ケーススタディから学ぶ! 【入居者リスク編】不動産投資のリスク&解決策

不動産投資を少しでも勉強したことがある人なら、不動産投資にはさまざまなリスクがあることをご存じだと思います。

とはいえ、具体的に「どのようなケースで発生したのか」、そして「どうすれば解決できたのか」という流れでリスクを把握できている人は少ないように感じます。

そこで、今回は「不動産投資のリスク&解決策」をテーマに全3回にわたってケーススタディを紹介します。

この記事では、対応を間違えると問題がさらに肥大化しやすい「入居者リスク」とその解決方法について、代表的な3事例を紹介します。

  • 具体的には、
  • ・騒音を出す入居者がいてクレーム
  • ・家賃滞納が続く
  • ・入居者が孤独死をした
    の3例です。

入居者リスクとその解決策についての知識は、不動産投資で成功するためには欠かせないものの一つです。ぜひご自身の投資に役立てていただければと思います。

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1. 【ケース1】騒音を出す入居者がいてクレーム

【ケース1】騒音を出す入居者がいてクレーム

  • 【投資家の属性】
  • ・20代、男性 Yさん
  • ・鉄道関連会社勤務、年収580万円
  • ・埼玉県在住、独身
  • 【物件のスペック】
  • ・埼玉県熊谷市
  • ・木造6戸
  • ・築37年

1-1. トラブル発生まで

Yさんが不動産投資を始めたのは、大学時代の友人からの勧めがきっかけでした。就職して丸3年が経ち、転職を考えていたとき、その友人に会ったYさん。「40歳までに不動産収入だけで食べていけるようにする」という友人の目標を聞き、自分もやってみようかな、と興味を抱くようになりました。

とはいえ、投資をした経験は一切なく、どこから勉強をしたらいいかわかりません。とりあえず、ネットの情報や書籍を手当たり次第読むことにしました。そして、不動産投資には「新築一棟」「中古区分」「賃貸併用」「地方高利回り」などさまざまな種類があり、情報の書き手によってアピールするポイントが異なることがわかりました。

どの手法を選ぶべきか検討した結果、Yさんは「高額すぎず、かつキャッシュフローが出やすい」という観点から築古の木造アパートを狙うことにしました。

それを決めてまもなく、資産運用の大規模イベントに参加した際に出会った業者の担当者と意気投合。Yさんはイベントが終わって2カ月後には、待望の築古の木造アパートをオーナーチェンジで購入することができました。

その物件は築40年近いということもあり、見た目はかなりボロボロでしたが、利回り14%で満室経営できれば毎月10万円近くのキャッシュフローが入ります。融資もそれほど厳しい時期ではなく、20代だったYさんでも会社の安定性や勤続年数からほぼフルローンに近い状態で購入することができました。

物件価格は1000万円代前半と割安で入手できたこと、物件がある埼玉県熊谷市は以前住んでいたので多少の土地勘があったことから、「自分にとって、こんなに好条件が揃った物件はまずないだろう」と購入に躊躇することはありませんでした。

しかし、問題は購入してから半年ほどで起こります。
その物件は家賃2万円代の地域最安値を謳っているアパートです。その家賃の低さから満室経営できていたのですが、入居者のなかに騒音を出す人がいるようでクレームが繰り返し来るようになりました。このままでは他の入居者に退去されてしまうとYさんは危機感を抱きました。

1-2. 解決方法

騒音トラブルを解決するために、Tさんはまず管理会社に連絡を取り、注意喚起をしてもらうことにしました。具体的には、1階のエントランス付近に騒音注意の張り紙をしてもらいました。

ただ、全入居者へのアナウンスになってしまうため、効果は得られず、相変わらず騒音に対するクレームは続きました。

そこで次に行ったのが、全入居者へのアンケートという形でのヒアリングです。その結果、騒音を出していたのは高齢者で、自分のテレビの音が大きいことに気づいていなかったことが判明しました。

しかし、直球でクレームが来ていることを伝えてしまうと、自覚のない高齢入居者には悪気がないので、不快な気分にさせてしまう可能性もあります。

そこで、Yさんは管理会社にお願いし、最初は不満を聞き出す形で話を聞きに行き、それとなくテレビの音を注意してつけっぱなしをやめてもらうように促しました。結果的に、訪問した日以降、クレームはなくなりました。

Yさんのケースのように、騒音トラブルが起こった際も、管理会社と意見交換をし、時には慎重に、時には積極的に改善活動をしてもらうことが大切です。

また騒音トラブルの場合、被害者だと思っていた入居者が単なるクレーマーである可能性も否定できません。ヒアリングする際は、必ず双方から話を聞いて客観的に判断するようにしましょう。

2. 【ケース2】 家賃滞納が続く

【ケース2】 家賃滞納が続く

  • 【投資家の属性】
  • ・40代、男性 Kさん
  • ・ITベンチャー勤務、年収800万円
  • ・愛知県在住、妻、子ども2人の計4人
  • 【物件のスペック】
  • ・三重県四日市市
  • ・戸建て
  • ・4LDK
  • ・築32年

2-1. トラブル発生まで

Kさんは40歳になったのを機に、それまで勤めていた大手メーカーを離れ、今の仕事に転職しました。「後悔だけはしたくない」ということで、よりチャレンジングな環境に自分を追い込むことにしたのです。

給料は前職とほぼ変わらないものの、今後が期待できるベンチャーの営業部長に抜擢され、Kさんはやる気と希望で満ちていました。

ただし、懸念はやはりお金です。上の子が中学受験を考えるようになり、毎月の塾代がかなり家計を圧迫するようになっていました。この状況で、下の子も受験をしたいと言い出したら、それこそ火の車になってしまいます。とはいえ、親心としては十分な教育を受けさせたいと思うもの。Kさんは、本業以外で収入を得る方法を模索しました。

最初に候補としてあがったのが株式投資です。少額でも始められ、当たれば大きな利益が出ます。しかし仕事漬けの日々を送っていたKさんにとって、こまめにチャートや経済ニュースを確認する時間的余裕がありません。FX、仮想通貨なども同じ理由で断念しました。

このような流れの中で、Kさんが不動産投資に興味を持ったのは、ある意味で必然的だったといえます。物件購入までは現地確認や契約手続きなどで時間を取られることもありますが、週末をうまく生かすことで対応できます。

Kさんは長期的に規模を大きくすることを視野に入れ、まずは手元のキャッシュを増やすため、築古の戸建てを現金で購入し、ある程度運用しながら売却益を狙いに行くという戦略を立てました。

収益不動産サイトから物件を探し、築32年、180万円の戸建てを購入することができました。場所も自宅から車で通える範囲で、さらには賃貸経営の経験を早く積みたいという思いがあったので、Kさんは自主管理を選びました。

オーナーチェンジで買ったその物件は、最初の1年ほどは購入前から住み続けている入居者がそのまま住んでいたため、順調にキャッシュフローが出ていました。

しかし、1年2カ月経ったタイミングで家賃が振り込まれなくなります。おかしいと思い、電話をかけたりもしたのですが、音信不通。入居者が高齢であれば孤独死などの不安もありますが、その入居者は30代後半で普通に働くサラリーマンです。Kさんが購入時に会ったときも非常に好印象で、何か問題を起こすような人には思いませんでした。

そのまま滞納は続き、気づけば3カ月以上が経っていました。

2-2. 解決方法

なかなか連絡がとれないので何度か現地に行ったところ、ようやく入居者と会うことができました。話を聞くと、どうやらリストラにあって家賃が払えなくなってしまったとのこと。Kさんは慎重にヒアリングしながら、保証人である親と話してもらい、立て替えることになりました。

家賃滞納の対策は、「保証会社への加入を必須にすること」です。管理会社と契約していれば、「家賃保証必須」という条件にし、Kさんのように自主管理の場合は、客付け会社から申し込みをしてもらうようにしましょう。

今は保証会社の種類が増えていて、外国人専門などもあるほどです。また、自主管理向けに大家個人で契約できる家賃保証会社もあるので、自身の投資に合わせて調べてみてください。

3. 【ケース3】入居者が孤独死をした

【ケース3】入居者が孤独死をした

  • 【投資家の属性】
  • ・40代、男性 Fさん
  • ・薬局勤務、年収850万円
  • ・大阪府在住、妻、子ども1人の計3人
  • 【物件のスペック】
  • ・岐阜県岐阜市
  • ・重量鉄骨12室
  • ・2LDK
  • ・築23年

3-1. トラブル発生まで

Fさんが運営している物件は、購入してから3年以上、高い稼働率をキープできています。客付会社の力のおかげで、周辺にライバル物件はそれなりにあるものの、客付けに苦戦することはありませんでした。

Fさんの物件で起こったトラブルは、孤独死です。10年近く住んでいた80歳過ぎの男性の部屋から「異臭がする」という問い合わせが入り、管理会社が確認したところ自然死しており、すでに亡くなって1週間が経過している状況でした。夏場ということもあり臭いはひどく、部屋は大きく損傷していたそうです。

3-2. 解決方法

損害費用を算出したところ、その費用は200万円以上にも及びました。

ただ、その一部は保険の汚損破損を使うことができました。現在、多くの損害保険会社は火災保険の特約として、「不足かつ突発的な事故」による汚損・破損補償を用意しています。Fさんはその補償を活用したのです。

とはいえ、すべてを賄えるわけではありません。特に臭いは対象外です。また、未払いの家賃は遺族に請求できたものの、孤独死の場合は自然死なので原状回復費は請求できません

3-3. 対策法

孤独死の対策法としては、まず高齢者を入れる場合、緊急連絡先を確認したうえで以下を必須とするのがいいでしょう。

  • 孤独死保険
    孤独死保険とは、その名のとおり、人が孤独死をしてしまった場合に生じる損害や、さまざまな必要経費を補償するための保険です。「オーナー側が加入するもの」と「入居者側が加入するもの」の2種類があります。
  • 高齢者見守りサービス
    もともとは高齢の両親がいる家族が健康状態を把握したり、トラブルに巻き込まれていないか確認したりするために活用するサービスです。「訪問型」「センサー型」「オート電話・オートメール型」「カメラ型」「宅配型」など、サービスの種類は多様化しており、個々のライフスタイルに合わせて選択できるようになっています。

このほか、働いている子どもを連帯保証人とするというのもリスクヘッジとなります。

3-4. 告知義務

事故物件になってしまった場合、どういった告知義務があるのでしょうか。

まず、自然死で早期発見された場合、告知義務はありません。ただし、聞かれた場合は正しく答える必要があります。実際、多くのオーナーや不動産会社は「自然死で早期発見なら、聞かれない限り告知しない」というスタンスでいるのも事実です。
なお、殺人・自殺・遺体の腐敗の場合、告知義務はあります。

いつまで告知義務を続ける必要があるのか、という点についてはグレーな部分が多いといえます。その地域の慣習もあるので、管理会社と相談するのがいいでしょう。

また事故物件とはいえ、家賃を下げれば入居する人は必ずいるものです。逆にいうと、一旦は相場以下に家賃を下げなければ、埋まりにくいという点もあります。

まとめ

1. よくある入居者リスクの例として、「騒音を出す入居者がいてクレーム」「家賃滞納が続く」「入居者が孤独死をした」の3点が挙げられる

2. 上記の教訓をまとめると、主に以下のとおりである。

  • ・騒音トラブルが起きた際には、まず管理会社に連絡を取り、注意喚起をしてもらう
  • ・それでも効果がなければ、全入居者へのアンケートという形でヒアリングを行う
  • ・騒音トラブルの場合、被害者だと思っていた入居者が単なるクレーマーである可能性も否定できないためヒアリングする際は、必ず双方から話を聞いて客観的に判断する
  • ・家賃滞納の対策は、保証会社への加入を必須にすること
  • ・管理会社と契約していれば、「家賃保証必須」という条件にし、自主管理の場合は、客付け会社から申し込みをしてもらうようにする
  • ・孤独死による汚損・損害の一部は保険の対象となる
  • ・孤独死の場合は自然死なので原状回復費は請求できない
  • ・孤独死の対策法としては、まず高齢者を入れる場合、緊急連絡先を確認したうえで「孤独死保険」や「高齢者見守りサービス」などを活用する
  • ・自然死で早期発見された場合、告知義務はない。ただし、殺人・自殺・遺体の腐敗の場合、告知義務がある。

いかがでしたか。不動産投資において、入居者リスクは「事後対応」と思いがちですが、必ずしもそうではありません。この記事に書かれていた事前対策法などを活用し、できるだけリスクを減らすことが重要です。

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