【雛形・テンプレ有】物件概要書の見方や注意点・作成のポイントを解説

収益物件やマイホームを購入検討、あるいは物件を賃貸する際、必ずといっていいほど目を通すことになるのが「物件概要書」。その名のとおり、物件に関する重要な情報がまとめているものですが、専門用語が使われていることも多々あり見方も複雑です。

そのため、「どこをチェックすべきなのか」「どんなところに注意すればいいのか」など、よくわからないまま見ている人も多いのではないでしょうか。

この記事では

  • 物件概要書とは
  • 物件概要書の見方
  • 物件概要書で投資判断する際のポイント
  • 物件概要書の例
  • 売却の際の物件概要書の作り方

について、これまで何度も物件の売買契約を経験しているプロの不動産投資家の立場から解説します。

物件概要書の知識を深めることで、必要なところを無駄なくチェックできるようになります。見逃してしまうと後からトラブルになる情報も書かれていることがあるので、リスクヘッジという意味でもこの知識は有効です。

    記事をご覧いただければ、物件概要書の雛形(エクセルテンプレートファイル)を無料でダウンロードをすることもできます。

    「物件概要書について知りたい」という方はもちろん、すでに知っているという方も確認の意味でぜひ一読していただければと思います。

    1. 物件概要書とは

    物件概要書の画像

    1-1. 物件概要書ってなに?

    物件概要書とは、物件の概要や契約条件など「物件に関わる詳細な情報」が記載されている資料です。

    いまでは不動産情報ポータルサイトでも、一部の物件は物件概要書が確認できますし、売買だけでなく賃貸でも使用される資料なので、一度は目にしたことがある人が多いと思います。

    1-2. 物件概要書は誰が作成するのか

    物件概要書の作成は、「誰が作成してもいい」ということになっています。ただ実際は、不動産会社が作成するケースが大半です。ときに売り主が作ることもあります。

    1-3. 物件概要書の書式

    物件概要書の書式は、不動産会社によって異なります。項目や順番も各社さまざまではあるものの、大筋の情報は等しく掲載されているといえます。

    1-4. 物件概要書はいつ見るのか

    物件概要書を見るタイミングとして多いのが「不動産会社に資料請求したとき」「購入検討の意思表示を不動産会社にしたとき」です。つまり、購入したい物件が出た場合には、不動産会社(もしくは売り主)から物件概要書をもらってチェックするということです。

    2.物件概要書の見方

    では、具体的に物件概要書はどうチェックしていけばよいのでしょうか。ここからは、まず物件概要書に書かれる項目がどんなものなのか解説します。

    2-1. 基本

    収益物件の概要書には必ず書かれている情報です。

    価格

    基本的には消費税込みで記載されていることが大半ですが、「税込or税抜」の表示がなかったら念のため確認しましょう。

    利回り

    満室想定の表面利回りが示されています。丁寧な概要書だと「満室想定◯% 現況利回り◯%」などと記載されます。

    所在地

    所在地に番地が記載されていない場合、問い合わせて聞く必要があります。

    交通

    「地下鉄◯◯線 ◯◯駅徒歩◯分」などと書かれています。徒歩1分は80mと換算されています。

    2-2. 土地

    当該物件の土地に関する情報です。

    面積

    平米数(㎡)または坪数で書かれています。「公募◯㎡/◯坪 実測◯㎡/◯坪」というように実測の情報が記載されているケースもあります。

    なお、1坪=約 3.3 ㎡ (3.30578 ㎡)です。おおまかに、10坪=約33㎡、20坪=約66㎡、100坪=約330㎡と考えるとわかりやすいでしょう。

    権利

    所有権、借地権(地上権、旧法借地権、新法普通借地権、一般定期借地権、建物譲渡特約付き借地権)といった権利についての記載があります。

    地目

    宅地、田、畑、山林など土地をその利用状況によって区分した「地目」が全部で21種類あります。なお、登記簿に記載された地目は、固定資産税の評価や土地の取引価格に影響を与えますので、チェックしておきましょう。

    区域区分

    市街化区域、市街化調整区域。非線引区域の3つにカテゴライズされます。

    市街地は、家、ビルなどが立ち並んだ土地のことで、農地や森林などは含まれません。市街化調整区域は、農地や森林を守ることに重点が置かれているため、例外を除き、家を建築することができません。非線引区域は、この二つのどちらにも当てはまらない区域区分を指します。

    建ぺい率

    建ぺい率とは、「敷地面積に対する建築面積の割合」です。例えば、100平米の土地に50平米の建物を建てた場合、建ぺい率は50%になります。どうせならギリギリまで建物を広く取りたいと思うかもしれませんが、防災や風通しの観点から望ましいとはいえません。

    そのため、地域ごとに建ぺい率の制限が設けられています。事前に確認しておきましょう。

    容積率

    容積率とは、「敷地面積に対する延べ面積の割合」です。延べ面積とは「各階の床面積の合計」と言い換えられるので、容積率は「土地に対して何階の建物を建てられるか」ということになります。こちらも建ぺい率と同様、市町村ごとに制限が設けられているため、事前の確認が必要です。

    建ぺい率(容積率)オーバーについては、以下の記事で図解も交えてわかりやすく説明していますので、ご覧いただければと思います。

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    2-3. 建物

    当該物件の建物に関する情報です。

    構造

    鉄筋コンクリート造、木造、軽量鉄骨、重量鉄骨といった建築上の建物の構造を表します。建物構造の強度の順番は、鉄筋コンクリート造>鉄骨造>木造です。

    なお、融資を受ける際には、構造別の法定耐用年数が非常に重要なので、必ず確認おきましょう。

    参考)法定耐用年数

    • ・鉄筋コンクリート造:47年  
    • ・重量鉄骨造:34年  
    • ・木造:22年

    アパート経営において重要な4つの構造については、以下の記事で詳しく解説しております。

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    種類

    居宅、共同住宅、寮、店舗、事務所、倉庫、車庫の7種類が基本となります。登記簿謄本と実際の物件で使われている利用内容に齟齬がないかチェックしましょう。

    延床面積

    各階の床面積の合計を指します。「㎡」もしくは「坪」で表します。なお、駐車場は延床面積の5分の1未満であれば、床面積に算入しなくてよいとされています。

    築年数

    築年月で表されることもあります。なお、1981年以降に建築された建物は「新耐震基準」に適合している建物で、それ以前の建物は「旧耐震」と呼ばれています。

    間取り

    「1K ◯◯戸」といったように、当該物件の間取りと戸数が書かれています。なお、L(リビング・居間)、D(ダイニング・食堂)、K(キッチン・台所)を表しています。

    2-4. その他

    土地、建物以外の項目になります。

    引き渡し

    購入後の引渡し時期について書かれています。大半は「相談」になります。

    契約形態

    契約形態は、「普通賃貸借契約」もしくは「定期建物賃貸借契約」になり、前者が一般的です。

    設備

    「◯◯電力、水道(公営)、ガス(都市ガス)」などと書かれています。

    現況

    「賃貸中」や「空室」などと書かれています。

    3. 投資物件の判断材料としての物件概要書をチェック

    投資物件の判断材料としての物件概要書をチェック

    3-1. 積算価格と物件価格の関係を確認

    物件概要書を見て、「この物件は投資に値するか」どうかを判断するためには、どうすればいいでしょうか。

    まず重要なのは、「検討している物件で融資が受けられるか」です。せっかく気に入った物件でも、融資がおりなかったら元も子もありません。

    融資を受けられるかどうかは、「積算価格>物件価格」をクリアしているかを確認する必要があります。積算価格については、以下の記事をご一読ください。

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    3-2. 資産性、収益性、担保価値の確認

    積算価格以外にも、収益評価で融資を決める金融機関もあるため、その点も考慮する必要があるでしょう。

    以下の記事では「収益還元法」について解説しております。

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    3-3. 情報を元にキャッシュフローをシミュレーション

    続いて、当該物件がきちんと収益を生むのかも確認しましょう。キャッシュフローの計算は以下のとおりです。

    • 年間キャッシュフロー=年間家賃-年間ローン返済額-年間運営費用-公租公課
    • ※年間運用費には、管理委託費以外にも、空室率15%、経費率20%(エレベータ有なら25%)なども含みます。

    3-4. 注意するべき物件

    たとえ物件の収益性が高かったとしても、以下の点は注意しましょう。

    違法建築物件

    建築基準法、都市計画法、消防法に違反している物件を指し、「法的瑕疵物件」とも呼ばれます。具体的には、「建ぺい率(容積率)がオーバーしている」「防災設備が古い」「接道義務に違反している」「構造上の安全基準を満たしていない」などです。

    建ぺい率(容積率)オーバーについては、以下の記事で図解も交えてわかりやすく説明していますので、ご覧いただければと思います。

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    法的瑕疵物件について、その旨を聞かされずに購入した場合、売り主に対して契約解除や損害賠償請求できる可能性もあります。とはいえ、無駄なトラブルは避けるべきですので、事前に確認しておくのが望ましいです。

    瑕疵担保免責についての基礎知識については以下の記事でも詳しく見ることができます。

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    カーテンスキームなどの偽装

    これは詐欺ともいえる悪質な話ですが、入居率を偽るため空室にカーテンを閉めて入居しているように見せかけたり、さらに悪質だと、一時的に住む人を雇ったりして見かけ上の利回りを上げる工作をするケースもあります。

    一時よりは減ったといえますが、まだまだ油断大敵です。レントロールを鵜呑みにしないで、実際に現地に足を運び、不自然な点がないか確認する必要があるでしょう。

    再建築不可物件

    通常の物件よりも安価に買える(利回りが高い)ということで、近年、再建築不可物件の人気は高まっています。しかし、金額が安い分リスクはつきものですので、その点を十分理解しておかなければなりません。

    例えば、再建築不可の物件は、銀行評価が低く基本的に融資がおりないため、現金を用意しておく必要があります。また万が一、災害などで建物が損壊した場合、建て直しができないので更地にするしか選択肢がなくなる、という恐れもあります。更地にした場合、住宅よりも固定資産税がかなり高くなってしまいます。

    3-5. グーグルアースで確認してみる

    狙っている物件が近くにあって、実際に現地に足を運べるならそれに越したことはありません。しかし、距離が離れていて気軽に見に行けない場合、グーグルアース(Google Earth)を使って物件周辺の雰囲気を確認するのも有効です。

    地図ではわからなかったパノラマ画像を確認できるので、現場周辺の状況がわかるはずです。例えば、検討している物件がボロボロだったら、「大規模修繕が必要かもしれない」という推測ができます。

    3-6. 入居者目線でチェック

    たとえキャッシュフローがあまり出なくても、満室経営を維持できそう、すなわち長期的に賃貸需要が高いと見込める物件なら検討の余地はあるといえるでしょう。周辺の住環境、都市計画などを考慮して、総合的に判断することが大切です。

    3-7. 接道状況は必ずチェック

    物件概要書において気にする部分としては、なんといっても

    • ・必要な項目が揃っているか
    • ・必要な情報が記載されているか

    という部分です。

    また投資物件であれば、最初の検討材料は「価格」「利回り」「立地」に目が行きがちですが、実はもっとも重要になるのは接道状況です。 不動産の価値は、「どんな道に接しているか」で決まるからです。 投資として土台に乗る物件であれば、まず接道状況を確認しましょう。

    4. 物件概要書を自分で作成する際の注意点

    物件概要書を自分で作成する際の注意点

    前に書いたように、物件概要書は、基本的に不動産会社が作成するものです。ただし、自身が売却するとき、自分の力で物件概要書を作成することもできます。

    その際のポイントは、「物件のあるがままの状態を伝える」ということに尽きます。謄本や測量図、各所調査などから得た情報を嘘偽りなく記載し、不明な点に関しては「空白」または「調査中」と記しましょう。また、備考欄には告知事項、再建築不可、建ぺい率オーバーなど、項目外で重要な事項を記載します。

    もし事実を隠蔽した場合、たとえ契約が終了したあとでも損害賠償を請求されたりするなど、トラブルにつながる恐れがあります。売り主としては「少しでも高く売りたい」という気持ちはどうしても出てしまうものですが、くれぐれも虚偽もしくは隠蔽することは避けてください。

    5. 実は概要書で判断するのは最後の段階?

    実は概要書で判断するのは最後の段階?

    5-1. 良い物件購入のためにはまず銀行

    現金で購入する場合を除き、投資物件で最も重要な最初の判断基準は、「銀行の融資がつくか否か」です。

    したがって、物件概要書の情報から「銀行が融資を出す物件かどうか」を判断することはもちろんできるのですが、概要書の見方というよりも、やはり銀行の融資基準について知識がある程度は必要になってきます。例えば、「どういった物件なら銀行が融資をしてくれそうか」「自分の属性なら、いくらの融資をしてもらえそうか」などです。

    ですから、不動産投資を行う際の順番としては、

    1. 自分が使える銀行を把握する(年収、年齢、住んでいる地域、勤務地などから)
    2. その銀行の融資基準を理解する(物件評価の基準、融資可能年数、金利など)
    3. 上記2の基準に当てはまる物件を探す

    このように、実は物件を選ぶのは融資先に目処を立ててからになります。

    5-2. 物件概要書を過信してはいけない

    物件概要書には実にさまざまな情報が載っており、そこから読み解けるものも多いといえます。しかし、物件概要書を過度に信用するのは危険です。というのも、物件概要書は公的な書類ではなく、不動産会社の事務員や営業担当が作成しているため、記載内容が誤っていることも多々あるからです。

    物件概要書を確認し、購入する意思がさらに強くなったのであれば、次のステップとして物件概要書に記載されている内容に不備がないか、その根拠となる資料を合わせて確認することが求められます。

    もし不明点が出た場合、自分で調べるのが一番ですが、調べてもわからないことが出たときは、不動産会社(もしくは売主)にヒアリングしましょう。

    6. 物件概要書のサンプル雛形のダウンロード

    物件概要書のサンプル・雛形

    物件概要書の書式は様々ありますが、サンプルとしてエクセルファイルを用意しました。

    無料でダウンロードできますので、是非活用してください。

    7.まとめ

    • 1. 物件概要書とは、「物件に関わる詳細な情報」が書かれた資料。記載する項目については法的ルールが存在しないものの、概ね統一されています。
    • 2. 書かれている表面的な情報だけでなく、資産価値、担保価値、収益性は別途確認(計算)する必要があります。
    • 3. 実際に物件概要書を見るタイミングは、あくまで融資先の金融機関の目処が立ってからです。そうでないと、せっかく優良物件を見つけても「自分には買えない」という状況に陥ってしまいます。
    • 4. 作成者は不動産会社の営業マンや事務員であることが大半のため、情報に不備・漏れがある場合もあります。そのため、内容を鵜呑みにするのはリスクがあるため、根拠となる元データは確認するのが望ましいでしょう。

    いかがでしたか。物件概要書は、その物件が「買い」なのかを判断するための重要な資料です。そのため、どういった項目をチェックすべきかどうかは必ず把握しておく必要があります。何度も確認するうちに慣れてくる部分もありますが、それまではこの記事を繰り返しお読みいただくようおすすめします。

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再建築不可物件の建築可能化プログラム

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