【初心者必見!】家賃収入にかかる税金と計算方法をわかりやすく解説

すでに収益物件を所有し、家賃収入を得ている方のなかには「不動産投資では、どんな税金がかかるの?」「確定申告が必要だということはわかっているけど、具体的にどのように計算して、どんな手続きが必要なの?」「知識がないゆえに税金を多く支払うことは避けたい」という悩みを持つ人も多いでしょう。

不動産投資において、税金の知識は非常に重要である−―そのことは皆さんもご存じかと思います。しかし「税金」と聞くと、「専門的で難しそう」と敬遠してしまう人もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、

  • 家賃収入にかかる「税金の種類」
  • 家賃収入にかかる「税金の計算方法」
  • 誰でもできる「節税のポイント」

といった不動産投資の税金について必要な知識を全て解説します。

本記事では、不動産投資について詳しい浅野税務会計事務所の浅野和治税理士の監修のもと、すでに不動産投資をはじめている方はもちろん、これからはじめようと思っている初心者の方にとっても有益な情報を数多く紹介します。この記事を読むことで、自分で税金を計算できるようになるため、より精度の高い収支シミュレーションができるようになりますし、それは不動産投資の成功に直結します。

この記事があなたの資産を守るための不安の解消につながれば幸いです。

なお、税引き後キャッシュフローの重要性や不動産投資の戦略の立て方については以下の記事で詳しく知ることができます。

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1.家賃収入にかかる「税金の種類」

家賃収入にかかる「税金の種類」

家賃収入が入ったら、その収入に応じた税金を支払う必要があります。会社員であれば、所得税や住民税などの納税を会社が代わりにしてくれているため、意識することはあまりないかもしれません。ですが、不動産投資を行うようになると、確定申告をしなければなりません。

ここでは、まず家賃収入にはどのような税金がかかるのかご紹介します。

1-1. 所得税
1-2. 住民税
1-3. 個人事業税
1-4. 消費税
1-5. 個人事業主ではなく法人化している場合、所得税の代わりに法人税・法人事業税・法人住民税がかかります。

5つの税の図

では、それぞれの税金について内容を詳しく見ていきましょう。

1-1.所得税

個人名義で所有している物件で家賃収入を得た場合、「所得税」がかかります。課税内容については「所得税法」で規定されています。所得税法では、性質に応じて以下に示した10の区分のいずれかに分類しています。

  1. 利子所得:公社債や預貯金などの利子所得
  2. 配当所得:株式の配当や出資に対する配当などの所得
  3. 不動産所得:家賃、権利金などの不動産を貸し付けたことによる所得
  4. 事業所得:農業や漁業などの事業によって得られた所得
  5. 給与所得:勤務先から支給された給料、賞与などの所得
  6. 退職所得:会社などを退職することで得られた所得
  7. 山林所得:山林を売却して得られた所得
  8. 譲渡所得:不動産、機械、その他設備などの資産を売却して得られた所得
  9. 一時所得:一時的(臨時的)に得られた所得
  10. 雑所得:上記の1-9に分類できない所得(公的年金や副業で得た所得など)

家賃収入は、通常は上記の中の「不動産所得」に分類されます。

不動産投資における所得税は、「不動産所得」に「税率」を掛けて算出されます。不動産所得とは、「不動産から発生する収入」から「必要経費」を引いた額のこと。計算式は以下のとおりです。

所得税=(不動産から発生する収入-経費)×税率

「不動産から発生する収入」には、家賃収入はもちろん、礼金、更新料、共益費・水道費、駐車場利用料、その他、敷地利用によってもたらされる収入(携帯電話基地局の設置料や自動販売機設置料、電柱敷地料など)も含まれます。

なお、不動産投資によって得た所得は、他の所得(会社員の場合は「給与所得」)と合わせて課税される「総合課税」です。

 

総合課税のイメージ図解

所得税の税率は累進課税制度を採用しているため、収入が上がると税率も高くなります。

所得税の速算表

出典:国税庁HP

1-2.住民税

住民税は、国に支払う所得税とは異なり、自分の居住する地方自治体に支払う税金です。通常、住民税は所得税の確定申告のように納税者自身では計算せず、市区町村が計算します。

具体的には、納税者が所得税の確定申告書を税務署に提出すると、そのデータが税務署から自分が住んでいる各市区町村に転送され、市区町村で計算した住民税額が納税者に通知される仕組みです。なお、会社員は確定申告をせず年末調整が会社側でされるのが一般的ですが、この場合にも同様のことが行われています。

住民税の計算方法は、前年の所得に応じて課税される「所得割」と、所得金額に関係なく一定額の納付を求められる「均等割」の2種類があり、この2つを合算して納税します。所得割は課税される所得に10%を掛けて計算され、均等割りは地域によって違いがあります。

住民税の通知で、不動産投資をしていることが会社にバレる!?

会社に不動産投資をしていることを知られたくない人も多いでしょう。そんな方は、注意です。実は、会社に不動産投資をやっていることがバレる一番の原因は、6月の給与と一緒に送られてくる「住民税決定通知書」といわれています。

会社員の場合、自分で住民税を納付するわけではなく、勤めている会社が給料から天引きし、納税する仕組みになっています。この天引き額は所得によって決まるため、家賃収入が大きくなるほど住民税の納税額も高くなり、副収入があることが会社に知られてしまいます。

もしくは不動産収入で赤字が出た場合は、給与と相殺される、つまり住民税の通知にマイナス分が記載されることになるので、赤字が出たとしても会社に知られてしまいます。しかも、天引き額の計算根拠も記載されており、その中に確定申告された不動産所得が別掲されているので、言い逃れは難しいでしょう。

対策としては、「親のアパートを相続した」と説明する、会社から天引きされる「特別徴収」ではなく、自分で納税する「普通徴収」に切り替えるなどが考えられます。普通徴収に変更する場合は、あらかじめ所得税確定申告書の「住民税に関する欄」で「自分で納付」に「○」をする必要があります。

1-3.個人事業税

個人事業税は、特定の事業に課せられる都道府県主体の地方税です。不動産投資が一定の規模を超え、不動産賃貸業を営んでいるとみなされる場合は、個人事業税を支払わなければなりません。その目安は以下のとおりです。

  • ・住宅‥‥‥戸建5棟以上
  • ・マンションなど区分所有の物件やアパートなどの室数‥‥‥10室以上
  • ・土地‥‥‥貸宅地は5カ所で1部屋換算、駐車場は5台で1部屋換算

1-4.消費税

課税所得が1000万円を超えた場合、消費税が課せられます。ただし、賃貸用物件などの居住目的であれば非課税です。駐車場や店舗・事務所などの場合、借主から預かった消費税の納税義務が発生します。

1-5.法人として家賃収入を得ている場合

個人事業主ではなく法人化している場合、所得税の代わりに法人税・法人事業税・法人住民税がかかります。

2.家賃収入にかかる税金の計算方法

家賃収入にかかる税金の計算方法

1章では、家賃収入にはどんな税金がかかるのかをご紹介しましたが、2章では実際の税金の計算方法をお伝えします。

2-1.所得税額の計算方法

ここでは、所得税額の計算方法を紹介します。難しそうと思う方もいるかもしれませんが、実は簡単です。

年収600万円の会社員が、不動産投資をしたケースで考えてみましょう。不動産から発生する収入は400万円、必要経費が250万円とします。

まず、「給与収入」の600万円についても「必要経費」が認められます。ただ、会社員の必要経費は算定が困難なため、「給与所得控除」という形で、一義的に定められています。

給与所得控除

出典:国税庁HP

年収600万円の場合は、 600万円×20%+44万円=164万円 が必要経費となります。必要経費を差し引くと、「給与所得」は436万円です。

一方、「不動産所得」は、 収入400万円-必要経費250万円=150万円です。「給与所得」と「不動産所得」を合算すると、586万円です。

ここから、基礎控除や社会保険料控除、配偶者控除などの所得控除()を差し引きます。仮に、この所得控除が150万円だとすると、「課税所得金額」は 586万円-150万円=436万円 となります。

この436万円に税率を適用すると(上で掲載した「所得税の速算表」を参照)、436万円×20%-427,500円=444,500円 です。この金額が所得税ということになります。

  • 所得控除の例
  • ・基礎控除……38万円
  • ・社会保険料控除
  • ・配偶者控除……38万円
  • ・扶養控除……38~63万円
  • ・医療費控除 ……医療費―保険などのお金―10万円
  • ・青色申告控除……10万円(簡易簿記)/65万円(複式簿記)
  • ・生命保険料控除や地震保険料控除、介護医療保険料や個人年金保険料(これらの控除も、加入していたり、病院に通っていたりすれば利用できます)

3.不動産所得を申告するには

不動産所得を申告するには

税金の納付、もしくは税金の還付を受けるには確定申告をする必要があります。不動産所得に伴う確定申告は、大きく分けてシンプルな白色申告と、複雑な代わりに控除が受けられる青色申告があります。

3-1.白色申告

白色申告は簡易帳簿でよいとされ、帳簿つけが簡単です。確定申告の際も、確定申告書(B)と収支内訳書、控除を証明する書類、の提出で済みます。全体的に手続きはシンプルなので、初心者でもあまり戸惑うことはありません。

3-2.青色申告

青色申告は、白色申告と違って複式簿記で帳簿をつけることが義務付けられていることが特徴です。簿記の知識がない人が挑戦するには敷居の高さを感じるかもしれません。また、税務署への開業届のほかに、事前に青色申告の承認の申請が必要です。開業後2ケ月以内に税務署へ青色申告の承認の申請を行っていなければ、その年は白色で行うことになります。

ただし青色申告の場合、10万円の控除が受けられますし、不動産所得が事業規模(アパートは10室以上、貸家は5棟以上)になってくれば、65万円の控除を受けることができます。また、赤字の場合、3年間繰り越すことが可能ですし、家族への給与が全額必要経費にできるなど、そのメリットは大きいです。

下記の記事では、確定申告の流れ、ポイント、注意点などが短時間で理解できるようになっています。ぜひご一読ください。

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4.誰でもできる「節税のポイント」

誰でもできる「節税のポイント」

少しでも節税をして手元に残るお金を増やすために知っておきたい、税金をコントロールして手取りを増やす方法を紹介します。

4-1.何が必要経費になるか知る

最も簡単かつ重要といえるのが、家賃収入を得るためにかかった経費を、できるだけ多く計上することです。そのためには、そもそもどのようなコストが必要経費になるかを知る必要があります。

主な経費としては以下のようなものがあります。

  • ・修繕費
  • ・管理委託費
  • ・広告費
  • ・ローン金利
  • ・減価償却費
  • ・司法書士や税理士への報酬
  • ・旅費交通費
  • ・自動車関連費
  • ・情報収集・勉強のための費用
  • ・通信費
  • ・交際費

詳しくはこちらの記事で紹介をしているので、そちらを参照してください。

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4-2.計画的な修繕を行う

修繕費は経費として計上できます。エアコンや給湯器などの設備交換は数十万円かかるため、今期が黒字になりそうであれば実施したほうがいいでしょう。逆に、今期が赤字になりそうであれば設備交換などの修繕は来期にずらすのも一手です。

4-3.損益通算で所得税・住民税を減らす

損益通算とは、一定期間内の利益と損失を相殺すること。不動産投資で赤字が出た場合、その分を給与所得から差し引くことで、個人で支払う所得税と住民税を減らすことができます。

例えば、給与所得が1000万円、不動産所得が-100万円の場合、課税所得は900万円となります。これにより課税所得が減るだけでなく、税率も33%から23%になり、大きな節税効果が得られます(上で掲載した「所得税の速算表」を参照)。

この仕組みが「不動産投資では節税できる」とよく言われている所以です。

ただし、不動産投資で赤字を出し続けるということは、投資としてみれば失敗なわけです。「節税できるからいい」と安易に考えるのは危険だと思います。

4-4.法人化する

規模が大きくなり、課税所得が増えてきた場合、法人化を検討するのもいいでしょう。所得税では最大45%が課せられますが、法人税の場合は最大23.20%と約倍の差があります。法人設立にはコストもかかりますが、所得が多い場合には、法人化したほうが支払う税金が安くなる可能性が高いです。 

5.まとめ

1.家賃収入にかかる税金は「所得税」「住民税」が必ずかかり、「個人事業税」「消費税」「法人税」などは人によってかかる

2.不動産所得に伴う確定申告は、大きく分けてシンプルな白色申告と、複雑な代わりに控除が受けられる青色申告がある

3.節税するうえでは、「何が必要経費になるか知る」「計画的な修繕を行う」「損益通算で所得税・住民税を減らす」などが重要である

いかがでしたか。不動産投資の税金というと難しく聞こえますが、その種類、計算方法は実はシンプルということをご理解いただけたのではないでしょうか。

収支シミュレーションをする際、利回りや空室率、ランニングコストを考慮する人は多いですが、税金は見て見ぬふりという方もいらっしゃると思います。ぜひこの機会に不動産投資の税金に関する知識を深めていただければと思います。

不動産相続における節税についての記事は以下からご覧いただけます。

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