三為業者はなにをする?活用するメリットと怪しい業者の3つの特徴

不動産物件を探している人や、不動産投資の情報を探している方なら「三為業者」と言う言葉を耳にしたことがあるかもしれません。三為業者と聞くと「悪徳業者」という印象を持つ人も多く、三為業者に対する注意喚起を求める記事や情報も多く見かけます。しかし「三為業者」の全てが悪徳業者というわけではなく、場合によっては利用するメリットがあることはあまり知られていません。

そうしたメリットを生かせるようになるためにも、三為業者とはそもそもどんな業者なのか?という基礎知識に加え、悪徳業者を見抜けるレベルの知識を身に着けておく必要があるでしょう。

そこで当記事では、

  • 三為業者とは?
  • 三為業者は本当にデメリットばかりなのか?
  • なぜ印象が悪いのか?

といった、三為業者に関する基礎知識加え、悪徳な三為業者の特徴や見分け方についても解説して行きます。

私は10棟の不動産物件を所有する現役の不動産投資家であり、不動産投資を始める人のサポートやアドバイスを行う不動産投資のコンサルタントとして活動しています。これまでに数多くの不動産物件を扱ってきた経験から、「三為業者は実際のところどうなのか?」についてお話していきたいと思います。

当記事をお読みいただければ、三為業者のメリットデメリットなど基本的な情報だけでなく、その業者が良い業者なのかどうか判断できるようになるでしょう。

1.三為業者とは

三為業者とは

そもそも三為業者とはどんな業者のことを言いうのでしょうか。三為の仕組みや、なぜ三為業者には注意が必要なのかを解説していきます。

1-1.三為業者とは一体何なのか?

三為業者とは、「第三者の為にする契約」を行う不動産業者のことを言います。一般的に、不動産業者が物件を購入してそれを買主に売る場合、名義変更を2度行うことになり、それにともない不動産所得税や登録免許税も2回分必要になります。これを1回で済ませるための方法が「第三者の為にする契約」です。

上記では少し難しく感じるかもしれませんが、簡単に言ってしまうと「三為業者とは不動産の転売業者」です。法的には認められているものの、デメリットが大きく、特に不動産投資では初心者がターゲットにされ、騙されやすいと言う特徴があります。そうしたことから、一般的に三為業者には注意をしたほうが良いという情報が流されています。

1-2.三為業者はデメリットばかりなのか?

三為業者には注意が必要だと言われますが、やはりデメリットは沢山あります。それには三為業者のビジネスモデルが大きく関係しています。三為業者とは簡単に言うと、不動産の転売業者であることをお話しましたが、転売で利益を出すために「売主から安く購入して」「買主に高く売る」ことになります。

中には大きな利益を取るために、高額な利益を乗せ、相場よりもかなり高い価格で買主に買わせようとするケースがあります。

売主は安く買い叩かれ、買主は相場より高くかってしまう、そもそも三為業者と、買主や売主は利益造反関係にあるので、どうしてもデメリットの部分がフォーカスされてしまいます。また、三為業者は出来るだけ決済が早く高金利の融資を勧めることが多く、買主のことを考えていない融資返済計画であることも問題視されています。

1-3.三為業者にはメリットもあります

このようにデメリットを見て行くと、マイナスイメージの大きい三為業者ですが、あまり知られていませんがメリットもあります。三為業者から物件を購入した場合、購入から2年以内であれば瑕疵担保責任を追求できるというメリットがあります。

宅建業法では、瑕疵担保責任について、売主が不動産会社の場合「引き渡しから2年以上」となっていることがあり、仲介で購入した場合の1年より、瑕疵担保の面では安心できるメリットがあります。

他にも、提携している金融機関で融資付けされている場合が多く、フルローンやオーバーローンが期待できることがあります。また、利益を上乗せして売られていても、仕入れの強い業者であれば「多少の利益が乗っても相場より安い」ことがあります。場合によっては割安で購入できるというメリットもあります。

1-4.なぜ三為業者の印象は悪いのか?

デメリットが大きいとは言え、利用次第ではメリットがあるにもかかわらず、世間一般の三為業者の印象は悪いと言えます。法的にも認められている三為業者ですが、それでも「三為業者=悪徳業者」というマイナスイメージがあるのには、ある事件が大きく関係しています。

不動産業界では有名な「かぼちゃの馬車」では、三為業者は融資付けを短い期間で行う必要があり、その為に高金利の金融機関を利用していました。

かぼちゃの馬車の問題でも明るみになった、高金利のスルガ銀行のスキームは、買主にとって無理な融資であることが明るみになり、三為業者=悪徳業者というイメージを定着させる要因になりました。
かぼちゃの馬車の手口と問題点

1-5.中間省略、新中間省略の違い

三為業者に大きく関わりのあるキーワードとして「中間省略」「新中間省略」という言葉があります。所有権を、三為業者が売主から買主へと業者を介さずに移転させるのが「中間省略登記」です。中間省略登記では、本来登録免許税が2回分必要になるところを、1回で済ませるメリットがありました。具体的なイメージは図のようになります。

中間省略登記の説明画像

売買の流れとしては

  • 1.甲が売主、乙が買い主として売買契約を結びます。代金は乙から甲に支払われます
  • 2.乙が売主、丙が買い主として売買契約を結びます。代金は丙から乙に支払われます

となります。本来であれば、甲から乙、乙から丙に所有権が移動することになりますが、乙の部分の登記を省略してしまうという手法が中間省略となります。

今はこの中間省略登記は法的に禁止されています。しかし「第三者のためにする契約」をすることで、本来登録免許税が2回かかるところを1回で済ませることが出来ます。これが「新中間省略登記」です。
新中間省略登記の説明画像
新中間省略では「第三者のためにする契約」を甲と乙で結び、第三者の丙に直接権利を取得させることをを内容とします。
具体的な手順は

  • 1.甲と乙の間で「乙が所有権の移転先を指定し、甲がその指定先に直接所有権を移転させる」という特約付きの売買契約を結びます。
  • 2.特約に従い、乙が丙を所有権の移転先に指定します。
  • 3.丙が甲に対して所有権の移転を受ける意思表示を行います。
  • 4.それぞれの売買代金を支払います。

1~4を行い、登記原因証明情報に記載を行うことによって甲と丙の所有権移転登記を行うことができます。
この仕組みを悪用して、不当な利益を上乗せする悪徳業者が多いことから三為業者の印象が悪く、注意喚起を促す動きへと繋がっています。

2.悪徳三為業者に騙されない為に知っておくべきポイント

悪徳三為業者に騙されない為に知っておくべきポイント

悪徳な三為業者に騙されないようにするためには、三為業者の仕組みを理解し、どんなケースがあるのか、どのように騙されるのかをよく理解しておくことが大切です。

2-1.三為業者がターゲットにしやすい人とは

三為業者のデメリットでもお伝えした通り、一番気をつけるべきことは「高額な物件を掴まされること」です。三為業者から購入してしまうことで、相場よりも高い値段で購入してしまうケースです。

これは特に不動産相場を良く知らない不動産投資初心者が狙われやすいと言われます。騙されない為には、相場観を養い、不当な利益が上乗せされていないかを判断できる目利き力を鍛えることも大切です。また、悪徳三為業者の特徴を知っておくことでも、未然にトラブルを防ぐことが出来ます。

2-2.悪徳三為業者の特徴

悪徳三為業者の特徴を知っておくことで、いざ三為業者に出くわした時「危険な業者」だと判断できるようになります。とは言え、買主にとってその物件が仲介なのか、転売なのかは見わけが付きにくく特に初心者だと判断が付きにくいことがあります。

例えば「謄本上の所有者と売主が異なるかどうか」を1つの判断基準にすることが出来ます。所有者と売主が異なる場合には三為の可能性は大きいと判断することで、見分けることが出来るからです。

他にも、かぼちゃの馬車の際にも三為業者の営業マンが使いがちだった「満室保証」や「修繕費は売り主負担」などのセリフが出てきた時は要注意です。今ではかなり減りましたが「買い急がせる業者」や「高金利の融資利用を勧める業者」も危険です。

こうした危険な業者の特徴を知っておくだけでも、騙されそうになるケースを回避することが出来ます。三為業者に限らず、インターネットで検索すれば業者の評判などを調べることが出来ます。どんな業者なのかを調べて、気になる評判や口コミがある業者は避けるようにすることが賢明です。

3.三為業者は全部悪い業者なのか?

三為業者は全部悪い業者なのか?

ここまでお読み頂くことでお分かり頂けたと思いますが、三為業者自体が全て悪いわけではありません。メリットがあることもお伝えしたように、不動産投資初心者なら三為業者を使うメリットもあります。

とは言え、安易に飛びつくのは危険です。なぜなら、三為業者の中には悪徳業者も多いことが理由です。三為自体は法律で認められている仕組みですが、それを悪用して「そこまでの価値がない物を高く売りつけてよう」と考える業者が問題なのです。騙されないようにするためには、そういう業者をしっかりと見極められるようになることが重要です。

大切なのは「三為業者=悪徳業者」と決めつけるのではなく、自分にとってメリットがあるのかを正しく判断できるようになることです。三為業者を利用することで割安に買えることもありますし、初心者で資金が少ない段階ではフルローン・オーバーローンを組めることは大きなメリットになります。

世間のイメージに乗って「三為業者=悪徳業者」と決めつけ、目の前のチャンスを逃してしまうことのないように、メリット・デメリットを含めしっかりと判断出来るようになることが大切です。

4.まとめ

  • 1.三為業者には多くのデメリットがあるが、メリットがあることも知っておきましょう。
  • 2.特徴、言いがちなセリフを知っておけば騙されるのを回避できます。
  • 3.全てが悪いわけでなく、利用したほうがいいケースがあることも覚えておきましょう。

三為の仕組み自体が悪いわけではなく、全ての三為業者が悪徳業者ではないことを知って頂けたと思います。場合によっては利用するメリットがあることを知っておくことはとても重要です。

とは言え、三為業者には儲けることしか考えていない悪徳業者が多いのも事実です。不動産投資は勉強して知識を付けることで、騙されるリスク下げることが出来ます。悪徳業者かどうかを自分自身で判断出来るように、仕組みや特徴などをしっかり理解しておくようにしましょう。そのためにも、正しい情報を仕入れ続け、知識を増やしていく習慣を持ちましょう。

三為業者はなにをする?活用するメリットと怪しい業者の3つの特徴
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