賃貸管理会社のトラブル相談|10の事例から対策と回避方法を解説

すでに賃貸経営をスタートしている人、あるいはこれからスタートしようと考えている人なら「管理会社と良好な関係を築きたい」と思っているはずです。

ところが、現実には管理会社の対応に不満を持っているオーナー、トラブルに発展してしまい対応に困っているオーナーは少なくありません。

  • ・管理手数料を毎月払っているにもかかわらず、それに見合った対応をしてもらえていない
  • ・管理会社に不満があるものの、どのように苦情を言えばいいのかわからない

こういった悩みを持つオーナーが多くいるのです。

そこでこの記事では、

  • よくある管理会社とのトラブル10選
  • トラブルが発生した場合の対応策
  • トラブルを事前に回避する方法

などについて、10冊以上の不動産投資に関する書籍に携わった経験があり、自身も投資歴10年以上ある著者が徹底解説します。

この記事を読むことで、管理会社との間にどういったトラブルが起こり得るのか、またその場合の対応策がわかるようになります。さらに、そもそもトラブルを引き起こさないためにどんなことを意識・実践すればいいのかもわかるので、管理会社とトラブルに発展するリスクを減らすことができるでしょう。

本記事が「不動産投資で安定収入を得たい!」という方のお役に立つことができれば幸いです。

1.よくある管理会社とのトラブル10選

よくある管理会社とのトラブル10選

まず、事前に知っておくべきよくある管理会社とのトラブル10例を紹介します。

1-1.担当者となかなか連絡がつかない

賃貸管理を管理会社に委託している場合、管理会社との担当者と連絡を取り合う主なタイミングは

  • ・入居者の退去が決まったとき
  • ・退去後の原状回復・リフォームについて
  • ・新しい入居候補者が見つかったとき(及びその進捗)
  • ・入居者からのクレームが入ったとき

などです。

ただ、担当者によっては1人で多くの戸数を管理しているため手一杯になっているケースもあります。その場合、必要な連絡を怠ったり、こちらから問い合わせをしてもなかなか返答が来なかったりすることがあります。結果、「あれはどうなったんだろう」とオーナーは不安やストレスを抱えることになります。

1-2.毎月の手数料以外のコストがかかる

管理会社の手数料形態は各社さまざまですが、比較的多いのが「家賃の○%」というパターンです。

ただ「家賃の○%」に加え、更新料や礼金の一部(もしくは全額)を手数料として徴収する管理会社もあります。管理委託契約を交わすときにその旨を把握していないと、「そんな話、聞いてない!」とトラブルに発展してしまう恐れがあります。

1-3.送金明細に誤りがある

毎月送られてくる送金明細ですが、なかには価格や物件名、部屋番号が間違っていることがあります。これはトラブルに発展することはないですが、何度も行われると管理会社や担当者への信頼は弱まります。

悪質なケースだと、あえて実際よりも低い金額で送金されていることもあります。送金明細は必ずチェックするようにしましょう。

1-4.修繕を自社以外ではやらせないと言われた

これは大手の管理会社で起きがちなトラブルです。とくに管理会社内にリフォーム部門がある場合やグループ会社にリフォーム会社がある場合には、管理会社経由でのリフォームを前提としていることが珍しくありません。

リフォームを行う際の理想は、複数社に見積もりを取ることです。管理会社経由のリフォーム発注では手数料が乗せられているため、相場よりも高いケースが散見されます。地域によって価格帯は異なりますが、地域相場と大きく相違がないか調べることが大切です。

1-5.オーナーの許可を得ず勝手に決めてしまう

悪質な管理会社だと、オーナーの許可を得ないまま業務を進めてしまうケースがあります。

例えば、

  • 「勝手に家賃を下げて契約する」
  • 「勝手にリフォームをしてお金を請求してくる」

などです。これはあくまで少数派ですが、実際に起こったトラブル例です。

また、オーナーが高齢者で適切な判断ができず、そこにつけ込まれたという話や、その他、遠方に住むサラリーマン投資家の物件に対して、必要以上の過剰リフォームをして請求をするという話もあります。

1-6.入居者の契約違反に対処しない

  • 「ペット不可なのにペットを飼っている」
  • 「一人暮らしで契約したのに同棲している」
  • 「禁煙なのにタバコを吸っている」

など入居者が契約違反をしていて、そのクレームを受けているのにもかかわらず、対処しない管理会社がいます。もしくは掲示板に注意喚起の貼り紙を掲出するだけで、クレームが激化してもそれ以上の対応をしない、ということもあります。

これは管理会社に管理を一任しているとなかなか知ることができないのですが、実際には管理会社の対応が不満でオーナーに直接クレームを言ってきたというケースもあります。

1-7.架空請求をしてきた

退去時に「修繕費」と書かれた項目で費用を請求され、作業の詳細を聞いても返答がないパターンです。また、「修繕費は事前に貸主の了承を得た場合のみ家賃送金から相殺させる」という契約になっているにもかかわらず、事前の連絡も来ていなかったため、架空請求の確率が高いといえます。

なお、管理委託契約書の特約事項で「特定の部位の修繕費は管理会社負担」という取り決めがあるにもかかわらず、修繕費として請求され、その後の返金要請に応じてもらえない、というトラブルも発生しています。

1-8.契約解除後の引き継ぎ業務をしてくれない

業務に不満があったため管理会社を変更しようとして、契約解除を申し出たところ、なかなか情報を引き継いでくれない、というパターンです。

管理会社を変えた場合、入居者への通知や各業者への連絡、名義変更などを行う必要があります。特に保証会社を利用している場合、管理会社同士で引き継ぎをきちんとしていないと、保証会社との契約が切れてしまうなどの恐れがあるので注意が必要です。

1-9.客付けにやる気がない

空室が出たら一刻も早く埋めたいというのがオーナーの気持ちです。しかし、ひどい管理会社だと、空室が出ているのにもかかわらず、1〜2カ月募集をかけていなかったというケースがあります。

また、空室がなかなか埋まらないので問い合わせしてみると、周囲の同じスペックの物件と比べて安い家賃で募集しているにもかかわらず、「家賃を下げるしかない」「広告費をもらえないと積極的な募集はできない」の一点張り。自分の物件に問題があるわけではないので、管理会社に客付けのやる気がないと思われるケースもあります。

1-10.入居者と言っていることが食い違っている

「入居者からクレームが来ている。改善しないと退去するそう」と管理会社の担当者から言われたものの、実際に入居者に確認してみると、「そんなことは言っていない」との回答が。担当者が解釈をねじ曲げ、オーナーに脅しをかけて無理やり修繕費を取ろうとしたケースです。

2.トラブルが発生した場合の対応策

トラブルが発生した場合の対応策

悪質なケースを含めて管理会社とのトラブル例を紹介してきましたが、実際にトラブルが発生した場合はどのように対応すればいいのでしょうか。

2-1.問題を明らかにする

長期空室や多額の費用が発生するなど「これはおかしい」と思った点があれば、まずは問題点を明らかにしましょう。

例えば、

  • 「なかなか空室が埋まらないのに何の提案もない」
  • 「自分で見積もりを取ったら、提案内容が相当高いことがわかった」
  • 「クレームを放置して被害が大きくなってしまった」

などです。

「なんとなく不安」「なんとなくおかしい」という状態だと、建設的な議論ができず、かえって管理会社との関係性を悪化させてしまう恐れもあります。まずは現状の問題を言語化することから始めましょう。

2-2.担当者が原因なのかを見極める

管理会社の担当者によってスキルや意識には大きな差があります。たとえ管理会社の評判が良くても、担当者によって業務の対応は大きく変わるということです。

管理会社では営業マン一人に対し、数百戸の管理を担当させているケースもよくあります。そのため、スキルや意識が低いと個別の仕事がおろそかになってしまい、解決に時間がかかったり、余計にお金がかかったり、問題が悪化したりすることもあります。

空室に対してもさまざまな提案をして、できるだけ高い家賃で埋めようと努力してくれる担当者がいる一方、やっつけ仕事で原状回復だけやって終わりという担当者もいます。したがって、まずは問題の原因が担当者の力量なのかを把握する必要があります。

そのうえで、口頭とメールで指摘して改善を促すのも一手ですし、あまりにひどいというケースは担当者の上司に相談するのもいいかもしれません。

「苦情はなかなか言いにくい」という人もいるかもしれませんが、正当な理由があり、かつ賃貸経営という事業を行っている以上、そこはシビアに考えるべきです。収益性、精神的負担に大きく関わる部分ですので、納得が行かないパートナーと関係を継続する理由はありません。オーナーとして厳格な判断をしましょう。

2-3.管理会社を変更する。場合によっては法的処置を

  • 「担当者があまりに悪質で、これ以上関係を続けるのは不可能」
  • 「会社としても信頼できない」

ということであれば、管理会社の変更を検討しましょう。

なお、管理契約に抵触する行為があれば、管理会社に対して損害賠償請求できる可能性もあります。

また、一般的に管理会社が入居者の迷惑行為を知りながら放置していた場合、管理会社に問題があります。こうしたときに重要なのは「エビデンス」を残すこと。例えば、電話ではなくメールでやりとりする、防犯カメラ等で証拠を残すなどです。

法的処置については専門家に相談のうえ、対応を考えるのがいいでしょう。

3.トラブルを事前に回避する方法

トラブルを事前に回避する方法

ここまで管理会社とのトラブルへの対応策を紹介してきましたが、できるならば事前に回避しておきたいところです。それでは、その方法を見ていきましょう。

3-1.契約内容をしっかり確認する

実施する業務、違約内容、その際のペナルティなどについては、管理会社と交わす管理委託契約書上で取り決めるものです。契約書には細かい条項も多いため「面倒くさいな。信頼できそうな担当者だし、大丈夫だろう」と思って読み込みが甘くなってしまう人もいますが、必ず一文ずつ読み、納得の行かないところ、わからないところがあったら捺印前に確認しましょう。

特に手数料については、

  • 「毎月かかる家賃の○%だけだと思っていたのに、新しい入居者が決まった段階で別途手数料を取られた。こんなことは初めて知った」

などのケースがよく起こっています。どんな条件で手数料が発生するのかは確実に把握しておきましょう。

3-2.担当者を見極める

管理会社とのトラブルでは、

  • 「なかなか連絡がつかない」
  • 「対応が不誠実」
  • 「報告が曖昧」

など担当者の仕事ぶりに起因するケースが多くあります。また、そもそも「人間として合わない」ということもあるかもしれません。

こうしたことは契約前のやりとりで気づくこともあります。また、「担当者の仕事ぶりがトラブルにつながる」ということを知っているだけでも、管理会社選びの際のヒントとなるはずです。

3-3.我慢しない、放置しない

前項の続きになりますが、

  • 「以前の担当は提案も多く対応も素晴らしかったのに、新しい担当はほとんど連絡してこないし、仕事もやっつけのように見える」

というケースもよくあるトラブル事例です。これは大手にありがちではあるのですが、担当者の変更はオーナー側では防ぎようがないですし、劣悪な担当者が新しく付いてしまうのもオーナーの責任ではありません。

そんなときは「自分や物件の責任」などと抱え込むことはせず、「2. トラブルが発生した場合の対応策」で解説したように、問題点を明らかにしたうえで担当者に起因するのかを判断し、担当者またはその上司に話をするか、それでも改善が見られなければ管理会社の変更も検討しましょう。

自分の手間や時間をかけないために管理会社に委託しているのに、管理会社の対応が悪いことで本業に支障を来したり、それがストレスになっていたりしたら本末転倒です。

また、質の悪い管理を続けられると、入居者の不満が溜まって二次被害に発展する可能性もあります。「我慢と放置はしない」と心がけましょう。

まとめ

1. 管理会社との間で起きやすいトラブルは、主に「契約内容(主に手数料)」「担当者の能力・意識不足」「管理会社の悪意ある行為」によって生じることが多い

2. トラブルが発生する前の段階で防ぐのが理想的だが、発生してしまった場合は迅速に対応する

3. 管理会社に対して正当な理由で意思を伝えることは重要。しかし地方・郊外では都心部と違って管理会社の数が少ない。そうした場合は特に、穏便に解決できるよう対応したほうがよい

いかがでしたか。管理会社とのトラブルは不動産投資におけるリスクの一つですので、知識を身につけておくに越したことはありません。泣き寝入りして被害を拡大しないよう注意しましょう。

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