現在サラリーマンとして働いているが、将来起業を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そういった方からの質問で多いのは、
- ・起業に役立つスキルを知りたい
- ・会社員のうちに身につけておくべきことは?
- ・いまの仕事を起業に活かすことはできるのか?
といった内容です。
私はサラリーマン時代に不動産投資を始めました。その後独立して現在は不動産投資をサポートする会社を経営しています。
- 断言しますが、サラリーマン時代のスキルは起業に役立ちます。
この記事では私の実体験をもとに、サラリーマン時代に身につけたスキルで起業後とくに役立ったものを4つご紹介します。
私の働いていた会社は比較的規模が大きかったですが、中小企業にお勤めの方にも参考にしていただける内容です。
この記事を読むことによって、現在の仕事をより高いモチベーションで取り組むことができます。
また後半では「個の時代」を生き残るために必要な考え方についてお伝えしています。これは起業したい方、そうでない方ともに読んでいただきたい内容です。
本記事が「脱サラして成功したい」あなたのお役に立つことができれば幸いです。
下記の記事は不動産で起業したい方へ向けたものです。仲介業と賃貸業の違いについてくわしく解説しています。併せてご一読ください。
不動産で起業したいと思っている方、儲かりそうだから不動産関係の仕事で経営者になりたいと思っている方の中にも不動産事業についてあまりご存じない方もいるかもしれません。「不動産で起業」と一口に言っても不動産事業には種類があります。不動産業界での[…]
1.起業に役立つスキルBEST4!
サラリーマン時代に身につけたスキルや知識は、起業に活かすことができます。
ここからは私の実体験をもとに、かなり役に立ったスキルを4つご紹介します。
1-1.資料作成スキル
1つ目は資料作成スキルです。
PowerPoint等を用いてプレゼン資料を作成する方は多いのではないでしょうか。
私は独立する前に3社の会社経験があります。いずれも資料を作成してプレゼンする機会が多くありました。その時に培った資料作成スキルが、起業の際に大変役立ったことをご紹介します。
- どのように資料作成スキルを身につけたか?
- 【お役立ちポイント1】事業計画書の作成
- 【お役立ちポイント2】起業後の営業
このような順番でそれぞれ詳しく解説します。
どのように資料作成スキルを身につけたか?
私が不動産投資で独立する以前は、IT系の企業でコンサルティングの業務を行っていました。対外的に経営者にプレゼンする機会が多かったのです。
当時勤めていた会社は、外資系コンサルティング会社からの転職組が多いところでした。そういった業界はPowerPoint一つで何千万単位の売り上げが変わる世界です。当然プレゼンに求められるクオリティは厳しくなります。
- ・各種文字のサイズ
- ・フォントの種類
- ・グラフ等のズレ方
- ・改行のポイント
- ・色使い
など、随所に細かいマニュアルが存在しました。
- 「こんなことを気にしても関係ないのではないか?」
このように思うことはしょっちゅうでした。しかし外資系企業はとにかく見栄えが良くわかりやすい、伝わる資料を作成する文化が根付いているのです。
当然私も厳しく指導されました。何度も修正を繰り返し、悔しい思いをしたこともあります。ですがそこで鍛えられたおかげで、資料作成能力は格段にレベルアップしました。
【お役立ちポイント1】事業計画書の作成
資料作成スキルは事業計画書の作成に非常に役立ちます。
独立して起業する際、当然ながら銀行に事業計画書を提出します。頭の中に思い描いているアイデアを示したもので、融資を受ける際に必ず求められるものです。
銀行員の方は、分かりやすいきれいな事業計画書を好む傾向にあります。その理由は以下の2点です。
- ・しっかりした経営者という信頼感があるから
- ・補足資料があることで稟議が通りやすくなるから
読みやすく分かりやすい資料は銀行員の信頼感を得られますし、稟議も通りやすくなります。起業時の融資をスムーズに引き出せたことは、資料作成スキルが大いに活躍しました。
【お役立ちポイント2】起業後の営業
起業後の困難の一つに、無名のまま営業する試練が待ち構えています。一人で独立して、多くの方に自分の考えを説明する必要が出てくるのです。
そのときに口頭だけではなく、図やグラフを使った資料を作成し相手に渡しました。そうすることで私の考えや商品をよりわかっていただけます。あとで見返す資料があることで忘れられる心配も減りました。
伝えたい内容が明確に資料に落とし込まれていれば、あとから考えて後日連絡をくださることもあります。
以上の経験から、自分の考えをわかりやすく説明する資料の作成能力は、起業後非常に役立ったといえます。
1-2.データ分析力
2つ目はデータ分析力です。
Excel関数やVBA(複雑な処理の自動化などを行うことができるもの)を用いたデータの分析や考え方のことをいいます。これは起業後とても役に立ちました。なぜかというと、起業時に作成した事業計画書通りにいくことはまずないからです。
残念ながら、ウンウン唸りながら作成した事業計画書通りに物事は運びません。
ほとんどのことが「とりあえずやってみよう。ダメだったら分析して改善しよう」と、手探りで進めていくことになります。
重要なのは日々のPDCAです。
PDCAを回すためにはデータ分析力が欠かせません。
- ・どこが問題なのか
- ・何が課題なのか
- ・どういった仮説があるのか
これらを日々高速で検証していく必要があります。
どういったデータを分析していくのかその一例を紹介します。
- ・どのぐらいの人数が来ているのか?
- ・成約率はどれくらいか?
- ・どういった経路で来ているのか?
このような点を数字に出して検証します。すると問題点や課題点が浮かび上がるわけです。
もう少し詳しく実例を紹介しましょう。
私がコンサルティング会社で働いていたときのことです。お客様のECサイトの売り上げをアップする業務がありました。そういったときは
- ・ページビュー
- ・アクセスのユニークユーザー数
- ・コンバージョン率
- ・商品の単価
このような点をすべて数字に洗い出して分析します。その上で
- 「ここに問題があるので、こういうことをやっていきましょう」
といった提案をしていくわけです。
正直に言いますが、サラリーマン時代の私はデータ分析が苦手でした。私と同じように「データ分析は苦手だし嫌いだ」という方も多いのではないでしょうか?
しかしこのときにノウハウをしっかり叩き込んでおいたおかげで、独立後も非常に役に立っています。
データ分析力は起業する上で最も重要
データ分析のスキルがあることは、かなりの強みになります。なぜならできない人が多いからです。
私が実際に起業して気づいたことですが、大企業に何年も勤めているビジネスマンでも基本的なデータ分析能力がない人が多いです。
データ分析力は起業後スムーズに仕事をするための必須スキルです。重要なPDCAに欠かせないからです。
これは覚えれば誰でもできることなので、現在業務に必要としない方でも身につけることをおすすめします。
1-3.新規営業の経験
3つ目は新規営業の経験です。
やや精神論的な話になってくるのですが、私の経験をお話しさせてください。
新入社員として入った会社でテレアポを行っていたときの話です。テレアポは1日200〜300件もの営業電話をかけるのですが、そのうち成約まで繋がるのはほんの数パーセントです。
テレアポの経験がある方はわかると思いますが、これを毎日毎日続けるのは本当に辛いです。無言で切られたり怒鳴られることも多々あります。私は約半年続けましたが、本当に辛い経験でした。しかしこれを続けられるかどうか、量をこなすかどうかで売り上げは大きく変わってきます。
- 例えば1日100件のノルマがあったとします。100件やる人と110件やる人だと1ヶ月後、半年後、1年後では全くボリュームが変わってきます。実際に私は継続と努力で将来が変わることを実感しました。
泥臭く数アタックする根性や、頑張る気持ちといった定性的な話になるのですが、実は重要な部分です。
なぜなら起業はすべてゼロからスタートするからです。
会社を登記するところから始まり、何もかもが手探りの状態で進みます。環境が整っているものは一切ありません。
結果が見えるかどうか分からないが、毎日やり続ける力が新規営業をやっていたおかげで身につきました。この時の経験が、企業の立ち上げに非常に役立ったと声を大にして言いたいです。
1-4.新規事業の開発経験
4つ目は新規事業の開発経験です。
新しい事業をリリースして課題から仮説を立てPDCAを回します。この一連の流れを経験できたことは起業の役に立ちました。
新規事業の開発についてくわしくご説明します。
新しい事業やサービスをリリースするには、与えられた予算をもとにプロダクトアウト(会社の方針を基準に商品開発を行うこと)を行います。
プロダクトアウトには、
- ・マーケットイン(顧客の意見・ニーズを汲み取って製品開発を行うこと)
- ・ペルソナの設定(架空の顧客像を設定すること)
といった考え方が必要です。
上記のような流れでゼロから事業を開発して市場にリリースします。
この経験があったことで、企業がゼロから新規事業をリリースする考え方やスピード感を知ることができました。
当然ながら、起業したら同じことを一人で行います。つまり私は会社の資金やリソースを使って、起業の擬似体験をしていたようなものです。
もし現在、新規事業の開発経験に携わっている方は、あなたが起業することを念頭において業務に取り掛かってみてはいかがでしょうか?その経験と知識は必ず役立つに違いありません。
とりあえずリリースすることが大事
これから起業するあなたに私からアドバイスがあります。
事業は半年でリリースしましょう。
- 「いやいや、もっと入念に1〜2年は時間をかけて準備してからリリースするべきだ」
と思うかもしれませんが、事業は市場に出してはじめて反応があるものです。
反応を見て課題を洗い出し、仮説を立てPDCAを回します。それを毎日毎日、高速で改善するのです。そうすることで、事業をより良いものにしていきます。
起業するにあたり、入念に時間をかけて準備したい気持ちはわかります。ですがどれだけ時間をかけても最初から完璧な事業を用意することはできません。
とにかく最初は小さくはじめて、そこでの反応から課題を把握しましょう。仮説思考と問題解決能力を身につけるとかなりの強みになります。
2.個の時代を生き残るために
これからは個の時代です。個人がスキルを身につけ、会社から独立し個人事業主になることが当たり前になっていくでしょう。
私は誰もが脱サラしても生きていけるようなスキルを身につけるべきだと考えます。なぜなら、どんな大企業でも今後何十年も安定して生き残れる保証はないからです。
ここでは個の時代を生き残るためのアドバイスをお伝えします。起業したい方、そうでない方ともに心がけていただきたいことです。
2-1.あなたは大丈夫?思考停止人間にならないために
私が社会人になって気づいたことは、思考停止したまま働いている方が多いという事実です。
- ・上場企業に勤めている方
- ・公務員の方
- ・社会的評価が高い方
このような方でも、思考停止したまま何年も働いている方が世の中には多く存在します。むしろこちらの方が大多数かもしれません。
- 思考停止とは、毎日言われた仕事を何も考えずにやり続けている状態をいいます。疑うことを知らずに、言われたことを言われたままやり続ける人たちのことです。
この状態は良くありません。なぜなら、正しいかどうかの判断ができないからです。つまり日々の改善が生まれないので、事業が伸びたりすることはありません。
- 「私は大企業に勤めているから言われた仕事をこなすだけで大丈夫」
このように思う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、先ほども申し上げた通りどんな大企業であっても今後何十年も安定している保証はないのです。
- ・ものごとの課題を見つける
- ・課題から仮説を立てる
- ・課題を解決する
このようなことを日々思考する癖をつけましょう。あなた自身の日々のPDCAを回すことを習慣化するのです。
これからは個の時代です。個人で生き残っていけるスキルやノウハウを身に付ける必要があります。これは思考停止したままではできないことです。
起業したい方はもちろんのこと、そうでない方も「自分は思考停止人間になっていないか?」問いかけていただきたいです。
まとめ
以上、サラリーマン時代に身に付けたスキルで起業後とくに役立ったものを4点ご紹介しました。
1.資料作成スキル
2.データ分析力
3.新規営業の経験
4.新規事業の開発経験
この4点について詳しく解説しましたがいかがでしたか?
現在会社員をしていて将来起業したいと思っている方は、モチベーションが上がったことでしょう。
サラリーマン時代のスキルは必ず起業の役に立ちます。脱サラして成功したいなら、本記事を参考に希望を持って仕事に取り組みませんか?
不動産に興味がある方は、こちらの記事もご参考になさってみてください。
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