確定申告ってどうやるの?不動産投資家ならおさえておきたい手順と節税のポイント

会社勤めをしている方なら、会社が所得の源泉徴収や年末調整を行ってくれるため、確定申告をすることはないでしょう。そもそも自分が毎月どれくらいの税金を支払っているのか知らないという人も多いかもしれません。

  • 「確定申告は面倒そう」
  • 「できるだけ手間をかけたくない」
  • 「少しでも多く節税したい」
  • 「税務署から指摘されるのは避けたい」

といった思いを持つ人が大半なのではないでしょうか。

不動産所得が20万円以上であれば確定申告をしなければなりません。

また、赤字だとしてもお金が一部還付される可能性があるので、不動産投資している方は必ず確定申告を行うべきです。

確定申告は不動産投資の実績になるため、次の融資を受ける際にも重要な参考資料にもなります。

そこでこの記事では、

  • ・そもそも確定申告とは?
  • ・不動産投資をして確定申告する場合の必要書類とは?
  • ・確定申告書の提出方法
  • ・経費として計上できるもの・できないもの
  • ・確定申告で注意したい点
  • ・節税するための確定申告のポイントとは?

について、わかりやすく解説します。

この記事を読むことで、確定申告の流れ、ポイント、注意点などが短時間で理解できます。

収益物件を購入してこれから確定申告を控えている方はもちろん、これから不動産投資をはじめようとしている方も、遅かれ早かれ必要になる知識ですので、ぜひこの機会に確定申告の基礎を学んでいただければと思います。

本記事が「不動産投資で安定した収入を得たい」という方のお役に立つことができれば幸いです。

1.そもそも確定申告って?

そもそも確定申告って?

確定申告という言葉は、たとえ経験がなくても一度は耳にしたことがあると思います。とはいえ、改めて「確定申告とはなんですか?」と聞かれると、答えに窮してしまう人も多いのではないでしょうか。ここでは、確定申告の基礎知識をお伝えします。

1-1.1年間の儲けと納税額を申告するのが「確定申告」

確定申告とは、「1年間(1月1日~12月31日)の所得(売上から経費を差し引いた額)をとりまとめ、そこにかかる税金を計算し、税務署に納めるべき税額を報告する手続き」のこと。

簡単にいうなら、「今年の儲けはこれだけ出たので、税金はこれだけ納めますね」という報告を書類で行うことです。

確定申告は、原則2月16日~3月15日のあいだに税務署に申告・納税するまでがセットとなります。なお、期限日が土日や祝日の場合は、休日明けの平日が期限になります。

1-2.確定申告を行わなければならない人の条件は?

本記事は不動産投資を行う人を対象にしているので、詳細は割愛しますが、以下に該当する人は原則、確定申告を行う必要があります。

  • ・給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
  • ・1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
  • ・所得が38万円(基礎控除額)以上ある自営業やフリーランスなどの個人事業主
  • ・株取引やFXなどの譲渡益が38万円以上ある人
  • ・退職所得があり、退職した企業に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない人
  • ・地震などの災害に遭い、災害減免法で所得税の軽減または免除を受けている人

1-3.確定申告をしなかった場合どうなる?

確定申告は極端に言えば「儲けに対する税金の申告」です。なので、それを怠った場合、しかるべき税金を納めていないということになり、以下のようなペナルティが発生します。

  • ・納める税金に最高税率20%の無申告加算税がかかる
  • ・納める税金に最高税率14.6%の延滞税がかかる
  • ・青色申告特別控除の枠が最大65万円から最大10万円に減額される
  • ・2年連続で提出が遅れると青色申告の承認が取り消しになる

2.不動産投資をして確定申告する場合の必要書類とは?

不動産投資をして確定申告する場合の必要書類とは?

確定申告の概要がわかったところで、次はどんな書類を用意しておくべきなのか紹介します、

  • 自身で作成するもの(入手先は税務署、または、国税庁のホームページ)
  • ・確定申告書B
  • ・不動産所得用の青色申告決算書(白色申告の場合は収入内訳書)
  • 勤務先から入手するもの
  • ・源泉徴収票
  • 以下は、提出が必要ではないが、整理して把握しておくべきもの
  • 不動産会社から入手するもの
  • ・不動産売買契約書
  • ・不動産を売買した際の費用明細が分かるもの
  • ・家賃送金明細書(管理会社)
  • ・賃貸契約書(管理会社)
  • 融資を受けたところから入手するもの
  • ・借入金の返済予定表
  • 修繕をした場合、修繕を請け負った会社から入手するもの
  • ・修繕の見積書・請求書・領収書
  • 送付されてくるもの
  • ・固定資産通知書
  • ・火災保険
  • ・地震保険などの証券

3.確定申告書の提出方法

確定申告書の提出方法

2章では、確定申告で必要な書類についてご説明しましたが、この章では確定申告書の提出方法を解説します。

3-1.確定申告書を書く

確定申告書を書く前に、白色申告なら「収支内訳書」、青色申告なら「青色申告決算書」を作成しておきましょう。これらの書類を先に作成しておくことで、確定申告書を書くときの手間が大幅に軽くなります。

白色申告と青色申告の特徴は5章に記載しています。

3-2.確定申告書の提出方法は3つある

確定申告書が完成し、必要書類がそろったら税務署に提出しましょう。納税地を管轄する税務署については、国税庁のホームページで検索することができます。

国税庁HP「税務署の所在地などを知りたい方」

参照:国税庁「税務署の所在地などを知りたい方」

提出方法は3種類があります。

  • ・直接税務署に持参する
  • ・税務署に郵送する
  • ・e-Tax(イータックス)を利用する

最も手間がかからないのは、3つめの「e-Tax」なのですが、利用するための申請やICカードリーダーなど事前準備が必要です。

4.経費として計上できるもの・できないもの

経費として計上できるもの・できないもの

不動産投資を行う場合、賃貸経営を通じて支払った費用の大部分を、必要経費として計上可能です。 経費にできるものは種類が多いので、順番に確認していきましょう。

4-1.経費にできるもの

  • ・固定資産税・都市計画税
  • ・その他税金(不動産取得税、登録免許税、印紙税)
  • ・仲介手数料
  • ・司法書士や税理士への報酬
  • ・保険料
  • ・減価償却費
  • ・修繕費
  • ・管理委託費
  • ・広告宣伝費
  • ・ローンの金利
  • ・借地料
  • ・旅費交通費
  • ・通信費
  • ・事務用品費
  • ・新聞や書籍、セミナー費
  • ・接待交際費
  • ・消耗品費

各経費の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事

すでにアパート経営をしていて、収益物件を所有し、家賃収入を得ている方のなかには「確定申告をする際、どんな経費が認められているの?」「経費について知らないがゆえに税金を多く支払うのは避けたい」「申告を間違って、税務署から指摘される恐怖から解放[…]

4-2.経費にできないもの

続いて、経費にならない費用を理解しておきましょう。

  • ・事業に直接関係のない出費(プライベートの利用部分を除く)
  • ・所得税や法人税
  • ・反則金・罰金など

これらは経費にすることはできません。詳しくは上記と同じ、以下の記事で解説しています。

関連記事

すでにアパート経営をしていて、収益物件を所有し、家賃収入を得ている方のなかには「確定申告をする際、どんな経費が認められているの?」「経費について知らないがゆえに税金を多く支払うのは避けたい」「申告を間違って、税務署から指摘される恐怖から解放[…]

5.確定申告で気をつけたいこと

確定申告で気をつけたいこと

正しく確定申告するために注意点をお話しします。

5-1.青色申告にする場合、事前に申請書の提出が必要

確定申告には「青色申告」と「白色申告」があります。

下記に記載のとおり、青色申告のほうが節税メリットは大きいのですが、注意があります。青色申告を行うには、原則、青色申告で申告を行う事業年度の3月15日までに「青色申告の承認申請書」を提出する必要があります。

つまり、2021年(令和3年)分から青色申告したい場合、2020年3月15日までに申請書を提出しなければならないことになります。

したがって、収益物件を購入したタイミングによっては、1年目の確定申告は白色申告にならざるを得ないということです。

青色申告

青色申告は手続きが煩雑な分、節税効果が大きいことがメリットです。

具体的には、青色申告をすることで「65万円」もしくは「10万円」の控除を受けることができます。

65万円という金額は魅力的に思えますが、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 事業的規模(5棟10室基準)での不動産所得がある
  2. 帳簿書類を備え付け、取引内容の詳細を記録している
  3. 貸借対照表や損益計算書などの明細書を添付する

(1)の事業的規模の数字はあくまで目安なので絶対に必要な条件ではありません。家賃が高額な区分マンションを複数所有している場合などでも、金額的には事業規模に匹敵する可能性があるからです。保有物件数や年間家賃収入だけでは一概に判断ができないケースも多いので、少しでも可能性があれば税務署に相談しましょう。

また、(1)に当てはまらない場合、「65万円」の控除は受けられませんが、「10万円」の控除が適用されます。

青色申告のその他のメリットとしては、青色申告だと家族に支払う給与を必要経費として計上することができたり、損益通算をして赤字になった場合は翌年以後3年間、赤字を繰り越すことができたりします。

白色申告

白色申告は青色申告と特徴が逆で、手続きが簡単な分、節税効果が小さいことが特徴です。具体的には、申告期限に確定申告書と簡単な記帳による収支内訳書を税務署へ届け出ます。青色申告のように複雑な書類を作成したり、税務署へ申請したりする必要はありません。その代わり、青色申告をしたときのような特典が受けることができません。

青・白色申告

5-2.満期返戻金のある火災保険の保険料は全額経費にできない

収益物件を購入すると、火災保険に加入することになりますが、掛け捨てではなく保険期間が10年以上など長期間の場合、満期返戻金が設定されているものがあります。このような満期返戻金がある火災保険の保険料は経費にできません。

5-3.家賃滞納があったとしても収入に加えなければならない

入居者が家賃滞納をした場合、「未収金」という科目に計上して未払い家賃を申告しなければなりません。

6.節税するための確定申告のポイントとは?

節税するための確定申告のポイントとは?

この章では、不動産取得を節税するための確定申告の4つのポイントを見ていきましょう。

6-1.過度な「節税思考」を捨てて、税金はしっかり納めるべき

不動産投資は「事業経営」です。節税ばかりを考えて経営をしていると、赤字を出すことを目的にしかねなく、それでは不動産投資で収入を得るという目的とは矛盾します。

また赤字経営が続いていると、次の物件を買うときに「経営者としての力量がないな」と思われ、融資が受けにくくなる恐れがあります。

長期的に不動産投資を続けるのなら、節税思考を捨てて「儲けた分はしっかり納める」という考え方のほうが金融機関からの評価も上がりますし、税務署に指摘されるリスクも格段に減ります。

6-2.他の節税方法も検討する

節税するための方法は不動産投資だけに限りません。iDeCo(確定拠出年金)、ふるさと納税、法人化など他の節税方法を選ぶ方法もあります。これらと不動産投資の効果を比べて、有効またはローリスクなものを選びましょう。

法人化については、以下の記事で解説しています。

関連記事

この記事を読んでいる方は、 ・実際に大家としてアパート経営をしていて「不動産賃貸業」と「大家」の違いが気になる ・ただの大家としてではなく「不動産賃貸業」として規模を広げていき安定した状態を作りたい ・不動産賃貸業のことが知[…]

不動産賃貸業は個人と法人どっちがお得?法人化で大切な3ポイント!

6-3.税制についての理解を深める

所得税や法人税、相続税などの税制は、たびたび改正が行われます。毎年12月頃に発表される「税制改正大綱」を読めば、翌年度以降の税の仕組みがどう変わるかを知ることができます。新聞にも掲載されますので、自らが勉強し、税制について理解を深めましょう。

6-4.税理士に相談する

多くの方にとって税制は「よくわからないもの」だと思います。書籍やネットで身につけられる知識もありますが、一人ひとり事情が違うので、掲載されている方法が最適解とは限りません。また、「これでいいのだろうか?」という不安を抱くこともあるでしょう。

ですので、特に規模拡大を考えている人は、早いうちに一度税理士に相談するのがおすすめです。確定申告を依頼できることはもちろん、たとえ自分で行うとしても一度相談してみれば何かしらの学びがあるはずです。

7.まとめ

1.確定申告とは、「1年間(1月1日~12月31日)の所得(売上から経費を差し引いた額)をとりまとめ、そこにかかる税金を計算し、税務署に納めるべき税額を報告する手続き」のこと

2.確定申告を行わない、もしくは遅れた、経費を不正に計上していた場合、さまざまなペナルティが課される恐れがある

3.確定申告書の提出方法としては、「直接税務署に持参する」、「税務署に郵送する」、「e-Tax(イータックス)を利用する」の3種類がある

4.節税目的の不動産投資は中長期的に見れば失敗する可能性が高い。むしろきちんと納税していたほうが税務署リスクを回避できるだけでなく、金融機関からの評価も上がる

いかがでしたか。確定申告はたしかに「手間がかかる作業」という側面もありますが、「税金の仕組みを知るためのいいきっかけ」ともいえます。資産を築くには「税金との付き合い方」が非常に重要ですので、確定申告のポジティブな面も理解したうえで申請していただければと思います。

サラリーマン大家が確定申告する場合のポイントはこちらの記事をご参照ください。

関連記事

不動産投資をして家賃収入がある人の中には、確定申告について悩まれている方もいらっしゃると思います。 特に、サラリーマンの方は確定申告の経験が少なく、詳細が分からずに頭を抱えているかもしれません。また、間違って確定申告してしまった場合に、ど[…]

サラリーマン大家向け:家賃収入がある場合の確定申告4つのポイント
>再建築不可物件の建築可能化プログラム

再建築不可物件の建築可能化プログラム

「再建築不可物件」を使った不動産投資は、誰にでもできる簡単な方法でありません。 しかも、「投資」ですから、リスクはそれなりにあります。 それでも、リスクよりもメリットの方が大きいとも言えます。 その理由と、私たちの具体的なサポート内容などをセミナーでご説明いたします。 また、質疑応答の時間も用意しておりますので、ご不明な点はどうぞ遠慮なくお尋ねください。

CTR IMG