不動産投資シミュレーション方法と簡単に使えるお勧め8ツールを紹介

不動産投資における「シミュレーション」の重要性は、誰もが納得するところでしょう。しかし、シミュレーションといっても「何を行えばいいのか?」「どこまで厳密に行うべきなのか?」とった疑問を持つ人は多いのではないでしょうか。

実際、投資家や不動産会社によって、用いるシミュレーションは異なるため、俯瞰的な知識を身につけたうえで正しくシミュレートできている人は少数派です。

そこでこの記事では、

  • ・シミュレーションで何がわかるのか?
  • ・不動産投資で本当に使えるシミュレーションツールの紹介
  • ・シミュレーションの実践的な活用法

ということを解説いたします。

シミュレーションの正しい知識を身につければ、儲かる物件かどうかを判断するスピードが速まり悪質な物件を選ぶリスクも格段に減らすことができます。

不動産投資を始めようとする人なら誰もが知っておくべき情報ですので、ぜひ理解できるまで繰り返し読むようにしてください。

1. シミュレーションは不動産投資に必要か?

シミュレーションは不動産投資に必要か?

1-1. シミュレーションが不動産投資に必要といわれる理由

不動産投資を行ううえで「シミュレーション」は欠かすことができません。その理由は主に以下の3つになります。

リスクがわかるので対策を立てられる

どんな投資であれ、必ずリスクは存在するものです。不動産投資の場合、「空室」「入居者トラブル」「金利上昇」「天災」などさまざまなリスクがあり、場合によってはそのリスクが原因で大きな損害を受けるケースもあります。

しかし不動産投資の場合、どのようなリスクがあるのかは購入前の段階で見当がつくものですし、対策も用意されています。特に、「購入時のリスク」(利回りの誤算、投資エリアの選択ミス、融資計画の失敗など)の場合、シミュレーションをすることで予測が立てやすいため、失敗物件を購入することを避けられます

キャッシュフローの目安がわかる

不動産投資を行う目的は、「キャッシュフローを得るため」という人が大半だと思います。中にはキャッシュフローが多少マイナスでも、資産性の高いマンションを低いレバレッジで購入する人もいるかもしれません。

その場合でも「どれくらいのマイナスになるのか」ということを把握しておかなければなりません。そうでないと、予想以上の持ち出しになってしまい、本業収入をより圧迫することになりかねません。

シミュレーションを行えば、毎月いくらのキャッシュフローが出るのか概ね予測できます。「概ね」と書いたのは、予定外の退去、修繕などによる出費が発生する可能性があるからです。とはいえ、キャッシュフローを試算しておけば、年間の収支計画を立てられることはもちろん、買い増しをするなど長期的な視点で物事を考えられるようになります。

購入検討している物件が儲かるかどうか判断できる

物件の収益性を見るとき、はじめに目がいくのは「利回り」だと思います。しかし、この想定利回りは、ほとんどの場合「表面利回り」であり、管理費・修繕積立金、固定資産税などの諸経費、さらにはその物件が持つさまざまなリスクは含まれていません。

表面利回りが10%以上であっても、諸経費を除いた実質利回りは5%程度ということも十分あり得るのです。

シミュレーションが正しくできるようになると、その物件が持つ「真の収益性・資産性」がわかるようになります。つまり、本当にその物件は儲かるのかということが判断できるようになるのです。

1-2. シミュレーションでわかること

では、「シミュレーションで何がわかるのか」について詳しく解説しましょう。

売却予想

シミュレーションをすることで、「何年後に残債がいくら残っているのか」ということを把握できます。残債がわかっていれば「いくらで売ればどれだけの利益が出るか」ということも予測できます。

これにより、「(市況にもよりますが)購入後、◯年後に売ろう」という出口戦略を事前に考えやすくなります

融資

不動産投資では大半の場合、金融機関から融資を受けて行います。そのとき、物件や買い手の属性によって金利や融資期間といった条件は異なります

シミュレーションをすれば「この金利だと収益率が低い」「もっと融資期間を長くしないとキャッシュフローが出ない」などの判断ができるようになります。それをふまえて、融資先や融資条件の変更を検討したり、あるいは希望の融資条件に当てはまる物件を探し直したりできるようになります。

家賃の変動における収支

新築・中古物件を問わず、基本的に家賃は購入時点より安くなっていくものです。オーナーチェンジ物件で、もともとの家賃が相場より安く、新しい入居者を付けるときに少し高い家賃に設定するというケースはあります。しかしそれでも、長期的な視点で見れば、家賃は下落していくものです。

シミュレーションをするときに家賃の下落率を設定しておけば、5年後、10年後の収支計画にも大きなブレは生じません。家賃が変動することを前提にシミュレーションをして、もし将来的に収支が悪化しすぎるようであれば、購入を見送るという選択もできるでしょう。

2. 状況別・不動産投資シミュレーション

状況別・不動産投資シミュレーション

シミュレーションをする際は、無料のツールがインターネット上に多数存在するので、それを使うといいでしょう。この記事では、特におすすめのシミュレーションツールを取り上げ、状況別に紹介していきます。

2-1. 利益率の計算に使えるツール

不動産投資 連合隊 収益・投資物件 簡易収支シミュレーション

物件価格、満室時想定年収、想定空室率、諸経費率といった「物件情報」、自己資金、借入金額、借入期間、借入金利といった「資金計画」を入力することで、返済額、年間手取り、実質利回りなどの収支資産が可能です。登録不要で使えるのがポイントです。

楽待 不動産投資シミュレーションツール

無料で登録不要のツールです。物件価格、表面利回り、物件構造、築年数、建物面積を入力するだけでキャッシュフローのシミュレーション結果が出ます。一度結果を出すと、画面下部で細かい条件を調整することで結果を自動的に表示してくれるのもポイントです。

at home 賃貸用不動産の投資利回り

無料で登録不要のツールです。表面利回り・実質利回りをすぐに計算できます。

野村不動産アーバンネット 不動産投資シミュレーション

無料で登録不要のツールです。内容は楽待と似ています。

物件価格、表面利回り、物件構造、築年数、建物面積を入力するだけでキャッシュフローのシミュレーション結果が出ます。画面下部でシミュレーション条件が調整可能で、収入額、固定資産税、諸費用などの項目を細かく指定することで、キャッシュフローの推移がグラフで表示されます。

VALUE AI(バリューアイ)

登録は必要ですが、無料で不動産投資がどれくらい儲かるかが予測できます。昨今話題のAIを使っていることもあり、その精度はかなり高く、キャッシュフロー、ローン残債、資産価値、減価償却などを年間推移グラフで確認できます。

オリックス銀行 キャッシュフローシミュレーター

こちらも無料登録が必要で、銀行業界初となるAIを駆使したシミュレーションツールです。特徴は、空室率や年間経費なども算入させたうえで、最長50年先までのキャッシュフローの推移を確認できることです。

2-2. 土地物件の最適価格を調べる際に役立つツール

IESHIL(イエシル)

約9,000万件の賃貸情報、売買履歴などのビッグデータをもとに、マンションの査定金額をリアルタイムで算出できるツールです。部屋ごとのマンション価格がわかるのがポイントです。

アセットランクシミュレーター

物件名・物件価格・家賃収入を入力するだけで、一棟、区分、ワンルーム・RCマンション・木造アパート・テナントビル・駐車場など様々な投資物件の評価や分析値などのシミュレーションできます。無料(一部機能除く)で利用でき、利用期間の限定もありません。

ブラウザ上で利用できる無料のシミュレーションツール(要会員登録)。また、投資している複数の所有物件を合計してトータルの収益シミュレーションも可能です。

3. シミュレーションを実践する

シミュレーションを実践する

3-1. シミュレーションの流れ

では、ここからは具体的にどのようにシミュレーションを行うべきなのか時系列で解説していきましょう。

(1) 物件のデータをそろえる

まずは、購入検討している収益物件の情報を集めます

物件概要がまとまった「マイソク」はもちろん、中古アパート・マンションの場合は現状の賃貸状況が把握できる「レントロール」や年間修繕費の実績データも必要でしょう。

区分の場合、管理費や修繕積立金のデータは、基本的に販売図面に掲載されています。また、不動産業者にお願いして固定資産に関する資料も集めておきたいところです。

(2) 自分の属性を把握して伝える

現金一括で購入しない限り、シミュレーションでは融資金額、金利、借入期間といった融資に関わる項目が結果を大きく左右します。そのため、どこの金融機関でどれだけのお金を、どれくらいの金利で借りられるのかを把握しておく必要があります。

通常、金融機関は購入窓口となる不動産業者がマッチングしてくれます。それにあたり、自分の属性(年収、自己資金、勤務先)を示す資料を提出することになります。不動産業者もいくつかの金融機関の選択肢を持っているので、属性と物件情報をもとに金融機関を選びます。

(3) 毎月のローン返済額を計算する

金融機関に融資の打診をしたあとは、融資の可否の連絡がまず来ます。融資金額、金利、返済期間については、最終的に審査が通るまではわかりません。条件が出たら、具体的なシミュレーションをしてみましょう。

(4) 毎月の収支を計算する

物件データ、融資条件が決まった時点で収支シミュレーションを行いましょう。毎月の収支は「家賃−経費−ローン返済額」です。経費とは、例えば区分の場合だと管理費、修繕積立金などです。固定資産税など年単位で発生する経費は、12で割ったうえで毎月の経費に組み込んでも良いでしょう。

(5) 諸費用を含めて計算する

不動産を購入するときには、登記費用、融資手数料といった諸費用がかかります。仲介物件の場合は、仲介手数料も発生します。これらのコストは、オーバーローンでない限り自己資金から出すことになるので、必ず事前に確認しておきましょう。

(6) 将来の収支を計算する

不動産投資は長期的な「事業」になるので、最低でも5、10年後も運営していることを想定してシミュレーションを行う必要があります。具体的には、家賃の下落率を年1%程度で設定し、長期的な視点で見たときも収支がプラスになるか見極めましょう。

3-2. 実際に数字を入れて計算してみる

では上記の流れに沿って、具体的に数字を入れて収支シミュレーションをしてみましょう。

ケースA

(1) 物件のデータ

築45年、北関東郊外、販売価格5000万円 満室時年間家賃800万円 諸経費率15%

(2) 自分の属性

年収700万円、上場企業勤務、自己資金1500万円~2000万円

(3) 融資条件と毎月のローン返済額

融資期間25年、自己資金1000万円、融資金額4000万円、金利2.5%

計算式は

【融資金額×{月利×(1+月利)×返済回数÷(1+月利)×返済回数-1}】

です。

今回のケースでは、179,447円です。

(4) 毎月の収支

次は毎月の収支の計算です。毎月の収支は【家賃-経費-ローン返済額】です。

今回のケースでは、320,553円です。

(5) 諸経費

諸経費は概ね物件価格の8%なので、今回のケースでは400万円です。

(6) 将来の予測

家賃の下落率は年間1%で設定しましょう。

ケースB

(1) 物件のデータ

築22年、中部エリア、販売価格1億3000万円 満室時年間家賃1500万円 諸経費率15%

(2) 自分の属性

年収1200万円、上場企業勤務、自己資金2000万円~2500万円

(3) 融資条件と毎月のローン返済額

融資期間30年、自己資金1000万円、融資金額1億2000万円、金利1.5%

計算式は

【融資金額×{月利×(1+月利)×返済回数÷(1+月利)×返済回数-1}】

です。

今回のケースでは、414,145円です。

(4) 毎月の収支

次は毎月の収支の計算です。毎月の収支は【家賃-経費-ローン返済額】です。

今回のケースでは、523,335円です。

(5) 諸経費

諸経費は概ね物件価格の8%なので、今回のケースでは960万円です。

(6) 将来の予測

家賃の下落率は年間1%で設定しましょう。

4. 不動産投資で必要なシミュレーションの範囲

不動産投資で必要なシミュレーションの範囲

シミュレーションツールは大変便利です。空室率を加味した年間家賃収入やどのくらい利益が残るのか、諸経費はいくらかかるのかという目安を算出するためには、もちろんエクセルなどを使って自分で手計算をしてもいいのですが、ツールを使ったほうがはるかに効率的です。

とはいえ、細かすぎるシミュレーションは必要ない、むしろ無駄だといえます。なぜなら、良い条件というのは誰が見ても「良い条件」であり、コンマ数パーセントが大きく状況を左右するわけではないからです。

したがって、シミュレーションといっても、実際は小学生レベルでの足し算・引き算ができれば問題ありません。

5.まとめ

  • 1. 不動産投資でシミュレーションを行ったほうがいい理由は、「キャッシュフローの目安がわかる」「リスクがわかるので対策を立てられる」「購入検討している物件が儲かるかどうか判断できる」の主に3つです。
  • 2. シミュレーションによってわかるのは、「融資」「売却予想」「家賃の変動における収支」の主に3つです。
  • 3. シミュレーションツールには、同じ無料のものでも登録不要で基本的な収支がわかるものから、登録は必要なもののAIを駆使したものまでさまざまな種類があります
  • 4. シミュレーションをすることは非常に重要ですが、細かすぎる計算は必要ありません。良い物件というのは計算しなくても優良であることがわかるものです。

いかがでしたか。シミュレーションツールはさまざまな企業が提供しており、その数もどんどん増えています。ブラウザ上で簡単に計算できるもの、登録してより精密な計算ができるものなどあるので、目的や使いやすさを考慮して自分にあったものを選ぶのがよいでしょう。

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