不動産投資に有利!~節税にも使える固定資産税の知識お教えします~

不動産投資に関心がある人、もしくは勉強している人なら、毎年発生するランニングコストとして「固定資産税」があることはご存じでしょう。

とはいえ、以下のような疑問をお持ちの方が多いと思います。

  • ・どれくらいかかるのか?
  • ・いつ・どうやって納税すればいいのか?
  • ・経費として計上できるのか?

ほかにも、次のような疑問もあるでしょう。

  • ・中古と新築、戸建て、マンション、アパートでは金額が違うのか?
  • ・不動産投資を拡大させたいが、固定資産税を節約したい。何とか安くする方法はないか?
  • ・不動産投資にかかるランニングコストには、固定資産税以外にどんなものがあるのか?

そこでこの記事では、

  • 固定資産税とは?
  • 固定資産税はいつ・どうやって支払う?
  • 固定資産税の計算方法
  • 物件別の固定資産税の目安
  • 固定資産税を軽減するための方法
  • 不動産投資で固定資産税以外にかかるランニングコスト

について徹底解説します。

この記事を読むことで、固定資産税の基礎知識が身につき、収支シミュレーションをする際の役にも立ちます。

不動産を所有していれば毎年かかる固定資産税。数十年所有すれば数百万円でかかるものですので、「固定資産税のことを考えていなかった!」という理由で予想外の出費になってしまうのが最悪のパターンです。不動産投資においては、固定資産税の正しい知識を身につけて損はありません。

本記事が「不動産投資で副収入を得たい!」という方のお役に立つことができれば幸いです。

1.固定資産税とは?

固定資産税とは?

固定資産税とは、不動産(土地や建物)を所有している限り、毎年かかる税金です。毎年1月1日時点に不動産を所有している人に対して課税されます。

例えば、2021年3月に不動産を購入した場合、2021年の固定資産税は前の所有者が支払う必要があります。とはいえ、前の所有者が支払うべき金額は決済日までなので、実際には決済日を基準に、売主が買主の所有する期間を日割り計算して、売主と買主の間で税金を清算することになります。

税額は市区町村が計算し、納税義務者に納税額を通知し、納税者はそれに基づき税額を納付するという流れが基本です。

1-1.固定資産税がかからない場合も!

固定資産税には「免税点」が設けられています。免税点とは、同一人が所有する土地、家屋、償却資産のそれぞれの課税標準額の合計額が、次の金額に満たない場合に課税の対象としないことを指し、免税点に満たない場合は、固定資産税は課税されません。

  • ・土地……30万円
  • ・家屋……20万円
  • ・償却資産……50万円

償却資産とは、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産で、その減価償却額もしくは減価償却費が、法人税法または所得税法の規定による所得の計算上、損金または必要な経費に算入されるものをいいます。要するに、一般的な自宅資産に付随する資産は対象外なので、それほど気にする必要はありません。

2.固定資産税はいつ・どうやって支払う?

固定資産税はいつ・どうやって支払う?

1章では固定資産税とは何かを解説しましたが、この章では、固定資産税の支払い時期と、支払い方法をご説明します。

2-1.支払い方法

固定資産税では、申告などの手続きは特に必要ありません。

支払い方法は、2つあります。

  • ・全4期分を「分納」する
  • ・「一括支払い」

どちらにするかは納税者が選ぶことができます。

ちなみに固定資産税は、分納でも一括支払いでも金額は変わりません。

分納の場合、納付期限は自治体によって異なりますが、多いパターンは1期から4期でそれぞれ6月、9月、12月、2月頃です。

納付方法は以下のとおりです。

  • ・口座振替の自動引落
  • ・市税事務所や金融機関での振り込み
  • ・コンビニでの支払い

なお、最近はクレジットカードでの支払いが可能な自治体も増えています。

2-2.支払うタイミング

前述したように、固定資産税は毎年1月1日時点に不動産を所有している人に対して課税されます。自治体は1月1日時点での登記情報を元に納付金額を計算し、不動産の所有者へ納税通知書を送ります。

納税通知書が手元にタイミングは、毎年4~6月頃です。このとき前述した「分納」か「一括払い」で納税することになります。

なお、納付時期を過ぎた場合、自治体から督促を受けることになり、延滞金の支払いが必要となるケースがあります。

さらに、納付期限から1カ月を超過した場合、税額に「特例基準割合+7.3%」を乗じた金額を延滞金として納める必要がありますので、期限を超えないよう注意しましょう。

3.固定資産税の計算方法

固定資産税の計算方法

次に、固定資産税の計算方法を解説します。

3-1.固定資産税は固定資産税評価額の1.4%

固定資産税は、3年に1度見直される「固定資産税評価額」が基準となります。

この「固定資産税評価額」と税率を掛けることで、固定資産税額は計算されます。計算式は以下のとおりです。

    固定資産税額=固定資産評価額×税率(標準税率:1.4%)

税率は自治体が自由に決めることができますが、実際には標準税額の1.4%を採用している自治体が多いです。

実際に計算をするときには、0.014を掛ければOKです。計算式は以下になります。

固定資産税額=固定資産税評価額×0.014

シンプルに「固定資産税は、固定資産税評価額の1.4%」と覚えておくのがいいでしょう。

ちなみに、固定資産税評価額がわかれば、固定資産税だけでなく、「都市計画税」「登録免許税」「不動産取得税」を計算するときにも使えます。計算式は以下のとおりです。

税金の種類

税率

固定資産税

固定資産税評価額×1.4%

都市計画税

固定資産税評価額×0.3%

登録免許税

固定資産税評価額×1.5%

不動産取得税

固定資産税評価額×4%

都市計画税は市町村が課す地方税のため、税率は市町村によって異なります。ただ上限が0.3%までと決められています。都市計画税の税率は、自治体のホームページなどに記載されているので確認しておきましょう。

3-2.固定資産評価額はどうやって調べる?

所有している不動産の固定資産税評価額を調べる最も簡単な方法は、毎年送られてくる固定資産税の納税通知書を確認することです。

固定資産評価額とは、自治体によって考え方が異なる場合があるので一概にはいえないのですが、課税基準額は国が発表している公示価格の70%程度が目安となります。

固定資産税課税明細書を紛失してしまった場合には、不動産を管轄する市役所などで取得できる固定資産税評価証明書を取得することで、固定資産税評価額を確認できます。

新しく購入する物件の場合は、計算がかなり細かくなるので、営業担当者に直接聞き出すのが最も簡単です。

以下の記事では土地の価格、公示価格について解説しております。こちらもご覧いただくと不動産売買において有利な知識が得られますのでおすすめです。

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4.物件別の固定資産税の目安

物件別の固定資産税の目安

ここまで、固定資産税とは何か?また計算方法をご紹介しましたが、実際にはどれくらいの固定資産税がかかるのでしょうか?

この章では、一戸建て、マンションなど物件別、新築・中古別にかかる目安を解説します。

4-1.固定資産税の目安は?

固定資産税はどのくらいかかるのでしょうか?

都市部であれば「都市計画税」もかかり、税率は、固定資産税・都市計画税合わせて通常 1.7%です。ただ後述するように、「住宅用の土地に対する特例」や「新築に対する特例」によって減免されるケースもあり、それを踏まえると税額は、「購入金額の0.5%~1%」程度が一つの目安です。

4-2.「中古」と「新築」、固定資産税が高いのはどっち?

築年数が経つにつれて税額が低くなっていきます。この理由は経年劣化などにより、建物の価値が下がっていくと考えられるためです。低くなるタイミングは、建物の固定資産税額が見直される3年ごとです。

したがって、単純に考えれば新築よりも中古物件のほうが固定資産税は低くなります。

しかし、新築物件は固定資産税の軽減措置を受けることができます。詳しくは後述しますが、この軽減措置により、中古物件のほうが固定資産税は安いと断定できません。

4-3.「戸建て」と「マンション・アパート」、固定資産税の違いは?

固定資産税の軽減措置には「小規模住宅用地の特例」という制度があります。小規模住宅用地とは、住宅用地のうち住居一戸当たりの200m2までの部分を指します。詳しくは後述しますが、「規模の小さな不動産からは、多額の固定資産税を取りません」という趣旨の特例です。この軽減措置を適用することで、戸建て、マンション・アパートともに固定資産税を圧縮できます。

強いていうならば、マンションやアパートは戸建てよりも当然、戸数が多いため、「小規模住宅用地の特例」の効果もより大きいといえます。つまり広い土地を所有している人なら、戸建てよりもマンションやアパートを一棟のほうが固定資産税は節税できるということです。

なお、以下の記事では土地における固定資産税を解説しています。土地活用を考えている方はご一読ください。

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5.固定資産税を軽減するための方法

固定資産税を軽減するための方法

固定資産税を軽減するためには主に2つの方法があります。詳しく見ていきましょう。

5-1.新築住宅の軽減措置

2022年3月31日までに新しく建てられた住宅については、固定資産税が軽減されます。軽減される税額の幅は、以下のとおりです。

  • ・新築戸建て……3年間、2分の1に減額
  • ・新築マンション……5年間、2分の1に減額
  • ・新築の長期優良住宅……5年間、2分の1に減額(マンションの場合は、7年間、2分の1)

ただし、以下の条件を満たす必要があります。

  • ・2022年3月31日までに新築された住宅であること
  • ・住宅の居住部分の床面積が50m2以上280m2以下であること
  • ・共同住宅の場合は居住部分の床面積に、廊下・階段などの共有面積を案分し、合計した床面積が50m2以上280m2以下であること
  • ・貸家物件で共同住宅である場合には、一戸につき40m2以上280m2以下であること

5-2.住宅用地の特例による軽減措置

固定資産税の課税の対象となる土地が住宅用地だった場合、「住宅用地の特例」が適用されるため、土地の固定資産税を大幅に軽減することが可能です。

なお、ここでいう「住宅」とは、一戸建てのマイホームだけに限らず、賃貸アパート、賃貸マンション、賃貸併用住宅、戸建賃貸なども対象となります。

具体的には、以下のとおりです。

  • ・1戸あたり200m2までの課税標準額が6分の1に
  • ・1戸あたり200m2を超える部分の課税標準額が3分の1に

店舗併用住宅の場合、居住用部分が2分の1以上であれば、その全てを住宅用地とみなすことができます。

また、マンション等集合住宅の場合は、敷地全体の面積を居住用住戸の戸数で割って計算します。つまり、広大な土地を所有している場合、200m2までの戸数が多ければ多いほど、固定資産税を圧縮できるということです。

例えば、500m2の土地に一戸建てが建っている場合、

  • ・200m2だけが6分の1に
  • ・残り300m2は3分の1に

なります。

宅用地の特例(戸建ての場合)

一方、500m2の土地に4戸の賃貸アパートが建っている場合、200m2×4戸=800m2まで小規模住宅用地(6分の1)になります。よって、500m2の土地全体の評価額が6分の1になるわけです。

住宅用地の特例(賃貸アパートの場合)

6.不動産投資で固定資産税以外にかかるランニングコスト

不動産投資で固定資産税以外にかかるランニングコスト

不動産投資では、固定資産税以外にもさまざまなランニングコストがかかります。

まず税金では、固定資産税と合わせて納める「都市計画税」、不動産投資で得た不動産所得に対する「所得税」がかかります。

次に「管理費」です。

管理費は、入居者の募集や家賃回収、クレーム対応など入居者に関する「PM(プロパティマネジメント)業務」と、建物の警備や巡回、設備の点検などの建物に関する「BM(ビルマネジメント・ビルメンテナンス)業務」に分かれます。

また、修繕費もかかります。入居者が退去した際には原状回復をしなければなりません。

その他、共用部の水道光熱費、火災保険料、法人化している場合の費用などもかかったりします。

不動産投資におけるランニングコストは、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。

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まとめ

1.不動産投資をおこなうにあたって、固定資産税は毎年発生するもの

2.基本的には築年数が経つごとに固定資産税は低くなるが、特例措置が受けられる新築マンションのほうが結果的に得をすることもある

3.固定資産税の特例措置が受けられる物件は、耐火構造や長期的な居住に適した措置がとられていることが多いため、入居者にとっての魅力が高く稼働率が高くなる傾向がある

4.固定資産税には「免税点」が設けられており、免税点に満たない場合は、固定資産税は課税されない

いかがでしたか。不動産を所有していれば毎年かかる固定資産税。数十年所有すれば数百万円かかるものですので、正しい知識を身につけておかないと、損をしてしまう可能性もあります。この記事で固定資産税について理解を深めていただければと思います。

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この記事を書いた人
山本ゆりえ

山本ゆりえ

ライター・編集者・大家。
木造アパート4棟、重鉄マンション1棟、区分マンション2戸を取得(3棟・区分2戸は売却済)。転貸のレンタルスペース1戸運営中。これまで購入した自宅は3戸。不動産投資の分野を得意とし、これまで関わった不動産関連書籍は100冊を超える。
執筆している記事:MONEY PLUSbizSPA!フレッシュ

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