サブリースと家賃保証の違いとは?仕組みを理解すればリスク回避できる

不動産投資に関心がある方なら「サブリース」という言葉を耳にしたことがあると思います。ただ近年では、サブリースに関するトラブルも多く、メディアでも度々論じられているため、マイナスイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。

サブリースは、不動産会社がオーナーから賃貸物件を一括借り上げして入居者に転貸するため、オーナーは一定の家賃収入が得られることから「サブリース」=「家賃保証」と理解している方も多いと思いますが、これは間違いです。

なぜなら、サブリースは家賃が100%保証される仕組みではないからです。「サブリース」と「家賃保証」は意味が異なるため、両者の違いを理解し、メリット・デメリットを把握する必要があります。

そこでこの記事では、

  • サブリースと家賃保証の違い
  • サブリースと家賃保証のメリット・デメリット
  • サブリースのリスクを回避するためのポイント

について不動産投資家でもあり、10冊以上の不動産投資に関する書籍に携わった経験のある著者が徹底解説します。

「家賃が保証されるので安心ですよ」という謳い文句でサブリース契約を勧める業者に騙されないよう、しっかりと「サブリース」と「家賃保証」について知っておきましょう。 

本記事が「家賃収入を得て安定した生活を手に入れたい」という方のお役に立つことができれば幸いです。

サブリースに関しては、以下の記事でも詳しく解説しておりますのでぜひご一読ください。

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1.サブリースと家賃保証の違い

サブリースと家賃保証の違い

「サブリース」と「家賃保証」、この2つの言葉の違いを説明できるでしょうか。意味は大きく違うので、自信を持って答えられなかった人はぜひこのまま読み進めてください。

1-1.サブリースとは

サブリースとは、賃貸経営のリスクである”空室リスク”を回避する手段の一つです。別名「一括借り上げ」「家賃保証制度」などと呼ばれています。

「一括借り上げ」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、スキームはとてもシンプル。まず不動産会社がオーナーから物件を一括で借り上げ、入居者に転貸します。オーナーは入居者がいようといまいと一定の家賃が保証され、さらに入退去に関する手続きや家賃の集金業務などから開放されます。その代わり、一保証される賃料は相場の一般的に80〜90%となります。

つまり簡単にいうと、「サブリース料」として家賃の10〜20%の手数料を払うことで「一定額の家賃が保証され、入退去関連の業務を任せられる」ということです。

ポイントは

  • ・空室かどうか関係なく、一定の家賃収入が保証されている
  • ・オーナーは入居者と直接契約を結ぶことはないので、入居者に関わる業務を一切任せることができる

という2点でしょう。

このように「少し多めにお金を払う代わりに、サービスがよくなる」ことはサブリースに限らず、どんな業界でもよく見かけるものです。オーナーにとっても「忙しいし、リスクを下げたいから“保険料”として払おう」と思う人はいるわけですし、ビジネスとしては成立しているといえます。

しかし後述するように、サブリースにはデメリットも存在するのです。

サブリース契約に関しては以下の記事からもご覧いただけますのでこちらもご参考ください。

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1-2.家賃保証とは

続いて、家賃保証について解説していきましょう。家賃保証とは、「入居者が滞納したときに保証会社が代わりに家賃をオーナーに払ってくれる」というもの。正確にいえば、賃貸物件の入居者が利用する家賃保証会社の保証サービスを指します。

賃貸物件に住んだことがある人なら、契約時に「保証会社へのお金が○○円で……」などと聞いたことがあると思います(保証料は月額家賃の30~100%が一般的です)。

近年では、連帯保証人が不要な代わりに、家賃保証会社の審査を通過することが必須条件となっているケースも多くなっています。

1-3.結局、「サブリース」と「家賃保証」の違いって?

ここまでを整理すると、「サブリース」と「家賃保証」の違いは以下のようになります。

 

サブリース

家賃保証

手数料を支払う人は?

オーナー

入居者

家賃保証されるタイミング

空室時、滞納時など

滞納時のみ

お金はどれくらいかかる?

家賃収入の10%~20%ほど(※)

月額家賃の30~100%

契約内容によっては、システム費用などの名目で別途費用が差し引かれるケースもあります。また、契約時の礼金や更新料などは、基本的にサブリース会社の利益として扱われます。

表を見ていただければわかるとおり、

  • ・サブリースは「オーナー負担」で「毎月の家賃収入から手数料を支払う」ことで「一定の家賃収入が保証されるもの
  • ・家賃保証は「入居者負担」で「支払うのは月額家賃の30~100%を契約時1回のみ」で、「退去時に保証会社が代わりに家賃を支払ってくれる」というもの

ということになります。

2.サブリースと家賃保証のメリット・デメリット

サブリースと家賃保証のメリット・デメリット

ここまで「サブリース」と「家賃保証」の違いを知って、「どっちも家賃保証に関わることだし、悪い話ではないのでは?」と思った方もいるかもしれません。結論からいうと、「家賃保証」についてはたしかにオーナーの負担はゼロであり、後述するように多少のデメリットもあるものの、積極的に実施していくべきことです。

しかし「サブリース問題」「サブリースでのトラブル」については近年社会問題化しています。サブリースのデメリットを知っておくことは非常に重要といえるでしょう。

2-1.サブリースのメリット

サブリースのメリットは大きく2つ挙げられます。

  • 管理は全てサブリース会社に任せられる
    入居者募集や退去後のリフォーム、クレーム対応や家賃徴収などをオーナーが対応する必要は一切必要ありません。また、入居者が決まったときも仲介手数料や広告料は発生しないので、業務負担を極力減らして不動産投資による資産形成をしたい人に向いているといえるでしょう。
  • 一定の家賃収入が保証されている
    サブリース契約では入居者がいようといまいと、毎月一定の家賃収入が入ってきます。サブリース会社に払う費用(保証料)は家賃の10~20%が相場です。つまり、空室であっても家賃滞納があっても、オーナーは必ず80~90%の家賃を得られることになります。

不動産投資における最大のリスクといえば「空室リスク」でしょう。賃貸経営の唯一の収入源である「家賃」がなければ、すべての返済・支払いは持ち出しになってしまいビジネスが成立しません。そのため空室リスクを少しでも下げようと、物件選定に力を入れたり、適切な修繕を行ったりするわけです。

ところが、サブリース契約をすれば「空室でも家賃が入る」ので、これはオーナーにとっては魅力的な提案です。ただしデメリットがなければ、の話です。

空室リスクについては以下の記事で詳しく解説しております。こちらもぜひご覧ください。

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2-2.サブリースのデメリット

サブリース契約で起こりがちなトラブルは「家賃減額」によるものです。契約によって家賃が保証されているとはいえ、入居状況の悪化や近隣の家賃相場の下落により、家賃自体が減額になる可能性があります。

しかも「自分(オーナー)の許可なしに大幅減額」されたらどうでしょうか? 当然オーナーは家賃収入を得て賃貸経営を行っているので猛反対しますよね。

しかし、サブリース契約はサブリース会社が「一括借り上げ」をして入居者と契約をしているので、そこにオーナーが介在する余地はないのです。

サブリースの図解

つまり、サブリース会社が「この物件、最近入居率が低くなっているな。このままオーナーさんに家賃保証を続けていくと、我が社の負担が大きくなるばかりだ」と判断すれば、契約上オーナーに許可を取ることなく「地域最安値にして、さっさと満室にしよう」なんてこともできてしまうわけです。

もちろん実際には、サブリース会社が好きなタイミングで好きな額に家賃を変えられるわけではありません。よくあるのが2年で賃料を見直すケースです。この場合、2年ごとに家賃を減額される可能性もあるのです。

このように「一定の家賃収入が保証されている」一方、家賃減額のリスクがあることがサブリースの最大のデメリットといえるでしょう。

サブリースに関するトラブルについては以下の記事で詳しく解説しておりますので、こちらもご参考下さい。

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2-3.家賃保証のメリット

家賃保証を利用することで、滞納リスクを回避できます。家賃保証会社を利用した入居者が滞納を行った場合、賃料の督促業務は、オーナーや管理会社ではなく家賃保証会社が行うことになり、未収賃料についても家賃保証会社からオーナーに支払われます。 

つまり、家賃保証会社の審査を通過した入居者であれば、「滞納リスク」はほぼゼロといえるのです(“ほぼ”といったのは家賃保証会社の倒産というリスクがあるからです)。

なお、保証の範囲は契約内容によって異なります。場合によっては、滞納が長期化して法的な手続きが必要になったときにも、その費用を家賃保証会社に負担してもらえるケースもあります。また、入居者の孤独死が発生した場合にも、原状回復費用や空室期間の家賃が支払われるというサービスもあります。

2-4.家賃保証のデメリット

家賃保証のデメリットは、入居者の費用負担が増えること、また「連帯保証人は用意できるが、家賃保証料は払いたくない」という人に対しては断らざるを得なくなることです。

ただ最近は保証会社への加入を必須にしている物件を増えてきており、その費用負担に対してネガティブイメージは薄れているといえるでしょう。

3.サブリースのリスクを回避するためのポイント

サブリースのリスクを回避するためのポイント

サブリースのデメリットを紹介しましたが、サブリースで安定した賃貸経営を行うにあたっては以下のポイントを踏まえておく必要があります。

3-1.経営状況が安定しているサブリース会社を選ぶ

サブリースのメリットは「たとえ空室が出ても安定した家賃収入が得られること」。

しかし、経営が不安定な会社だと、空室の家賃を支払ってもらえない可能性もあります。また、倒産してしまったら家賃が払われないまま終わってしまう恐れもあるので、長期間安定して経営できるサブリース会社を選ぶことが重要です。

3-2.賃貸住宅管理業者登録制度に登録している業者

トラブルを回避する手段として「賃貸住宅管理業者登録制度」に登録している業者を選ぶこともポイントです。

これは賃貸住宅管理業の適正化を目指して作られた任意の登録制度で、受託管理もしくはサブリースに関して

  • ・家賃、敷金等の受領事務
  • ・賃貸借契約の更新事務
  • ・賃貸借契約の終了事務

のいずれか少なくとも一つの事務作業を含む業者を対象に、国交省に登録するものです。賃貸住宅管理業者として登録するためには、事務所ごとに「管理事務の6年以上の実務経験者」または「賃貸不動産経営管理士」を設置することが義務付けられています。

また、貸主への重要事項説明等は実務経験者などの資格者が行うことや、サブリースの場合に借り上げ家賃について、将来の家賃の改定等を重要事項として説明することの徹底を求めています。

したがって、賃貸住宅管理業者登録制度に登録している業者なら大きなトラブルの被害に遭う心配はあまりないといえるでしょう。

3-3.契約書をしっかり読み込む

前述したとおり、サブリース関連のトラブルの多くは「家賃減額」によって生じています。ただし、サブリース会社が契約に書かれていないことをしていたら問題ですが、そんな愚かなことを先方はしません。

契約書をよく見ると、小さい文字で「家賃は2年ごとに見直します」など書かれていることがほとんどです。そうした重要なことを見逃させるように小さく表示するのは、サブリース会社に悪意があるともいえるでしょう。しかし契約を交わした限り、いくら「そんなの聞いてない!」と言ったところで基本的には勝てません。

それ以外にもサブリースの契約では、オーナーが不利になる内容が含まれていることがあります。「サブリースの契約書は信じられない」くらいに思って、事前にチェックする必要があります。

サブリース契約のトラブルに関しては以下の記事もぜひご参考ください。

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4.まとめ

1.サブリースとは、「手数料として家賃10〜20%をサブリース会社に支払うことで一定額の家賃が保証され、入退去関連の業務を任せられる」というもの

2.サブリースのメリットは「管理は全てサブリース会社に任せられること」と「一定の家賃収入が保証されていること」。一方デメリットは「家賃減額のリスクがあること」。

3.家賃保証とは「入居者が滞納したときに保証会社が代わりに家賃をオーナーに払ってくれる」というもの

4.家賃保証のメリットは「滞納リスクはほぼゼロになること」。一方のデメリットは「入居者の費用負担が増え、場合によっては入居候補者を逃してしまうこと」

5.サブリースのリスクを回避するためのポイントは「経営状況が安定しているサブリース会社を選ぶ」「賃貸住宅管理業者登録制度に登録している業者」「契約書をしっかり読み込む」などがある

いかがでしたか。特に家賃保証についてはデメリットよりもメリットのほうがはるかに大きいため、入居者には家賃保証会社に加入してもらうことをおすすめします。

一方のサブリースはメリットがあるものの、悪徳業者がいたり、オーナーに不利な契約書ができあがっていたりと注意すべきことがいくつもあります。サブリース契約をする際にはそうしたリスクを排除してからにしたほうがいいでしょう。

以下の記事でもサブリース契約について詳しく解説しておりますので、ぜひご一読ください。

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賢いサブリース業者の選び方については以下の記事で知ることができますので併せてご覧ください。

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