賃貸管理会社で入居率が変わる!?選ぶ際に気を付けるべき3つのポイント

これから不動産投資を始めようとしている人、すでに始めている人なら「管理会社」の重要性はご存じでしょう。特にサラリーマン大家さんにとって、本業と並行しながら不動産投資を行うためには管理会社の力が必要不可欠となります。

何もしなくても入居率がよく、建物もよく管理されている状態を作るためには、管理会社選びはとても重要です。

とはいえ、初心者の方なら以下のような疑問をお持ちではないでしょうか。

  • ・管理会社はどんな役割を担っているのか?
  • ・管理会社の手数料はどれくらい?
  • ・仲介業者を通さず、管理会社と直接契約できるの?
  • ・管理会社を選ぶポイントや気を付けるべき点は何か? 

また、ある程度知識がある人なら以下の思いもあるかもしれません。

  • ・手数料を抑えるために、仲介業者を通さず直接管理会社と契約したい。その場合どんなデメリットがあるか知っておきたい
  • ・管理会社の対応に不満があるので変更したいが、その際の規定や手続きなどを知りたい。また、うまく管理会社と付き合っていくためのアドバイスを知りたい

そこでこの記事では、

  • 2種類ある管理会社「建物管理会社」「賃貸管理会社」の役割とは?
  • 賃貸管理会社と賃貸仲介会社の違い
  • 管理会社の手数料はどれくらい?
  • 絶対に知っておくべき「管理会社の選び方」
  • 管理会社を変更する際の手順・注意点

などについて、不動産投資関連書籍を数十冊担当し、自身も投資歴10年以上ある筆者が徹底解説します。

この記事を読むことで、管理会社の基礎知識はもちろん、失敗しない選び方、長期的に良い関係を継続する方法がわかります。

本記事が「不動産投資で安定収入を得たい!」という方のお役に立つことができれば幸いです。

1.管理会社は2種類ある!それぞれの役割とは?

管理会社は2種類ある!それぞれの役割とは?

「管理会社」という言葉は当たり前のように使われていますが、実は管理会社と一口にいっても「建物管理会社」と「賃貸管理会社」の2つに大別されます。それぞれの役割を見ていきましょう。

1-1.建物管理会社とは

建物管理会社とは、「建物全体に関する管理」を行う会社を指します。マンションの場合、法令や建築、運営など多岐にわたる専門知識が求められます。

そのため、区分所有マンションでは各区分所有者で構成される「管理組合」が建物管理会社に委託しています。

建物管理会社の業務は主に以下のとおりです。

  • 【事務管理】
  • ・管理費、修繕積立金などの徴収、出納と帳簿の管理
  • ・管理費などの滞納者への督促業務
  • ・総会や理事会の支援
  • ・管理組合の予算案・決算案の作成 など
  • 【管理員業務】
  • ・管理員として受付
  • ・各種点検、工事の立ち会い など
  • 【清掃業務】
  • ・エントランスや共用廊下、階段などの日常的な定期清掃
  • ・落ち葉掃きや、雑草処理などの不定期な清掃
  • ・年に数回の機械洗浄やワックス掛けを行う清掃 など
  • 【設備管理】
  • ・大規模修繕工事の手配
  • ・建物の痛みや不具合の点検、検査
  • ・エレベーター、浄化槽、電気系統、消防設備など付属設備の保守点検

見ていただければわかるとおり、建物管理会社はあくまで「建物全体」に関わる管理業務を行います。専有部の管理や個別の入居者対応は後述する賃貸管理会社が行います。

1-2.賃貸管理会社とは

賃貸管理会社とは、「不動産オーナーが委託した物件の管理を行う」会社です。一言でいえば、「入居者とのやり取りを代行する会社」といえるでしょう。

主な業務は以下のとおりです。どこまで委託するかはオーナーとの管理業務委託契約の内容によって異なりますが、ここでは代表的なものを紹介します。

  • ・家賃の入金管理、滞納などのチェック
  • ・入居者からのトラブル、クレーム対応
  • ・退去時の立会や敷金清算
  • ・室内の原状回復工事、修繕工事などの手配
  • ・清掃やゴミ出し
  • ・室内の住宅設備機器の保守点検

なお、賃貸管理会社のなかには、「家賃滞納保証」や「サブリース契約(空室保証)」を実施している会社もあります。

以上、「建物管理会社」と「賃貸管理会社」について簡単に紹介しましたが、不動産投資では「賃貸管理会社」のことを「管理会社」というのが一般的なので、本記事でも「賃貸管理会社」を「管理会社」として解説します。

また、区分所有マンションでは共有部(建物全体)を管理する「建物管理会社」と専有部(室内)を管理する「賃貸管理会社」に役割がはっきりと分かれますが、1棟アパート、マンションにおいては賃貸管理会社が建物全体の管理も請け負います。

2.賃貸管理会社と賃貸仲介会社の違い

賃貸管理会社と賃貸仲介会社の違い
不動産投資における管理・運用フェーズで非常に大切となるのが「客付け(入居者募集)」です。永遠に空室が出ない物件は限りなくゼロなので、空室期間を少なくするためにも、客付力のある会社にお願いしたいところです。

では、客付けは誰が行うのでしょうか。もちろんオーナー自身が行うことも不可能ではないのですが、時間と手間、さらには知識やノウハウも必要とされるため、自分で行うのは初心者には現実的ではありません。

一般的なのは、賃貸管理会社が客付けを行うパターンです。管理委託契約の中に入居者募集の代行が含まれており、管理業務とともに募集業務も任せるということです。

ただし、賃貸管理会社のなかでも、2つの分類に分かれます。

  • 「客付けから管理・退去まで全て行う会社」
  • 「客付け以外契約から入居者管理・退去までを行う会社」

では後者の場合、誰が客付けするのでしょうか。それは賃貸仲介会社(仲介会社、客付け業者などとも呼ばれます)です。

2-1.「客付け」と「元付け」

不動産投資の勉強をしている方なら「客付け」と合わせて「元付け」という言葉を聞いたことがあるでしょう。この違い、わかるでしょうか。簡単にいうと、以下のようになります。

【元付け業者】
オーナーから直接客付けを委託された会社。何度も自社の物件を見ているので、その物件の状況、周辺エリアの相場、周辺情報に詳しい。

元付け業者の図

【客付け業者】
元付け不動産会社に対して入居者を紹介する会社。管理や契約などの仕事が少ないので接客に専念でき、積極的に案内してくれる。広く浅くいろいろなエリアを知っている一方、紹介したあとのフォローは基本的になく、とにかく数を紹介することのみを考えている。

客付け業者の図

3.管理会社の手数料はどれくらい?

管理会社の手数料はどれくらい?

不動産投資の収支シミュレーションを行ううえで、管理手数料の負担がどの程度なのか知っておくことは大切です。

また、すでに管理会社を利用しているオーナーのなかには、「利用中のサービスや手数料が適正なのか知りたい」という人もいるでしょう。

基本的に、賃貸管理の手数料は定額ではなく、「家賃の〇%」という形で決められています。標準的なのは5%ですが、なかには3%だったり8%だったりする管理会社もあります。ただ、業務範囲などによっても手数料は異なるので、一概に「手数料が低ければいい」とは言い切れません。

4.絶対に知っておくべき「管理会社の選び方」

絶対に知っておくべき「管理会社の選び方」
この章では、不動産投資家なら知っておくべき管理会社を選ぶコツを解説します。
そもそも何がきっかけで管理会社を変えるのでしょうか?

通常、収益物件を購入した場合、

  1. 「前オーナーが利用していた管理会社を継続する」
  2. 「売買仲介した(もしくは売主の)不動産会社の管理部門、もしくはつながりのある管理会社を利用する」
  3. 「自分で探す」

の3つの選択肢に分かれます。

一般的には①もしくは②になるケースが多いですが、主に以下の理由で管理会社の変更を検討するオーナーが多いといえます。

  • ・客付け力が弱く、空室のまま放置された
  • ・担当者がすぐに変わる、もしくは辞めてしまう
  • ・レスポンスが遅い
  • ・管理に不備があった
  • ・管理会社が倒産した

なお、国内最大の不動産投資情報サイト「楽待」が2019年に実施した調査によると、「管理会社を変えたことがある」オーナーは「約3割」でした。決して低い数字ではないため、初心者の方でも「管理会社を変更する際の選び方」を知っておくことは重要です。

では、どのようなポイントで管理会社を選べばいいのか。詳しく見ていきましょう。

4-1.客付けが強い

これは客付け業者を利用せず、管理会社に客付けも委託している場合のパターンです。

「空室を短くすること」は収益性を高めるための必須条件です。客付け力は管理会社選びの重要なポイントになります。

ただ、注意してほしいことがあります。それは「大手だから客付けが強いとは限らない」ということ。テレビCMや広告などで名の知れている大手管理会社のなかには「広く・浅く」のスタイルで業務を行っている会社も多数あります。

逆に小さければいいというわけでもなく、地域に古くから根付いている管理会社には世の中の動向・情勢・新法についていけなかったり、連絡手段がFAXだけだったりするケースもあります。

客付けが強い=会社規模ではない」ということを理解しておきましょう。

4-2.当たり前のことをしっかり対応してくれる

残念ながら不動産の世界では、一般的な企業なら当たり前のことができていない会社が多く存在します。例えば、「連絡をしたのに返信が来るのに数日かかる」「オーナーの気持ちや意図を汲み取ろうとしない」「仕事が雑」などです。

社会人経験がある人の一般的な視点から見て、「これはひどいだろう……」と思う仕事ぶりの管理会社は少なくありません。専門知識はあるに越したことはないのですが、それ以前に当たり前のことをちゃんとしてくれる管理会社を選びましょう。

4-3.パートナーとして相談できる関係性を築ける

管理会社とは長期的な付き合いになります。管理の基本業務はもちろん、費用対効果の高い提案、客付けのアドバイスやアイデアなど、さまざまなことを話し合える関係性を築く必要があります。

しかし、これは会社規模が大きくなるほどありがちなケースですが、担当者がコロコロ変わり、社内共有も不十分な状態で引き継がれたりします。これでは信頼関係を構築することはできません。

ネット検索をして会社の評判、口コミを見たり、実際に足を運んで会社の雰囲気を把握したりすることも大切なポイントです。

5.管理会社を変更する際の手順・注意点

管理会社を変更する際の手順・注意点
管理会社を変える場合、どのようなステップで進むのかを紹介します。

5-1.「なぜ変更するのか」を整理しておく

まずは「現状の管理会社の何が不満なのか」を具体的に書き出し、自分のなかで整理しましょう。新しい管理会社を見つける際に、現状の不満に対してどれだけ改善が見込めるのか、基準を持っておくことが大切です。

5-2.複数社のプランを確認する

管理会社といっても業務内容やサービスは同じではなく、各社が独自のプランを出しています。管理会社のウェブサイトを閲覧し、具体的な手数料や別途費用などウェブでは書かれていないことは電話やメールなどで問い合わせましょう。

個別に自力で探すのが面倒という人は、複数プランを一括相談できるサイトもあるのでチェックしてみてください。

5-3.現在の管理会社へ解約通知をする

新しい管理会社が決まったら、現在契約中の管理会社へ解約通知を行います。一般的には、解約通知を行ってから3カ月後に現在の管理会社との契約が終了し、新しい管理会社に管理が引き継がれます。通知してから解約までの期間、その他の注意点などは委託契約書を確認しましょう

5-4.管理会社同士で引き継ぎ業務を行う

解約通知をしたあとは、解約が成立するまで管理会社間で引き継ぎ業務を行います。業務内容は、賃貸契約書類、法定点検書類、鍵などの引き渡し、保証会社の引き継ぎ、管理費の精算などが行われます。

注意したいのは、この引き継ぎ業務が正しく行われずにトラブルが発生する可能性があることです。

5-5.入居者に通知する

入居者に管理会社の変更を伝えなくてはならない理由は大きく2つ。

1つめは「振込先が変わったこと」を伝えるためです。家賃の振込先が変更になったにもかかわらず、元の振込先に家賃を振り込まれてしまった場合、トラブルに発展する可能性があります。手紙やメールで伝えるのではなく、電話でしっかり案内することが必要です。

2つめは「不安を取り除く」ためです。入居者のなかには管理会社を変更したことで不安を覚える人もいます。あくまでサービス向上のためであり、入居者に負担を強いるものではない旨を通知するのが望ましいです。

変更の手順

まとめ

1. 賃貸経営がうまくいってない理由は、管理会社にある可能性がある。実際、管理会社に不満を感じているオーナーは多く、場合によっては変更したほうがいい

2. 管理会社と良好な関係性を築くためには、管理会社を選ぶポイントはもちろん、自分が管理会社に求める業務を明確化しておく必要がある

3. オーナー側が管理会社に過度な期待を抱いていたために、互いの意識にギャップが生じている可能性もある。契約時にお互いの意識を擦り合わせて無用なトラブルを避けるようにしたい

いかがでしたか。「管理会社なんてどこも同じ」と思っていた人もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。不動産投資は物件を購入してからの運用期間が長いので、慎重に選ぶことが大切です。

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この記事を書いた人
山本ゆりえ

山本ゆりえ

ライター・編集者・大家。
木造アパート4棟、重鉄マンション1棟、区分マンション2戸を取得(3棟・区分2戸は売却済)。転貸のレンタルスペース1戸運営中。これまで購入した自宅は3戸。不動産投資の分野を得意とし、これまで関わった不動産関連書籍は100冊を超える。
執筆している記事:MONEY PLUSbizSPA!フレッシュ

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再建築不可物件の建築可能化プログラム

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