不動産賃貸業は個人と法人どっちがお得?法人化で大切な3ポイント!

この記事を読んでいる方は、

  • ・実際に大家としてアパート経営をしていて「不動産賃貸業」と「大家」の違いが気になる
  • ・ただの大家としてではなく「不動産賃貸業」として規模を広げていき安定した状態を作りたい
  • ・不動産賃貸業のことが知りたい
  • ・何かの投資を始めたくて漠然と不動産関係が儲かりそうだから調べてみた

などなど、いずれも「不動産賃貸業」に興味がある人ではないでしょうか。

不動産賃貸業はいわゆる大家業と同じです。実は不動産賃貸業には個人事業主と法人があり、税制や融資の種類で違いがあります。では、個人事業主と法人でどのような違いがあるのでしょうか?

この記事では不動産賃貸業における個人事業主・法人の違いを中心に、法人化までのステップ、法人化のタイミングなどの情報も合わせてお伝えします。

私自身、不動産賃貸業で生計を立てていますが(私のプロフィールはこちらをご覧ください)、もちろん法人化しています。そして、不動産賃貸業で長期的な安定した収入が欲しい、収益を拡大させたいと思う方には早めに法人化させることをお勧めしています。 なぜ、私が法人化を勧めるのか、なぜ早めがいいのかはこの記事を読んでいただければわかります。

この記事を読むことで、

  • 自分のやっている不動産賃貸業を法人化させるべきかどうか
  • どのタイミングで不動産賃貸業を法人化すれば良いのか
  • 法人化のために何が必要なのか
  • 不動産賃貸業を法人化する上での注意点
  • 不動産賃貸業を拡大し成功させるためのポイント

を知ることができます。

また状況別にステップを書いていますので、自分の状況に合わせて法人化した方が良いのかを判断していただければと思います。

以下の記事では、不動産仲介業と賃貸業の仕事内容の違いからそれぞれのメリットデメリット、収益の生み出し方の違いなどを、不動産業界が未経験の方にも分かりやすくお伝えします。

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1. 不動産賃貸業=大家さん?個人事業主と法人の違いはどこ?

不動産賃貸業=大家さん?個人事業主と法人の違いはどこ?

不動産賃貸業とは以下のように定義されています。

不動産賃貸業(ふどうさんちんたいぎょう)とは、自らが貸主となり、土地や建物などの不動産を賃貸して、賃料を得る事業。一般的に貸主のことを地主や大家などと呼ぶことが多い。不動産管理業と同様に、不動産賃貸業のみを営む場合には、宅地建物取引業法の免許は必要とならないが、国土交通省、任意の「賃貸住宅管理業者登録制度」がある。なお、不動産を自ら賃貸するのではなく、入居者の斡旋等を行う事業は不動産流通業に分類される。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「所有する不動産を賃貸し賃料を得る事業」、つまりアパートを持っている「大家」さんは自分では事業をしているつもりはなくても、不動産賃貸業を営んでいると言えるのです。

不動産賃貸業には個人事業主で営む方法と法人化して営む方法があります。会社を設立していない大家さんは個人事業主の大家さんです。サラリーマンが副業とで大家になった場合、法人化を検討する機会がなく、なんとなく個人事業主のままという人も多いのではないでしょうか。

2. 個人事業主と法人の違いはここ!お得に運営するならどっち?

個人事業主と法人の違いはここ!お得に運営するならどっち?

では、不動産賃貸業を法人化させる意味とは何でしょうか。ここでは個人事業主と法人ではどちらがよいのか、比較・検討するために個人事業主と法人の違いを12の項目で比較していきます。下図を見て税制や経費計上の違い、人件費・減価償却の扱いなどを確かめていきましょう。

個人事業主と法人ではどちらがよいのか -個人事業主と法人の違い-

それぞれの項目で違いがあり、一概に「こっちがお得!」と言い切れませんが、規模を拡大するにつれ、法人がお得な部分が多くなります。1・2棟を長く保有し拡大を視野に入れないなら個人事業主、売却益を視野に入れつつ事業を拡大したいなら法人のほうが良いと言えるでしょう。特に税率や経費計上の部分は法人のほうが優遇されることが多くなり、節税・利益拡大のためには法人化が欠かせません。

ただし、法人化すればなんでもお得というわけではありません。銀行に信用されるためにはキレイな決算書、最低2期以上の黒字決算書が必要です。確実に実績を積んでいれば法人が得になるということです。

融資を受けつつ規模を拡大させたいなら、なるべく早めに法人で実績を積んでいきましょう。

3. 不動産賃貸業で法人化するなら押さえたいポイント3つ!

不動産賃貸業で法人化するなら押さえたいポイント3つ!

不動産賃貸業で長期にわたり安定した収入を稼ぎたい、収益を拡大させたいと思っている人は法人化をおすすめするというのは前章で書いた通りです。ではどのタイミングで法人化すれば良いのでしょうか。

個人から法人への切り替えは何度も経験することはないですし、タイミングが良く分からない人も多いと思います。タイミングを間違えることを恐れて踏み切れない人もいるでしょう。

そこで、ここでは法人化のベストタイミングを見極める最も大切な3ポイントをご紹介します。少しでも事業の拡大を視野に入れているなら、必ずチェックしてください。

3-1.大切なのはタイミング!法人化はここがベスト

法人化は早めがお得!できれば最初から法人化しよう

不動産賃貸業で既に何棟か買い進めている人の中には、個人で借りるだけ借りてその後法人化、物件購入していこうと計画を立てている人がいるかもしれません。しかし、それでは銀行からの融資を受けられなくなってしまいます。

その理由は立ち上げた当初の法人は新設法人であり、資産管理法人のような位置づけだから。融資の評価基準が個人評価になり、上限まで借りていた場合は法人にしたとしても融資を受けられないのです。

そのため、これから始める人の法人化ベストタイミングはずばり「最初から」。大家(不動産賃貸業)はれっきとした事業であり、放っておいてお金が入ってくるような楽な投資ではありません。大家を始めるなら最初から拡大も視野に入れ、後回しにせず最初から法人設立に取り組んでほしいと思います。

副業から始める時も最初から法人化できる?

もちろんサラリーマンを続けながら法人化することも可能です。規模の拡大を考えているならキャッシュフローと自己資金の動きをきちんと考えた計画が必要であり、法人化というのはその一つの過程です。そのため副業から始める場合も法人化してから不動産事業に取り組むのがおすすめです。

法人化にはいろいろと資金がかかりますし、知識や準備が必要です。法人設立費用・経理や事務の複雑化、書類などの準備。これらがめんどくさいと感じるかもしれません。

しかし、必要にせまられた時にあわてて法人化しても融資をうけられない恐れがあり、とても不便です。スムーズな融資には法人の実績(最低でも黒字2期分)が必要になってくるので、やはり最初から法人化しておくほうが事業拡大しやすいでしょう。

また、個人から法人への移転は費用(不動産取得税、登記費用)がかかります。これは個人の時にも支払うものですので、個人⇒法人だと2重に支払いが発生することになり、費用面でも損をしてしまいます。融資・諸費用・事務的な手間、どの面からみても法人設立は早いほうが良いのです。

3-2.いつ法人化?タイプ別法人化目安はこれ!

これから始める人はすぐに法人化しておこう

まだ1棟も購入しておらず融資の相談も今からなら、先ほど述べた通り「最初から法人化」がベストタイミングです。「それほど拡大しなくてもいいけど…」という人も、あとから法人化する手間を考えると最初から法人化しておくほうがお得です。

ただし、最初の融資は個人事業主も法人も差がありません。1棟目の融資は人物・物件評価で判断されますので、さすがに1棟も所有していない、家賃収入もない状態で法人化はちょっと…という人は慌てなくても大丈夫です。近いうちに法人化することをしっかり頭に入れておいてください。

サラリーマン大家なら次の売買から法人に

すでに不動産賃貸業を営んでいる人、サラリーマン大家として家賃収入がある人は、次の売買から法人化するつもりで準備しましょう。

法人にできて、個人にできないことの最大のポイントは「規模の拡大」です。売却益を織り交ぜて事業規模を拡大するなら、法人化は避けて通れません。後回しにしても必ず法人化を視野に入れる時が来るので、なるべく早い段階で法人化しましょう。

次の売却や購入の段階から法人として行動できるようにしておけば実績を早めに作ることができ、規模拡大のスピード感も高めることができます。

月間家賃収入100万円を超えたら今すぐに!

借り入れがいくらあるかによっても違いますが、月間家賃収入100万円を超えようとしている人はすぐにでも法人化した方が良いでしょう。これだけ家賃収入がある人は税制面でも法人のほうが得ですし、ローンは法人化で黒字になっていればいるほど通りやすくなります。銀行からの信頼を得て融資を受けやすくするためにも早めの法人化が吉です。

これまでに述べた通り、個人事業主では銀行から融資を受けられる上限額があり、必要に迫られて法人化しても新設法人への融資は厳しくなります。スムーズな融資と規模拡大のために、すぐに法人化に取り掛かってください。

3-3.ここに注意!だまされてはいけない「1銀行1法人」&「資産管理法人(みなし法人)」

「1銀行1法人スキーム」は超危険な甘いワナ

1銀行1スキームとは、1つの銀行に対して1つの法人を作り、1つの物件を購入するという仕組みのことです。代表者の連帯保証を個人の信用情報に載せない銀行があるためこのような方法が可能になっています。物件の数だけ法人を作れば簡単に融資が受けられるとして一時期広まった方法ですが、私はこの方法をお勧めしません。

避けるべき理由は、手元に残るお金が少ないからです。1銀行1法人スキームで売却をしてキャピタルゲインを得た場合にお金は法人に入りますが、このお金を諸経費や業務委託などの名目で個人に移そうとしても、相応の名目がないと認めてもらえません。

また、1銀行1法人スキームの人は、割高で物件を買っている方が多いのも特徴です。1銀行1法人スキームで融資を受けられる銀行が限られているため融資基準が厳しく、本来割安ではない物件を買っている方が多く見受けられます。商売の原則は「安く買い、高く売ること」なのに、これでは原則にも反してしまいます。

複数の銀行に対して、債務があることを隠して借り入れをしているわけですが、銀行は調べようと思えば調べることができます。銀行に気づかれたときには詐欺罪に問われる可能性もあるのです。

業者や投資家の言うことを鵜呑みにして1銀行1法人スキームを短期拡大している人は、かなり危険です。私の言う法人化はこれではありません。抜け道を利用するのではなく、正当なやり方で法人化していきましょう。

実は個人と同じ扱いの「資産管理法人(みなし法人)」

「法人」とついているので、勘違いする人もいるかもしれませんが、「資産管理法人」で受ける融資と、事業者としてプロパーローン(事業性融資)は全く違います。

資産管理法人というのは、個人が持っている資産を管理するために設立したものですで、ここに融資する銀行は個人と同じように属性や資産背景を見て融資をしています。つまり、実態としては個人と同じなのです。不動産賃貸業の規模拡大のための「法人」ではありません。

上限金額まで融資を受けてしまうと、個人と同じなのでその後の借り入れが難しくなってしまいます。この資産管理法人(みなし法人)は事業性融資ではありませんので、十分気を付けてください。

4.法人化までの手順は?初めてでも安心の法人化フロー

これを見れば分かる!開業までの道のり5ステップ

開業の流れは以下の5ステップです。

  1. 定款作成―事業目的 所在地 出資金などを記載
  2. 定款認証―公証人役場でチェックしてもらい認証を行います。
  3. 登記書類の作成―申請書、印鑑届出書など複数の書類を作成
  4. 資本金払い込み 
  5. 会社設立登記―法務局に提出します。15万円か資本金の0.7%の費用がかかります。

やることはシンプルですが必要な書類が多く、確実に準備しておくことが大切です。また、法人用の印鑑は別に作成しておきましょう。 これは自分でやる人もいますし、専門家に依頼する人もいます。本業がある方は特に専門家に依頼しても良いと思います。

参考ですが自分でやる場合には、「ひとりでできるもん」や「会社設立できるかな」などを利用することもできます。

法人設立に必要な費用は25万~30万円

大まかな予測ですが、資本金とは別に設立費用として25万円~30万円ほどみておくと良いでしょう。

内訳は以下の通りです。

  • 定款に貼る収入印紙代
  • 定款認証手数料
  • 謄本交付手数料
  • 登録免許税
  • 印鑑作成費用
  • 登記簿謄本等発行手数料
  • 交通費
  • 行政書士・司法書士、社労士など専門家へ依頼する場合の費用

会社設立=資本金が必要というイメージがありますが、意外と手数料や書類・印鑑作成費用など細かい費用がかかります。これらの諸費用を必ず準備しておきましょう。

5. 「月間キャッシュフロー100万円」を目指すなら法人化を視野に

「月間キャッシュフロー100万円」を目指すなら法人化を視野に

私は自己資金がほとんどなく、両親からお金を借りて銀行から融資を受け、1棟目を購入しました。そこから約1年5か月で月間キャッシュフロー150万円にして、会社をリタイヤしました。キャッシュフローの重要性については以下の記事をご覧ください。

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今はキャッシュフローや家賃収入が少ない状態から、キャッシュフロー100万円以上を目指すのであれば、家賃収入は月300万円年間3600万円くらいはないと厳しいかと思います。 そうなると時期や手法によって異なりますが、今であれば大体3~4億くらいの物件の購入が必要だと考えられます。

前のセクションでもお伝えしましたが、個人で買う間は個人属性で評価されるので上限が来たら途中で必ず拡大は止まります。属性が高ければ借入金額はアップしますが、年収500万円くらいの場合には1億~1億5000万円ほどです。つまり、3~4億円の物件購入はできないのです。そこで法人で事業実績を積んで規模を拡大していけるかということを考えます。

繰り返しになるかもしれませんがポイントは、

  • 個人でも法人でも最初は人物評価、物件評価を軸に買い進めることになります。
    ただ、規模拡大するためには、法人化をして事業評価で融資の上限を無くすことが必要です。
  • 私は5棟から法人ですが、できれば法人は早めに設立し、少しでも早くから実績作りをしておきましょう。事業の実績として評価をしてもらえるのは最低でも黒字2期分の決算書が必要です。
    この2期分というのは最低限の実績なので、早めに法人化して良い実績をたくさん積んでおく方が後々融資を受けやすいなどのメリットがあります。
  • 法人としてプロパーローン(事業性融資)を引くためには「キレイな決算書」を作ることが必要です。「キレイな決算書」とは自己資本比率を高めていくことであり、自己資本比率を高めるためには、売却をおりまぜた戦略を取ることが、再現性が高い方法です。

です。

ですから、月間キャッシュフロー100万円という目標がある人は事業実績を積むために早めに法人化をするべきです。

そしてもう1つ、規模拡大をしてきたいなら

「売却益が狙える物件」(重要なのは物件は相場より割安に買うこと)を組み込み自己資金を調達しましょう。

6.まとめ

まとめ

  • ・不動産賃貸業には個人事業主と法人があります。
  • ・不動産賃貸業の規模拡大したい、安定した収益を長く出し続けたいと考えるなら、個人では必ず限度が来てしまいますので、早めに法人化しておくことが必要です。
  • ・不動産賃貸業を法人にするにあたっては費用がかかる、一部の人にはメリットを実感しづらいなどがありますので、自分にとって法人化が必要かどうかの見極めが重要です。
  • ・法人化する手続きは自分で行うこともできますし、専門家に頼むこともできます。自分の状況に合わせて選択しましょう。
  • ・不動産賃貸業を法人化するにあたっては1銀行1スキームや資産管理法人(みなし法人)には注意しましょう。
  • ・不動産賃貸業でスピード感を持って規模を拡大させて収益を上げるためには、「法人化してプロパーローンで融資を受ける→売却益を組み込みながら自己資本率を高めてキレイな決算書を作る→銀行からの融資を更にうけやすくする」という流れを頭に入れておきましょう。

不動産賃貸業で規模拡大をしようと考えているならば、法人化しておいた方が良いということは理解していただけたのではないでしょうか。税金の面においては優遇されていますし、法人で実績を積んで銀行との信頼関係を築くことができれば、融資が受けやすくなり、買い進めや規模拡大のスピードも早めることができます。

不動産賃貸業は事業です。サラリーマンの方も、副業だったとしてもできればお金を稼ぎたいと思っているはずです。そして私もやるからには利益を出してほしいと思いますし、長期的な安定した収入を稼いでほしいと思っています。法人化はそのためには、避けては通れません。

この機会にぜひ法人化への準備を進めてください。

以下の記事では、不動産仲介業と賃貸業の仕事内容の違いからそれぞれのメリットデメリット、収益の生み出し方の違いなどを、不動産業界が未経験の方にも分かりやすくお伝えします。

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