高額な賠償例も!大家が知るべき事故物件の告知義務と3つの対応策

所有している不動産物件が事故物件になってしまうことは、そう頻繁に起こることではありません。とはいえ、不動産物件を所有しているなら事故の可能性はゼロではありません。事故物件になってしまうと空室リスクが高まることになりますが、大家として何をしたらいいのか、どうすべきか知らない人も多いと思います。

こうした事故は突然起こりますが、慌てず、冷静に対処できるように、対応策などについて大家さんは事前に知識を高めておく必要があるでしょう。

そこで、この記事では、

  • 自分の所有する物件が事故物件になってしまったら取るべき手順
  • 告知義務について
  • 空室になってしまった部屋を埋めるためにするべきこと

といった、事故物件に関する基礎知識や、空室を埋めるためにすべきことをお伝えします。

私は10棟の不動産物件を所有する現役不動産投資家であり、不動産投資を始める人のアドバイスやサポートなどを行うコンサルタントとして活動しています。数多くの不動産物件を所有してきた経験から、事故物件の知っておくべき知識と合わせて「どうすれば事故物件を埋めることができるのか」空室リスクを下げるための考え方についても解説していきます。

当記事をお読みいただければ、万が一自己物件化しても、どうすれば客付けして空室を埋められるかが分かり、必要な対応策を実践できるようになるでしょう。

1.事故物件について

事故物件について

事故物件とは「その物件に住む上で、何かしらの障害や欠陥がある物件」のことを言います。「前の居住者が何らかの理由で死亡した物件」として使われることもあり、広く使われることも多い言葉ですが、事故物件は「物理的瑕疵物件」と「心理的瑕疵物件」の2つに分けることが出来ます。

1-1.「物理的瑕疵物件」とは

物理的瑕疵物件とは、建物に障害、欠陥がある物件のことを言います。建物自体に障害、欠陥があることで、見た目に分かりやすい事故物件だとも言えます。

  • ・雨漏り
  • ・白アリ
  • ・構造上の問題
  • ・地震など自然災害による被害

物理的瑕疵には上記があります。傷、ひび割れ、などのように見た目に分かりやすく、物理的瑕疵物件は、賃貸で出す場合には相場より安くなることがほとんどです。

1-2.「心理的瑕疵物件」とは

心理的瑕疵物件は、見た目に障害や欠陥あるわけではなく、その物件で死亡や事故が起こったことがあるなど住む上で心理的に問題がある物件のことを言います。物理的瑕疵物件と違い、見た目に分かりにくい事故物件と言えます。

  • ・殺人
  • ・自殺
  • ・事故死
  • ・孤独死
  • ・事件

などが代表的な心理的瑕疵として挙げられます。ただし、事故物件には細かい規定があるわけではなく、広義で使われることが多いことがあります。上記であげた死亡や事故に関わる理由以外に、心理的瑕疵と値すると言われているものに下記があります。

  • ・反社会的勢力の施設が近隣にある
  • ・反社会的勢力の構成員が近隣に住んでいる
  • ・宗教施設が近くにある
  • ・葬儀場・火葬場・ゴミ処理施設・産業廃棄物施設・墓地・工場等が近隣にある

事故物件には告知義務があるわけですが、心理的瑕疵物件には「そもそも、どこからどこまでが事故物件なのか」という明確な線引きが難しいという問題があります。

1-3.自分の物件が事故物件になってしまったら取るべき手順

所有する物件が事故物件になってしまった場合には、速やかに然るべき対応を取る必要があります。どのような対応を取るかは事故内容にもよりますが、例えば住人が死亡した場合や、事故による破損が起きた場合には、リフォームを行い、同時に消毒、消臭などを行う必要があります。

賃貸物件として活用している場合には、事故物件であることを告知しなくてはならない「告知義務」が発生します。アパートやマンションなどで心理的瑕疵となる事故などが起きた場合には、全ての部屋に対して説明責任が発生します。

リフォームや清掃後に賃貸物件として貸し出す場合には、事故物件として告知し、家賃の値引きが必要になります。事故物件の家賃相場は、半額から3分の2程度が一般的です。

2.事故物件の告知義務について

事故物件の告知義務について

事故物件には「告知義務」があります。対象となる物件が、物理的瑕疵物件、心理的瑕疵物件である場合には、宅建業法の47条によって、相手にそのことを伝える告知義務があると定められています。

とは言え、そもそもの事故物件の定義が曖昧なことから「どこまでを事故物件として判断するのか」が難しく、告知義務があるのかどうかの線引きが非常に曖昧であるという問題があります。現状では、ケースごとに不動産管理会社にオーナーが相談しながら告知義務の有無を確認し、必要だと判断した場合には告知する、などの対応をとっているのが一般的です。

2-1.告知義務を怠るとどうなるのか

事故物件を売買する場合や賃貸物件として貸し出す場合には「事故物件」となると客付けが難しくなります。売買であれば取引価格も安くなりますし、賃貸物件として貸し出す際の家賃も同様です。

しかしながら、告知義務を怠り、事故物件であることを告知せずに貸し出してしまったことで、訴訟などに発展し高額な 損害賠償問題に繋がってしまうことがあります。事故物件に対して「バレなければいい」「バレないから大丈夫だろう」と安易に考え判断してしまうと、それが原因で訴訟に発展することもあるので注意が必要です。

告知義務の範囲は、明確な線引きがあるわけではないものの、通例ではアパートやマンションでは該当物件そのものと上下左右の部屋に対して説明責任が発生します。これらの範囲も知っておき、適切な対応を行うことが求められます。

2-2.責任追及された事例も

告知義務を怠ったことが原因で、裁判になり損害賠償請求へと発展してしまう事例もあります。特に売買物件となると損害賠償額も大きくなります。過去の判例では「50年前の事件に対して、責任が追及されたケース」もあります

「入居者には分からないから大丈夫だろう」「事故から年数も経っているし大丈夫だろう」と安易に判断していると、このような訴訟へと発展することがあります。専門家に相談するなどして、告知義務が発生するのかどうかを含め、慎重な対応を行うことが大切です。

3.事故物件になってしまった空室を埋めるために大家さんがやるべきこと

事故物件になってしまった空室を埋めるために大家さんがやるべきこと

実際に所有する物件が事故物件になってしまった場合、何をすればいいのかをしっかりと理解している大家さんは少ないと思います。事故物件となり、空室になってしまった場合に大家さんとして考えるべきことは、「どうすれば空室を埋めることができるか」ということです。その為に知っておくべきことを3つお話しておきます。

3-1.必要な対応を行いながら管理会社としっかり相談する

事故物件になってしまった場合には、相場より家賃を安くするなどの対応が必要ですが、とは言え、すぐ家賃を下げたり、すぐ売却したりするのは注意が必要です。早急な対応を行うことは大切ですが、慌てて判断してしまうことが無いように気を付けて下さい

まずは管理会社とよく相談することが必要です。管理会社は入居者の声や、地域のニーズを熟知しています。まずはしっかりと相談をして、どのように判断するのかを管理会社と一緒に考えていくようにしましょう。

その上で、空室を埋めるために必要な対応を進めていくことが大切です。

  • ・家賃を下げる(エリアで最安値にする)
  • ・入居者の声を汲んだフォローや、オプションなどを用意する

こうした不動産賃貸業として、空室を埋めるための努力や工夫を行うことによって、事故物件になったとしても、空室のままにせず入居者を付けることができます。

3-2.一定の需要があることも知っておく

事故物件は、一概に敬遠されるばかりではないことを知っておくことも大事です。例えば、事故物件であることを気にしない人もいます。駅近などの好条件の物件なら、家賃を下げなくても空室が埋まる可能性もあります。

また、事故物件でも「家賃が安ければそれでいい」という人や、あえて「事故物件に住みたい」と自らを探す人もいます。もちろんこうしたお客様は少数派ではありますが、事故物件には事故物件ならではの需要があることを知っておけば、無暗に家賃を下げたりしなくても空室を埋めることが出来ます

もちろん、中には簡単には埋まらない場合もあると思います。その場合は、事故物件の扱いに強い業者、専門的に扱う業者に依頼する方法もあります。

4.まとめ

  • 1. 事故物件にも、物理的瑕疵、心理的瑕疵、などの種類があります。
  • 2.告知義務については明確な線引きが出来ず曖昧、過去の判例なども参考にする必要があります。
  • 3.管理会社と相談しながら、場合によっては事故物件の強い業者に依頼することも検討しましょう。

事故物件は空室を埋めにくいと考えることから、告知しないでおこうと考えたくもなりますが、告知義務を怠ると大きな問題に発展することがあります。しっかりと告知することを第一に、その上で、どのように扱うかを考えることが大切です。

事故物件にも一定の需要があることを知っておき、相場より割安な家賃を設定することで空室を埋めることは出来ます。もちろん頻繁に経験するケースでもないので、初めての場合には、事故物件に強い専門業者などに相談してみることもおすすめです。

ぜひ当記事の内容を基に、ご自身でも積極的に情報収集を行い、万が一事故が発生した場合も、慌てず冷静に対処できるよう日頃から知識を高めておきましょう。

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