現役投資家が教える賢いサブリース業者の選び方~大手だから安心は嘘~

既に土地を持っていてアパート経営やマンション経営・駐車場経営などの賃貸経営をして土地活用している方、あるいはこれから始めようという方なら「サブリース」という言葉を耳にしたことがあると思います。

サブリースとは、不動産管理会社などのサブリース業社がオーナーの賃貸物件を借り上げて、入居者に転貸して家賃を回収する仕組み。空室リスクの不安を解消するためには、家賃保証があるためオーナーにとっては一見魅力的に見えるのです。

2017年後半から2018年にかけて、メディアにサブリース問題が取り上げられ、多くの注目を集めたため、サブリースについて危険なイメージを持っている人も多いでしょう。

サブリースは危険なのか?

結論からいえば、ケースバイケースです。サブリースをうまく活用して賃貸経営をしている人もいますし、逆に「こんなはずじゃなかった……」という状況に追い込まれてしまった人もいます。

1ついえることは、「大手だからといって安易に信じてはいけない」ということです。

この記事では、賢いサブリース業者の選び方をご紹介します。

まず、

  • サブリース業者選びが重要な理由
  • サブリース業者はこんなにある
  • サブリース業者を選ぶポイント
  • サブリースで問題が起きた時の対処とは?

について、初心者にもわかりやすく解説いたします。

不動産投資では、さまざまな失敗例がありますが、その代表例に「サブリース業者とのトラブルが」が挙げられます。

ただし、これは業者の選ぶポイントを知ることで、かなりリスクを下げられるといえます。ぜひこの記事に書かれていることを理解し、サブリース問題に巻き込まれないよう注意していただければと思います。

本記事が「家賃収入を得て安定した生活を手に入れたい」という方のお役に立つことができれば幸いです。

1.サブリース業者選びが重要な理由

サブリース業者選びが重要な理由

サブリースには、賢い業者選びが重要なポイントです。決して大手だからと言って、安心できません。

サブリース業者の話をする前に、「そもそもサブリースって何?」という方もいらっしゃると思うので、簡単に意味を紹介します。

もう、既にサブリースの仕組みについてご存知の方は、1-2.なぜサブリース業者選びが重要なのかにお進みください。

1-1.サブリースとは

サブリースとは、賃貸経営のリスクである”空室リスク”を回避する手段の一つです。別名「一括借り上げ」「家賃保証制度」などと呼ばれています。

まず不動産会社がオーナーから物件を一括で借り上げ、入居者に転貸します。オーナーは入居者がいようといまいと一定の家賃が保証され、さらに入退去に関する手続きや家賃の集金業務などから開放されます。その代わり、一保証される賃料は相場の一般的に80〜90%となります。つまり簡単にいうと、「サブリース料」として家賃の10〜20%の手数料を払うことで「一定額の家賃が保証され、入退去関連の業務を任せられる」ということです。

ポイントは

  • ・空室かどうか関係なく、一定の家賃収入が保証されている
  • ・オーナーは入居者と直接契約を結ぶことはないので、入居者に関わる業務を一切任せることができる

という2点でしょう。

なお、サブリースのメリット・デメリットを知らない、知識が不十分という方は、まず以下の記事をお読みいただければと思います。

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1-2.なぜサブリース業者選びが重要なのか

サブリースの基礎知識だけ知ると、「そんなに悪くないじゃないか」と思われたかもしれません。たしかに手数料が発生するので収益性は落ちてしまいますが、「空室があっても一定の家賃収入が得られ、管理の手間もかからない」わけですので、「賃貸経営に興味はあるが、あまり時間を割けない」などの事情がある人にとっては大変便利な仕組みだといえるでしょう。

にもかかわらず、ここ数年でサブリースに対してはネガティブなニュースが急増しました。なぜでしょうか?

それは「サブリース業者に騙された」と言う人が後を絶たなかったからです。2017年ごろから「契約時に約束していた賃料を一方的に引き下げられた」「需要が見込めない土地でアパート建設をすすめられ、空室だらけになっている」といったサブリース業者とのトラブルが発生していました。

そして2018年、女性専用のシェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営しているスマートデイズが破綻で社会問題に。オーナーはサブリース契約を結んでいたものの、実際の入居率は40%以下となり、完成から1年以上経過しても入居者がゼロという物件もありました。

次第にオーナーへの賃料支払いが滞り、最終的に支払い停止となりました。億単位のローンを抱えたオーナーのなかには、自己破産しか選択肢がなくなった人もいます。

かぼちゃの馬車事件についての詳細は以下の記事をお読みください。

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このことからわかるように、「サブリース問題」とは「サブリース業者とのトラブル」を意味しています。逆にいえば、サブリース契約には業者側がオーナーを騙す(もしくは誤解を生む)余地があり、業者選びをしっかりしないと“カモ”にされるリスクが高いということです。

2.サブリース業者はこんなにある

サブリース業者はこんなにある

 

 

この記事では「サブリース業者」と一括りにして解説していますが、具体的にはどんな会社がサブリース契約を推奨しているのでしょうか。2019年7月に出た全国賃貸住宅新聞の記事では、「管理戸数ランキング995社」という特集が組まれています。ランキングのトップ10は以下のとおりです。

ランキングの図

そして、9位にランクインしているビレッジハウスを除き、上位9社が全て「サブリース」を行っています。サブリース問題では、大東建託、レオパレスが特にメディアで取り上げられましたが、これは「管理戸数ランキングの1位と3位が問題を起こした」とも言い換えられます。

「企業名は有名だし、テレビCMも打っている大企業なのだから、トラブルになるような契約はしないだろう」とサブリース問題に巻き込まれたオーナーは思っていたことでしょう。

しかし、実態は「家賃の支払い額を減額交渉される」「途中解約すると貸し剥がし()をされる可能性がある」「修繕費が高額」などの現実を突きつけられ、大幅に収支を悪化させてしまったオーナーが後を絶たないのです。

貸し剥がしとは、入居者を別の管理物件に引っ越しさせる、入居者のレンタル家具を回収するなどして入居者を退去させること

なお、上記の10社以外でも有名どころだとミサワホーム、三井ホーム、パナソニックホームズ、住友林業などもサブリース事業を手掛けています。そして中小も入れたら、数え切れないほどの会社がサブリースを行っているのです。

3.サブリース業者を選ぶ4つのポイント

サブリース業者を選ぶ4つのポイント

メリットだけでなくデメリットも大きいサブリース。実際に業者を選ぶ際には、どんなポイントに気をつければいいのでしょうか。

現役不動産投資家の視点から私は次の4つをポイントとして抑えておくことをアドバイスします。

  1. おかしな提案内容になっていないか
  2. 経営状態は安定しているか
  3. 入居者募集に力を入れてくれるか
  4. 担当者だけでなく会社として「誠実」かどうか

3-1.おかしな提案内容になっていないか

悪徳サブリース業者の場合、建設費の中に既にサブリースの利益がかなり上乗せされていることがあります。そうなると、サブリース業者は入居率が低くても利益を得られるので、事業計画も楽観的なものになります。

サブリースを利用したい人は「とにかく手間をかけたくない」「安心したい」と考えていると思います。しかし、オーナーは周辺エリアの家賃相場や同スペックの物件の建築費などの情報を集め、サブリース業者から提案された資料が妥当なものなのか判断する力を養っておく必要があります。

仮に、自分が調べた周辺の家賃相場とサブリース業者の提案内容に齟齬がある場合には、その理由についても明白にさせることをおすすめします。

3-2.経営状態は安定しているか

契約しているサブリース業者が倒産した場合、保証されている家賃を受け取ることはできなくなります。これは不動産業会に限らず、昨今は一つの不祥事で経営が傾くケースも増えているので、大手だからといって安心はできません。

それでも企業体力という意味では、やはり大手のほうが強いことは事実です。いずれにせよ、契約を結ぶサブリース業者の経営状態を確認しておくことは重要です。

3-3.入居者募集に力を入れてくれるか

入居率、滞納率などがどれくらいの数字なのか、賃貸管理における過去の実績を確認しましょう。

また、サブリース業者の多くは親会社の建築会社が建築し、子会社のサブリース会社が借上げ、さらにその子会社の管理会社が管理をし……という構造になっています。

そのため、物件や入居者に対する関心が低くなりがちなため、入居率・滞納率などの数字だけでなく、担当者がどれだけ現場を知っているかもチェックポイントになるでしょう。

3-4.担当者だけでなく会社として「誠実」かどうか

サブリース契約をすると、長ければ30年ほど業者と付き合うことになります。自身の子や孫の世代まで付き合う仲になる可能性も十分あります。さすがにこれだけの長期間、担当者が変わらないことはありえませんが、それでも会社の文化が良ければ引き継ぎの担当者とも良好な関係性を維持できるはずです。

  • ・オーナーの想いをくみ取り、話し合いをしてくれるか。
  • ・会社側の考えを押し付け、オーナー側の希望を聞かない、ということはないか。

こういった視点から誠実に対応してくれるサブリース業者を見極めましょう。

4.サブリースで問題が起きた時の対処とは?

サブリースで問題が起きた時の対処とは?

では、万が一、サブリースで業者とトラブルになったらどうすればいいでしょうか?

もしくは既にサブリース業者と契約していて、問題が起きている場合の対処法をお話しします。

4-1.サブリース契約ではオーナーは「弱い立場」にある

まず大前提として、不動産会社からオーナーへのサブリース解約の申し入れは容易です。これはサブリース契約が「借地借家法」に従って行われるからであり、普通の賃借人が賃貸契約を解除できるのと同様に、サブリース業者もサブリースを解約することができます。

しかし、オーナーからの契約解除は簡単ではありません。契約書には「解約の際には事前に6カ月前に書面により通告しなければならない」と書かれていたり、そもそも解約条項がなく、解約で違約金を徴収されたりする趣旨が書かれていたりします。つまり、サブリース契約には借地借家法が適用され、オーナーが賃貸人、サブリース会社が賃借人となるため、賃借人であるサブリース会社が、借地借家法によって守られることになります。サブリース契約ではオーナーは「弱い立場」にあるということです。

4-2.サブリース問題解決センターを利用する

では、サブリース問題が起こったあと、オーナーができる対処法はなんでしょうか。

一つの方法として「サブリース問題解決センターを利用する」ことが挙げられます。
サブリース問題解決センターは法務大臣認証ADR機関提携団体です。

サブリース問題解決センター

問い合わせ件数を見てみると、平成23年はレオパレス21に関する問い合わせが155件、平成30年はスマートデイズ社、GG社等シエアハウス事案を含む問い合わせが268件と急増しています。

相談対象のサブリース業者も「大和ハウスリビング」「レオパレス21」「大東建託パートナーズ」「アパマン」「エイブル保証」など大手が表立って書かれています。サブリース物件に不安や疑問がある場合には、無料相談会が開かれていますので、日時を公式サイトで確認するのがいいでしょう。

4-3.サブリース契約解除の方法はある

オーナーがサブリース契約を解約することは簡単ではありませんが、方法はありますので、どうかご安心ください。

こちらの記事では、サブリース解除について事前に確認することと、手順を詳しく記載しています。どうぞ、こちらの記事をお読みください。

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5.まとめ

1.「サブリース問題」とは「サブリース業者とのトラブル」を意味しています。逆にいえば、サブリース契約には業者側がオーナーを騙す(もしくは誤解を生む)余地があり、信頼できる業者選びをしない場合“カモ”にされるリスクが高いといえる

2.サブリースを事業の一つにしている会社は多く存在し、管理戸数ランキングトップ10のうち、9社が行っているほど

3.サブリース業者を選ぶポイントは「おかしな提案内容になっていないか」「経営状態は安定しているか」「入居者募集に力を入れてくれるか」「担当者だけでなく会社として「誠実」かどうか」がある

4.サブリース契約ではオーナーは「弱い立場」にある。問題が起こった際の対処法としては「サブリース問題解決センターを利用する」のがおすすめ

5.オーナーからのサブリース契約解除は難しいが可能である。事前に確認すべき点をチェックし、手順をすすめることで解除できる

いかがでしたか。サブリースはメリットもある一方、致命的なデメリットも存在し、かつ一度契約してしまったら、後から簡単に解約できないというリスクもあります。もしサブリースを利用する場合でも業者に任せきりにせず、自分自身で調査やヒアリングを行うことが大切です。

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