【不動産の相続手続き】読めば解決!~必要書類から費用まで徹底解説~

親からの不動産を相続することになると、さまざまな不安や悩みが出てくると思います。

  • 「どんな手続きが必要なのか?」
  • 「親が亡くなり土地を相続したいが、名義変更のやり方がわからない」
  • 「税金もかかるの? 安くすることはできないの?」
  • 「兄弟で相続する場合は、どのように手続きすればいい?」
  • 「そもそも、何をすればよいのかもわからない!」

こういった気持ちを抱くのもあたりまえのことです。

この記事に書かれている不動産相続に関する全体像をつかむことで、さまざまな不安を解消し、落ち着いて対処することができます。

この記事では、

  • 不動産の相続の手続き・流れ
  • 相続登記の手順
  • 相続税金や申告にかかること
  • 売却する場合の手続きや申告

といった不動産相続に関して徹底的に解説いたします。

相続税対策、節税に精通した浅野税務会計事務所の浅野和治税理士監修のもと、相続方法、手順から、税金に関して知っておくべきポイントをわかりやすく解説しています。相続に全く知識がない方でも「とりあえずこの記事で説明してあるポイントを理解すれば大丈夫」となるようにまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

以下の記事では、不動産にかかる相続税について更に詳しくご説明しています。併せてお読みください。

・不動産の相続税を節税するための対策を知りたい方はこちら。

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1.不動産の相続の手続き・流れ

不動産の相続の手続き・流れ

被相続人(亡くなった方)から不動産を相続することになった場合、どのようなことを行えばいいのでしょうか。その流れを見ていきましょう。

1-1.まず「相続するか」「放棄するか」を決める

この記事では、相続することを前提に解説をしていきますが。そもそも相続は必ずしなければいけないというわけではありません。相続の対象となる遺産は不動産や証券だけでなく、借金など負の遺産も含まれます。また、不動産といってもボロボロで再生が困難な場合や、費用が大きくかかりそうな場合、もしくは売却ができないような不動産の場合、相続したくないと思うケースもあるはずです。そのような事情があるようでしたら、放棄を検討するのも一手です。

ただし、相続を放棄する際には注意点があります。それは「相続人が亡くなって3カ月以内に手続きを行わないと、無条件で財産は相続することとなる」ということです。3カ月というと、あっという間に過ぎてしまいますので、しっかり頭に入れておきましょう。

相続を放棄する際の2つの方法

もし相続を放棄する場合、以下の2つの方法があります。

  • ・相続放棄

    「遺産を相続する権利をすべて放棄すること」を指します。例えば、借金などの負の遺産以外に預貯金や普通に住める家があったとしても、相続する権利を放棄することになります。そして、一度相続放棄を行うと相続放棄をした本人だけでなく、その子どもや孫も相続できなくなります。  

  • ・限定承認

    「相続財産の負債があるので相続放棄を検討しているが、実家だけは手放したくない」「借金があるので相続放棄をしたいが、思い入れのある美術品だけは相続したい」といったケースの際に使われるのが限定承認です。

    例えば、財産が1000万円、借金が200万円で、相続する際に限定承認を選択した場合、200万円の借金を弁済し、残った800万円の財産を相続することができます。ただし、限定承認を行う場合は、相続人全員の合意が必要となります。

相続放棄はどこで行う?

相続放棄を行う場合は、家庭裁判所で手続きを行いましょう。ただどこでもいいわけではなく、「被相続人の最後の住所地」にある家庭裁判所となります。

また、申請をする際には、被相続人の住民票除、相続人の戸籍謄本などさまざまな書類が必要になるので、事前に家庭裁判所に確認することをおすすめします。

1-2.「遺産分割協議」を行う

ここまでは、相続を破棄する場合をみてきましたが、相続する場合はどうでしょうか?

遺産を相続することに決めて、かつ相続人が複数人いる場合、誰が何を・どれくらいの割合で相続するかを決める話し合いを必ず行わなければなりません。これを「遺産分割協議」といいます。

遺産分割協議をしたあとは、相続の内訳を書いた「遺産分割協議書」を用意します。ここには相続人全員の署名と実印が必要になります。作成した遺産分割協議書は相続人がそれぞれ1通ずつ所有します。この書類は、不動産の相続登記や銀行で被相続人の預貯金を引き出す際に提出が求められるので、大切に保管しておきましょう。

1-3.「相続税」の申告を行う

相続税の申告期限は、被相続人の死亡を「知った日」の翌日から10カ月以内と定められています。10カ月のあいだに、以下の2つを行う必要があります。

  • (1)相続税をいくら支払うのかを算出した資料を税務署に提出
  • (2)税務署、金融機関、郵便局の窓口で相続税を納税

なお、納税は各自で行う必要があり、誰かが代表して立て替えて支払ってしまうと贈与税が発生する恐れがあるので注意しましょう。

相続税については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

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相続税対策はどうすべき?

「相続破産」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、財産を相続したにもかかわらず破産してしまうことで、特に複数の不動産を所有している人に陥りがちなリスクがあります。

相続破産を避けるためには、事前に対策を講じる必要があります。具体的な手法については、以下の記事で詳しくまとめているので、こちらもぜひチェックしてください。

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1-4.相続登記を行う

不動産を相続する場合、相続登記を必ず行わなければなりません。相続登記とは、不動産の名義を被相続人から相続人に変更する手続きのことです。

相続登記には相続税の申告のように期限はありませんが、相続登記を行なわないと不動産は自分のものになりません。それだけでなく、ほかの相続人の借金の差し押さえ対象になったり、売却されてしまうといったトラブルに巻き込まれる恐れもあります。

相続登記については、より細かい説明が必要になりますので、次項で詳しく解説していきましょう。

2.相続登記の費用・必要書類

相続登記の費用・必要書類

1章では、相続の手続きの流れを見てきましたが、ここでは実際に必要な書類や費用についてご説明します。

2-1.相続登記にはどんな費用がかかる?

まず、相続登記でかかる費用は主に以下の3つになります。

  • ・登録免許税
  • ・必要書類の取得費用
  • ・専門家(司法書士)に依頼する場合の報酬

登録免許税

1つ目は「登録免許税」です。これは、「相続登記を行う物件の固定資産税評価額の0.4%」で計算します。

例えば、固定資産税評価額が5000万円の物件の場合、5000万円×0.4%=20万円です。固定資産税評価額は、毎年5月頃にその不動産の所有者に対して市区町村から送られてくる「固定資産税の課税明細書(納税通知書)」に記載されていますので、そちらを確認して算出しましょう。

ただし、遺言書などがあって相続人以外が相続財産を取得する場合、
相続登記(を行う不動産の「固定資産税評価額」×2%)となり、さらに不動産取得税も原則かかります。

登録免許税

不動産取得税は、「土地=固定資産税評価額×3%」「建物=固定資産税評価額×4%」となっています。しかし、住宅用の土地であれば減額の特例があったり、建物についても住宅用であればさまざまな軽減の特例が用意されていたりします。こちらは各自治体のHPをご確認ください。

不動産取得税

必要書類の取得費用

2つ目は「戸籍・住民票・証明書などの提出書類を取得するときにかかる費用」です。これらはすべて合わせても数千円程度です。

専門家(司法書士)に依頼する場合の報酬

相続登記の手続きは、自分で行うことも可能ですが、手間と時間がかなりかかってしまうので、基本的には司法書士に依頼します。費用は10万円程度ですが、以下に挙げた依頼内容でどれだけ該当するかによって価格は変動します。

  • ・戸籍謄本等の身分関係書類の取得代行
  • ・遺産分割協議書の作成
  • ・相続で取得する物件が複数の場合
  • ・相続で取得する物件が複数の相続人による共有の相続の場合
  • ・登記を申請する法務局の管轄が複数の場合

※該当する項目が多ければ多いほど、報酬が高くなります。

なお、もっとも報酬に影響を与えるのは、「物件数」です。物件数が増えるほど登記の手間がかかるので、報酬も高額になります。

2-2.相続登記に必要な書類一覧

相続登記を行ううえで必要な書類は以下のとおりです。

ただこれはあくまで一例であり、状況によって必要な書類は異なります。どの書類を用意すれば良いのか分からない場合は法務局に相談すると良いでしょう。

【必ず必要な書類】

書類名

取得先

被相続人(亡くなった方)の⼾除籍謄本

被相続人の本籍地の役場

被相続人の住民票の除票

被相続人の最後の住所地の役場

相続人の戸籍謄本

相続人の本籍地の役場

申出人(相続人の代表、手続きを進める方)の氏名・住所を確認できるもの(運転免許証のコピーなど)

【必要になる場合がある書類】

書類名

取得先

対象不動産を取得する相続人の住民票

各相続人の住所地の役場

相続人全員の印鑑証明書

各相続人の住所地の役場

委任状

申出人と代理人の親族関係を証明する戸籍謄本。(親族が代理をする場合)

本籍地の役場

資格者代理人団体所定の身分証明書の写しなど(弁護士など資格者代理人が代理する場合)

被相続人の戸籍の附票(住民票の除票が取得できない場合)

被相続人の本籍地の役場

遺産分割協議書、印鑑証明書

なお、相続登記の手続きを司法書士に代行してもらう場合、印鑑証明書以外はすべて代理取得することが可能となっています。

2-3.相続登記を行わないことのリスク

相続登記は義務ではなく、期限もありません。しかし、相続登記をしないと以下のようなリスクがありますので必ず行うべきです。後々、トラブルにならないためにもなるべく早く相続登記を行うようにしましょう。

売却することや担保にしてローンを組むことができない

不動産の名義が被相続人のままだと、その不動産を売却することができず、また担保にして借金をすることもできません。つまり、相続登記をしないままだと、第三者に対して「その不動産は自分のもの」と主張することができないということです。

他の相続人に不動産を売却される恐れがある

遺産分割協議がまとまるまでは、その不動産は一時的に「相続人全員の共有状態」になります。ただ実は、この状態でも、相続人の誰かが自分の持ち分部分を第三者に売却することができます。共有状態での不動産の売却は購入者側の立場に立つと現実的ではないのですが、例えば他の相続人に嫌がらせをしようという気持ちで勝手に売却する可能性もゼロではありません。そうなった場合、即座に本来の所有者の所有権がなくなるというわけではありませんが、本来の所有者に名義を戻す手続きはかなり面倒な手続きが必要です。

時間が経つほど手続きが面倒になる

相続登記を放置していて、仮に相続人の誰かが亡くなってしまった場合、亡くなった相続人のさらにその相続人の協力が必要になってきてしまいます。時間が経つほど、協力を得なければいけない人数がどんどん増えていき、最終的には相続登記をすること自体がほぼ不可能になってしまいます。

以上のように、相続登記は放置しても何ひとつ良いことがありません。「期限はないし改めて考えよう」「義務じゃないから大丈夫か」などと思わず、相続後少しでも早く行うことを強くおすすめします。

3.相続した不動産の売却と確定申告

相続した不動産の売却と確定申告

相続の際にかかる費用や書類を見てきましたが、3章では相続した不動産を売却する場合、どうしたら高く売れるか?方法をお教えします。

また、相続した不動産が購入時より高く売れた場合には確定申告が必要になることも事前に知っておきましょう。

3-1.トラブルに巻き込まれず、高く売る方法

空き家になっている期間が長くなると、物件の状態はどんどん悪くなってしまいますし、放火や不審者の侵入などのリスクもあるので、短期間でスムーズに売ることも大切です。

不動産売却のポイントは以下の記事で紹介しているので、ぜひご参照ください。

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なお、注意点は「瑕疵担保責任」です。瑕疵とは、雨漏り、シロアリ被害、給排水管の不具合、土壌汚染、建物内で事故や事件があった、など通常の注意を払っても見つからない欠陥を指します。

売買契約の特約で、瑕疵担保責任を負う期間を限定することはできますが、売主が知っている情報を隠して売ると免責されません。違反した場合、損害賠償請求や、契約を解除される恐れがあります。

自分が一緒に住んでいなかった場合には、親の家について知っている情報は限られるかもしれませんが、「昔は庭に井戸があった」「雨漏りしたと聞いたことがある」「建物が傾いている」など、わかる範囲でいいので、知っている情報は不動産会社に伝えましょう。正直に伝えることが後々のリスク回避につながります。

3-2.相続した不動産を売った場合の税金

相続した不動産が購入時よりも高く売れた場合、「所得税」と「住民税」が課税されます。そして利益が出たときには、売却の翌年に確定申告が必要です。

税金の計算方法、「相続した家を売った場合」の税金の優遇制度、確定申告については以下の記事で詳しく取り上げています。

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4.まとめ

1.不動産の相続の手続き・流れは、「相続するか・放棄するかを決める」「遺産分割協議を行う」「相続税の申告を行う」「相続登記を行う」の4つに大別できる

2.相続登記でかかる費用は「登録免許税」と「戸籍・住民票・証明書などの提出書類を取得するときにかかる費用」「司法書士に依頼する場合の報酬」の3つである

3.相続登記は自分でも行えるが、手間や時間がかかるので司法書士に依頼するのがおすすめ

4.相続登記を行わないと、「売却したり、担保にしてローンを組むことができない」「他の相続人に不動産を売却される恐れがある」「時間が経つほど手続きが面倒になる」といったリスクがある

5.トラブルに巻き込まれず、相続した不動産を高く売るためには、できるだけ時間を空けず、「瑕疵担保責任」に注意することがポイント

いかがでしたか。不動産の相続は非常に稀有なイベントですので、わからないことも多いと思います。「面倒くさい」というイメージを持つ方もいらっしゃるでしょう。

ただ、不動産相続の全体像を理解することで、ぼんやりとした不安は解消されるはずです。この記事では詳しく取り上げられなかったテーマもいくつか紹介しているので、関連記事のリンク先の内容もぜひ知っていただければと思います。

不動産の相続税を節税するための対策を知りたい方は以下の記事から知ることができます。

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