収入の拡大を目指して、賃貸経営を勉強しているものの
- 「賃貸経営って、そもそも大して儲からないのではないか?」
と、幾らか幻滅している方もおられると思います。
確かに、賃貸経営で収益化を図るのは簡単ではありません。しかし、いくつかのポイントを押さえれば、高い確率で収益を上げることができます。このポイントを押さえれば、
- 「殆ど儲からない」
- 「むしろ赤字になる」
というリスクを最小限に抑えることができます。
更に、収益の出る物件を複数経営することで、収益の拡大を図っていくことができます。しかし、収益の拡大を図るにも幾つかのステップがあります。
また、賃貸物件を経営するにあたって、想定されるいくつかのリスクがあります。しかし、こうしたリスクも大抵はカバーしたり、回避したりすることで大きな損失を抑えることができます。
そこで当記事は、
- ・賃貸経営を確実に収益化するためのポイント
- ・更に収益を拡大するための方法・ポイント
- ・収益拡大のために、早めに法人立ち上げを考える
- ・大家として想定すべきリスク、特に「孤独死リスク」と、その回避方法
についてお伝えいたします。
この4つのポイントは私も実際に賃貸経営をする上で重視しており、実践することによって利益を出しています。
当記事をお読みいただければ、賃貸経営に踏み出せない不安や悩み、「まだまだ勉強しなければ」といった状態から抜け出し、物件購入に向けた次の行動に踏み出すことができるでしょう。
こちらの記事では需要のある賃貸物件の条件についてお伝えしています。併せてご一読ください。
物件の立地は、安定した家賃収入を得るためにとても大切です。 似たような設備や物件でも、利便性の高い物件と低い物件では、家賃や空室のリスクが異なってしまいます。 そのため、賃貸経営をする場合は、マンションを購入するにしろアパートを購入[…]
1.「賃貸経営」で確実に収益化するためには?
不動産投資で失敗する人の殆どは、「割高で、儲からない物件を買ってしまうこと」にあります。言い換えれば、失敗のリスクを最小限に抑えるには、「割安で、確実に儲かる物件を買うこと」に尽きます。よって、駅から近い、人気エリアといった立地だけで物件を選ぶべきではありません。
では、どうすればそのような物件を探すことができるでしょうか?
1-1.収益化するためには「歪み」のある物件を狙う
市場価格で取引される他の投資とは違い、不動産投資は売主が価格を提示して売買する「相対取引」となります。つまり、売主側の事情によって、相場とは違った価格で売り出されます。これが、いわば「歪み」と呼ばれる部分です。不動産投資は、この「歪み」を上手く活用して、相場よりも安く買うことができます。
不動産取引における「歪み」がどういうものか、一例を挙げますと
- ・築年数が古い
- ・駅から遠い
- ・管理状態が悪い
といった物件です。上記のような物件は人気が低いため、相場よりも安く売りだされることが珍しくありません。
もちろん、「歪み」のある物件は人気が低いため、そのままでは入居者が集まりません。では、どうしたら、収益性の高い経営をすることができるのでしょうか?
1-2.「歪み」のある物件を収益化するためのポイント
「歪み」のある物件で収益性を高めるには、「歪み(弱み)」を「強み」に変える「知識」が必要になってきます。
- ・古い物件には、リフォームのノウハウ
- ・駅から遠い物件には、集客(客付け)のノウハウ
- ・管理状態が悪い物件には、上手に管理するノウハウ
こうしたノウハウがあって初めて、「安く買って、高く貸し出す」ことができるようになり、安定した収益を上げられるようになります。
つまり、普通の人が敬遠してしまうような物件も、情報・知識が十分にあれば、物件の「歪み」を「強み」変えることができます。ですから、常日頃から積極的に情報収集をしていくことが収益化には欠かせません。
とはいえ、ノウハウだけで黙っていても入居者が集まる、というわけではありません。満室経営するためには、管理会社との協力関係も重要になってきます。管理会社との協力関係を構築する方法について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
昨今、家賃収入を得るための「収益物件」の購入する方が増えています。しかし一方で、計算上はキャッシュフローが出るはずなのに、実際には税金や修繕などで赤字になる、空室がなかなか埋まらずに収益化できないなど、「こんなハズじゃなかった・・・」と頭を[…]
2.更なる収益拡大には「売却を混ぜる」
意外に思われると思いますが、家賃収入を更に増やしていくには、「売却を混ぜていく」ことが欠かせません。具体的には、「1000万円単位の売却益を狙いながら買い進めていく」ことをおすすめしています。
でも、なぜでしょうか?
それは、1棟から得られる家賃収入には限りがあるからです。言い換えれば、ある程度の家賃収入を確保するためには、複数物件を買い進めていく必要があります。
また、1棟からの家賃収入だけに頼っていると、その物件で何かあった途端に収入が途絶える、というリスクもあります。そこで、リスクを分散するという意味でも、複数物件を所有する方が良いわけです。
しかし、複数物件を買い進めるためには資金が必要ですが、すべてローンで確保するのは現実的ではありません。そこで、
- 1000万円単位の売却を行いながら、諸費用分の手元の資金を増やし、物件を買い進めていく
ことになります。
以下に、売却を混ぜるメリットを具体的に解説していきたいと思います。
2-1.売却を混ぜるメリット
売却を混ぜていくことによって、具体的には以下の2つのメリットが生まれてきます。
- 決算書の数字の改善で、銀行を味方にする
- 諸費用分の手元資金が増える
一つずつご説明していきます。
メリット1:銀行の評価を上げる
不動産投資は、銀行などから借り入れをしてレバレッジをきかせて拡大していく事業です。ですから、銀行から良い評価を得て、銀行を味方につけることこそが成功の近道です。
しかし、規模が大きくなればなるほどキャッシュフローは増えますが、逆に負債は増え手元資金も経費計上し現金が減るので、短期で買い進めていけば行くほど自己資本比率が下がります。
そこで、売却益をまぜながら利益を増やしていくことで、自己資本比率が高まり、決算書の数字も改善します。自己資本比率が高まれば、銀行の評価が上がり、「融資をしたい」と思うようになります。
メリット2:諸費用分の手元資金を増やす
例えば、1000万円のキャッシュフローを得るためには、大よそ3000万円ほどの家賃収入が必要です。
仮に、利回りが10%として考えた場合、3000万円の家賃収入のためには、合わせて3億円分くらいの物件を購入していく必要があります。また物件購入には、大よそ物件価格の6~8%程度の諸費用(所得税、仲介手・司法書士・銀行ローンなどの手数料、火災保険など)がかかります。つまり、3億円の物件であれば、2000万円程度の諸費用がかかる計算になります。加えて、賃貸経営を始めると、予想外の出費もかかります。
しかし、一般的なサラリーマン大家では、投資開始時に自己資金が少ない(2000万円以下)事が多く、3億円の物件をいきなり短期で購入することはまず難しいと思います。仮にイリーガルな手法で購入できたとしても、それは個人属性に依存した購入なので、一定の上限がくるとそれ以降の拡大が難しくなってしまいます。
そこで、諸費用分くらいは払える手元資金(自己資金)や銀行へ見せる資産を確保する意味でも、売却を混ぜていくことが必要になってきます。
2-2.物件を買い進めるには事前の計画が必要
売却を混ぜつつ、家賃収入を増やしていくためには、事前の計画が重要になってきます。なぜなら、無計画に買い進めていくと、「物件購入が3件目程度で頭打ち」となり、それ以上買い進めることができず目標の家賃収入には届かない、ということがよくあるからです。
この問題を回避するためには、どんなリスクがあるのかを知った上で、
- どのような物件を買うのか?
- どのような時期に買うのか?
- どの銀行を使って買うか?
この3つを事前に計画していきます。
まず、明確な目標を決めます。例えば、「2年後に年間のキャッシュフロー1000万円、月々のキャッシュフロー100万円」という目標を立てたとします。
そのうえで、1件目の物件は、
- どの銀行を使うのか?
- どのぐらいの金額の物件を買うのか?
- どんな物件を買うのか?(木造か?鉄骨か?RCか?)
- どのエリアに買うのか?
- 個人で買うのか? それとも法人で買うのか?
具体的なアクションレベルにまで落とし込んでいきます。
同様のことを2件目、3件目、4件目、5件目・・・と、すべて設計していきます。
特に1件目が設計通りに買えていなければ、2件目、3件目・・・と買い進めていくことができなります。ですから、設計通りに投資が進んでいるかを見極めるためにも、1件目の購入を計画通りに進めることが重要になります。
2-3.売却するためにも「歪み」が大事
ここまでで、家賃収入の拡大を加速させるために、売却を混ぜていくことのメリットについてお話しました。
しかし、ここでも注意点があります。それは、単に「売れそうな物件」を買って売るのではなく、「割安な物件を買って、相場価格で売ること」が大事であるという点です。
私自身も、2000万円弱の物件を、親から借りた200万円を元に、フルローンで融資を引き購入しました。そして、この物件は半年後に、4000万弱で売却できたため、次の物件を買い進めることができました。
ここで注意していただきたいのは、決して「半年で相場が上がったわけでない」という点です。
- あくまでも意識して相場より割安に購入し、相場価格で売却した結果、短期で2000万円弱の売却益を出すことができたに過ぎません。
ですから、単に「売れそうな物件を買えば良い」というわけではありません。あくまでも、「歪み」のある、相場よりも割安の物件を購入することが重要です。
2-4.「売却は家賃収入を増やすための手段」と割り切る
ここまでお読みなったところで、
- 「そうは言っても、せっかく苦労して買った物件をすぐに売却するなんて・・・」
- 「買ってすぐ売るなんて節操がない」
そんな風に思われるかも知れません。
確かに、物件を取得するためには大変な労力がかかります。融資を引いて、様々な手続きをするので、その中で物件に対して愛着のようなものを感じることもあります。
また、売却することで家賃収入が減るので、規模拡大の目標から遠ざかっているように感じてしまいがちです。特に、優秀な物件ほどキャッシュフローを生み出しているので、なおさらそのように感じることと思います。
しかし、売却はあくまでも、計画の通過点に過ぎません。ここは愛着を捨て、最終的な「家賃収入で月間◯万円」という目標を達成するための手段として割り切りましょう。
3.収益を拡大する上での「法人立ち上げ」のメリット
収益の拡大を図っていくのであれば、個人では限界があり、デメリットもあります。そこで、法人を早めに立ち上げていくことを私はお勧めしています。
法人を立ち上げるメリットは大きく分けて二つあります。
- 規模が大きくなれば個人の累進課税より、法人税の方が有利
- 事業として、銀行からの評価を得られやすくなる
それぞれ、以下に解説いたします。
3-1.メリット1:規模が大きくなれば法人税の方が有利
一般論として、所得が増えるほど、法人化した方が税金はお得になります。「幾ら以上になれば法人税の方がお得になるか?」といった具体的な金額は、様々な条件によって変わってきます。
しかし、先のセクションでも解説しましたように、「1000万単位の売却も含めながら収益を拡大していく」ことを考えれば、法人を立ち上げた方がメリットは大きいと言えるでしょう。
3-2.メリット2:銀行からの「事業評価」を得られる
不動産投資を拡大する上で、法人としての実績を作ることがより大事になってきます。ですから、今は規模が小さくても、最初から法人を立ち上げ、法人としての実績を作っていくべきです。
以下にその理由やステップを解説していきます。
「人物・物件評価」からスタートし、規模が大きくなったら「事業評価」へ
法人を立ち上げただけでは、法人としての実績がありませんから、当然ながら最初から事業評価で融資を受けることができません。
よって、最初のうちは「人物評価・物件評価」を中心に評価を受け、融資を受けていくことになります。
しかし、投資規模が大きくなって実績が積み上がっていくと、人物評価や物件評価では限界に達し、それ以上融資を受けることができなくなります。そこで、「事業評価」で融資を組んでいきます。
事業評価とは、「不動産賃貸業を事業として見てもらえるようになる(事業評価してもらう)」ということです。事業評価では、不動産賃貸業として「収益が回っているか?」、「5年後、10年後の成長性、安定性は?」等の事業性を評価してもらいます。
ですから、「事業評価してもらう」ためにも、法人はできるだけ早めに設立し、少しでも早くから実績作りをしておく必要があります。
しかし、「ただの実績」だけでは不十分です。必要なのは「黒字決算」です。
最低でも「2期分の黒字決算」が必要
「事業性を評価してもらう」場合、実績として分かりやすいものが第一に「黒字の決算」です。だいたいどこの銀行へ行っても、「黒字の決算書2期分」は求められます。
よって、事業性融資を受けるには、最低でも「2期分の黒字の決算書」が必要となります。
もちろん、これは最低のラインであり、「利益や納税額が多いor伸びている」なども事業評価の対象となります。
いずれにしても、賃貸経営者として、毎年良い決算書を作り続けていく事が評価の大事なポイントとなります。
個人で始めたとしても、法人の実績を積むことができますので、
- 個人で物件を取得しつつ、並行して早めに資産管理法人を作る。
- 2年かけて、黒字の決算書を作る。
を進めていくことを強くお勧めいたします。
法人立ち上げは「個人の融資枠を使い切ってから」では手遅れ!
時折、
- 「個人で借りられるだけ借りて上限枠を使い切ったら、その後に法人を立ち上げれば良い」
と考えている人もいます。
しかし、この方法では「黒字2期分の決算書」がそもそもありません。ですから法人であっても、あくまでも個人評価による融資となります。
しかも、既に個人の枠は使い切っていますから、当然ながらそれ以上借りることができなくなります。
法人で事業性融資を引いて拡大していくためには、どうしても準備期間が必要になりますから、とにかく早く法人を立ち上げることが収益拡大には欠かせないポイントです。
法人化に関しては以下の記事でも詳しく解説しています。
法人を設立し、個人ではなくその法人名義で物件を買うーー不動産投資の勉強をしている方なら「法人化」という言葉を聞いたことがあると思います。 とはいえ、「法人化ってどんな人がすべきなの?」「会社員でも法人はつくれるの?」「法人化のメリット・デ[…]
この記事を読んでいる方は、 ・実際に大家としてアパート経営をしていて「不動産賃貸業」と「大家」の違いが気になる ・ただの大家としてではなく「不動産賃貸業」として規模を広げていき安定した状態を作りたい ・不動産賃貸業のことが知[…]
4.「賃貸経営」で想定されるリスクを回避する
大家として複数の物件を経営するようになると、様々なリスクを想定しなければなりません。
例えば、「空室リスク」です。この点は、購入する物件を選び抜いていくことで対処できます。また、客付けなどについても、管理会社と協力体制を築いていけば、そう大きな問題にはならないでしょう。
家賃の滞納や、自然災害なども保険でカバーできます。
「リーマンショック」のような、大きな経済変動はどうしても避けられません。しかし、不動産は「市況に変化が起こるまでに時間がかかる」という特徴がありますので、経済変動が起こったら、先手を打って然るべき対処をしていけば、それほど大きな問題にはなりません。また、日常的に健全な賃貸経営を行うことで、経済変動にも耐えやすくなります。
こうした点も、普段から情報・ノウハウを蓄積することなど、日ごろから備えをしておくことができるでしょう。詳しくは、以下の記事を参照してください。
昨今、家賃収入を得るための「収益物件」の購入する方が増えています。しかし一方で、計算上はキャッシュフローが出るはずなのに、実際には税金や修繕などで赤字になる、空室がなかなか埋まらずに収益化できないなど、「こんなハズじゃなかった・・・」と頭を[…]
さて、これからの時代で問題になるのは、単身入居者の「孤独死」ではないかと思います。ご存知の通り、日本は少子高齢化が進行し、未婚率の上昇によって単身世帯も増えています。よって、これからは「孤独死」に対しても、大家が積極的に手を打っていく必要があるでしょう。
4-1.「孤独死」は年代に関係なく起こりうる
「孤独死」は高齢者だけでなく、働き盛りの単身者でも起こる場合があります。なぜなら、病死や老衰だけでなく、自殺や犯罪死、あるいは過労などによる突然死も想定されるからです。
仮に単身者が室内で亡くなり、発見が遅れた場合、室内の修復(リフォームだけでなく、清掃や脱臭など)に多額の費用がかかってしまいます。
しかし、金銭的な損失はある程度カバーできます。主に2つの方法があります。
保険でカバーする
近年では、孤独死によって生じた損失を、保険でカバーできるようになってきています。火災保険の中には室内の修復に加え、遺品整理費用などを補償してくれるオプションがありますので、こうした保険にあらかじめ入っておくことで、金銭的な損失はある程度カバーできるでしょう。
また、孤独死に対する需要はこれから増えていくことが予想されますので、保険の補償内容もより充実していくと考えられます。
原状回復の費用を、連帯保証人や相続人に請求する
原状回復の費用の全額または一部を、連帯保証人や、相続人に請求できる場合があります。ただし、請求できないケースもありますので、その場合は大家負担となってしまいます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
4-2.金銭面以外での孤独死対策のアイディア
孤独死も、ある程度は金銭的にはカバーできるようになってきています。
しかし、一度こうした事故が起きると、
- ・他の入居者が転居してしまう
- ・家賃の大幅な減額を要求される
なども考えられます。
また、原状回復をしても「事故物件」扱いとなり、家賃収入が大幅に減ってしまいます。加えて風評被害が広がり、入居者が集まらないなどのリスクも考えられます。
ですから、なるべくなら孤独死が起こらないようにする、あるいは仮に起きても早期発見し、ダメージを最小限にとどめる必要があるでしょう。
大家側ができる孤独死対策については、今のところノウハウや社会的体制が確立していない部分もありますが、以下に幾つかの方法をお伝えしたいと思います。
日常で行える予防策
定期的にポストや電気の使用量の確認し、異変が起きていないかをチェックすることができます。また、何も問題が発生していなくても、定期的に訪問したり、連絡を取ったりすることもできるでしょう。
しかし、物件が増えていくと、こうしたことを大家だけで行うのは難しくなっていきます。そこで、管理会社と相談して、そうしたチェックや訪問などが定期的にできるかどうか相談してみても良いかも知れません。
あるいは、定期的に出入りしている清掃業者や設備点検業者などに、異変を感じたら連絡してもらえるように依頼することもできるでしょう。
また役所などに、定期訪問のサービスについて聞いてみても良いかも知れません。
室内にセンサーを設置する
トイレの使用回数や、冷蔵庫の開閉などのセンサーでチェックし、安否確認を行うサービスがあります。セキュリティー会社を始めとして、様々な企業がサービスを提供しています。
設備の費用はどうしてもかかりますが、万が一の場合の早期発見につながり、結果的にダメージを抑えることができるでしょう。
緊急時の連絡先を確保する
これは予防策というよりも、孤独死が起きた後の手続きなどのための事前対策となります。
まず、契約時や更新時に、身元引受人を確認する、緊急連絡先を確保するなどしておきましょう。また、親や子どもなど、相続人の所在情報を確保しておくこともできます。
しかし、身元引受人や相続人、連帯保証人が転居して連絡が取れなくなるケースもあります。そこで、定期的に連絡が取れるかどうかを確認するなどしておきましょう。
まとめ
賃貸経営を成功させる上での、ポイントを最後にまとめたいと思います。
1.確実に収益を上げていくには「歪み」のある割安物件を狙い、「歪み(弱み)」を「強み」に変えるノウハウでカバーしましょう。
2.収益を更に拡大していくには、1000万単位の売却を混ぜながら物件を買い進めていくことが必要です。売却を混ぜることで、銀行の評価が上がり、購入に必要な諸費用を手元資金で増やしていくことができます。ただし、事前に具体的な計画を立てていかないと、買い進めていくことができません。よって、売却を含めた計画作りが重要です。
3.収益を拡大する上で、税制面や、銀行の評価を得る上でも「法人の立ち上げ」を早めに検討しましょう。最低でも「2期分の黒字決算」になりますから、個人で物件を買い進めつつ、並行して法人を立ち上げ、2年かけて黒字決算書を作り上げましょう。
4.賃貸経営で想定されるリスクは、保険やノウハウでカバーできます。また、これからは「孤独死」に対してもできるだけ手を打っていく必要があります。孤独死の金銭的な損失は保険などである程度カバーできますが、風評被害などのダメージを最小限に抑えるためにも、異変が起きていないかチェックをしたり、定期的に訪問や連絡を入れたり あるいはセンサーを設置したりして予防に努めることができるでしょう。
このように賃貸経営にはやるべきことや、想定すべきリスクも多くあります。しかし、基本的なことを着実に行っていけば、高い確率で収益を上げることができます。また、今回の記事でもお伝えしたように「事業評価を得るには、最低でも2期分の黒字が必要」など、不動産投資には実績がないと先へ進めない部分もあります。言い換えれば、早くスタートして実績を積み上げれば、それだけ早く目標に到達できます。そこで、既に基本的なことをしっかり勉強しておられる方は、物件探しを始めるなど、投資に向けた行動をすぐに起こしてみてはいかがでしょうか?
こちらの記事では需要のある賃貸物件の条件についてお伝えしています。併せてご一読ください。
物件の立地は、安定した家賃収入を得るためにとても大切です。 似たような設備や物件でも、利便性の高い物件と低い物件では、家賃や空室のリスクが異なってしまいます。 そのため、賃貸経営をする場合は、マンションを購入するにしろアパートを購入[…]