不動産業者はなぜ不動産投資をしないのか?不動産業者に関するQ&A

不動産投資をはじめた初心者からの質問で一番多いのが

  • 「不動産業者は、なぜ自分たちで不動産投資をしないんですか?」

というものです。

不動産投資に興味を持って独学を始めたり、セミナーに参加しているうちに

  • 「不動産業者は不動産投資のセミナーを行ったり物件を紹介したりするが、そんなに儲かるんだったら自分たちで買えばいいじゃないか?」

このような疑問を持つのは当然のことです。

ではなぜ、不動産業者は自分たちで不動産投資を行わないのでしょうか?

まず言っておきたいのは、不動産業者の中でも不動産投資をする会社や営業マンは存在するということです。「絶対に不動産業者は不動産投資をしていない」というわけではありません。しかし、どちらかというとやらない人の方が多いのは事実です。

この記事では「不動産業者が不動産投資をしない4つの理由」について、自ら不動産投資家として10棟のアパートを所有する、不動産投資家へのアドバイザーの視点から詳しく解説しています。(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください)

不動産投資に興味を持って勉強を始めたものの

  • 「不動産業者がしないのに、自分が手を出して果たして大丈夫なのか?」

と中にはこのような不安を抱えている方もいらっしゃるかもしれませんが、この記事を読むことによってその不安を解消できます

記事後半には、皆様が気になる不動産業者に関するQ&Aもご紹介しています。
この記事を読んで、不動産業者に関する疑問を解消し、不動産投資へのモチベーションを高めましょう

1.不動産業者が不動産投資をしない4つの理由とは?

不動産業者が不動産投資をしない4つの理由とは?

では、「儲かるのならば、なぜ不動産業者が不動産投資をしないのか?」という疑問にお答えします。

理由は次の4つになります。

  1. 短期の大きな利益が優先
  2. 「投資」の知識がない
  3. 営業マンであれば融資がでない
  4. 古い体質の人が多い

それぞれ詳しく解説します。

1-1.【理由1】短期の大きな利益が優先

不動産業者が不動産投資を行わない理由として、まずひとつ目は長期で小さい利益を追うよりも、短期間で大きな利益を得ることが優先ということです。

企業は、フリーランスや自営業とは違って組織として収益をあげて規模を大きくしていくこと、伸ばしていくことを前提に考えています。そのため、不動産業者にとって不動産投資や不動産賃貸業といった「長期的に小さい利益を追う事業」は魅力的ではありません

不動産投資や不動産賃貸業は、長期の安定が見込める立派な一つの事業ですが「単年度あたりの利益がそんなに大きくない」というデメリットがあります。

例えば1億円の物件を購入して、家賃収入が1,000万円だったとします。1,000万円の収入というと大きいように感じますが、そこから銀行への返済や固定費、管理費、修繕費などを支払うと手元に残るのは約200〜300万円です。

 

家賃収入の図

 

1億円の物件を買ったのに単年度の利益が200〜300万円だとしたら、事業としてはとても小さい利益です。中にはこういったストックビジネス(継続して利益を上げ続ける効果が期待できるビジネス)を優先する企業もありますが、不動産業者のほとんどは長期で小さい利益を得るより、短期で売り上げを立てていきたいという思考を持っています。

賃貸業の小さなキャッシュフローよりも、転売利益や仲介手数料がメインの収益になるわけです。

賃貸業の収入<仲介手数料・転売利益例えば1億円の物件を買った場合、年間で200万円のキャッシュフローを得ようとするよりも

  • ・1億円で買ったものを1億1,000万円で転売する
  • ・両手取引で売買して600万円の利益を得る

ことで、短期で大きな利益を狙うことが多いことが不動産業者の特徴です。

  • ※両手取引・・・ある一つの不動産仲介会社が、売買取引において買主・売主の双方と取引の仲介契約(媒介契約)を結ぶこと。

つまり、不動産を長期で保有してコツコツ安定した収入得るよりも、ガツっとその場で売って「単年度の売り上げを上げていこう!」と考える不動産業者が多いから、不動産投資をしないという人が多いわけです。

一番大きな収益源は売却益

個人で不動産投資をするとなると、当然ながら最初は長期の目的で不動産投資をやっていくと思います。しかし、不動産賃貸業、不動産投資において一番大きな収益源は売却益になります。

一番大きな収益源は売却益

実際に私も長期保有目的で不動産投資をやっていますが、年間に何軒かは売却します。そして年間の収益で見ると、やはり売却益の方が圧倒的に多いです。

例えば1億円で買った物件が、翌年に1億2,000万円あるいは1億3,000万円で売れるなんてことがザラにあります。(しっかりと割安な物件を買うことが重要です。)

私が不動産投資を始めたときに、1棟目の物件を約2,000万円で買いました。それを6ヶ月だけ保有して売却したのですが、売却時には約4,000万円ほどで売れました。つまり約2,000万円が売却益となったのです。
売却の例図2,000万円の不動産のキャッシュフローは数十万円レベルですが、売却することによって約2,000万円の売却益を得られます。そのため、不動産業者の思考として長期で小さい利益を狙うよりも、短期で大きな利益を狙っていこうと考える人が多いのです。
この理由から、不動産業者は不動産投資よりも売買や仲介で利益を得ることが重要になります

1-2.【理由2】「投資」の知識がない

2つ目は「投資」の知識がないということです。
不動産業者は不動産のことは知っていますが、不動産「投資」に関してはあまり知識がありません。

「投資」と一口でいってもいろんな分野や考え方がありますが、基本的に「投資」はお金に働いてもらってお金を生み出すという考え方です。不動産投資でいうと、長期で不動産を持ち、毎月コツコツ稼いでくれる図式ですね。

不動産業者は不動産の売買を主に行います。物件を安く仕入れて高く売っているので、これは投資というより転売業に近いです。

  • ・物件を安く仕入れて高く売る→転売業
  • ・良い物件を仕入れ買い手を探し、手数料を貰う→仲介業

このように転売や仲介で利益を上げているので、「投資」という考え方とはちょっと遠いわけです。

そのため、物件を長期保有しお金を生み出していく「投資」としての全体的な考え方が、あまり不動産業者にはありません。具体的にいうと、ファイナンスをとにかく低金利でひいて、長期で持つことで利益が最大化するといった考え方です。

不動産業者の多くの人は、不動産投資するよりも単純に物件を安く買い取って売ってしまった方がリスクが少なく、在庫も抱えなくて済むので良いという考え方を持っています。
投資のリテラシーや知識がないというのが、不動産業者が不動産投資を行わない2つ目の理由です。

1-3.【理由3】営業マンであれば融資がでない

3つ目はよくあることなんですが、営業マンだと融資がでないという理由です。
実際にあなたが不動産屋へ行き、担当者に「不動産投資していますか?」と質問すると「していないです」と答える人が多いのではないか思います。

不動産業者の多くは、

  • ・長期の利益よりも、短期で大きな利益を優先する
  • ・投資の知識がない

ということをお話ししましたが、実はやりたいと思っている人はたくさんいます。
今の時代、若い方で

  • 「不動産投資やりたいから」
  • 「不動産のことを学びたくて不動産業界にいます」

という方は結構います。

もちろん私の会社でも「不動産投資をやりたいから入ってきている」という社員がたくさんいます。ですが、不動産業界とか不動産業者に勤めている営業マンだとなかなか融資が出ないのが現実です。

つまり銀行からの借り入れができないということなんですが、これは日本の銀行の考え方による部分が大きくあります。

1つは、バブル崩壊後のここ数十年の日本の不動産の動きや、最近だとリーマンショック後の市況の変化等から、不動産や建築業界というのは市況による変動が大きいと考えられているからです。

我々も実際にサポートする中で様々な融資のヒアリング等を行いますが、

  • 「不動産業界の営業マンには出しません」
  • 「建築業界の担当には出せません」
  • 「インセンティブの体系で働いている社員には、給料が高くても融資は出しません」

このような考え方をしている銀行が多いなと感じます。特に3番目はよくありますね。

不動産業界で働いている営業マンは、固定給よりもインセンティブの割合が高い方が多いです。
例えば、固定給が300万円でインセンティブが500〜600万円といった方です。全部合わせると年収が900〜1,000万円いくんですが、固定給が少ないので安定していないと見なされることが多くあります。

  • 「市況が悪くなるとインセンティブが下がってしまい、返済ができなくなるのでは?」
  • 「安定性がない」

銀行はこのように考えるので、融資をひけなかったりします。

融資を出してもらえないの図

不動産投資をやりたいと思っているけれど、融資がひけなくてできないパターンの方が結構いるというのが、不動産業者が不動産投資を行わない3つ目の理由です。

1-4.【理由4】古い体質の人が多い

業界的に古い体質、古い考え方の経営者が多いと感じます。つまり目先の利益ばかり追いかけているということです。
ですので

  • ・長期的なストック売り上げ
  • ・長期的な利益

これらを見ていない方や経営者が多くいます。

不動産業界は業界としてもすごく古いのですが、あなたは「町の不動産屋の社長」というとどういったイメージを浮かべますか?

  • 「金の高級腕時計をしてセカンドバッグを持ち、ちょっとポッチャリした怖めのイカツい社長」

といったイメージではないでしょうか?実は今でもそういう社長さんが結構いるような業界なんです。

今でこそだいぶ変わってきてはいます。

すごく頭がいい経営者や若い社長は、長期保有といったいわゆる不動産投資をしている方が結構いらっしゃいます。不動産業界の収益というのは市況によって左右されるので、会社としてちゃんとやっていけるように物件を保有して、長期保有目的の不動産投資を行い、会社の財務状態を担保しながら経営しようという考えです。

しかしほとんどの業者は、売買や転売業で利益を上げています。これは「古い体質」や「古い考え」の社長が多いから、業界的にも目先の利益を追いがちというわけです。これが不動産業者が不動産投資を行わない4つ目の理由です。

2.不動産業者に関するQ&A

不動産業者に関するQ&A

このほかにも、不動産投資セミナーなどで投資初心者の方からいただく不動産業者に関する質問をいくつかご紹介したいと思います。

Q1.まだ付き合いの浅い不動産屋から、物件を購入しないかと持ち掛けられています。
投資素人のため、購入していいものか迷っています。

・利回り11〜14%
・6室のアパート(空室1室)
・販売額2,000万円
・築40年
・管理は不動産屋

一見、好条件のように思いますが、いかがでしょうか?

素人が手を出すには難しい物件です。
管理が不動産屋ということは管理料5%が利回りから引かれます。そのほかに、固定資産税が1%引かれるとすれば利回りは5〜8%です。

さらに空室が出れば-2%、新規入居者募集のためにリフォームすれば利回りはもっと下がります。築40年なので、雨漏りや床の傾き補修などの修繕費が発生すれば利回りは赤字です。

購入する前に、終始計算を10年分くらいしてから考えましょう。

Q2.付き合いのある不動産屋の社長に「この物件を買おうと思っている」と話すと「これはあまり良くない」と言われることがあります。信じてもいいのでしょうか?

不動産屋は物件を紹介して仲介手数料を得ます。その機会を自ら手放しているので、対象物件は何らかの問題があったのでしょう。例えば管理が悪いとか、賃料が高すぎるといったことです。信用していい業者だと思います。

Q3.「住宅ローンで不動産投資を行わないか」と不動産屋さんに持ち掛けられました。これは違法行為ではありませんか?こんな提案をする不動産会社とは関わらない方がいいでしょうか?

投資用物件を住宅ローンで購入することは、厳密にいうと違法です。
銀行にバレると一括返済を迫られる可能性もありますし、あなたが将来住宅ローンや不動産投資ローンを組もうと思っても、不正の履歴が残り審査が通らなくなります。

不動産業者は売るためにいい加減な提案をしてきますが、責任を取るのはあなたです。
そのような業者とは今後関わらないのが身のためでしょう。

まとめ

以上、不動産業者はなぜ自分たちで不動産投資をしないのか?その理由を詳しく説明しました。

  • 不動産投資をやらない、不動産投資をやることができない理由とは?
  • 1.長期の小さい利益(キャッシュフロー)より、売買や仲介による短期の大きな利益が優先だから
  • 2.不動産転売に関する知識はあっても、不動産投資に関する知識がないから
  • 3.営業マンは安定性に欠けるとみなされ、銀行からの融資が出にくいから
  • 4.古い体質や考え方の経営者が多いので、目先の利益を追いがちだから

当然、中には不動産投資を行っている業者や営業マンも存在しますが、やっている方はすごく少ないです。特に1つ目の「長期で小さい利益よりも、短期で大きな利益を追う方が優先」といった理由が大きいように私は感じます。

いかがでしたか?「不動産のプロである不動産業者がしない不動産投資に、素人の自分が手を出しても大丈夫なのか?」といった疑問や不安を解消できたのではないでしょうか?

ほかにも不動産投資初心者は様々な疑問を抱くことと思いますが、「不動産投資の学校」の記事をご参考にしたり、直接不動産投資セミナーに参加して少しでも疑問や不安を解消され不動産投資を始めるためのステップになることを願っています。

また、この記事からは不動産投資に関する知識を身につける重要性も感じていただければ幸いです。

下記の記事は、初心者向けに不動産投資の3ステップ勉強法を解説しています。投資へのモチベーションを高めることができるので、ぜひ参考にしてみてください。

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