家賃収入がある人は確定申告が必要!申告漏れしないための注意点を解説

不動産投資をして家賃収入がある人の中には、確定申告について悩まれている方もいらっしゃると思います。

特に、サラリーマンの方は確定申告の経験が少なく、詳細が分からずに頭を抱えているかもしれません。また、間違って確定申告してしまった場合に、どんな影響があるのかなどの心配もおありかと思います。

不動産投資をする上で、確定申告や税の知識をしっかり抑えておくことが重要です。

そこで、この記事では家賃収入がある場合の確定申告について

  • 家賃収入の確定申告の流れや必要書類などの基本情報
  • 経費として計上できるもの・できないもの
  • 家賃収入の確定申告で注意すべきポイント

についてお伝えします。

申告漏れや無駄な税金を払わないために経費をしっかりと計上することが大事です。とはいえ、むやみに経費を計上して節税すればよいという話でもありません。

この記事では、最後に不動産投資で規模を拡大させていきたい方は必ず知っておくべき節税に対する考え方をお伝えしていきます。

不動産投資を行う上で税務に関する知識は欠かせません。この記事を読むことによって今のキャッシュフローを増やすだけでなく、将来的に得する確定申告の考え方を理解できるでしょう。是非、しっかりとポイントを押えてください。

1. 家賃収入がある人の確定申告の方法

家賃収入がある人の確定申告について

不動産投資で家賃収入のある人は、確定申告をする必要があります。 

確定申告とは、自分の所得にかかる税金の額を計算し、税金を支払う為の手続きです。不動産投資で家賃収入が発生すれば、不動産所得に該当する為、確定申告をする必要があります。

そこで、初めて確定申告をする際に知っておくべきことを解説していきます。

1-1. サラリーマンの場合にも確定申告が必要?

サラリーマンで確定申告が必要になるのは、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えた場合です。つまり、不動産所得以外にも事業所得や雑所得があれば、合算して20万円を超えるかが判断基準となります(年末調整をしている給与所得者の場合)。

もし、確定申告をしなければならないのに、未申告・申告忘れ・申告漏れがあった場合、追加徴税をされてしまいます。追加徴税には「重加算税」「延滞税」「過少申告税」の3つがあります。

自分が申告対象者であるにも関わらず確定申告をしないと、ペナルティを課せられる場合がありますので、忘れずに確定申告をしっかりと行っていきましょう。

1-2. 青色申告と白色申告どちらを使用する?

確定申告には、「青色申告」と「白色申告」があります。

何も手続きをしなければ、自動的に白色申告になります。法的には白色申告でも問題ありませんが、青色申告は控除が多いなどのメリットがありますので、青色申告をお勧めします

青色申告にするだけで、利益から10万円を控除する事ができます。10万円控除の場合は、白色申告と同じ単式簿記なので、書類作成の難易度は変わらず、控除額が増えるのです。

不動産投資の事業規模が大きい場合は、同じ青色申告で65万円を控除する事も可能です。その為には単式簿記から複式簿記に変更が必要なので、少し難易度はあがります。とはいえ、今は会計ソフトなども増えてきているので、最大限の節税を狙うのであれば、青色申告で65万円控除を目指していきましょう。

1-3. 課せられる税金の種類と税額

では、不動産投資の収入に対して、どのような税金が課せられるのでしょうか? ここでは、課せられる税金の種類、および税額についてお伝えします。

所得税

所得に対して課せられるのが「所得税」になります。所得税は10種類の中から分けられます。不動産投資に関しては、不動産所得という分類になり、賃料などを含めた不動産投資の収入から、必要経費を差し引いたものが不動産所得になります。

サラリーマンの場合は給与所得もありますので、給与所得と不動産所得を合算して、その合計額に応じて所得税が課せられます。

日本では所得の多い人ほど税の負担が重くなる累進税率が用いられています。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 9.75万円
330万円超695万円以下 20% 42.75万円
695万円超900万円以下 23% 63.6万円
900万円超1800万円以下 33% 153.6万円
1800万円超4000万円以下 40% 279.6万円
4000万円超 45% 479.6万円

住民税

住民税の税率は、所得金額の10%が基本になります。500万円の所得があれば、50万円を住民税として納付する必要があります。

所得税の計算で控除されるもの

一般的に収入から控除できるものには、以下があります。

  • ・基礎控除 38万円
  • ・給与所得控除(サラリーマンの場合のみ)
  • ・社会保険料控除
  • ・配偶者控除 38万円
  • ・扶養控除 38万円~63万円
  • ・青色申告控除 10万円(簡易簿記)/65万円(複式簿記)
  • ・医療費控除
  • ・生命保険、地震保険、介護医療保険、個人年金などの保険料控除

利用できる控除に関しては、きちんと申告しておきましょう。

1-4. 確定申告の手順

それでは、実際に確定申告の手順、流れについて確認していきましょう。

確定申告の全体の流れは下記のようになります。

  1. 青色申告の申請書提出(事業開始後2ヶ月以内)
  2. 提出書類の準備
  3. 決算書の作成
  4. 確定申告書の作成
  5. 税務署へ提出

それでは一つ一つのステップを見てみましょう。

青色申告の申請書提出(事業開始後2ヶ月以内)

不動産事業の確定申告を行うには、決算書を作成する必要があります。 白色と青色がありますが、青色申告には所得控除がある為、青色がおすすめです。ただし、青色申告の場合は、不動産事業を始めてから2か月以内に申請書を提出する必要があります。

青色申告の場合、所得控除が10万円、もしくは65万円(事業的規模の場合)が受けられますし、赤字の場合は赤字を3年間繰り越すこともできるので、早めに申請書を提出しておきましょう。

提出書類の準備

確定申告の際には収入、経費、すでに納めた税金が分かる書類の作成が必要です。 サラリーマンとの兼業で不動産投資をしている方は、会社から受け取る源泉徴収票なども必要になります。具体的な必要書類に関しては記事の後ろの方でまとめています。

また、領収書や明細書は提出する必要はないものの、白色申告の人は5年、青色申告の人は7年間保管する義務があります。よって、申告後も捨てずにしっかりと保管しておきましょう。

決算書の作成

必要書類を準備したら、不動産事業の決算書を作成します。

決算書や確定申告書の作成は、国税庁のwebサイトでできますので、早めに進めていきましょう。一時保存も可能なので、隙間時間に少しずつ進める事も可能です。

確定申告書の作成

確定申告書の作成も、国税庁のwebサイトから行います。給与収入や控除の金額などを入力し、決算書で作成した金額もいれていきます。その他の収入があれば、その金額も含めて入力していきます。書類が完成したらPDFでダウンロードできます。

税務署へ提出

e-Taxを利用して、インターネット経由で提出するか、税務署へ郵送、持参する事によって提出できます。

インターネット経由の方が簡単ですが、マイナンバーカードと、その情報を読み取るための端末が必要になります。 持参の場合、手間はかかるものの、入力間違いなどについては直接聞くことができるのでメリットもあります。

1-5. 確定申告の期間と必要書類

確定申告を行う期間は、2月16日~3月15日までの間です。これは毎年日付で決まっているので、ぎりぎりにならないように注意しましょう。

納付期限までに納めないとペナルティーが課され、本来納付すべき所得税に加算税、延滞税などが上乗せされてしまう場合もあります。

確定申告の為に、揃えておく必要がある書類には以下が該当します。全てではなく自分が該当している書類を集めていきましょう。例えば、生命保険に加入していない場合は、生命保険の証書はありませんので不要になります。

  • ・源泉徴収票(勤務先から年末調整後に入手)
  • ・賃料入金明細書(管理会社を利用している場合は管理会社から入手)
  • ・賃貸借契約書(敷金、礼金などの金額がわかるもの)
  • ・他の収入が確認できる書類
  • ・固定資産税の通知書
  • ・不動産取得税の納付書
  • ・生命保険、火災保険、地震保険の証書(保険会社から送られてきます)
  • ・管理費・修繕積立金がわかる書類
  • ・不動産売買契約書
  • ・不動産投資ローンの明細書
  • ・水道光熱費、交通費、接待交際費などの経費の領収書

不動産投資では収支の計算は重要なので、きちんと集めておきましょう。

1-6. 家賃収入を確定申告する上でのポイント

不動産投資において税金や減価償却などで赤字になった場合、確定申告をする事で給与所得と合算して税金の計算ができる為、給与所得の税金を減らすことが可能になります。

その為、利益がでていない赤字の場合であっても確定申告をするメリットがあるというのがポイントです。 注意点として、不動産投資の赤字と合算した場合、課税所得額が下がります。そうすると、住民税の納税額が減る為、会社に不動産投資をしている事が知られる可能性がでてきます。

会社に不動産投資をしていることが知られたく場合には、確定申告書の作成時に、住民税の納付に関しては会社経由ではなく、自分で納付を選ぶなどして、会社に知られるリスクを減らすようにする事もポイントになってくるでしょう。

2. 家賃収入がある人の経費について

家賃収入がある人の経費について

税金を納めるのは大切な国民の義務ですが、無駄な税金を支払う必要はありません。そこで、経費についてもしっかりとチェックしていきましょう。

2-1. 経費として計上できるもの

不動産所得で経費として計上できるもの10個を具体的にまとめていきます。

  • ・管理費
  • ・修繕積立金
  • ・賃貸管理代行手数料
  • ・損害保険料
  • ・減価償却費
    →不動産の取得費用を、その年で一括計上するのではなく、利用可能な期間にわたって毎年の費用として計上する事ができます。主に建物や建物に付随する設備は減価償却ができます。
  • ・修繕費
  • ・各種税金
    →不動産取得税、固定資産税、印紙税、事業税などが該当します。所得税と住民税は該当しません。
  • ・ローン返済の利息部分
  • ・ローン保証料
  • ・税理士に支払う手数料
  • ・その他の必要経費
    →交通費、新聞図書費、通信費などが含まれます

建物の減価償却については、以下の記事で詳しく説明していますので、こちらをご覧ください。

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2-2. 経費として計上できないもの

不動産投資において経費として計上できないものもしっかりと理解しておきましょう。

  • ・修繕費や保険料などで自宅に関するもの
  • ・不動産を売却した際の譲渡損
  • ・ローン返済の元本の返済に該当するもの
  • ・私生活に関する費用(食事、光熱費、電話代など)

 

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確定申告について理解し、自分でできるようになる事は必要ですが、ずっと自分でやり続けるのはおすすめしません。なぜなら、不動産投資のうまみは自分から手離れしてもしっかり回り、きちんと「家賃収入を受け取り続けることができる」ことにあるからです。

また、不動産投資を拡大していくと管理戸数も増え、全て自分でやるとなると時間がかかり、重要な不動産投資拡大に関わる時間を奪われてしまうからです。

とはいえ、不動産投資初心者では税務に関しての知識や経験も必要なので、不動産投資1年目は自分で行い、2年目以降は税理士に頼むのが良いでしょう。税務に関して基本的な知識を学びたい方は書籍での勉強をおすすめします。

書籍に関しては以下の記事でまとめています。

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不動産投資のメリットは、経費を計上することで節税できることです。とはいえ、事業拡大を考えているのであれば節税の為に経費をかけすぎること、つまり極度に赤字にするということはしない方が良いでしょう。

事業拡大をするためには、銀行からの融資は必要不可欠です。しかし、節税の為とはいえ、大きな赤字をだしていると、次の融資の時に評価が低くなるため、融資を受けにくくなってしまいます。利益をきちんと計上していく事で、銀行の評価が良くなり、事業性融資を引く事も可能になるのです。

目先の税金を減らす為に、本来の目的であるキャッシュフローを増やすための融資に対してマイナスの要因を増やすのは得策ではありません。きっちりと利益を出していき、不動産投資の事業拡大をしてより多くの家賃収入を目指しましょう。

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5. まとめ

  • 1.家賃収入がある人は青色申告で確定申告をする事で、所得控除を受ける事ができます。
  • 2.確定申告の際は、経費として計上できるものと、計上できないものをきちんと確認して最大限の節税効果を得られるようにしましょう。
  • 3.不動産投資で拡大を目指す場合は、確定申告は最初の1年目は自分で行い、2年目以降は税理士に任せるなどして、手離れさせても回るようにし、不動産投資の事業拡大に注力しましょう。
  • 4.不動産投資の事業拡大の為に、節税の為に赤字をつくるのではなく、きちんと黒字化して税金を納め、金融機関からの評価をあげていきましょう。

確定申告をした事がない人にとっては難しいと感じてしまいますが、やり方が分かれば、そこまで難しくありません。不動産投資を実践していくにあたって、確定申告をきちんとしていく事で、節税と金融機関からの評価向上に繋がります。

税務に関してもきちんと理解した上で、不動産投資の事業拡大をしていき、手元の残るキャッシュフローを向上させていきましょう。

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