更地にしてはダメ!土地の固定資産税の計算方法と安く抑える方法

これから不動産投資を始めようと考えている人なら、毎年発生するランニングコストとして「固定資産税」があることはご存じでしょう。また、土地をお持ちの方であれば、毎年支払っているものなので馴染み深いものかもしれません。

とはいえ、以下のような疑問をお持ちの方が多いと思います。

  • ・固定資産税は建物と土地いくらの割合なのか?
  • ・固定資産税額はいつ・いくらぐらい・どうやって支払うのか?
  • ・都市計画税って何? 固定資産税と関係あるの?

ほかにも、次のような方もいらっしゃるでしょう。

  • ・使用していない土地があるが、「更地にしておくよりも建物にしておいたほうが固定資産税が軽減できる」ということを聞いた。どれくらい得なのか、また知っておくべき注意点を知りたい。
  •  
  • ・親が所持する使用していない土地が田舎にあるが、「固定資産税はかからない」と言っている。将来、相続した際に固定資産税が発生するのは困る。固定資産税がかからない土地は存在するのか?

たとえ不動産に関心がない人でも一度は耳にしたことがあるであろう「固定資産税」。
しかし、「言葉は聞いたことがあるが、実際はよくわかっていない」という人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、

  • 更地は避けるべき! 固定資産税の仕組みとは?
  • 固定資産税と都市計画税の計算シミュレーション
  • 固定資産税はいつ・どうやって支払う?
  • 土地の固定資産税の目安
  • 土地の固定資産税を軽減するための方法

などについて、初心者にもわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、固定資産税の基礎知識を身につけ、巷にあふれる間違った情報に振り回されなくなります。

不動産を所有していれば毎年かかる固定資産税。数十年所有すれば数百万円かかるものですので、正しい知識を身につけておかないと、損をしてしまう可能性もあります。「知っているようで知らない」と思った人は、この記事で固定資産税について理解を深めてください。

本記事が「不動産を有効活用したい!」「不動産で損をしたくない!」という方のお役に立つことができれば幸いです。

1. 更地は避けるべき! 固定資産税の仕組みとは?

更地は避けるべき! 固定資産税の仕組みとは?

まず、固定資産税とは何か? 更地を避けるべき理由を解説します。

1-1. そもそも固定資産税とは?

固定資産税とは、不動産(土地や建物)を所有している限り、毎年かかる税金です。毎年1月1日時点に不動産を所有している人に対して課税されます。市区町村が税額を計算し、納税義務者に納税額を通知し、納税者はそれに基づき税額を納付するという流れが基本です。

1-2. 固定資産税評価額とは?

固定資産税は、3年に1度見直される「評価額」が基準となります。この評価額を「固定資産税評価額」と呼びます。

そして、「固定資産税評価額」と税率を掛けることで、固定資産税額は計算されます。計算式は以下の通りです。

固定資産税額=固定資産税評価額(課税標準額)×税率(標準税率:1.4%)
※税率は自治体が自由に決めることができますが、実際には標準税額の1.4%を採用している自治体が多いです。

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1-3. 更地にすべきではない理由

固定資産税評価額については、注意点があります。

所有している土地が更地の場合、「評価額」がそのまま「課税標準額」になります。つまり、上に書いた「固定資産税額=固定資産税評価額(課税標準額)×税率(標準税率:1.4%)」の計算式が使えるのです。

しかし、その土地に住宅を建てると、「住宅用地の特例」が適用されるため、次のように税金が安くなるのです。

区分 固定資産税
更地 固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%
小規模住宅用地
(住宅用地で200㎡以下の部分)
固定資産税評価額(課税標準額)× 1/6 ×1.4%
一般用住宅地
(住宅用地で200㎡超の部分)
固定資産税評価額(課税標準額)× 1/3 ×1.4%

詳しい計算例は後述しますが、ここでお伝えしたいのは「更地よりも住宅を建てたほうが圧倒的に固定資産税は安くなる」ということ。これは「土地はそのままにしておくのではなく、住宅などに利用させること」を国や自治体が望んでいるからです。

1-4. 固定資産税がかからない場合も!

なお、固定資産税には「免税点」が設けられています。免税点とは、同一人が所有する土地、家屋、償却資産のそれぞれの課税標準額の合計額が、次の金額に満たない場合に課税の対象としないことを指し、免税点に満たない場合は、固定資産税は課税されません。

  • ・土地……………30万円
  • ・家屋……………20万円
  • ・償却資産………50万円

※償却資産とは、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産で、その減価償却額もしくは減価償却費が、法人税法または所得税法の規定による所得の計算上、損金または必要な経費に算入されるものをいいます。要するに、一般的な自宅資産に付随する資産は対象外なので、それほど気にする必要はありません。

2. 固定資産税と都市計画税の計算シミュレーション

固定資産税と都市計画税の計算シミュレーション

この章では実際に固定資産税と都市計画税の計算方法をご紹介します。

2-1. 実際に計算してみよう(固定資産税)

では、ここで事例を用いながら計算シミュレーションを見てみましょう。

  • ・購入価格:土地2000万円
  • ・評価額 :土地1400万円
  • ・税率  :固定資産税1.4%、都市計画税0.3%

この場合、
【土地の固定資産税】は1400万円×1.4%=19万6千円となります。

2-2. 実際に計算してみよう(都市計画税)

続いて、同じ条件で都市計画税の計算シミュレーションを見てみましょう。

都市計画税の計算式は、以下になります。

税額=固定資産税評価額 × 最高0.3%(制限税率)

※都市計画税は市町村が課す地方税のため、税率は市町村によって異なります。ただ上限が0.3%までと決められています。都市計画税の税率は、自治体のホームページなどに記載されているので確認しておきましょう。

今回のケースだと、

1400万円×0.3%=4万2千円

つまり、今回のケースの場合、固定資産税と都市計画税を足すと、
19万6千円+4万2千円=23万8千円となります。

ただ、今回のケースでは、建物がない土地の場合で考えています。建物がある場合は、前述した「住宅用地の特例」などによって結果は大きく減ります。

固定資産税についての図

3. 固定資産税の目安

固定資産税の目安

ここでは、前項でのシミュレーションをもう少し掘り下げて考えていきたいと思います。

例えば、田舎の土地が安かったので購入し、そのあと戸建てを建てるとします。
この場合、どのように考えればいいのでしょうか。

重要なのは、前述した以下の内容です。

  • ・小規模住宅用地……住宅用地で200㎡以下の部分は「小規模住宅用地」となり、固定資産税が6分の1になります。
  • ・一般用住宅地…………住宅用地で200㎡超の部分は「一般用住宅地」として、固定資産税が3分の1になります。

つまり例えば、土地面積が150㎡、建物面積が100㎡で固定資産課税台帳に登録されている登録価が「1万5000円/㎡」の場合、単純計算でいえば、土地の固定資産税は200㎡まで6分の1、それ以上は3分の1になりますから(15000×200÷6+15000×50÷3)×1.4%=1万500円となるのです。

つまり(住宅を建てるという前提ですが)、「土地の200㎡までは6分の1、それ以上の部分は3分の1」ということさえ判断すれば、あとは「固定資産税評価額」と「税率(1.4%が基本)」を掛ける際に、合わせて掛け算するだけで済みます。

4. 固定資産税はいつ・どうやって支払う?

固定資産税はいつ・どうやって支払う?

ここでは、固定資産税の支払い方法について解説します。

4-1. 支払い方法

固定資産税では、申告などの手続きは特に必要ありません
支払い方法は、2つあります。全4期分を「分納」するか、「一括支払い」するかです。どちらにするかは納税者が選ぶことができます。
ちなみに固定資産税は、分納でも一括支払いでも金額は変わりません。

分納の場合、納付期限は自治体によって異なりますが、多いパターンは1期から4期でそれぞれ6月、9月、12月、2月頃です。

納付方法は以下のとおりです。

  • ・口座振替の自動引落
  • ・市税事務所や金融機関での振り込み
  • ・コンビニでの支払い

なお、最近はクレジットカードでの支払いが可能な自治体も増えています。

4-2. 支払うタイミング

前述したように、固定資産税は毎年1月1日時点に不動産を所有している人に対して課税されます。自治体は1月1日時点での登記情報を元に納付金額を計算し、不動産の所有者へ納税通知書を送ります。

納税通知書が手元に届くタイミングは、毎年4~6月頃です。このとき前述した「分納」か「一括払い」で納税することになります。

なお、納付時期を過ぎた場合、自治体から督促を受けることになり、延滞金の支払いが必要となるケースがあります。

さらに、納付期限から1カ月を超過した場合、税額に「特例基準割合+7.3%」を乗じた金額を延滞金として納める必要がありますので、期限を超えないよう注意しましょう。

5. 土地の固定資産税を軽減するための方法

土地の固定資産税を軽減するための方法

固定資産税を納める義務はありますが、できることであれば、固定資産税を少なくしたいと思うでしょう。ここでは、固定資産税を軽減するための方法を伝授します。

5-1. 「住宅」を建てることで土地の固定資産税を下げられる

先述のように、「更地」の状態よりも「住宅」を建てることで「住宅用地の特例」が適用されるため、土地の固定資産税を大幅に軽減することが可能です。

なお、ここでいう「住宅」とは、一戸建てのマイホームだけに限らず、賃貸アパート、賃貸マンション、賃貸併用住宅、戸建賃貸なども対象となります。

繰り返しになりますが、固定資産税を考える際には、以下のルールを覚えておくことが最も基本となります。

  • ・1戸あたり200平米までの課税標準額が6分の1に
  • ・1戸あたり200平米を超える課税標準額が3分の1に

さらに付け加えると、「1戸あたり」という点がポイントです。

例えば、500㎡の土地に一戸建てが建っている場合、

  • ・200㎡だけが6分の1に
  • ・残り300㎡は3分の1に

なります。

一方、500㎡の土地に4戸の賃貸アパートが建っている場合、200㎡×4戸=800㎡まで小規模住宅用地(6分の1)になります。よって、500㎡の土地全体の評価額が6分の1になるわけです。

5-2. 逆に固定資産税が上がってしまうケースも!

固定資産税を軽減する方法があれば、上がってしまうケースもありますので注意が必要です。

年末に住宅を取り壊す

住宅用地の特例が適用されるか否かは、1月1日時点で住宅が建っているかどうかで決まります。つまり、年末に住宅を取り壊した場合、住宅地とみなされなくなってしまうため、もし取り壊す場合は1月2日以降に行ったほうが有利です。タイミングには注意しましょう。

空き家を放置する

更地のままだと住宅用地の特例が適用されず、固定資産税が高くなるから、使わない空き家があっても更地にせずそのままにする……こうした背景が現在の空き家問題にあるのは事実です。

たしかに住宅用地の特例による軽減効果は非常に大きいので、空き家があったとしても、住宅のまま放置してしまう気持ちもあるのでしょう。

しかし、空き家の放置によるトラブルが増え、社会問題となった結果、2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特別措置法)」という新しい法律が施行されました。

これにより、自治体が「特定空き家等」に指定し、必要な改善措置の勧告の対象となった場合、住宅用地の特例が適用外となります。つまり、固定資産税が上がるわけです。

空き家を放置することで、固定資産税が上がるだけでなく、放火や不法投棄などのさまざまな問題も誘発します。利用する予定のない住宅は、早めに売却する、もしくは建て替えなどの土地活用をしましょう。

まとめ

  • 1. 固定資産税は、毎年1月1日時点に不動産を所有している人に対して課税される。支払い方法は「4回の分納」もしくは「一括払い」が選べる。
  • 2. 更地のままでいると住宅用地の特例による軽減がないため、住宅を建てて固定資産税を低くするのが基本の考え方
  • 3. 土地が200㎡以上の場合、賃貸アパートなど複数の戸数がある建物を建てることで、小規模住宅用地(6分の1)を土地全体に適用させる、というのも一つの考え方

いかがでしたか。固定資産税は不動産を所有している人なら避けてはとおれないランニングコストではあり、不動産の規模や状態によっては多額のお金がかかる場合もあります。不動産投資の初心者の方には、固定資産税のことを失念しており、通知が来てから焦って資金を準備したという人もいます。毎年かかるものだということを忘れず、収支計画を立てるようにしましょう。

また、土地活用は、固定資産税の節税だけでなく相続税対策にも有効です。
ただし、「住宅を建てれば、相続税や固定資産税が大幅に下がる」と安易に考えて、やみくもにアパートを建てればいいというものでもありません。

実際、そうした営業トークを謳い文句に賃貸アパートを販売するハウスメーカーによって、地方の賃貸需要が少ないエリアにアパートが乱立し、空室だらけで苦しんでいる地主の方々は多くいます。節税と収益性をしっかり両立できる土地活用のプランを専門家としっかり考えることが必要です。

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