簡略化しました)。

いずれにせよ、地価公示については宅建試験では頻出テーマですので、この表は必ず覚えるようにしましょう。

1-4.「地価公示」「公的地価」との違いは?

公示価格とよく似た言葉に「地価公示」と「公的地価」があります。これらと「公示価格」はどういった違いがあるのでしょうか。

簡単に説明すると、以下のようになります。

「地価公示」

地価公示とは国土交通省が「公表すること」それ自体を指します。地価公示によって公表された土地価格が「公示価格」ということですね。

  • ・地価公示=公表すること
  • ・公示価格=公表された価格のこと

と考えるとわかりやすいでしょう。

「公的地価」とは

公的地価とは、「公示価格」「路線価」「基準地価」の3つを一括りにした言葉です。
つまり、公的地価という大きな木から「公示価格」「路線価」「基準地価」の3つに枝分かれしているというイメージです。

2.公示価格はどこで調べられる?

公示価格はどこで調べられる?ここまで「公示価格とは?」ということを解説してきましたが、公示価格はどこで調べれば良いのでしょうか。ここでは、公示価格の調べ方を解説します。

2-1.国土交通省の「土地総合情報システム」で確認できる

公示価格は、国土交通省の「土地総合情報システム」から調べることができます。

土地総合情報システム

では、サイトにアクセスして実際に公示価格を調べてみましょう。簡単な操作ですので迷わずできると思います。

【STEP1】トップ画面から「地価公示 都道府県地価調査」をクリック

上に挙げた「土地総合情報システム」にアクセスすると、以下のトップ画面が表示されます。
次に、右にある水色の「地価公示 都道府県地価調査」をクリックします。

地価公示 都道府県地価調査」をクリック

【STEP2】調べたいエリアを選択します

新規タブで「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」が開かれます。ここから都道府県を選択するのですが、入力したり日本地図をクリックしたりなどいくつか方法があるので、自分が使いやすいもので検索してください。

調べたいエリアを選択

【STEP3】地価情報、調査年を選択します

「対象」「調査年」「用途区分」「地価」という項目があるので、それぞれ選択し、「検索」をクリックします。

地価情報、調査年を選択

【STEP4】検索結果が表示されます

これで検索結果が表示されます。「詳細を開く」をクリックすると、詳細を見ることができます。

地価公示結果画面

3.公示価格の動向を知るメリット

公示価格の動向を知るメリット2章では公示価格の調べ方をみてきましたが、公示価格を知ることでどんなことに活用できるのでしょうか?

3-1.「売り相場」か「買い相場」かがわかる

よく「地価が上昇(下落)」したという報道がされますが、「だから何?」と聞き流している人も多いのではないでしょうか。

一般に地価が上昇傾向にある場合、住宅価格も上昇しているため、買主には

  • 「これ以上高くなる前に買っておこう」
  • 「もっと上がるんじゃないか」

という心理が働きます。これは株でも同じです。なので、売主にとっては「売りやすい時期」といえます。

また、地価が上昇する地域は利便性が高い人気エリアであることが多いので、そうしたエリアに不動産を持つオーナーはより強気になって売ることができます。

一方、地価が下落傾向にある場合、住宅価格も下落し、買主には

  • 「もっと下がるんじゃないか」
  • 「買い叩けるんじゃないか」

という心理が働くため、売主にとっては「売りにくい時期」といえます。

このように地価とは株式投資における株価のようなもので、相場を左右する非常に大きな要素です。そのため、地価の動向を知っておくことは現状の相場と今後の動きを見るうえで欠かせないといえます。

4.2020年(令和2年)の公示価格の傾向

2020年(令和2年)の公示価格の傾向全国全用途平均が5年連続で上昇し、さらに上昇幅も4年連続で大きくなっています。東京、大阪、名古屋の三大都市圏で上昇基調を強めており、地方圏でも住宅地が平成4年以来27年ぶりに上昇に転じています。地価の回復傾向が広がりを見せているといえるでしょう。

住宅地では、雇用・所得環境の改善や低金利等の継続的な施策が需要を下支えし、交通利便性や住環境の良い地域を中心に需要が堅調です。

商業地では、オフィスの拡張・移転需要の高まりにより、空室率は概ね低下傾向が続き、賃料は上昇しています。また、訪日外国人増加により収益性の向上が見込まれるエリア、再開発事業や交通インフラ整備などによる利便性・繁華性の向上が見られるエリアなどでは、ホテルや店舗需要が旺盛です。地方の中核4市(札幌・仙台・広島・福岡)は伸び幅が11・3%と2桁に達しています。

このように、2020年(令和2年)の公示価格は「全体的に上昇している」といえます。
ただし、この結果は2020年1月時点で測定、3月中旬に公表となっているため、新型コロナウイルス感染症の経済的損失が考慮されていません。

コロナショックによる住宅需要、オフィス移転などの変化は限定的といわれていますが、特に訪日外国人増加、さらには東京オリンピックの開催を前提としたホテル、店舗などの多くは大幅な収益減となっています。したがって、2020年の公示価格は現在の実態を反映しているとは言い難いため、このデータをもとに相場を判断するのはリスクがあります。

4-1.2020年の全国公示価格ランキング

参考までに、全国で公示価格の高い地点のランキングを紹介します。

  • 第1位 東京都中央区銀座4-5-6(山野楽器銀座本店)
  • 第2位 東京都中央区銀座5-4-3(対鶴館ビル)
  • 第3位 東京都中央区銀座2-6-7(明治屋銀座ビル)
  • 第4位 東京都中央区銀座7-9-19(ZARA)
  • 第5位 東京都新宿区新宿3-24-1(新宿M-SQUARE)

5.不動産の売買を考える際の公示価格の注意点

不動産の売買を考える際の公示価格の注意点公示価格は土地の価値を示す指標なので、売買時の目安になることはもちろん、相続税や固定資産税の評価の際にも使われるし、金融機関が担保評価する際にも使われます。

ただし、注意点があります。
それは「公示価格=実勢価格(実際の取引が成立する価格)ではない」ということです。つまり「公示価格が3000万円だから実際に3000万円で売れるか」というと、そんなことはないのです。

実際の取引では、売り急ぎや買い進みといった事情があります。また、土地の形や大きさ、前面道路などの条件によって大きく変わります。ですので、公示価格の金額で売買されるほうが、むしろ少ないといえます。

公示価格を知ることで、不動産の売買の際にも価格の判断基準を持てるため、不利な扱いを受けずに済む可能性が高まります。そういう意味で公示価格の知識を身につけるのは非常に重要ですが、「公示価格=実勢価格ではない」という認識を持ちましょう。

まとめ

1. 土地には複数の価格が存在し、その一つである公示価格とは、「土地を取引する際に使われる指標」である。売買時の目安になることはもちろん、相続税や固定資産税の評価の際、金融機関が担保評価する際にも使われる

2. 公示価格について覚える際には、「路線価」「基準地価」と比較するとわかりやすい

3. 公示価格は国土交通省の「土地総合情報システム」で調べることができる。ただし2020年のデータに関しては、コロナショックの影響を加味していないので鵜呑みにするのは危険

いかがでしたか。公示価格の動きを知っておくことは、実勢価格の変動を予測することにつながります。より身近に感じるため、自分が気になった地点の公示価格を調べてみましょう。

以下の記事では、土地探しのコツをチェックリストにしてまとめております。こちらもあわせてお読みいただき、土地探しで失敗しないためのポイントを確認しておきましょう。

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この記事を書いた人
山本ゆりえ

山本ゆりえ

ライター・編集者・大家。
木造アパート4棟、重鉄マンション1棟、区分マンション2戸を取得(3棟・区分2戸は売却済)。転貸のレンタルスペース1戸運営中。これまで購入した自宅は3戸。不動産投資の分野を得意とし、これまで関わった不動産関連書籍は100冊を超える。
執筆している記事:MONEY PLUSbizSPA!フレッシュ

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