サブリース契約とは?仕組みからメリット・デメリットを徹底解説

「サブリース契約」とは賃貸経営形態の1つである家賃保証制度のことです。

近年「サブリース契約」のトラブルをめぐり、TVなどメディアで取り上げられることも多かったので、「サブリース契約」という言葉を聞いたことがある方は多くいらっしゃるのではないでしょうか? 
特に、2018年に「レオパレス21」「大東建託」「かぼちゃの馬車事件」などでサブリース問題が注目されたことから、「サブリース契約=危険そう」というイメージがあるかもしれません。

しかし、サブリース契約は「空室リスクを軽減できる」「賃貸経営にかかる手間が省ける」などのメリットもあります

そこで、この記事では、現役不動産投資家の私が 、

  • サブリース契約の仕組み
  • サブリース契約のメリット
  • サブリース契約のデメリット
  • サブリース契約の2つの種類「賃料固定型」「実績賃料連動型」
  • 契約期間と費用 

について詳しく解説しています。

この記事をお読みいただければ、サブリース契約についてどんな契約なのかよくわからない方や賃貸経営を検討されている方も 、サブリース契約の仕組みやメリット・デメリットを詳しく理解することができます。

不動産投資を成功させるために、賃貸経営形態の1つであるサブリース契約の正しい知識を身につけて、リスクを回避し、不動産投資を行っていきましょう。

サブリース契約に関するトラブルに関しては、以下の記事でご紹介しています。併せてご覧ください。

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1.サブリースとは?どんな人がどんな背景で契約する?

サブリースとは?どんな人がどんな背景で契約する?

ではサブリースとはどのようなものか、詳しく見てみましょう。

1-1. サブリースとは家賃保証制度のこと

サブリースは一般的に「一括借り上げ」と呼ばれたりします。これは具体的にいうと、不動産会社がオーナーから賃貸物件を一括で借り上げ、入居者に転貸する契約です。

ポイントは、「入居者が付いていなくても一定の家賃が保証され、入退去に関する手続きや家賃の集金業務などから開放される」こと。 一般的に保証される賃料は相場の80〜90%です。いわば「家賃保証制度」といえるでしょう。

不動産投資におけるリスクで「空室」が大きいことは誰もが知るところでしょう。 家賃はこのビジネスにおける唯一の収入源ですので、ここが少なくなれば必然的に収支は悪化します。

「空室がいつまで経っても埋まらないリスクを考えれば、たとえ手にできる家賃が80〜90%になっても、サブリースを付けたほうが安全だろう」と思い、契約する人が多いといえます。

1-2. サブリース契約をしたオーナーの特徴

サブリースを契約したオーナーは、さまざまな属性がいますが、特にメディアで取り上げられているのは「地主」と「かぼちゃの馬車所有者」です。

地主の場合、不動産投資への関心が高まったきっかけは2015年の相続税増税です。これにより、さまざまな会社が地主に対して「土地の有効活用」という名目でアパート経営を勧めました。

その際、不動産投資の知識がほぼ皆無の地主たちの不安を和らげたのがサブリースでした。 長期にわたって家賃保証が付くということで、多くの地主がその言葉に惑わされて業者に任せきりにするかたちで自らの土地にアパートを建てました。

また、かぼちゃの馬車についても同じく「家賃保証」という誘惑に抗えず、1億円程度するシェアハウスを購入しました。 その結果は、運営会社であるスマートデイズの破綻という悲惨なもので終わったことは記憶に新しいはずです。

2.サブリースのメリット・デメリット

サブリースのメリット・デメリット

サブリースがどういったものかわかったところで、メリットとデメリットを見てみましょう。

2-1. サブリースのメリット

サブリースのメリットは以下のとおりです。

2-1-1. 安定した家賃収入を得られる

前述したように、家賃保証があるため満額の80〜90%になったしまうものの、空室リスクを恐れる必要がありません。オーナーは毎月通帳だけ眺めていればいいという状態になります。 端的に言えば、「賃貸経営がラクになる」といえます。

2-1-2. 管理運営を一括で任せられる

管理運営に関する業務(入金管理、入居者対応、契約手続きなど)は、一括してサブリース会社に委託できます。もちろん費用はかかるものの、一括してプロに運営を任せられるので、その分のメリットは享受できるといえるでしょう。

2-1-3. 確定申告の手間がかからない

不動産投資をしている人は、赤字であろうと確定申告が必要です。

しかし、サブリースを活用した場合、管理業務はサブリース業者が行うため、オーナーは入居者の入退去時にかかる費用などの計上が不要になります。 つまり、確定申告にかかる収支管理が簡素化できるということです。

2-2. サブリースのデメリット

サブリースのデメリットは以下のとおりです。

2-2-1. 収益の最大化が図りにくい

サブリースは後述するように2種類ありますが、多くは「賃料固定型」、つまり毎月決まった家賃が振り込まれることになります。 固定賃料は一見魅力的にも思えますが、一般的に相場賃料より1~2割引きの価格といわれています。

また、入居者がすぐに集まる状況であれば、通常なら賃料の値上げを行うことで収益を上げられます。しかし、サブリースが設定されていると、そのチャンスがあってもオーナーの判断で家賃を引き上げることができないため、利益を増やすことができません。

2-2-2. 賃料が保証されるのは一定期間のみ

家賃保証の期間が永久的であれば魅力的かもしれませんが、残念ながらそうはなっていません。往々にしてサブリース契約を交わすときの契約書には「経済状況の変動等があった場合、家賃の増減を請求できる」「2年毎に賃料を見直す」などの文言が小さく書かれています。

もちろん、「見直すかどうか」「見直すとしたらいくらに設定するのか」については、サブリース会社が決めることで、オーナーに決定権はありません。 また、「募集開始の数カ月は保証免責(保証しない)」と契約書に書かれているケースも多くあります。

2-2-3. サブリース会社が破綻した際のリスクが大きい

サブリース会社が万が一破綻した場合、さまざまなリスクが発生します。

オーナーに対しては、

  • ・家賃が振り込まれない
  • ・破産管財人との交渉が必要になる
  • ・入居者が勝手に退去する

などのリスクが出ます。

また、オーナーだけでなく入居者に対しても

  • ・敷金が返済されない
  • ・再契約により家賃が上がる
  • ・強制的に退去を強いられる

などのリスクが出ます。

こうしたリスクを避けるためには、サブリース会社の経営状況を事前にリサーチし、危険だと感じたら関わらないことです。

なお、サブリース会社は不動産デベロッパーや建設会社の子会社であることもあります。その場合、サブリース会社の経営に問題がなくても親会社の経営不振で連鎖的に破綻する恐れもありますので、その点も確認しておくべきでしょう。

2-2-4. リフォーム会社を自由に選べない

修繕・リフォームを検討する場合、当然割安で安心できる業者を選定したいと思うものです。

しかし、サブリース契約の多くは「指定のリフォーム業者(サブリース会社と裏でマージンのやりとりがある)」を選ぶことや、「〇年後には◯◯の修繕工事を実施することが必須」と工事内容を自由に選べなくなっています。

そうなると、たとえ割高で評判が悪いが業者であっても、その業者に頼まなくてはならないため、満足のいく結果は得られないでしょう。

2-2-5. 管理会社も自由に選べない

満室経営を実現するためには、客付力の強い管理会社に委託し、空室が出たら早急に次の入居者を決めてもらう必要があります。

しかし、前項のリフォーム会社同様、サブリース契約のなかには管理会社も自由に決められないような条項が書かれていることがあります。これでもし管理会社が無能だったら、空室対策は自ら動くしか選択肢がなくなってしまいます

2-2-6. 入居者も自由に選べない

オーナーであれば、入居者はできるだけ属性が良い人を選びたいと思うものです。 そのほうが入居者トラブルや家賃滞納などのリスクが減らせるからです。

しかしサブリースの場合、入居者募集や入退去の手続きなどを行うのはサブリース会社です。 つまり、オーナーが自ら入居者を選ぶことはできません。

そしてサブリース会社は、オーナーに保証賃料を支払う契約をしているので、自分たちが負担しないよう何としても入居者を付けたいわけです。 そうなると、入居者審査のハードルを低くしてでも決めようとするサブリース会社も出てきます。 オーナーにとっては好ましく思わない入居者が入ってくるリスクもあります。

3.サブリース契約の内容

サブリース契約の内容

ここでは、サブリースの具体的な契約内容について見ていきます。一般的に結ばれている契約内容を把握しておくことで、傾向や注意点が分かるようになります。

3-1. サブリースの種類

サブリースは、以下の2種類に分けることができます。

・賃料固定型

オーナーに支払う賃料が固定されています。そのため特徴は「安定収入が得られる」「収支計画が立てやすい」「経済悪化によるダメージを受けづらい」などが挙げられます。

・実績賃料連動型

実際の賃料に連動させて一定比率をオーナーに支払われます。特徴は「賃料の増額が見込める 」「賃料相場が反映される」などです。

これは固定金利と変動金利の違いに似ていて、「賃料固定型」は毎月一定の賃料が入ってくるのでローリスク、一方の「実績賃料連動型」は賃料の増額も見込めるけれども減額する可能性もあるということでミドルリスク・ハイリターンといえます。

種類 賃料固定型 実績賃料連動型
内容 オーナーに支払う賃料が固定 実際の賃料に連動させて一定比率をオーナーに支払う
特徴 ・安定収入が得られる
・収支計画が立てやすい
・経済悪化によるダメージを受けづらい
・賃料の増額が見込める
・賃料相場が反映される

3-2. 契約期間と費用

サブリースの期間は、2〜10年と比較的短いものもあれば、サブリース会社によっては最高で35年間の長期保証というケースもあります。

「保証期間が長いほうが安全なのでは?」と思われるかもしれませんが、実際には2~5年程度の契約更新、もしくは定期的な賃料の改定が定められていることが大半です。 したがって、購入当初の賃料が長期間保証されることはありえないと考えられます。

サブリース会社が保証する賃料は、前述したとおり家賃の80〜90%程度です。 差額はサブリース会社の売り上げとなります。

なお、賃貸経営では賃料以外にも「敷金」「礼金」「更新料」という収入があります。 「敷金」は、原状回復などで使った分以外は返金するので、厳密に言えば収入ではなく、サブリース会社が退去時まで預かっています。

「礼金」と「更新料」は、入居者との賃貸借契約がサブリース会社と結ばれるため、基本的にはオーナーの手元には「入ってこない」と考えたほうがいいでしょう。

3-3. 契約解除による違約金

これはサブリースのデメリットともいえますが、サブリース契約は一度締結してしまうと、そう簡単に解約できません。 「サブリース契約の解約は半年以上前に通知すること。それ以降の解約については、3〜4カ月分の家賃を違約金として支払わなければならない」といった厳しい条件が設定されていることがほとんどです。

しかしサブリース会社に対しては「オーナーが保証料の見直しに応じなければ、いつもで契約を解除できる」といった有利な条件が書かれていたりします。

このようにサブリース契約は、オーナーが不利になるような条項が数多く盛り込まれていることが大半で、かつ小さく書いてあったり、事前の説明がなかったりします。 必ず一文ずつ精読し、気になることがあったら契約締結前に話を詰めておくことが必要です。

4.どんな会社が提供しているのか

どんな会社が提供しているのか

サブリースはどんな会社が手がけているのでしょうか。主に以下の3つになります。

・大手不動産チェーン

住友、三井、東急など大手総合不動産会社、ミニミニ、アパマン、エイブルなど大手の賃貸系不動産チェーンではサブリースを提供している会社が多いです。不動産会社系は、新築・中古問わずサブリースの対象としています。

・大手ビルダー・アパートメーカー

テレビCMでおなじめのアパートメーカーです。特徴は「新築を対象にしている」こと。工事から建築後の賃貸管理まで、すべて一括で依頼するパターンです。

・保証専門系

賃貸管理は行わず家賃保証だけを専門に扱う会社です。特に大手ではなく地域の建設会社・賃貸管理会社の場合、自社でサブリースは行わず、保証専門団体の取扱い代理店を挟んでオーナーに関わるケースが一般的です。

ここでポイントとなるのは「大手だからといって安心はできない」ということです。というのも、近年サブリースで問題になったレオパレス21や大東建託はまさに大企業であり、だからこそ多くの被害者が出たと考えられます。

5.サブリースのメリット、デメリット、リスクの一覧

サブリースのメリット、デメリット、リスクの一覧

サブリース契約にはメリットもある一方、デメリットやリスクも多いことをお伝えしました。ぜひ、サブリース契約を結ぶ前に、以下のポイントをチェック・再検討してみることをお勧めします。

5-1.サブリース契約のメリット

  •  安定した家賃収入を得られる
  •  管理運営を一括で任せられる
  •  確定申告の手間がかからない

5-2.サブリース契約のデメリットやリスク

  •  収益の最大化が図りにくい
  •  賃料が保証されるのは一定期間のみ(長期契約でも、実質的に途中で見直される)
  •  サブリース会社が破綻した際のリスクが大きい
  •  リフォーム会社を選べないので、評判の良くない業者がリフォームするリスクがある。
  •  管理会社を選べないので、仕事のできない管理会社に当たるリスクも
  •  入居者を選べないので、本来なら敬遠したい人の入居も断れない
  •  違約金の発生など、オーナーに不利な契約条項が潜んでいる
  •  大手のサブリース会社でも安心できない

6.まとめ

  • 1. サブリースは、家賃保証が最大のメリットとして認知されている。その他のメリットとしては「管理運営を一括で任せられる」「確定申告の手間がかからない」などが挙げられる。不動産投資初心者や地主がその魅力に見せられ、サブリース契約をしたケースが多い。
  • 2. ただし、「得られる収入は賃料の80〜90%になる」「収益の最大化が図りにくい」「賃料が保証されるのは一定期間のみ」「サブリース会社の破綻」「リフォーム会社、管理会社、入居者を自由に選べない」「礼金・更新料を手元に入らない」「契約解除の違約金が高い」などデメリットも多数存在する。
  • 3. サブリースを提供している会社はさまざまあるが、大手だからといって安心するのは危険

いかがでしたか。サブリースにはメリットがあるものの、デメリットも数多く存在し、単に「家賃保証が付くから安心」と考えるのは非常に危険です。

また、契約内容をよく読まないと、あとから「こんなはずではなかった」と後悔する結果になりかねません。業者の甘い言葉に騙されず、実態をきちんと見極めることが大切です。

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再建築不可物件の建築可能化プログラム

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