不動産投資を始めようと考える人なら「自分でも上手くいくのか」という成功率は誰もが知りたいところだと思います。
また、できることなら成功率を高めたいと思うのではないでしょうか。とは言え「成功率○○%」「失敗率○○%」のように、明確な数値で把握することは容易ではありません。なぜなら人によって環境も違えば、属性も違うからです。
この記事では、
- ・そもそも、不動産投資における「成功」とは何なのか?
- ・不動産投資は失敗しやすい投資法か?
- ・失敗しないために出来ることは何か?
といったことを中心に、これから不動産投資を始める人でも「自分ならどのぐらいの確率で成功できるのか」を判断することができる情報をお伝えしていきます。合わせて、「成功率を高め、失敗率を下げるためにはどうすればいいのか」もお伝えします。
最後までお読みいただくことで、今の自分の成功率を知り、どうすればその成功率を高められるのかを知ることができます。これから不動産投資を始める方であれば、成功率の高い投資にするヒントとして参考にしてみて下さい。
1.不動産投資の「成功」とは?
何を持って成功と呼ぶのか、不動産投資の成功の定義は難しい問題です。誰もが認める大きな成功もあれば、小さくても自分で定めた目標を達成することも成功です。まずは不動産投資における成功の定義について考えてみたいと思います。
1-1.成功の定義の例
成功の定義は人によって違います。例えば、多くの土地を持つ地主など節税対策が目的の不動産投資なら、少しぐらい赤字が出てもそれでいいと考える人は多くいます。少しの赤字ぐらいなら成功と呼ぶことが出来るわけです。
一方、サラリーマンの不動産投資となれば赤字を出していては成功とは呼べません。なぜなら利益を得ることが目的で不動産投資に取り組んでいるはずだからです。また、同じサラリーマンでも目的によって成功の定義が変わります。「月間キャッシュフロー100万円を達成して投資で生活したい」という目標がある場合には、月10万円程度では成功とは呼ぶことが出来ません。
しかし同じサラリーマンでも「家賃収入で月5万円の副収入が得たい」という目標であれば、月10万円の利益なら大成功と呼ぶことが出来ます。
このように「不動産投資の成功の定義」は、置かれた立場、環境、目標によって変わります。
1-2.目標が大きければ大きいほど不動産投資の成功率は低くなる
不動産投資の成功率は、設定する目標によって大きく変わります。
例えば、
- ・収益物件を手に入れ、不動産投資だけで生活していけるぐらいの家賃収入を得ること
- ・アパート経営を本業として取り組み、事業として規模拡大を実現すること
こうした目標を持つ場合の成功率は、一般的には10%以下だと言われています。
一方、
- ・あくまでも節税効果があり相続税対策できればよい
- ・年金の代わりになればよい
- ・月数万円程度でも安定的な副収入が得たい
このような目標を持つ場合には、成功率は50%以上とも言われます。
つまり、不動産投資は目標が大きければ大きいほど、条件も厳しくなり成功率は低くなります。本業として、事業として成功を目指すのは容易ではないとしても、副業として、副収入を得るため、という目標であれば、かなり高い確率で成功することが可能だと言えます。
1-3.他の投資と比べて成功率の高い不動産投資
投資には様々な種類があります。資産運用では株式投資やFX、仮想通貨などの金融商品への投資などが一般的です。このような投資と比べて、不動産投資は成功率の高い投資であると言えます。
理由として、「再現性の高さ」が挙げられます。不動産投資には正しいやり方が存在します。不動産の価格や価値は変動することはあっても、金融商品のように短期間での大きな価格変動はありません。正しい知識を身につけ、正しいやり方で実践することで、着実な投資にすることが出来ます。
株式投資やFXは一生懸命勉強をして堅い銘柄を購入したつもりでも、リーマンショックのように時に大きな相場の暴落で資産が吹き飛ぶことがあります。不動産投資は、知識を身につけることでリスクをある程度は回避することが出来ます。こうして点を踏まえても、他の投資と比べて成功率の高い投資であると言えます。
2.不動産投資は失敗が多い投資方法か
1章では、不動産投資の成功率について考え、正しい方法を知ることで高い確率で成功できることをお話ししました。とは言え、みんながみんな成功できるわけでもなく、中には失敗する人も存在します。2章では不動産投資の「失敗」について見ていきたいと思います。
2-1.1番失敗の可能性が低い投資法が不動産投資
成功の定義が様々であることは1章でもお話ししましたが、例えばサラリーマンの副業として定義すれば、高い確率で成功できることを知っていただけたと思います。副業として不動産投資に取り組む場合でも、ちゃんと勉強をして、正しい知識、必要な知識を身につけさえすれば失敗することはまずありません。
しかしそれでも失敗してしまう人が多いのは、単純に勉強不足、知識不足だからだと言えます。例えば不動産投資を始める際に、知識を身につけるために書籍などで勉強する人は多いと思いますが多くの人は1冊、2冊程度読む程度です。不動産投資本を数十冊程度読めば、必要な知識は大体網羅できます。
このぐらいしっかりと勉強して、知識を身につけることが成功率を高めます。不動産投資で失敗するケースは大体パターン化されていますので、それを回避する知識を身につけておくだけでも成功率や失敗率は大きく変わります。
どんなジャンルの知識を知っておくべきなのかは、下記の記事でも詳しく解説しています。合わせて読んでおくことをお勧めします。
「不動産投資で不可欠な4ジャンルと勉強におすすめの本」
2-2.失敗する人の共通点
不動産投資で失敗するケースはパターン化されていますが、それらのパターンは本を読んだりすることである程度把握することが出来ます。
- ・入居者や賃貸市場の需要を把握していない(調査不足)
- ・不動産業者や担当者のいいなりになってしまう
- ・購入物件の売却までを考えた出口戦略がない
- ・天災や人災などのリスク管理が甘い
- ・建物の管理、メンテナンスを怠る
- ・運用を任せっきりにする
こうした、やってしまいがちな失敗パターンを知っておき、同じことをやらないようにするだけでも成功率は変わります。失敗する人の共通点は、つまるところ「知識不足」の1点に集約されます。知識を身につけることが成功率を高める近道です。
2-3.失敗が失敗にならない、大切なのは失敗し続けない事
よくある失敗例を知識として知っておくことは大事ですが、必要以上に恐れる必要はありません。なぜなら、不動産投資は失敗をしてもリカバリーできるからです。
例えば、利益の出にくい新築ワンルームマンションを不動産業者のいいなりで購入してしまった場合でも、それで失敗が決まるわけではありません。勉強をしてそこから利益が出せるようになればいいわけです。不動産投資では、勉強不足で物件を購入してしまったことがきっかけで勉強するようになり、リカバリーをして成功する人も多くいます。
一時的にキャッシュフローがマイナスになっても、物件規模を拡大させていく中でトータルをプラスに転換させることは出来ます。収益性が悪いと感じるような物件でも、残債が減れば売却できるようになり、そこで利益を出せることもあります。高金利で物件を買ってしまっても、銀行ローンの借り換えをすればキャッシュフローを改善できる場合もあります。
不動産投資は少しの失敗はリカバリーできます。大切なのは「失敗し続けないこと」です。
2-4.「失敗」とはどういうことを指すのか
少しの失敗ぐらいならリカバリーすることができるとは言え、
- ・失敗から学ばず同じことを繰り返す
- ・ローンの借り換えなどの対策が打てない
このような状況だと成功することは難しくなります。ここでもほとんどの原因が「知識不足」です。
例えばシェアハウス投資の「かぼちゃの馬車」が問題になりましたが、オーナーの中には5億円の物件を購入した人がいました。家賃収入額がローン返済額を大幅に下回り、ローン返済、借り換えもできない状況に陥りました。こうなってしまってからのリカバリーは難しく、自己破産しか残されていないことがありました。
この状況に陥る前に、ある程度勉強していれば最悪の自体は避けられたはずです。
リカバリー不可能な状態に陥らないように、失敗例などからうまくいかない理由を学び知識を深めておくことが大切です。
3.失敗しないために先に出来ることはしておく
ある程度の失敗はリカバリーできるとは言え、中にはリカバリーが難しいケースも存在します。大切なのが、そうした状況にならないよう「失敗しないために出来ることを先にしておく」という意識です。
3-1.失敗しないようにするための5つのポイント
不動産投資には失敗しやすいケースがあることをお話しましたが、失敗者の傾向から失敗を防ぐために押さえておくべき5つのポイントをご紹介します。
3-1-1.情報収集を怠らない
失敗するケースの多くが「知識不足」です。大切なことは、情報収集を怠らないことです。専門知識については、時に専門家の力を借りる必要もあります。
税務、法律関係は幅広く、独学で勉強するのも難しい分野です。時に専門家の知識を借り、情報収集を怠らない意識が大切です。
3-1-2.先を見据えた戦略
不動産の購入時は、ほとんどの場合金融機関などからローンを組むことになります。
先を見据えた戦略で進めなければ、あっという間に頭打ちになってしまうことがあります。短期的な視点で、無理のあるローンを組むことは自分の首を絞めることになります。長期にわたって安定した収益を生み出すことがポイントです。それを実現できるような物件選びを含めた戦略、融資計画を組むことが大切です。
3-1-3.自己資金はできるだけ用意する
不動産投資には少ない頭金・自己資金で始めることができるというメリットがあります。場合によっては自己資金ゼロでも始めることができますが、オーバーローンなどを組む必要があり、リスクを高めることにもつながります。
安定的で堅実な不動産投資を実現するためにも、自己資金はできるだけ自分で用意する意識が大切です。
3-1-4.空室リスクを下げる意識を持つこと
賃貸物件には空室はつきものです。
しかし空室は利益を生み出さず、維持管理費を考えると収支がマイナスになる原因となります。空室期間を減らし、入居者目線で空室を埋める意識を持つことはとても大切です。サブリース(家賃保証)を活用しているとしても、その契約・収入だけをあてにしないことも重要です。契約が打ち切られたり急に家賃保証が減額されることがあるためです。先立つ投資が必要になることもあります。
目先の収益や利回りを考えすぎるあまりに、入居者募集の広告を出すことや、メンテナンスや設備投資にお金を使うことに臆病になると、それが理由で空室が埋まらないという悪循環を生み出してしまいます。
3-1-5.管理会社選びは慎重に行う
管理会社は沢山ありますが、どんな管理会社に任せるかはとても大事です。どんな管理会社に任せるかで、運用の手間も変わりますし、収益性にも直結します。
安心して任せられる、良い不動産管理会社を見つける努力が必要です。また、物件管理を任せっきりにしないことも大切です。
3-2. 避けたほうが良い投資を覚えておく
「これは避けたほうが良い」と言う、投資法を知っておくことが大切です。知識として知っておくことで、それらに出くわした時でも回避できるようになります。
例えば、
- 新築区分ワンルーム
- 新築シェアハウス
- 中間省略による再販物件
- 1銀行1法人スキーム
などは、将来的に買い続けられる大家になるために、避けたほうが良い投資法です。理由は、デメリットが多いからです。初心者が上記のような物件や投資法に手を出しても、失敗やリスクをカバーできずうまくいかないことが多くあります。
避けたほうが良い投資法を知っておき、それらを回避することが、成功率を高めることに繋がります。
成功率を高めるためには、
- ・正しい知識を身につけること
- ・避けたほうが良い投資を知ること
この2つの側面から、勉強して知識を身につけることが大切です。
4.まとめ
- 1.不動産投資は成功率の高い投資と言えますが、「成功」「失敗」の定義は様々です。どんな目標を持つかで変わるので、まずは自分にとっての成功・失敗を明確にしてみましょう。
- 2.不動産投資を始めても失敗する人がいます。その原因の多くは「知識不足」です。失敗する理由や、失敗する人たちの共通点を知ることが大切です。
- 3.失敗しないためには、事前にできることをやっておくことも大切です。失敗しないためにはどうすればいいのかを知り、そのために必要な行動を起こすことがポイントです。
不動産投資の成功率を高めるためのポイントは2つです。1つは「正しい知識を身につけること」、もう1つは「失敗パターンを知り、それを回避すること」です。
そのために必要なのが、正しい知識を身につけるための勉強です。不動産投資の本を数十冊読んでみるだけでも、十分な知識が身につきます。できることから始めてみてはいかがでしょうか。