経験者が語る不動産売却で損しないコツ!相場や査定、業者選びの注意点を解説

売却をするなら、少しでも高く、そして安心できる業者に依頼したい……不動産の売却を考えている人なら誰しもがそう思うでしょう。不動産売却を何度も経験したことがある人は少数派のため、実際の手続きや注意点について不安を抱かれるのも無理はありません。

そこで今回は、

  • 不動産売却時の注意点
  • 「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の違い
  • 売却依頼をする不動産会社選びのポイント

を中心にお伝えします。

不動産売却は多額のお金が動くため、成功と失敗では大きな差が生まれます。また売却の場合、相続や資金繰りなど緊急を要する事情によって早急な対応が求められることもあるわけですが、そのときに一から知識を身につけるのは、時間的にも精神的にも難しいものがあるでしょう。 

アパート、区分マンションを複数棟所有し、不動産売却経験の豊富な筆者が、不動産売却時に知っておくべきポイントを解説します。

「自分はまだ売却のことは知らないで大丈夫」と思わず、不動産所有者なら誰しもが最低限の知識を持っておくべきだと考えます。この記事が皆さんの不動産売却の成功につながれば幸いです。

以下の記事では、売却時の相場やコスト、流れについてを知ることができますので合わせてご覧ください。

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1.不動産売却時の注意点

不動産売却時の注意点

不動産売買では数千万円、場合によっては億単位のお金が動きますが、売買契約が成立してからでは、「あの時、ああしておけば良かった!」と後悔しても後の祭りです。ここでは、一般的な不動産売却の流れをステップごとに分けて、それぞれの注意点をお伝えしましょう。

1-1.売却相場を調べるときの注意点

不動産を売却する際には、不動産会社に価格査定を依頼し、売却活動を行うのが一般的です。ただし、査定してもらう前に、売却相場がどれくらいなのか自身で把握しておく必要があります。

不動産の相場を調べるにあたって、最もお手軽なのが物件情報サイトで、売ろうと思っている物件と条件が近いものがいくらで売りに出されているかを調べることです。身近なところでは、SUUMO、アットホーム、Yahoo!不動産などが挙げられます。

SUUMO

suumo

アットホーム

at home

Yahoo!不動産

yahoo!不動産

不動産の価格には明確な決まりがないため、できるだけ多角的に調査してその平均を取るような姿勢が求められます。

しかし、そうしたサイトに載っている情報を鵜呑みにするのは危険です。特に売り出されて間もない頃は、特段売り急いでいるケースを除き、相場よりも少し高めの価格で売りに出されます。したがって、その情報が更新された日付を確認し、直近の情報であれば相場よりも高く設定されている可能性が高いと考えたほうがいいでしょう。

  • 【ポイント】
  • ・物件情報サイトに載っている情報を鵜呑みにしないこと
  • ・売り出されて間もない物件は、相場よりも少し高めの価格になっていることが多い
  • ・情報が更新された日付を確認する

これに関しては、以下の記事のなかで詳しく解説しているので、ぜひ合わせてお読みいただければと思います。

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1-2.査定してもらうときの注意点

不動産を査定に出す際には、相見積もりを取りましょう。不動産会社ごとに得意とするエリアや物件が異なるため、査定額とは不動産会社によって大きく変わるからです。

また、不動産会社によっては最初に実際で売れる価格よりも高値で査定を出して、そこで媒介契約を結び、「この価格では売れませんね」などと言って徐々に売却価格を下げる手法を採るところもあります。もしくは、手っ取り早く仲介手数料を取ることだけを考える会社という可能性もあります。

ですから、これまで何度も不動産を売却した経験があるのであれば、信頼のおける1社に査定を任せても構わないですが、大半の方はそうではないと思いますので、査定は複数の不動産会社に依頼しましょう。

また、査定価格の提示を受ける際には査定書をもらうようにしましょう。 口頭でのやりとりだと後々トラブルに発展する恐れがあるからです。

  • 【ポイント】
  • ・相見積もりを取ること
  • ・査定書をもらうこと

1-3.媒介契約を結ぶときの注意点

媒介契約には、一般媒介契約と専任媒介契約、専属専任媒介契約の3つがあります。これらにはどのような違いがあり、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

一般媒介契約

一般媒介契約の特徴は、「複数の不動産会社と契約を結ぶことができる」ということです。3つの媒介契約の中で「最も制限の少ない契約」といえます。

不動産の情報はできるだけ多くの人に見てもらったほうが成約の可能性は高まります。そういう意味で、複数の不動産会社に媒介を依頼できることは売主にとって大きなメリットといえるでしょう。また、媒介契約を結んだ場合でも、自分で買い手を見つけて買主との直接契約ができるという点も一般媒介契約の特徴です。

ただし、不動産会社側からすると、同じように売却活動しているライバルが複数いることになるので、いくら頑張っても他の不動産会社が契約を決めてしまう可能性があるわけです。加えて、販売状況の報告義務や契約期間がないため、売却が長引くかもしれません。つまり、他の2つの媒介契約と比べて、一般媒介契約では積極的に販売活動をしてもらえない恐れがあり、自由度が高い分、手間をかけてもらえない可能性もあるといえます。

また一般媒介契約では、「レインズ(指定流通機構)への登録が必須でない」こともデメリットといえます。レインズに登録された物件は、全国の不動産会社で閲覧が可能になるため、多くの人に不動産情報を届けることができるのですが、その登録が義務付けられていないのです。ただし交渉をする価値はありますので、媒介契約時に登録してもらえるようお願いしてみるといいでしょう。 

  • 【ポイント】
  • ・複数の不動産会社に依頼する
  • ・レインズへの登録を交渉してみる

専任媒介契約

専任媒介契約は、1社のみに依頼する媒介契約です。一般媒介契約とは異なり、1社としか媒介契約を結べないため、不動産会社も一生懸命販売活動してくれます。

また、売主に対して「2週間に1回以上の販売状況の報告義務が課せられている」こともメリットといえるでしょう。

加えて、レインズへの登録が義務となっている点も専任媒介契約のメリットです。自身で見つけた購入希望者へ不動産を売却することもできますが、媒介契約履行手数料が取られる可能性がありますので注意が必要です。

なお、専任媒介契約を締結することで、内装を彩るサービスや買取保証サービスなどを受けられたり、仲介手数料を安くしてくれたりする不動産会社も存在します。

専任媒介契約のデメリットを挙げるなら、一般媒介契約の逆で、販売活動が1社に依存してしまうため、営業力・宣伝力が弱い不動産会社に依頼してしまうと、なかなか決まらない可能性があることです。

  • 【ポイント】
  • ・専任媒介契約は1社しか選べないため、営業力や宣伝力のある不動産会社を選ぶ

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は、専任媒介契約と同様、1つの不動産会社と媒介契約を結びます。全体的なイメージとしては専任媒介契約の契約内容を厳しくしたものだといえるでしょう。

ただ、他の2つの媒介契約とは異なり、自分で買い手を見つけて契約するという行為は禁止されており、その場合は不動産会社を媒介業者として契約することになります。 

その他、レインズへの登録の義務が必須であり、依頼主に対する報告義務は1週間に1回以上と定められています。

  • 【ポイント】
  • ・レインズへの登録義務があり、依頼主への報告は1週間に1回以上行う

媒介契約の種類と特徴まとめ

ここまで、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の違いと特徴をまとめてきました。これらを表にすると、以下のようになります。

 

一般媒介契約

専任媒介契約

専属専任媒介契約

契約できる不動産会社の数

複数社

1社のみ

1社のみ

自分で買い手を見つけて買主との直接契約ができるか?

可能

可能

不可(契約不動産会社の仲介が必要)

レインズへの登録

任意

必須(7日以内)

必須(5日以内)

販売状況の報告

なし

2週間に1回以上

1週間に1回以上

契約期間

なし

3カ月

3カ月

結局、どの媒介契約を選べばいい?

「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つの中から、どれを選ぶかは売主が自由に決めることができます。

ただ、多くのケースでは「専任媒介契約」が選ばれているようです。不動産ポータルサイトLIFULLHOME’S(ライフルホームズ)が、2015年に調査した実際に家を売却した男女20〜50代の480人が選んだ媒介契約の割合によると、以下の2つがわかります。

  • ・専属専任媒介契約(42.7%)、一般媒介契約(35.8%)、専任媒介契約(21.5%)の順に選ばれている
  • ・売却活動を依頼する不動産会社が1社(専任媒介契約・専属専任媒介契約)なのか、複数社(一般媒介契約)なのかで分けると、全体の6割が不動産会社1社にしか売却活動を依頼していない

この理由は、一般的には、専属専任媒介契約は縛りが多く、一般媒介契約は売却に時間がかかる可能性が高いからと考えられます。

住まい売却時の媒介契約

引用:LIFULL HOME’S(2015年に実施したアンケート)

「専任媒介契約」は1社に絞って媒介契約を締結するため、積極的に営業活動をしてくれるという点が魅力的です。 また、不動産会社としても他に仲介手数料を取られる心配もないため、一般媒介と比べて力を入れやすいといえます。

ただし、1社に絞り込む分、失敗はできません。不動産会社選びにはより慎重になる必要があります。

2.売却依頼をする不動産会社選びのポイント

売却依頼をする不動産会社選びのポイント

自分の不動産がいかに速く、いかに高く売れるかという不動産売却の成否は、不動産会社選びにかかっているといっても過言ではありません。ここでは、不動産会社の選ぶ際のポイントを解説します。

2-1.大手と中小の特徴を把握する

不動産会社といっても、大手から中小まで規模はさまざまです。一般に、大手のほうが信頼感はありますし、自社内に抱えている見込み客の中から購入希望者を見つけてくれることも期待できます。しかし、大手に頼めばいいとは限りません。仲介手数料欲しさに売り急ぐ業者もいれば、取り扱っている案件が多すぎて雑な対応をする業者もいます。

逆に、小さい不動産会社であっても、地元密着型で物件周辺の有益な情報を持っていたり、親身になって相談に乗ってくれたりもします。

ですから、会社の規模で一概に判断するのではなく、自身の物件に対してどんな販売活動を行ってくれるのかを判断する必要があります。

2-2.免許番号や行政処分情報でチェックする

公的な情報を利用することで、不動産会社についてチェックする方法があります。

免許番号のカッコ内の数字を確認

1つめは「宅地建物取引業の免許番号」です。これは、不動産会社の広告やHPの会社概要などに「国土交通大臣(4)第1234号」「東京都知事(2)第12345号」などと書かれています。複数の都道府県に事務所があれば国土交通大臣の免許になり、1つの都道府県だけなら知事の免許となります。

ここでチェックしたいのは、真ん中の( )の中にある数字です。これは免許の更新回数を示しています。免許は5年ごとに更新されるため(1996年3月以前は3年ごと)、数字が大きいほど営業年数が長く、それだけ経験もあると考えることができます。

もちろん、営業年数が長ければいいというわけではなく、逆に短くても優秀な会社や担当者はいます。あくまで参考情報の一つとして考えていただければと思います。

行政処分歴をチェック

「宅地建物取引業者名簿」には、役員の指名や兼業の有無、過去の行政処分歴などが確認できるため、不動産会社の概要を知るには有益な資料です。

この名簿は、国土交通省の地方整備局、都道府県の不動産業を所管する部署、なかにはインターネットで検索できる都道府県もあります。

また、「国土交通省ネガティブ情報等検索システム」では、社名や期間などで検索すると、行政処分の内容や処分の種類を確認することができます。行政処分を受けた業者が必ずしもN Gとは限りませんが、比較材料の一つにはなるでしょう。

国土交通省ネガティブ情報等検索システム

2-3.直近の販売実績があるどうかのチェック

依頼しようとしている不動産会社に直近の販売実績があれば、顧客を既に抱えている可能性があり、売却ノウハウが蓄積されている可能性があります。

不動産会社と一口に言っても、不動産会社の業務は「売買仲介」「賃貸仲介」「管理」に大別でき、さらに大規模の会社になると「買取転売」「マンション・戸建の分譲開発」「収益物件の保有」が加わってきます。

したがって、不動産会社のなかでも売買をメイン事業にしている業者と片手間で行っている業者があるのです。当然、前者のほうが経験が豊富で実績もあるため、依頼するのなら前者を選んだほうがいい、ということになります。

2-4.営業マンの迅速さ・丁寧さ・正確さをチェック

その他、担当者の迅速さ・丁寧さ・正確さがあるかどうかはもちろん重要です。迅速さは、一括査定サイトで依頼したのであれば1~2営業日以内に査定の結果が来ないと遅いといえるでしょう。丁寧さは電話やメールでのやりとり、正確さは査定額の根拠で見極めるといいでしょう。

3.まとめ

1.不動産売却時の注意点としては、主に「売却相場を調べるとき」「査定してもらうとき」「媒介契約を結ぶとき」がある

2.媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」があり、多くのケースでは「専任媒介契約」が選ばれている

3.売却依頼をする不動産会社選ぶ際には、「大手と中小の特徴を把握する」「免許番号や行政処分情報でチェックする」「直近の販売実績があるどうかのチェック」「営業マンの迅速さ・丁寧さ・正確さをチェック」がある

いかがでしたか。不動産売却は、物件によっては数百万円以上の差が出るほど重要です。ここでマイナスを出してしまうと、運用期間中にプラス収支だったとしても、トータルで失敗ということになりかねません。一般に「出口」は「購入」よりも重視されていませんが、同じくらい大切ということをぜひ知っていただければと思います。

以下の記事では、売却時の相場やコスト、流れについてを知ることができますので合わせてご覧ください。

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