不動産売却で失敗しない!売却時の諸費用・流れと基礎知識【保存版】

この記事は、主に以下のような方を対象としています。

  • ・相続を理由に土地の売却を考えている方

  • ・持ち家や親族の家を売る必要が出ているので、高く売る方法を知りたい方

  • ・不動産投資において、売却で規模拡大を考えている方

  • ・不動産は金額が高いので、失敗しないか不安な方

  • ・売却を考えているが、買い叩かれないようにしたい、失敗したくない。と考えている方。

不動産の売却は多くの人が未経験であり、かつ購入時のポイントよりも情報が少ないため、知識に自信がないという方も多いでしょう。

この記事では、

  • 不動産売却の相場感を知るためには?

  • 売却の際にかかるコストは?

  • 売却の流れは?

を中心にお伝えします。

不動産投資においては、売却をして初めて利益が確定します。
運営時にキャッシュフローが出ていても、想定していた売却価格を大きく下回ってしまうと、トータルで見て投資が失敗だったということになりかねません。
ついつい購入のことばかり目が行ってしまいますが、売却が成功しなければ元も子もありませんので、ぜひこの機会に売却の正しい知識を身につけていただければと思います。

以下の記事では、不動産売却の注意点や相場や査定、業者選びのポイントを詳しく解説しています。

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1.不動産売却の相場感を知るためには?

不動産売却の相場感を知るためには?

不動産の売却を考えている方なら、誰もが「少しでも高く売りたい」と考えるものです。しかし、そもそも高く売るためには比較対象となる「相場感」を把握していなければなりません。

では、どうすれば不動産の相場感はわかるのでしょうか。もちろん最終的な査定は不動産会社が行いますが、ここでは自分で相場を調べる方法を紹介します。

大きく分けて、以下の方法があります。

  • ・現在、売り出されている価格の調査

    物件情報サイトで近い条件の物件と比較して、相場を知る。

  • ・成約価格の調査

    過去の取引履歴を確認して、相場を知る。

次項からは、具体的な相場の調べ方を紹介します。

1-1.物件情報サイトで近い条件の物件と比較

不動産の相場を調べるにあたって、最もお手軽なのがSUUMOやアットホーム、Yahoo!不動産のような物件情報サイトで、売ろうと思っている物件と条件が近い物件がいくらで売りに出ているかを調べることです。

ここでいう「近い条件」とは、以下の項目を指します。

  • ・最寄駅
  • ・最寄駅からの距離(駅徒歩何分か)
  • ・広さ
  • ・築年数
  • ・間取り

上記の条件で検索し、ほぼ同じであればいいのですが、現実にはなかなか見つからないと思います。

そんな場合、広さが異なる物件の価格を比較するというのも一手です。具体的には、物件価格をその広さで割った金額である「平米単価」や「坪単価」を参考にします。

例えば、売りたい物件の専有面積が40平米として、近い条件の60平米のマンションが4200万円で売りに出ていたとします。このケースで平米単価が同じの場合、売りたい物件の相場を割り出すには、以下のように計算します。

近い条件の平米単価=4200万円÷60平米=70万円

売りたい物件の相場=70万円×40平米=2800万円

※なお、一般的には面積が広くなるほど総額が大きくなるため平米単価は下がります。

1-2.物件情報サイトの価格を鵜呑みにしてはいけない

物件情報サイトに掲載されている情報をもとに相場感を把握するのは一つの方法です。

しかし、そこに載っている価格をそのまま信用するのはリスキーです。

というのも、その価格は売主が「この価格で売りたい」という希望価格である可能性があるからです。特に売り出されて間もない頃は、特段売り急いでいるケースを除き、相場よりも少し高めの価格で売りに出されます。そのため、成約価格(売主と買主が最終的に合意して決めた契約時の価格。取引価格とも呼ばれる)は表示価格よりも低くなることが多いのです。

したがって、その情報が更新された日付を確認し、直近の情報であれば相場よりも高く設定されている可能性が高いと考えたほうがいいでしょう。

1-3.成約価格を確認する方法

成約価格を調べるとき、参考になるのが国土交通省の「不動産取引価格情報検索」です。

不動産取引価格情報検索

このサイトでの調べ方は、以下のとおりです。

  1. 時期を選ぶ
    左上にある「画面上で検索する場合(2014年1月〜直近)」もしくは「ダウンロードの場合(2005年7月〜直近)」で調べたい取引時期を選択します。

  2. 種類を選ぶ
    宅地、土地、土地と建物、中古マンション等、農地、林地から調べたい不動産の種類を選択します。

  3. 地域を選ぶ
    「住所から探す(地図を選ぶ)」と「路線・駅名から探す」のどちらかを選び、地域を決めます。

このサイトを使えば、簡単に成約価格を調べることができますし、国土交通省が運営しているということもあって情報の信頼性も高いです。成約価格を調べるときにはおすすめの方法です。

2.売却の際にかかるコストは?

売却の際にかかるコストは?

不動産を売却する際には、さまざまな費用がかかります。まず売却にかかるコストは以下となります。

  • ・仲介手数料
  • ・印紙代
  • ・抵当権抹消登記費用
  • ・売却利益に対する課税

具体的にどんな費用なのか、見ていきましょう。

2-1.仲介手数料

仲介会社を介して不動産売買を行う際には、仲介手数料が発生します。買主と売買契約を結んだときに半額を、物件を引き渡したときに残りの半額を支払うのが通常です。例えば、仲介手数料が100万円の場合、契約時に50万円、引き渡し時に50万円ということです。

仲介手数料の計算式は、以下のとおりです。

仲介手数料=(売買価格×3%+6万円)+消費税

なお、仲介手数料の金額については、宅地建物取引業法で以下のように上限が定められています。

売買価格

報酬額

200万円以下の部分

取引額の5%以内

200万円超400万円以下の部分

取引額の4%以内

400万円超の部分

取引額の3%以内

※売買価格には消費税を含みません。報酬額には別途消費税がかかります。

計算が面倒という方のために、仲介手数料(上限額)早見表を掲載します。ぜひ参考にしてみてください。

不動産売買金額

仲介手数料(税抜き)

1000万円

36万円

2000万円

66万円

3000万円

96万円

4000万円

126万円

5000万円

156万円

6000万円

186万円

7000万円

216万円

8000万円

246万円

9000万円

276万円

1億円

306万円

なお、仲介手数料には上限金額がありますが、不動産会社によっては上限未満の金額で済む場合もあります。

ただし、あまりに安い場合、不動産会社が売却手続きにほとんど介入せず、自分で手続きを行わなければならない可能性もあります。仲介手数料が安い分、そうしたリスクもあるので十分注意が必要です。

2-2.印紙代

売買契約書に貼る印紙代も不動産売却の際にはかかります。

なお、誰が払うかの取り決めはなく、一般的な不動産売買の契約書では、「契約書貼付する収入印紙は、売主・買主が平等に負担するものとする」と記載されています。基本的に、売主・買主それぞれが保有する契約書分を各自負担すると考えていいでしょう。

売買契約書に貼る印紙の金額は、契約書の記載金額、つまり物件の売買価格によって以下のように決められています。

記載された契約金額

税額

500万円超1000万円以下

5000円

1000万円超5000万円以下

1万円

5000万円超1億円以下

3万円

1億円超5億円以下

6万円

上記は、印紙税の軽減措置による引き下げ後の税率を記載(平成32年3月31日までに作成されるもの)。

なお、収入印紙は、郵便局や法務局の窓口のほか、「収入印紙売りさばき所」の指定を受けた店などで購入できます。

2-3.抵当権抹消登記費用

不動産を売却する際には、所有権を買主に移転する「所有権移転登記」が必要となり、その費用は買い主が負担します。ただ、住宅ローンが残っていた場合の「抵当権抹消登記」などの費用は売主負担となります。抵当権抹消には登録免許税のほか、司法書士に支払う報酬が必要になります。

抹消登記の手続きは、不動産一つにつき1000円なので、上物と土地の両方の場合は2000円かかります。また、司法書士に支払う報酬は1万〜10万円程度が相場です。

2-4.売却利益に対する課税

売却によって利益が出た場合、譲渡所得の課税があり、以下の式で計算します。

譲渡所得=売却価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除

なお、譲渡所得は「所得税」と「住民税」に課税され、ます。不動産の所有期間が5年以下の場合「短期譲渡所得」、5年を超える場合「長期譲渡所得」となり、それぞれにおいて所得税・住民税の税率が異なります。

  • 【短期譲渡所得:売却した年の1月1日現在で「所有期間5年以下」の場合】

  • ・所得税:30.63%

  • ・住民税:9%

  • 計:39.63%

  • 【長期譲渡所得:売却した年の1月1日現在で「所有期間5年超」の場合】

  • ・所得税:15.315%%

  • ・住民税:5%

  • 計:20.315%

例えば、以下の2つのケースで考えてみましょう。

  1. 2015年7月1日に取得し、2020年9月1日に売却した場合
    →所有期間は5年2カ月・売却した2020年の1月1日現在で4年9カ月経過 
    ⇒ 短期譲渡
  2. 2014年7月1日に取得し、2020年9月1日に売却した場合
    →所有期間は6年2カ月・売却した2020年の1月1日現在で5年9カ月経過 
    ⇒ 長期譲渡

以下の記事にて、「売却時にかかる税金」の詳細を解説しています。

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3.売却の流れは?

売却の流れは?

不動産売却の手続きや手順、流れを把握しましょう。一般的な売却の流れは以下となります。

売却の流れ

それでは、次項から流れに沿って解説します。

3-1.査定依頼・相場の把握

1. 不動産売却の相場感を知るためには?」で解説したような方法で、まずは自身で相場を把握しておきましょう。そのうえで不動産会社に査定依頼し、自身で調べた価格と大きなずれがないかどうか確認します。

平均値を知るためにも、ネット上の「一括査定サイト」を活用して複数業者に一気に査定依頼を出すのが賢いやり方です。

このとき、高い査定額を出してきた不動産会社に頼みたくなってしまいますが、それは危険です。相場より高い金額で提示して売主の興味を引きつけて関係性を築き、徐々に売れないからと言って価格を下げていくという方法で売る不動産会社がいるからです。

3-2.売り出し価格の決定

査定額はあくまで「市場で買い手が付きそうな価格」なので、その価格で売れるとは限りません。

基本的には査定額を基準にしつつも、売主の事情を踏まえて売り出し価格を決めましょう。

例えば、「今すぐ売れなくても大丈夫だから、少し高めに売り出して反応を見たい」というケースもあるでしょうし、「借金の返済や納税資金に充てるなどの理由で、早く売りたいから安めに設定する」というケースもあるでしょう。

近隣のライバル物件の動向などもありますので、担当者とご自身の事情を相談しながら売り出し価格を決めていきます。

3-3.仲介契約の締結

売り出し価格を決めたら、売却活動をしてくれる不動産会社と正式に仲介契約を結びます。

不動産会社を1社に絞って依頼する場合、契約の種類としては「専属専任媒介契約」か「専任媒介契約」の選択肢があります。また、複数業者に重ねて仲介を依頼する場合は「一般媒介契約」という種類の契約になります。

「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」についての詳細は、以下の記事のなかで詳しく解説しています。

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3-4.売却活動スタート・内見対応

仲介契約を締結後、物件を市場に売り出します。実務的な作業については業者側に任せることになりますが、方法としては「レインズによる物件情報の露出」「自社で管理するHP」「フリーペーパーや新聞や雑誌などに情報掲載」などが挙げられます。

なかなか売れない場合、お客さんの声や有用な情報を加味して販売戦略を練り直します。
内見希望のあったお客さんには対応し、気に入ってもらえたら条件交渉に進みます。

3-5.条件交渉・売買契約の締結

基本的には、価格交渉が入ります。売り手は値引き交渉に応じてもいいですし、市場で良い反応があるならば次の候補を待ってもいいでしょう。

交渉がまとまって希望者の購入意思が確定したら、書面による契約締結を行います。ここは専門的な知識が求められるので、不動産会社の指示にしたがって進めましょう。

3-6.代金の清算と物件の引き渡し

通常のパターンだと、売り手と買い手、それぞれの仲介業者、登記を行う司法書士がローンを提供した金融機関に集まります。買い手は契約に従って残額を交付します。これを受け取った売り主は、即座にローン提供の金融機関の担当者にかけあってローン残額の支払いを行います。  これで対象物件はローンがなくなります。 

ただ住宅ローンの場合、不動産は抵当権の抹消登記をしなければならないため、売り主側が用意した司法書士が動きます。

それと同時に、売り手と買い手は不動産業者を介して物件の引き渡し(カギはもちろん、住宅内の各設備の利用に必要な説明書類、保証書、マンションであればパンフレットなど)を行います。

4.まとめ

1.不動産売却の相場感を知るためには、「物件情報サイトで近い条件の物件と比較」や国土交通省の「不動産取引価格情報検索」の活用がある

2.売却の際にかかるコストは、「仲介手数料」「印紙代」「抵当権抹消登記費用」「売却利益に対する課税」などがある

3.売却の流れは、「査定依頼・相場の把握」「売り出し価格の決定」「仲介契約の締結」「売却活動スタート・内見対応」「条件交渉・売買契約の締結」「代金の清算と物件の引き渡し」がある

いかがでしたか。不動産売却については購入よりも優先度が落ちがちですが、出口で失敗したら元も子もありません。必要な知識は多岐にわたりますが、非常に重要なことなので、ぜひ繰り返し読んで身につけていただければと思います。

以下の記事では、不動産売却の注意点や相場や査定、業者選びのポイントを詳しく解説しています。

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