不動産クラウドファンディングの仕組みと成功のポイントとは?【図解付】

最近、「クラウドファンディング」という言葉をよく見かけるようになりましたが、クラウドファンディングを通して不動産投資ができる「不動産投資クラウドファンディング」をご存じでしょうか?

不動産投資クラウドファンディングとは、簡単にいえば、出資者を募り、共同で収益物件を購入する新しい不動産投資スキームです。「1万円から始められる」という手軽さから、不動産投資が未経験の人にも人気を集めています。

ただ、

  • 「不動産投資クラウドファンディングって、どういう仕組み?」
  • 「どんなメリット・デメリットがあるの?」

と思われた人もいるでしょう。

そこでこの記事では、不動産クラウドファンディングをテーマに

  • どんな仕組みか?
  • 魅力とリスクは?
  • 成功するポイントとは?

について、10冊以上の不動産投資に関する書籍に携わった経験があり、自身も投資歴10年以上ある著者が徹底解説します。

この記事を読むことで、不動産投資クラウドファンディングの魅力と注意点、初心者が成功するうえでどんな点を押さえておくべきかということがわかります。まだまだ歴史が浅い投資手法ですので、きちんとリスクも把握しておくことが重要です。

本記事が「不動産投資クラウドファンディングで稼ぎたい!」という方のお役に立つことができれば幸いです。

1.不動産投資クラウドファンディングとは? その仕組みをわかりやすく解説!

不動産投資クラウドファンディングとは? その仕組みをわかりやすく解説!

不動産投資クラウドファンディング」という言葉を初めて聞いた人、聞いたことはあるものの、どういった投資かよく知らない人のために、その仕組みをわかりやすく解説します。

1-1.そもそもクラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは、群衆(Crowed)と資金調達(Funding)を組み合わせた資金調達の方法です。インターネット上の専用サイトを通じて組織や個人が「実現したいプロジェクト」を発表し、賛同してくれた人から広く資金を集める仕組みです。

クラウドファンディングは資金調達の方法や、リターン(返礼品)の有無などによって大きく3種類に分けられます。

  • ・購入型クラウドファンディング
  • ・寄付型クラウドファンディング
  • ・投資型クラウドファンディング

それぞれ詳しく見ていきましょう。

購入型クラウドファンディング

一般的に「クラウドファンディング」といわれた場合、最もイメージされやすいのが「購入型クラウドファンディング」です。

簡単にイメージをお伝えすると、商品やコンテンツ、サービスの開発などを実現するために資金が必要なプロジェクトオーナーが「こういうプロジェクトがあるので、ぜひみなさんに出資していただきたい」と専用サイトを通じて告知します。そのプロジェクトに賛同した人は、予め設定された支援金を前払いし、支援金に応じた「リターン」を得るという流れで進みます。

この「リターン」はプロジェクトごとにさまざまで、物品でもサービスでも構いません。

購入型クラウドファンディング_図解

購入型クラウドファンディングの資金調達の方法は2つあります。
1つが「オールオアナッシング型」。募集期間内に目標金額に達成した場合のみ、プロジェクト成功となります。もし1円でも足りなければ、プロジェクトは失敗で、支援したお金は支援者のもとに返されます。

2つめが「オールイン型」。こちらは募集期間内に目標金額に達しなくても、プロジェクトオーナーは期間内で集まった支援金を受け取ることができます。

購入型クラウドファンディングの代表的なサイトには、「CAMPFIRE」「READYFOR」「MAKUAKE」などがあります。

寄付型クラウドファンディング

「寄付型クラウドファンディング」の特徴は、「寄付」という言葉のとおり「リターンがないこと」。これが購入型クラウドファンディングとの違いです。被災地への支援、教育機会の拡充などの社会問題を取り扱ったプロジェクトに採用されることが多いです。

代表的なサイトには、「GOODMORNING」「READYFORチャリティー」などがあります。

投資型クラウドファンディング

「投資型クラウドファンディング」の特徴は、「株式や配当金」など、通常の投資のように金銭的なリターンが設定されていること。投資型クラウドファンディングは、大きく以下の3つに分けられます。

投資形態

詳細

株式型

個人ではなく企業が行う資金調達の一つで、個人投資家へ未公開株を提供する代わりに資金を募る仕組みです。簡単にいえば、「未上場の企業に対する株式投資」ということ。世の中には上場していないものの、社会的に価値のある事業やサービスを展開する会社は多くあります。そうした企業に投資できるのが株式型クラウドファンディングの魅力です。ただし、未上場なのでハイリスク・ハイリターンな投資であることに間違いありません。

融資型

別名「ソーシャルレンディング」と呼ばれています。簡単にいえば、企業の株を買うのではなく、個人投資家が銀行のように「融資」をして、その金利を得るのが特徴です。毎月の定期収入を得ることができるため、毎月コツコツとお金を貯めたい、利回りの良いクラウドファンディングに投資したい、という方には向いています。ただし、融資先が匿名化・複数化されており、貸し倒れリスクがゼロとはいえません

ファンド型 直接企業に投資するのではなく、「ファンド」で集約し、そこから企業に投資する仕組みです。メリットは、投資先の企業情報を把握することができ、投資家自身で判断が可能だということ。 ファンドを経由することで、複数の企業に投資することも可能な点も魅力です。

また、金銭的なリターンと合わせて、その事業で作られたモノやサービス、その割引券等が受け取れることもあり、金融商品としてだけでなく社会貢献性の要素が強いことが特徴です。

なお、融資型では「元本+利息」という形で利回りが計算されていましたが、ファンド型では売上に基づく分配金で利回りが計算されます。

1-2.不動産投資クラウドファンディングとは

クラウドファンディングについて大まかにわかったところで、本記事のテーマである「不動産投資クラウドファンディング」を解説します。

不動産クラウドファンディングには2種類ある

不動産クラウドファンディングには「投資型」と「融資型」があります。

  • ・不動産投資型クラウドファンディング
  • ・不動産融資型クラウドファンディング

この2つの違いを挙げると、以下のようになります。

  1. 不動産投資型クラウドファンディング
    →特定の不動産に対する出資を行う
  2. 不動産融資型クラウドファンディング(一般的に「ソーシャルレンディング」と呼ばれる)
    →ソーシャルレンディングは不動産を運用する事業者に対して融資(貸付)を行う

不動産投資クラウドファンディングの仕組み

不動産投資クラウドファンディングとは、ここまでお読みいただいた方ならイメージがつくと思います。

事業者(運営者)がインターネットを通じて個人投資家から資金を集め、その資金を元に不動産を取得・運用(賃借や売却等)し、得られた利益の一部を配当として投資家へ還元する仕組みです。

各案件は最初から運用期間が設定されているので、その運用期間が終わったら最初に約束していた利回りの分だけ分配金がもらえて運用終了となるのが一般的な形です。

不動産クラウドファンディング_図解

ちなみに、不動産融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の仕組みは以下のイメージです。右側が異なることがわかると思います。

ソーシャルレーディング_図解

1-3.不動産投資、REITとの違い

一般的な不動産投資の場合、物件探しから融資を経ての物権購入、入居者募集、賃料回収、修繕、売却などの、実業務は業者に依頼できますが、オーナーが主体的に取り組まなければなりません。

しかし不動産投資クラウドファンディングであれば、最初に投資する物件を決めれば、あとは配当を定期的に受け取るだけです。売買に関する契約事務、入居者管理や修繕などはすべて事業者に任せることになるので、オーナーが何か手を動かしたり、決定したりする必要がありません。

もちろんその物件の所有権を得られるわけではありませんが、不動産にまつわる面倒なことをすべてお任せすることができるのです。

REIT(不動産投資信託)と比較すると、REITが所有する不動産一覧を見ることはできますが、オーナーが売買する不動産を選ぶことはできません。
一方、不動産投資クラウドファンディングであれば、どの不動産に対して投資するか、自分で選ぶことができます。つまり「REITは売買する不動産を選べないが、不動産クラウドファンディングは選べる」という違いがあるわけです。

2.不動産投資クラウドファンディングの魅力

不動産投資クラウドファンディングの魅力

現在、初心者層の投資家からも多くの支持を集め、多くの事業者が新規参入を進めている不動産投資クラウドファンディング市場。その人気の理由について紹介します。

2-1.少額から始められて、運用期間中は何もしなくていい

不動産投資クラウドファンディングが人気の理由の一つが、少額から(1万円から)投資できることです。普通の不動産投資であれば、安くても数百万円、高ければ億単位の融資を組むことになり、基本的に頭金も物件価格の1、2割程度が必要です。しかし不動産投資クラウドファンディングなら1万円から始められるので、投資初心者に人気を博しているのです。

また、一度投資を行ったら運用期間中、細かく状況をチェックする必要がない手軽さも人気の一つです。

2-2.利回りが高く、元本割れリスクが低い

不動産投資クラウドファンディングの利回りは5~15%前後と、定期預金や個人向け国債と比べて圧倒的に高いです。また、運用対象の不動産は担保になるので、元本割れのリスクはかなり低いといえます。

2-3.REITやソーシャルレンディングよりも透明性がある

REITやソーシャルレンディングは投資家が直接運用不動産を指定することができません。一方、不動産投資クラウドファンディングでは購入する不動産の情報が開示されているため、投資家はその不動産を購入する感覚でプロジェクトを選ぶことができます。

2-4.資産家のリスクを低減させる「優先劣後方式」

不動産投資クラウドファンディングでは、「優先劣後方式」という仕組みを採用することで、投資家が負うリスクを低減させるスキームが多くの事業者で採用されています。

優先劣後方式とは、出資総額を「優先出資」と「劣後出資」の2つに分け、優先出資を投資家、劣後出資を事業者とするものです。

不動産の運用によって損失が発生した場合、損失部分を劣後出資から負担することで、損失額が劣後出資の割合以内であれば、優先出資である投資家に損失を与えることがなくなります。つまり、万が一投資したファンドに損失が発生した場合でも、投資家ではなく、劣後出資者である運営会社が先に損失を負担する仕組みです。

優先劣後_図解

3.不動産投資クラウドファンディングのリスク

不動産投資クラウドファンディングのリスク

とても魅力が多い不動産投資クラウドファンディングですが、リスクやデメリットもあります。

3-1.投資期間中はキャンセルができない

不動産投資クラウドファンディングでは、募集時点で運用期間が定められています。その期間が終了後に利回りの運だけ分配金がもらえるのが一般的なのですが、多くのケースではその期間中はキャンセルができません。もし急にお金が必要になったとしても、引き出せないというリスクがあるということです。

3-2.募集直後に満額になってしまうケースが多い

クラウドファンディングという仕組み上、「募集金額」が設定されているのですが、主要業者が募集している案件を見ると、そのほとんどが募集直後に満額到達、もしくは抽選になっています(2020年7月時点)。

特に人気の案件だと、募集金額の数倍規模の応募が殺到することも珍しくありません。それだけ魅力的な投資ということなのですが、投資したいと思っていてもなかなか実行できないのはデメリットといえるでしょう。

3-3.レバレッジが効かせられない

不動産投資では融資を受けることで、少ない資金でも大きなお金を動かす(=レバレッジ)ことができます。しかし、不動産投資クラウドファンディングでは融資を受けることができず、現金のみで投資しなければなりません。したがって、現金に余裕がない人はできませんし、ある程度の資金を投入しないとお小遣い程度しか稼げません。

不動産投資におけるレバレッジとはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

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4.不動産クラウドファンディングで成功するポイントとは?

不動産クラウドファンディングで成功するポイントとは?

  • 不動産クラウドファンディングで成功するためには、大きく「事業者」と「物件」選びが重要となります。

4-1.案件数、募集金額の規模を調べる

不動産投資クラウドファンディングでは、案件ごとに募集金額が定められており、その金額に達したら募集は締め切られます。当然、高利回りでリスクが低いと思われる物件は競争率が激しく、募集開始してすぐに締め切られることもあります。

したがって、投資案件や募集金額が多いほど、自分が投資したいときに投資しやすくなります。また、まとまった金額を運用したいのであれば資金を投入しやすいですし、複数の案件から比較検討して選ぶことができます

逆に投資案件の数や募集金額が少ないと、わずかな数の案件の奪い合いになったり、安定した資産運用ができなかったりします

4-2.開示されている投資不動産の情報が十分かどうかチェックする

不動産型クラウドファンディングのリスクを下げるためには、投資不動産の情報を確認する必要があります。例えば、以下のような情報です。

  • ・住所
  • ・築年数や面積
  • ・施工会社
  • ・運営会社
  • ・運営会社の財務状況
  • ・収支シミュレーション

注意したいのが、これらの情報を「どこまで開示するか」は案件によって異なるということ。もちろん、開示される情報量が多ければ多いほど、事前にどのようなリスクがあるのか知ることができるので、より開示情報が多い案件を選んでチェックするのが大切です。

4-3.事業者の社長を調べる

クラウドファンディングの世界はまだまだ新しく、悪徳業者も一定数存在するといわれています。実際、これはソーシャルレンディングの分野ですが、「みんなのクレジット」や「ラッキーバンク」など詐欺行為を行った事業者も出てきています。

事業者をチェックするうえでは、社長の経歴、評判を調べることも大切です。事業者の経営状態については、サイトのIR情報などで確認しておきましょう。

なお、事業者(サイト)の比較については以下の記事で詳しく解説しています。

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まとめ

1.不動産投資クラウドファンディングは1万円から投資ができる。運用期間中は何もする必要がなく、物件選定をして分配金を待つだけというシンプルな投資法

2.大儲けすることは期待できないローリスクローリターン寄りの堅い投資

3.リスクやデメリットもあるので、きちんと把握しておくことが重要

いかがでしたか。最近、不動産投資クラウドファンディングは注目を集めており、その勢いは今後さらに加速しそうです。リスクや手間は不動産投資よりも少ないですし、1万円から始めれられるので、気になる方は一度投資してみるのもいいかもしれません。

この記事を書いた人
山本ゆりえ

山本ゆりえ

ライター・編集者・大家。
木造アパート4棟、重鉄マンション1棟、区分マンション2戸を取得(3棟・区分2戸は売却済)。転貸のレンタルスペース1戸運営中。これまで購入した自宅は3戸。不動産投資の分野を得意とし、これまで関わった不動産関連書籍は100冊を超える。
執筆している記事:MONEY PLUSbizSPA!フレッシュ

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再建築不可物件の建築可能化プログラム

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