路線価の計算方法と不動産投資で上手に活用する3つのポイントを解説

不動産投資はもちろん、マイホームを購入しようと思った人であれば「路線価」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。「路線価」は土地の価値を正しく把握するための重要な指標の一つです。

この記事では

  • ・路線価とは
  • ・路線価の計算方法
  • ・路線価の不動産投資における活用方法

について解説します。

路線価の計算方法や活用方法を知っておくことで、適正価格な土地を見つけることができます。私も気になった物件を調べる際には路線価を必ず確認し、土地の価格が適正かどうかを計算したうえで投資判断を行っています。

初心者の方はもちろん、上級者の方も復習という意味でこの記事を読んでいただき、ご自身の不動産投資に活用してください。

1. 路線価についての基本的な知識

路線価についての基本的な知識

1-1. 路線価とは

路線価とは、「道路(路線)に面する宅地の1平方メートル当たりの価格」のことで、毎年7月1日、国税局・税務署が公表しています。土地の価格を計算するうえで用いる指標の一つで、基本的に都心部にいくほど価格は高くなり、郊外にいくほど安くなります。

路線価は、「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2つに分かれます。

  • ・相続税路線価……相続税または贈与税の計算時に使用します。
  • ・固定資産税路線価……固定資産税の計算時に使用します。

具体的な違いは、以下の表のとおりです。

名称 相続税路線価 固定資産税路線価
価格時点 1月1日 1月1日
調査時期 毎年 3年ごと
実施主体 国税局 市町村
価格水準 時価の8割 時価の7割

なお、すべての地域で路線価が定められているわけではありません。路線価は市街地の宅地が主な対象のため、郊外の宅地や山林、農地には路線価がつけられていないことが多いのです。

路線価が定められていない地域に関しては、各市区町村の「評価倍率表」を確認し固定資産税評価額に倍率をかけて土地の価格を計算する必要があります。路線価を使って計算する方法を路線価方式、評価倍率表を使って計算する方法を倍率方式と言います。

1-2. 路線価の近年の動向

ここ数年、不動産価格の相場は上昇傾向にありますが、その背景には路線価の上昇も深く関係しています。

国税庁の発表によると、2018年分の路線価(同年1月1日時点)に関して、全国約32万4000地点の標準宅地は、前年年比で0.7%のプラスとなり、3年連続で上昇したと発表しました。

33年連続で日本一となった東京都中央区銀座5の「鳩居堂」前は、1平方メートルあたり4432万円で、2017年に続き過去最高を更新。都道府県別の路線価は東京、大阪、愛知など18都道府県で上昇。不動産売買が活発化し、都市部を中心に上昇傾向が広がっていることが見受けられます。

首都圏では東京都(上昇率4.0%)、千葉県(0.7%)、神奈川県(0.6%)、埼玉県(0.7%)がいずれも5年連続で上昇。愛知県(1.5%)は6年連続、大阪府(1.4%)も5年連続で前年を上回っています。

最も上昇率が高かったのは沖縄県の5.0%(17年は3.2%)で、訪日客の増加によるホテル需要の高まりやリゾート開発が影響しているとみられます。

東日本大震災の被災地では宮城県が3.7%上昇、福島県が1.3%上昇。16年に熊本地震が起きた熊本県は17年に0.5%下落しましたが、18年は0.7%の上昇に転じました。

一方、秋田県は2.3%マイナス、愛媛県は1.6%マイナスとなるなど、地方では下落が止まらない地域が多いとのことです。

参考:日本経済新聞 

このように毎年発表される路線価を参考に、そのときの不動産市況の判断材料にしているということです。

1-3. 路線価をどうして使うのか

1-3-1. 4種類の土地の評価方法

土地の時価は、路線価を含めて4つ存在します。これは属に「1物4価」と呼ばれたりします。それぞれ具体的に解説していきましょう。

■路線価格

この記事で取り上げている路線価です。

■取引価格(実勢価格)

実際の売買の際に用いられる価格で、売買当事者間で決めるため「時価」とも呼ばれます。時価と聞くとイメージがつくと思いますが、売り急ぎや買い進みなど個別的な事情が価格を変動させるケースがあります。

なお、近隣の土地がいくらで売買されていたかという「過去の取引価格」は、国土交通省の「土地総合情報システム」で確認できます。

■公示価格

毎年3月末に国土交通省が公表する価格です。 税金を計算する際や売買取引を行う際の基準となります。「取引価格」の約9割だといわれています。

固定資産税評価額

固定資産税の計算のもととなる価格です。3年ごとに見直されます。「公示価格」の約7割だといわれています。

なお、「路線価格」と「取引価格」とは異なるという点を注意しておきましょう。つまり、いくら路線価格が安くても、その金額通りに実際に買えるわけではないということです。

具体的にいうと、路線価は「取引価格の約8割」を目安に付されています。

計算式に表すと、以下のようになります。

  • 取引価格=路線価×0.8

また、路線価から取引価格を導き出すことも可能です。

  • 路線価=取引価格÷0.8

これは非常に実践的かつ重要な計算式ですので、必ず覚えておくようにしましょう。

1-4. 路線価の調べ方

では、路線価を具体的に調べる方法を解説しましょう。

1-4-1. 国税庁ホームページで調べる

前で述べたように、路線価は毎年7月1日に国税局・税務署が公表しています。国税庁ホームページにアクセスすると、「路線価図・評価倍率表」を見ることができます。また、過去6年分の路線価図も調べられます。

路線価図・評価倍率表

なお、「評価倍率表」とは前に書いた「路線価が定められていない地域」における路線価の代わりとなる指標です。 ホームページにアクセスしたら、以下の手順で検索してみましょう。

1-地図上の都道府県名、または地図の下に表示されている都道府県名のなかから調べたいエリアをクリックしましょう。

地図上の都道府県名、または地図の下に表示されている都道府県名のなかから調べたいエリアをクリック

※このとき表示されるのは最新年度のため、過去の路線数を調べたいときは先に年度を選択してください。

2-都道府県ごとの目次が表示されるので、一番上にある「路線価図」をクリックしましょう。

都道府県ごとの目次が表示されるので、一番上にある「路線価図」をクリック

3-市区町村の一覧が表示されるので、土地がある市区町村名をクリックしましょう。

市区町村の一覧が表示されるので、土地がある市区町村名をクリック

4-路線価が設定されている町または大字の一覧が表示されますのでクリックしましょう。同じ町・大字に複数の路線価図ページ番号がある場合、いずれかをクリックしてください。

路線価が設定されている町または大字の一覧が表示されますのでクリック

もしくは、地図から路線価図を探すこともできます。町・大字の一覧画面で「この市区町村の索引図ページへ」をクリックすると索引図が表示されます。索引図から調べたい土地のエリアを見つけてクリックしましょう。

5-指定した路線価図が表示されます。調べたい土地が見つからなかった場合、画面左の「接続図」から隣接する地域の路線価図を確認できます。

1-4-2. 路線価図で調べる

路線価図を見ることで、路線価を予測することも可能です。路線価図では、その道路に面している土地の1平方メートルあたりの価格が千円単位で表示されています。

例えば、調べたい土地が面する道路の路線価が「300F」だったとしましょう。この場合、調べたい土地の路線価は「300千円」、つまり30万円となります。

なお、数字の後に続くアルファベッドは、「借地権割合」を示しています。借地権割合は、「土地の価格のうち、借地権者に帰属する経済的利益」という意味で、基本的に地価が高いほど借地権割合も高くなります

借地権割合はA〜Gまで存在し、Aになるほど借地権割合が高く、Gになるほど低くなります。詳しくは以下の表を参考にしてください。

記号 借地権割合
A 90%
B 80%
C 70%
D 60%
E 50%
F 40%
G 30%

つまり、上記の例(300F)だと1平方メートルあたり30万円のうち60%が借地権の価格、つまり土地を借りている人の権利部分で、残り40%が地主の権利部分の価格となります。

1-4-3. 全国地価マップを活用する

ここまででは、国税庁のホームページから路線価を調べる方法を解説してきましたが、目的の情報を得るためにはいくつも選択をするなど、やや煩雑なルートを辿らなければなりません。

そこで、国税庁のホームページよりも簡易的に調べられるのが、一般財団法人資産評価システム研究センターが運営する「全国地価マップ」です。

全国地価マップ

このサイトなら、市区町村を指定する、もしくは郵便番号を入力するだけで路線価が表示されます。また、「固定資産税路線価」「相続税路線価」「地価公示価格」「都道府県地価調査価格」といった目的別で調べることができます。

2.路線価を使った計算

路線価を使った計算

2-1. 路線価を使った土地の評価方法

更地の評価額の計算式は、「路線価×面積」で算出することができます。 路線価については「1-4. 路線価の調べ方」で解説したとおりです。

仮に路線価が30万円、土地の面積が150平方メートルだった場合、

  • 30万円×150平方メートル=4500万円

となります。

2-2. 角地や準角地の場合、評価額がプラスになる

上では、路線価を用いた基本的な土地の評価方法を紹介しました。しかし、以下のような2つの道路に面している場合、計算方法は異なります。

・角地

接している道路の形状がT字型や+型になっている土地。

・準角地

L字型に曲がった道路に面している土地。

※2つの道路のうち、路線価の高いほうを「正面」、低いほうを「側方」と呼びます。

角地は「2つの道路に面している=使い勝手が良い」とみなされるため、評価額が上がります。

計算方法としては、「正面の路線価+側方の路線価の一部」です。側方路線価の割合(側方路線影響加算率)は、地区区分ごとに定められており、角地と準角地で異なります。普通住宅地区の角地であれば、側方路線影響加算率は5%です。

つまり、路線価300・200に面している150平方メートルの角地の場合、

  • (30万円+20万円×5%)×150平方メートル=4650万円

という評価額になります。

2-3. その他、土地の形状の応じた補正

「2-1. 路線価を使った土地の評価方法」で紹介したのはあくまで正方形で道路に垂直に面している土地の計算方法であり、それ以外の場合は各種補正をかけなければなりません。上に挙げた角地の例は、土地の評価額が上がるパターンでしたが、なかには下がるパターンも存在します

奥行価格補正(奥行補正)

標準的な宅地に比べて奥行が長いまたは短い場合に行う補正です。

奥行価格補正(奥行補正)

この図を見ていただければわかるとおり、同じ土地の面積だったとしても、Bの土地は入口が狭く長細くなっているため、利用価値という面ではAの正方形の土地に劣ります。したがって、Bの場合、奥行価格補正率をかけて算出する必要があります。

奥行補正率は国税庁のサイトから確認できます。

不整形地補正

宅地の形状が正方形や長方形でなくいびつな場合に行う補正です。

土地Bのようにいびつな形の土地(不整形地)の場合、整形地よりも利用価値は低いため、「不整形地補正率」で路線価を減額します。

また、土地Cのように見た目が四角い形状であっても、道路に斜めに接している場合、Bと同じように不整形地として路線価を補正します。

不整形地補正

不整形地補正率は、次の①から③の手順にしたがって確認します。

①地積区分表

地積区分表を確認し、評価する土地が「A」、「B」、「C」のどれに該当するか調べます。

地積区分表

出典:国税庁 財産評価基本通達 付表4 地積区分表

②評価する土地の「かげ地割合」を調べます。かげ地割合とは、不整形地を囲む長方形である「想定整形地」に対して不整形地が欠けている部分の割合です。

③評価する土地の地区区分、地積区分、かげ地割合をもとに、不整形地補正率表で補正率を確認します。

国税庁 財産評価基本通達 付表5 不整形地補正率表

出典:国税庁 財産評価基本通達 付表5 不整形地補正率表

・間口狭小補正

用途に対して間口が狭い場合に行う補正です。間口が狭い土地は、出入りがしにくくなるため、利便性が悪いとみなされます。「間口狭小補正率」で路線価を減額する必要があります。

間口狭小補正率は国税庁のサイトから確認できます。

・奥行長大補正

間口に対して奥行が長い場合に行う補正です。奥が長すぎるというのも利便性が悪いとみなさるため、奥行長大補正率で路線価を減額します。なお、奥行長大補正率を適用すべきなのは、「奥行の長さ÷間口の幅=2以上」のケースです。

奥行長大補正率は国税庁のサイトから確認できます。

・がけ地補正

宅地に斜面(崖)がある場合の補正です。建物を建てることがこんなんで利用価値が低いとみなされるため、がけ地補正率で路線価を減額します。

がけ地補正は国税庁のサイトから確認できます。

3. 土地の相続税を計算するには?

土地の相続税を計算するには?

土地を相続する場合の相続税の計算は次の式から求めます

  • (土地の評価額-基礎控除額)×相続税率

基礎控除額は法定相続人の数によって変わってきますし、相続税率も課税遺産総額によって変わってきます。
詳しくは国税庁の「財産を相続したとき」のページをご確認下さい。

4. 不動産投資と路線価の関係と上手な活用方法

不動産投資と路線価の関係と上手な活用方法

路線価はインターネットを使えば誰でも簡単に調べることができます。ですので、不動産投資で物件を購入する際は、まずその土地の路線価を調べて「取引価格の8割程度になっているか」と簡単に確認するだけでも、その不動産の価格が適正なのかが判断できます。

また路線価は、駅や公共機関からのアクセスはもちろん、周辺道路の整備状況、商業施設の有無が総合的・客観的に判断されます。そのため路線価が高い土地というのは、それだけ「賃貸ニーズが高い」といえます。

現地を知らないエリアの物件を買う場合は、同じ区画内でも路線価の高い土地と低い土地が存在するので、必ずチェックしておきたいところです。

また、不動産投資で融資を受ける際に、金融機関は積算価格を重視する場合もあるので、 路線価を意識することは不動産投資をするうえでとても重要な要素といえます。

5.まとめ

  • 1. 路線価とは、「一道路(路線)に面する宅地の1平方メートル当たりの価格」のこと。土地の価格を調べるための有用な指標の一つで、「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2つに分かれます
  • 2. 路線価は近年上昇傾向にあります。都道府県別の路線価は東京、大阪、愛知など18都道府県で上昇。33年連続で日本一となった東京都中央区銀座5の「鳩居堂」前、最も上昇率が高かったのは沖縄県の5.0%(17年は3.2%)。
  • 3. 路線価は国税庁ホームページでも確認ができますが、検索の実用性からいうと「全国地価マップ」のほうが高いといえます。
  • 4. 路線価は角地や準角地の場合は高くなり、逆に土地の形がいびつだったり道路に斜めに面していたりすると、補正率をかけて算出する必要があります。

いかがでしたか。不動産投資初心者の方だと「路線価って聞いたことがあるけど、物件探しのときには考えていなかった」という人も多いのではないでしょうか。しかし、上級者であれば必ずと言っていいほど路線価は気にする指標です。

路線価は毎年7月1日公表されるもので、その都度メディアを賑わせます。どのエリアのニーズが高まっているなど俯瞰的に不動産市場を把握できる材料となるので、ぜひ今後はチェックしていただきたいと思います。

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